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ソーサリー4:王たちの冠 ブログトップ
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S4-祝 第4部クリア! [ソーサリー4:王たちの冠]

先日ついに第4部をクリアしたので、その記念にフライング記事を。
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↑王たちの冠をアナランドに持ち帰ることに成功!


【感想】
◎ 久しぶりに、あの先の見えない不安&選択肢の迷い&新事実への驚きを体感!ゲームをプレイするのとリプレイするのは全くの別物だと、改めて認識。

◎ これまでの伏線を見事に回収。ダドゥーリーのイベントと時間巻き戻しシステムにあんな繋がりがあったとは!

○ 対抗魔法やZEdがゲームに上手く取り込まれている。

○ 崖にあるバードマンのねぐらを漁っていきなりデッドエンドになった個人的トラウマなシーンが、ちゃんと攻略可能に。数十年前の借りを遂に果たす!

○ 原作でファーレン・ホワイデに騙された時の衝撃ほどではなかったものの、今回も巧妙な手口で主人公は罠にはめられます。試されているのは、やはりキャラクターではなくプレイヤーなんですねぇ。

○ マンパンの大魔法使いの背後に真の黒幕が?! ←まだ理解不足(翻訳的な意味で)

△ これまで以上に、原作のシーンがあちこちに散在。個人的には、原作における理不尽さの解消や背景の追加設定という点でこのアプリ版を大いに気に入っているものの、ここまで解体されると何だか違うゲームのような気がしてしまい、原作の独特な雰囲気(埃っぽさや不気味さ)が希薄になってしまったような気が…。


【独断と偏見と偏愛による総合評価】
第1部→◎:アリアンナにキス?!傑作決定!
第2部→◎:貴人やヴィックの権謀術数、張り巡らされた数々の罠。まさにシティアドベンチャー!
第3部→○:こんなにワープしたら、バクランドの荒漠感が薄れるやん…。ゲーム的には面白いけど。
第4部→○(暫定):まずは、ちゃんと完結させたinkle社に感謝!


【補足】
現時点ではまだ真のハッピーエンドには到達できていないので、チャレンジは今後も続きます。もちろんリプレイも。
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S4-1 第4部開始時データ [ソーサリー4:王たちの冠]

【プロローグ】
ここに一つの伝説がある…。

遥かな昔と言い伝えられた時代、古代世界は奔放に繁栄していた。カクハバード海からラムール湖まで広がり、収穫は実り多く、人々は幸せだった。

全てが平和だった…。マンパンの魔法使い達の技によって、雷鳴でさえ和らげられて穏やかだった。
そこからあらゆるものが変わった。ある一人の恐ろしい魔法使いが、塔の破壊的な光を用いて、都市をなぎ倒し、野を塵へと変えてしまった。

彼は嘆願を一切聞き入れることなく、村から村へ破壊を続けた。魔術師達は古代世界を守ろうと奮闘したものの、彼らの力は脆弱だった。
ついに最後の大魔法使いが、黒魔術を秘匿しようとマンパンの城壁を閉ざし、恐るべき7匹の大蛇を放った。

だが、7匹の大蛇は退治された。そして今君はここにいて、高地ザメンへと分け入る狭い山道を上っている。
バクランドを横断する旅の代償はすでに払った。今や、『アナルランド』がマンパンに迫りつつあるのだ。道を阻むものは何もない。冠は君のものになるだろう。

【体力】
・現在/最大:14/17

【貴重品】
・金貨(92枚)
・蛇の指輪

【食料】
・保存食(5食分)
・リンゴ(1食分)
・生魚(4食分、ただし調理が必要)

【信仰神】
・キツネ

【武器】
・アナランドの剣
・暗殺者の剣(+4)
・鎖帷子(+2)
・銀の剣(-3)
・頑丈な矢
・木こりの斧
・鋭い刃がついた投擲用の円盤
・銀の鎖

【魔法の品】
・魔法の呪文の書
・そっくりの魔法の呪文の書
・水晶の牙
・蜜蝋(2回分)
・スカルキャップ
・砂(3回分)
・鼻栓
・玉石(10個)
・ブリムベリーの搾り汁(1回分)
・竹笛
・ゴブリンの歯(3本)
・巨人の歯(1本)
・緑色のかつら
・骨の腕輪
・太陽石(3個)
・水晶の玉
・聖水(2本)
・緑色の金属の指輪
・真珠の指輪
・宝石をはめたメダル
・真鍮の振り子
・樫の木の杖
・角笛
・黄色い粉
・石の粉(2回分)
・金の装身具

