SSブログ

S4-24 19日目:廃墟の酒場を探索開始 [ソーサリー4:王たちの冠]

建物の扉に近づく。鍵は掛かっていないが、枠が歪んでしまい、わずかな隙間を残して開かなくなっている。
2階建ての高さがあり、タイルを並べた屋根は所々崩れている。正面扉は小さく、大きな瓶ガラスの間に設けられている。かつては間違いなく立派だったのだ。
金属製の金具が扉の上の壁から突き出ている。看板が掛けられていたのだろう。
扉の隙間から、埃っぽい暗がりを覗き見る。明らかに、長らく打ち捨てられたままだ。
隙間に指を差し込んで引っ張り開けようとするが、歪んだ枠とその下の地面の間でつかえてしまい、1インチたりとも動かない。
「SIX!」
魔法を紡ぎ出すと、5体の複製が君の背後から進み出て半円状に並んだ。
全員で隙間に指を入れて引っ張る。ガタピシと激しい音がして、扉がゆっくりと開いた。埃と淀んだ空気が建物の暗がりから漂い出る。
一人、また一人と、君の複製が消えていく。
曲がった扉の枠を越えて中に入る。テーブルがぽつぽつと置かれた大広間が見える。床板の間から草が突き出ている。屋根は隅の方で崩落し、折れた梁にはツタが絡みついて、長いカウンターまで垂れ下がっている。
カウンターに歩み寄るが、遥か昔に斧で割られた樽がただ並んでいる。それでも瓶の棚は無事のようだ。
ここは宿だったに違いない。しっかり踏み固められた道のそばにあることから、旅人がよく行き来していたのだろう。
だが、荒廃してから長い年月が経っている。テーブルの上に取っ手のとれたマグがある。
部屋を横切って、狭苦しい通路が通っている。
棚を見渡す。ほとんどの瓶はワインか異国のエールだが、一つだけ君の目を引くものがあった。火酒だ!
だが、瓶は他のものと同様、すっかり空だ。
部屋の隅とがれきの山にざっと目を走らせる。朽ちた紙片と2,3枚の硬貨が目に入る。
紙は年月を経て脆くなり、文字もかすれている。かろうじて2,3行だけが読めた。

 手招き亭にようこそ、魔法使い殿、ここは要塞までの最後の憩いの場所ですぞ。
 1杯のエールが付いた温かい食事が銅貨2枚、パンとチーズが銅貨1枚となります。

この値段が妥当だとは到底思えないが、君が通り道で見つけた灯台はもう廃墟と化したので、この場所を建て直せないのが残念だ。
次に、身体を屈めて硬貨を拾い上げ、つぶさに調べる。ひどく薄い銅貨だ。緑青が出ている。片面には、爪を突き出して捕食する鳥の簡素な絵が描かれ、もう片面には、いかめしい顔つきをしたワシ鼻の女性の横顔が刻まれている。
肖像画の縁に沿って文字が書かれているが、これは君には理解できない言語だ。単に古代のものだからだろうか?それとも遠くの地からもたらされたのだろうか?だが、これまでの旅の中で、こんな硬貨もこの女性の肖像画も見かけたことはなかった。


【変化点】
・+古代の銅貨

【感想】
古き良き時代には、なかなか快適な宿だったようです。
nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。