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S4-28 19日目:青年の幽霊現る [ソーサリー4:王たちの冠]

「君は誰のことを話しているんだ?」君が尋ねる。
「友達のフィルドリックよ。」彼女が言う。「彼ならどこかこの辺にいるわ。私よりもっと長く眠っているけど、心配しなくていいから。」
「地下倉庫で俺が見つけた腕は君のかい?」君が尋ねる。
少女はぎょっとしたようだ。「私はあんな所に埋められたの?酷いわ。火葬することもできたはずなのに。」
「君はどうして死んだんだ?」君が尋ねる。
「ああ、恐ろしくて二度とは口に出せないわ。」言葉とは裏腹に、彼女が明るく答える。
「フィルドリックも死んでいるのかい?」
「ええ、そうよ。すっかりね。私が死んだ後に彼も死んだのだと思う。」
「それはどのくらい前なんだ?」
彼女が鼻にしわを寄せる。「答えにくいわね。うんと昔よ。浮かれ騒ぐ人や旅人で宿が一杯だったのは覚えているけど、それは私が死んだ後だったかしら?そうだったかも。」
「あの覚え書きには、この場所には悪霊が憑りついているとあった。」彼女に伝える。
「あれは嘘よ、その部分以外はね。」少女が答える。「憑りついているのは本当。でも私達は恐怖の存在なんかじゃないわ。それでね…、一つお願いしてもいいかな?」彼女の耳からミミズが頭を出す。
「いいよ、」君が応じる。「叶えられないかもしれないけど。」
「まあいいわ。」真剣な表情で彼女が答える。「でも簡単なことなの。私はここに長い間閉じ込められてきたけど、あなたなら私を自由にできるはずよ。」

その時、宿のフロントから声が響き渡った。「そこで止めろ!」
2人目の幽霊が広間に入ってきた。彼は体格のいい青年だ-あるいは、だった。今やボロボロになったフード付きのローブが身体の輪郭にまとわりついている。腕の肌は、服の所々と同じように、擦り切れて下から白い骨が覗いている。
「立ち去れ、」彼が君に向かって叫ぶ。「二度と戻ってくるな!ここに留まると死を招くぞ!あの覚え書きを読まなかったのか?」
「くだらない、」少女が鋭く言い返す。「この人間なら私達を助けられるのに。自由になれるのよ!」
少女を無視して、フィルドリックが君を冷たくにらむ。「間違いを犯すな、ばか。今ここを立ち去るのが最善なんだ。」
「どうして俺を出ていかせたいんだ?」
「死者と生者は出会うべきじゃないからだ。」
少女がくぼんだ目をぎょろりと回す。「そうやって、人間を怖がらせて追い払ってばっかり!私は人間と話したいのに、あなたは彼らを追い出すんだから。」
「それは本当なのか?」
フィルドリックがうなずく。「そうだ、でもそれは彼女が助けを求めるのを止めるためだけだ!彼女はひどくここを出たがっているが、俺達はそんなことをしてはいけないんだ!」
「私達を助けてよ。」大きな眼窩を君に向けて、少女が懇願する。
フィルドリックが首を振る。「駄目だ、駄目だ。あんたはここを離れろ。俺達は死者だから、あんたは俺達を怖がるべきなんだ。」


【感想】
第2の幽霊が乱入。ここまでは一見お笑いのようですが…。
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