【鍵】
・銅の鍵
・銀の鍵

【その他】
・アナランドからの連絡文書
・呼び子
・油の入った瓶
・ゴブリンの巻き物
・ロケット
・蛇の解毒剤
・火口箱
・危険探知の火
・2片のメモ(モウラスの破かれた覚え書き)
・謎の言語で書かれた巻物(フレイヤーの家で入手)
・第1貴人の肖像画
・第5貴人の肖像画
・第7貴人の肖像画
・縄梯子
・木の皮のエッセンス(2本)
・スナッタキャットの牙(1本)


【感想】
最後まで謎だったフラグがようやく判明したため、いよいよ再開します!攻略ルートも、何とか原作の面影を残せそうなものをチョイスしたつもりですが、果たして…。
S3-84でも述べましたが、導入部が映画みたいな語り口でナイス。
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S4-2 17日目:古代の山道を行く [ソーサリー4:王たちの冠]

太陽が傾き始め、空気が冷たくなってきた。長い歳月の中で摩耗し、ほとんど跡形がなくなった古代の階段を上る。
素早く後ろを振り返る。イルクララ湖の輝きがかろうじて見える。君があそこを越えてからずいぶん時間がたったような気がする。水の大蛇が顎を閉じる光景を思い出し身震いする。
背負い袋を開いて食料を確認する。満足してうなずく。6日分に足る食料がある。だがそれでも十分というわけではない。もし6日以内に冠が見つからなければ、食料不足が君の死因になるだろう。他に4日分の生魚も持っているが、料理方法が見つかって初めて食料の足しになるのだ。
遠くの方に、黒煙が立ち昇るのが見える。
暗殺者の剣を1インチだけ鞘から引き抜く。刃が日光にギラリと輝く。質の良い強力な武器だ。前途に待ち受けるどんな恐怖に対しても、十分に武装できている。
凍てつく空気の中、フードを引き上げ、弱々しい山間の日差しの中を進む。ここでぐずぐずしているわけにはいかないのだ。

上っていくにつれ、楽天的な考えが君の歩みを捗らせてくれた。バクランドは呪われた地だったが、結局のところ、君はうまくやりおおせた。君の存在はまだ大魔法使いに知られていない可能性があるのだ。
顔を上げて進み続ける。

前方の地平線に太陽が沈み始めた。両側にはザンズヌ連峰が、ギザギザの顎のようにそびえている。道は行きつ戻りつしながら曲がり、マンパンの陰惨な姿がチラリと目に入っては消える。
十分な光があるうちに進むべきだろう。
連峰を巡回する恐るべきバードマン‐大魔法使いの目と耳‐の気配に注意を払いながら、空を見上げる。

道の両側に、こんもりした下生えがせり出している。前方では階段が曲がり、先が見えなくなっている。次の角の辺りに何があるのか、さっぱり分からない。

どこまでも続くような階段を上り続ける。
夕闇が深まるにつれ、風が出てきた。まもなく夜になるだろう。

階段の天辺に着いた。角を曲がると、そこには3つの洞窟が岩にぽっかりと口を開けていた。
洞窟を興味深く注視する。真ん中の洞窟は入り口が最も小さく、おそらく窪みといった程度だろう。一番手前のものは、火を焚くのに十分な大きさがあるが、不愉快な驚異に出くわしうる深さでもある。一番遠くの洞窟には、足跡が点々と続いている。
足跡に近づいて眺める。大柄な生き物と思われる深い跡がついているが、もはや新しいものではない。少なくとも2,3日前だ。洞窟から出てきた形跡がないことも分かる。
「POp!」
持っている玉石に呪文を掛け、手前の洞窟に投げ込む。とてつもない爆発が起き、君は後ろ向きに地面へ打倒されてしまう。
入り口から黒煙が漂い出る。マンパンから見えないことを祈るのみだが、少なくとも、これで洞窟の一つは安全になったわけだ。


