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S1-49 7日目:一路、カーレへ! [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

その晩はぐっすりと眠り、翌朝再び先を急ぐ。
旅立ちの前に、酋長が君に会いに来た。「我が親友よ、そなたは我々を救ってくれた。」彼は君に2つの贈り物をくれた。金貨10枚の入った袋‐このような場所では大金といえる報酬‐と鍵だ。「これはカーレの南門の鍵でな、役に立つよう祈っておるぞ。」
君は出発前に最後の取り引きをした。酋長に頼んで、君のエメラルドを12枚の金貨へ交換してもらったのだ。それから、貴重品を安全に持ち運ぶ方法として、金貨を服の胴部やブーツやベルトに分けて隠し持つ。
さあ、出発の時だ。

いとまを請い、トレパーニの村を出る。道はシャムタンティの丘を下り、稲の茂る棚田の間を抜けて続く。
歩きながら、君は初めて前途に寂しさを感じた。カーレはにぎやかだが残酷な街だし、カーレより先は危険な不毛の荒野があるだけなのだ。これからの日々、信頼できる人物はいないだろう。
ほんの短い時間だったが、君は道の上の丘に秘密の道をこっそりと進む人影を見たような気がした。黒づくめの人物だ。だが、目を日光から遮って再び見やった時、その姿はすでにかき消えていた。
遠くに大都市の壁が見えてくる。故郷を発ってから初めて目にする石造りの建築物だ…。


【変化点】
・金貨:12→22(報酬)→34(エメラルドを換金)

【感想】
こうして、無事にシャムタンティの丘を踏破することができました!原作よりも選択肢の自由度が高くなり、背景も上手く補強されたため、プレイしながら感心することしきりでした。
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もっとも、「原作が全てで唯一!」とか「この後付け設定は認められない!」とか、ともすると「今さら20年以上前のゲームブック?懐古主義も甚だしいわ!」という向きもおられるかもしれませんが、このアプリのディレクターのインタビュー記事を読めば、色々と気づかされることがあると思います。以下、ほんの一部をご紹介。
『インタビュアー:あなたはソーサリーの世界をデジタル時代の中に拡張して最新なものにしました。そして、シンプルでスムーズなインタフェースにすることで、1980年代後半にいなかった(=原作を知らない)人達も楽しめるようにしました。あなたはどうやって、大いにノスタルジックな感情を新鮮なものへと変えたのですか?
ディレクター:ノスタルジーは奇妙なものですよね。その感情によって、人は何かを始める前には愛着を抱くのに、それを始めた途端に嫌悪感を覚え、気に入らない点を探し始めるのです。私は、自分が10歳か11歳の時にこのシリーズの本を読んでどのように感じたかをとても強烈に記憶しています。でも、大人になった私があのシリーズを思い出して気づいたのは、あの頃に私がしたこと(=選んだ選択肢やたどったストーリー)以上に心象に残ったものはないということです。ですので、ゲームをデザインする過程で私が創り出したかったのは、あの本のありのままの姿よりも、むしろ私が覚えているあの本の感触のように感じた何かでした。スティーブはその方向性で本当に満足してくれました。彼は私達に、言葉や仕組みよりもソーサリーの精神に忠実であれと語ったのです。』
つまり、過去に囚われた人(←自分はこちら)でもナウでヤングな人でも、十分楽しめる作りとなっているわけです。これは、ディレクターに拍手でしょう!
ところで、「夢見るカボチャ計画」様がすでに言及されていますが、カクハバード(シャムタンティやバクランド)はネパールのある地域がモデルになっています。これなら、シャムタンティの丘に「stepped rice fields」があるのも納得。
例えば、「カナジー」様のホームページでは、ネパールの旅行記が紹介されており、地名の由来を知る上でとても参考になりました。「フィッシュテイルロッジ」なんてのもあるようです(笑)。
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