【変化点】
・-玉石(1個)

【感想】
原作では、迫りつつある嵐から逃れるために洞窟を選択したのですが、アプリ版では特に嵐は迫っておらず、素通りすることすらできます。嵐をよそに洞窟で一夜を明かしたり、中で謎の小瓶を見つけたりする描写が気に入っていたので、ここの変更は少し残念なところです。
とはいうものの、さすがはアプリ版。洞窟に入る前に呪文が使えるようになり、例えば今回のように爆破すらできてしまいます。これであの臭い獣と戦わずに済むわけです。汚物は消毒だ~!![爆弾]
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S4-3 17日目:洞窟を順番に探索 [ソーサリー4:王たちの冠]

手前の洞窟の入り口に近づき、中を覗く。奥深くまで続いているようだ。
立ち止まって臭いをかぐ。中からかすかに悪臭がする。
もう2,3歩進む。洞窟の内部はすぐに広くなっていた。目が暗闇に慣れるまで、その場で辺りを見回す。
奥を素早く探るが、驚くようなものは何も見つからない。
火口箱を取り出し、貴人の肖像画の角に火を着ける。まるで辺りの空気が油であるかのように、絵が炎に包まれる。
火明かりの中、影が躍る洞窟の壁を調べる。そこには深い引っかき傷があった。間違いなく、ここは野獣の住処だったのだ。
炎を上げる絵を引っかき傷に近づける。だが、それは書き付けではなく、単なる野獣の爪痕に過ぎなかった。

引き返して、まだ明るい尾根に戻る。パチパチ音を立てて絵は燃え尽き、後には灰だけが残った。
太陽が沈んでいき、空が青黒い紫色へと変わっていく。まもなく暗くなるだろう。
道は他の洞窟の前を通り過ぎて続いている。

真ん中の一番小さい洞窟に近づき、ひざまずいて中を覗く。腹ばいになれば入れそうだが、かなり狭苦しい。
「YAP!」
背負い袋からかつらを引っ張り出し、頭において呪文を唱える。洞窟の中に生き物がいれば、そいつの言葉が理解できるはずだ。
君の目が内部の暗闇に慣れてくると、入り口の向こうが少し開けているのが見て取れた。
入り口で言葉にならない挨拶を呼び掛ける。こだまを聞きながら、君が邪魔したかもしれない生き物の反応に備える。
奇妙なうなり声が聞こえてきた。かつらのおかげで、その音はたちまち言葉に翻訳された。「ここは俺様の場所だ、入ってくるな!」
「お前は何者だ?」君が訪ねる。
「お前が今まで見た中で一番大きい蛇を想像してみな、」声が答える。「そういう感じだ。」
「残念だが、この呪文では大蛇と会話できないんだ。」そいつに言ってやる。「だから、お前は大蛇じゃないな。」
「そうかい、」そいつが答える。「それでも中に入ってこない方がいいぞ。」
「マンパンについて何か知ってるか?」
「マンパンだって?」声が答える。「俺は奴も食ってやった、だから引き返せ!」
やがて呪文が消えた。
近くに石ころを見つけ、洞窟の中に投げ込む。最初は何も起こらなかったが、しばらくして中から甲高い金切り声が発せられた。
もう一度脅し文句を投げ掛け、何かが躍り出てくるのを期待しながら待ち受ける。
だが、依然として何も出てこない。
勇気を出して、洞窟の奥へ這って進むことにする。

洞窟の入り口をかろうじてくぐり抜けた時、再び唸り声がした。今度は手が届くほどすぐ近くからだ。
別の貴人の肖像画を引っ張り出して、角に火口箱で火を着ける。燃える絵が灯す明かりの中、君は何も見つけられなかった。顎からよだれを垂らした汚らしい獣が、君を待ち受けていたわけではなかったのだ。どうやら君は一人きりのようだ。
その時、小さな生き物が君の足元をかすめて通り抜けた。
こいつはジブジブだ。体が大きくなり過ぎたただのネズミと同様、何の害もない。毛皮に覆われ、ボンバの実ほどの大きさしかない。アヒルのような2本の足で立ち、身体のほとんどが肺で占められている。これでまるで角笛のような騒々しい吠え声を上げるのだ。
ジブジブに向かって燃え盛る絵を振ると、そいつは不満げに飛んだり跳ねたりした。
奴を無視する。そいつはもう2,3回吠えていたが、君が恐れていないと気付き、やがて洞窟から走り出ていった。
洞窟の中はもはや空っぽだ。絵が燃え尽きて火が消える。ここは湿っぽくないし、夜寝るに当たって身を守るのに適した場所ではある。だが、寝るにはまだ早すぎる時刻だ。
再び尾根に戻る。太陽が沈んでいく。


【変化点】
・-第5貴人の肖像画
・-第7貴人の肖像画

【感想】
前回のスカンクベアの洞窟に引き続き、今度はあの小生意気なジブジブとのご対面。ここでも、アプリ版が気の利いた選択肢を用意してくれました。
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S4-4 17日目:洞窟の亡骸、吊り橋の異変 [ソーサリー4:王たちの冠]

北の端に位置する洞窟に向かう。入り口に、やや古い蹄の跡がいくつかある。中は深そうだが、いたって無人のように見える。どんな獣がこの足跡を付けたにせよ、そいつは別の道を行ったか、最も奥に隠れているかのどちらかだろう。
洞窟の入り口に歩み寄る。だが、すぐに君は立ち止った。入り口のすぐ内側の岩に座った人影が目に入ったのだ!
陰に隠れているが、裸の人間のような姿をしている。君の方に向けられた背中には、長いたてがみが垂れ下がっている。君はその人影が振り向かないうちに忍び寄っている格好になった。
「そこにいるのは誰だ?」君が声を掛ける。だが、その人影には何の反応もない。
手を伸ばしてそいつの肩に手を置く。すると、その身体はぐらつき、岩から床へと倒れ込んでしまった!
その人物を見下ろす。胴体は人間の女性だが、脚は毛深く蹄がある。顔は人間とヤギの合いの子で、2本の短い角が額から生えている。
そして、彼女は明らかに死んでいる。埋葬することを除けば、してやれることは何もない。
注意を広い洞窟の中に向ける。特に変わったところはない。
外に出ることにする。

道まで戻ってきた。太陽はほぼ沈み、空は深いピンク色だ。もうすぐ暗くなりそうだ。
「HOT!」
星に目をやりながら、魔法を創り上げる。君の手のひらに火の玉が渦巻く。
今出てきた洞窟に火球を打ち込む。耳障りな爆発音がして、煙が漂い出る。
さあ、旅を続ける頃合いだ。

洞窟を後にする。階段は広くなり、深い渓谷の縁に沿って続く道へと変わっている。少し向こうには渓谷に突き出た岩があり、その上に2本の棒が両側に立ち、狭くてかなり古い木の橋が結わえられている。
橋は少なくとも百年は昔のものに違いない。崖の下でよく見えないものの、深く埋め込まれた梁で支えられている。まだしっかりしているように見える。
目を上げて渓谷の向こう側を眺める。こちら側より高い山がそそり立っている。頂上付近の割れ目が細い道に交わり、山頂には大きな鳥の巣らしきものが見える。
こちら側の道の先には、先ほど洞窟の外で見かけたものによく似た蹄の跡が見える。蹄の列は橋を避けて通り過ぎている。
もし橋が安全なら、要塞への近道になるだろう。

細い木の橋のたもとまで進む。かなりの長さだ。少なくとも、カーレのジャバジ河の2倍くらいはある。だが、踏板は無傷のままで揺れも少ないし、旅の中で出くわした奇妙な橋の番人ヴァンカスの気配もない。
支え綱をグイっと引っ張る。橋が垂れ下がっている分だけそれなりの遊びがあるが、緩くはない。向こう側にしっかりと繋がれているに違いない。
次に、踏板を足で強く踏み付ける。堅さが伝わってくる。ロープと同じくらい信用できそうだ。だが、他の全ての板がそうであるかは分からない。
できるだけのことは試した。

指の関節が白くなるほどロープを握り締めながら、橋の上をゆっくりとした歩調で進む。ロープがピンと張るにつれ、踏み出した時の下への動きも大きくなり、前に進むのに大変な勇気が必要になる。
立ち止まってロープの端から下を見る。
すぐに後悔する羽目になった。スナッタの森を横断する橋ほど高くはないが、あれは擦り減った2本の綱で吊られていたわけでなかった。こちらの方がどう考えても不安だ。
君の体重でロープがきしんでうなる。左手のロープを強く引っ張る。ピンと張りつめている。
ここに立ち尽くすのは最悪の選択だが、渡り切ろうとするなら勇気を奮い起こさねばならない。

1枚ずつ床板を踏みしめて進み続ける。
その時、何の前触れもなく、左手のロープがほつれてプツンと千切れた!板が前後左右に激しく揺れる。
右手のロープはまだ持ちこたえている‐今のところは、だが。


【変化点】
・現在/最大体力:14/17→11/17(魔法)

【感想】
火葬代わりに火の玉を打ち込む主人公。一見非情に見えますが、後になってこれが正解だったと判明します。
次に洞窟群に別れを告げ、吊り橋に挑みます。なお、これはコレタスの橋ではありません。絶妙に細工されていたのか、渡る前に試した時は問題なかったのに、いざ渡り始めてから崩壊の危機。まあ、ゲームあるあるですね。
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S4-5 17日目:崩落した橋からの生還、闇夜にフランカー [ソーサリー4:王たちの冠]

思わず立ちすくむ。橋はゆっくりと左右に揺れている。切れた綱のほつれた端部が片側にはじけ、それから向こうに飛んでいく。
できるのは走ることだけだ。
踵を返して走ると、その弾みでロープは完全に切れてしまった。
踏板がひっくり返った瞬間、君は左腕をロープに絡ませ、そして落ちていった…。

落ちながらも登っていく。しばらくして、分断された橋の半分が、君もろとも岩壁にぶつかった。衝撃でロープを掴む手が緩んでしまう。
もう一度ロープの端を掴むものの、再び崖の岩壁に身体をぶつける羽目になる。
息を整えるために少し間を置く。ロープが1インチほど滑る。

登攀は非常な努力を要した-が、ありがたいことに、岩壁はゴツゴツして、いい足掛かりを与えてくれた。半ば登り、半ば歩きながら、崖の上を目指す。

君が身体を引き上げた時、ついに支柱が倒れ、橋は峡谷へと崩壊していった!橋桁や木片が数秒間宙を舞った後、眼下の霧の中へ見えなくなる。

道に沿って歩き続け、しばらくしてから一息つく。
夜の帳が下りた。どこか安全に眠れる場所を見つけるべきだ。もし夜通し歩き続けたなら、体力が落ちてしまうだろう。空腹なら尚更だ。だが、この丘は丸見えなので休めそうもない。
峡谷の崖っぷちに岩が一つ突き出ている。
峡谷の北側は急ではあるが、ありえないというほどではない。目の届く範囲でも、切り立った急斜面が眼下の草地に向かってなだらかになっているのが見える。
突き出た岩はまるで鉤爪のようだ。奈落の縁に頭を突き出し、斜面を見下ろす形になっている。向こう側の面は鮮やかな緑色の苔が厚く覆っている。
手のひらいっぱいに苔を掴む。みずみずしくて新鮮だ。
恐る恐る味わってみる。爽やかで独特の風味がある。
もっと口に放り込んで汁をすすると、君の身体は癒されるような暖かさで満たされた。

道は岩だらけの大地を横切って緩やかに上っている。
ここはほぼ峠の頂上で、どちら側にも急な斜面が切り立っている。ここなら静かに休めそうだ。
横になれそうな張り出した岩を見つける。
今はもう空腹ではない。もっと食べればさらに体力がつくだろうが、飢えているわけではない。
目を閉じて、疲労が身体を覆うのに任せる。

真夜中にハッと目を覚ます。黒い人影が君に忍び寄ってくるのが目に入る。
「誰だ?」
不満そうにも満足そうにも聞こえる声がした。「今なら俺の足音が分かるだろう、アナランド人。」
人影は君のそばに座った。彼が君のそばに来れるよう、場所を空けてやる。
「寒い夜だ、ここは悪の影に覆われているからな。」声が続ける。
「俺は怖くなどない。」君が言う。
「俺は恐れというものを知らぬ。」フランカーが応じる。「俺は生きながらにして死んだ人間だ。暗殺者には慈悲を施されることは許されていない。それでもなお、俺はここにいる。」
「俺を闇討ちするつもりか?」
「そんなことは決してしない。」ほんの少しの間、彼が君の肩に手を置く。「もしあんたを殺すなら、目を覚ます前にそうしていた。さあ、休もう。」

そうして夜は過ぎていった。
だが、翌朝には彼はいなくなっているであろうことも、君には分かっていた。


【変化点】
・現在/最大体力:11/17→8/17(岩壁に衝突)→12/17(苔)


【感想】
橋を渡る際に精霊に祈るなどすれば無事に渡り切ることもできるのですが、いつものように(笑)、主人公には紆余曲折を味わってもらいます。
そして、フランカーがまたもや登場!まさかの皆勤賞。ここでは主人公の性別を問わず、ラブロマンス的な選択肢も出てきます。が、このブログは硬派路線ですので。
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S4-6 18日目:崖の小道でコレタスの書き置きを発見 [ソーサリー4:王たちの冠]

朝起きて、眠いままもう一度辺りを見回す。近くの焚火跡にある石に、奇妙な引っかき傷を幾つか見つけた。爪のある生き物が付けたのだろうか?
ちょうどその時、マンパンの塔そのものがもろに君の目に留まった。他の屋根や小塔がひしめく中から、挑戦的に抜きん出ている。
ここからでは詳細は不明だが、窓ガラスでチラチラ明滅する光が見えているのではないだろうか?中で大魔法使いが椅子に座って見つめ返しているような気がしてならない。
不吉な塔が目を反らさせようとしてくるが、それを断固として拒絶する。君は茶色がかった灰色の山腹にある、同じ色のしみに過ぎない。誰も君を見つけられるはずがないのだ。
2,3分後、バードマンの3人組が爪に何かを掴んで小塔から運び出すのが見えた。連中の姿が要塞の下層に消えていき、君は目を反らした。

再び、今いる場所に注意を向ける。小さな岩や塵が散在している。隅に、氷のように冷たくなった古い焚火跡が残されている。
背負い袋から矢を取り出して、焚火跡をつついてみる。だが、興味深そうなものは何も出てこない。誰かが何年も前に火を焚いたのだろうが、風で飛ばされなかった炭が2,3個あるのみだ。
引っかき傷は、4つの改行と明瞭な『M』の文字がむき出しの岩の表面に刻まれていなければ、よくある岩の摩滅と見間違えただろう。
だが、残りの文字はすり減るか泥に埋もれるかしており、岩に指を走らせれば文字があることは分かるものの、読めなくなっている。
アナランドからの伝言の紙を使い、古い焚火跡から炭を拾い上げて岩の表面をこする。
やがて、文章が判読できるまでになった。
  『この忠告を心に留めよ!
   マンパンが…呪い…
   わし、コレタスはかつてそこに赴き…
   …うめきの橋…
   …おぬし自身の魂を大事にせよ…』
コレタスの名前は、以前バクランドを旅した際に聞いたことがある。君は正しい道をたどっているに違いない。コレタスはうめきの橋の番人なのだ!
旅を続けようと立ち上がる。道が手招きしている。

切り立った岩壁が君の右手に伸び、一方左手は奈落へ向かう急斜面だ。くねくね曲がる道に沿って進む。この場所には一向に晴れない陰気さがある。2,3羽の鳥が物悲しげに鳴いている。道が急に狭まるたびに、君は壁にぴったりと張り付かねばならなかった。
角を曲がってから、突き出た崖の所で少し立ち止まる。道はぬかるみに変わり、蹄の跡が付いている。
足跡は、以前君が洞窟の外で見かけたものとそっくりだ。ここに山羊人間がもっといるのだろうか?

坂道を上り続ける。背負い袋の下が汗ばんでくる。
曲がり角に差し掛かったところで、砂利のようなザラザラした声がした。「止まれ!」
見上げると、半ば人間で半ば山羊の姿をした2人の人物がいた。洞窟にいた者と同じように、胴体は逞しい人間のものだが、それを支えるのは毛深い山羊の脚だ。短くて太い角が額から突き出ている。
その2人の女は槍を構えて、君の手の届かない頭上の岩の端に立っている。


【手掛かり】
・コレタスとうめきの橋:君は、隠者コレタスが守護するうめきの橋を渡るマンパンへの道を教えてもらった。

【感想】
マンパン要塞とコレタスのうめきの橋がチラチラ登場、否が応にも期待が高まります。
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↑現時点では、大魔法使いはまだ主人公に気づいていない模様。
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S4-7 18日目:フーフボーンの村へ招待される [ソーサリー4:王たちの冠]

「ここに何の用だい?」一人が詰問する。
「あんた達の仲間の一人を見かけたぞ。」君が答える。
一人が槍を下ろす。「どこで?」
「洞窟だ。」
「どんな様子だった?」彼女が尋ねる。関心があるのは明白だ。
「死んでいた。」
彼女がため息をつく。「思った通りか。」
「あんたはシヒンブリを見つけたんだ。彼女は2,3日前に姿を消した。酷い病気を患っててね、他の者が感染しないよう立ち去ったんだろう。彼女の末路を聞くのは辛いけど、その犠牲的行為を教えてくれたことは嬉しく思うよ。」
「あれこれ詮索するようで悪いけど、」2人目の山羊女が言う。「あんたはどこから旅してきたんだい?」
答えるのに少し時間を掛ける。この連中は大魔法使いの手下なのだろうか?それとも彼に敵対しているのだろうか?
「俺はアナランドから来た。そしてマンパンに向かっている。」君が宣言する。誰の耳に入っても恐れるものか。
「マンパンだって?」彼女がささやく。「あそこは呪われた地だよ!何が目的なのさ?」
「王たちの冠を取り戻すんだ。」
彼女が君を見つめる。「あんたは大魔法使いに刃向かうつもりかい?」
「必要ならな。」君が答える。
そいつは槍を下ろすと、驚嘆して深い息を吐いた。「あんたみたいに親切な-あるいは愚かな-旅人はここらじゃありがたい人種だよ。あたし達の内の誰も外の世界を見たことがなくてね。この世に善があると期待するつもりもないし。」
「大魔法使いに苦しめられているのか?」
もう一人がうなずく。「どうか、一緒に来ておくれ。シフーリがあんたのことを聞きたがるだろう。」
フーフボーンは踵を返すと、斜面の道を登り始めた。「その気があるなら、あんたをあたし達の村に連れていってあげるよ。」
「シフーリとは?」君が尋ねる。
「あたし達の指導者さ。一番の賢者なんだ。来るかい?」
「そんな道は登れそうもない。」君が答える。
「秘密の道があるんだ。来なよ。」
「じゃあ道案内してくれ。」
2人のフーフボーンは槍を担ぐと、君を道の片側にある岩層の露出部分に手招きした。そして、その裏にほとんど隠れている狭い道を登り始めた。

風が微かにそよぐ。まだ冷たいが少なくとも新鮮ではある。
20分ほど登った後、フーフボーンは立ち止って、君に息を整えさせてくれた。彼女達は岩場の道では驚くほど身軽い。小さい蹄を使って狭い岩棚にひょいと脚を掛けている。さらに先に進むと、彼女達は君が不安定な張り出しによじ登るのを手伝ってくれさえした。

そしてついに君達は、小屋が幾つかの洞窟を囲んで建っている集落にたどり着いた。
案内役に続いて村に向かう。岩層の上に、2人のフーフボーンの番人が立っているのがちらっと見える。槍と投石の備えをしている。この種族は、自分達の守りを真剣に固めているのだろう。
「さあ、シフーリに会おう。」案内役の一人が君に告げる。「彼女はあたし達の仲間の最期を聞きたがるはずだよ。」
「分かった、彼女に話そう。」君が答えると、案内役がうなずく。


【感想】
彼女達の種族名は、アプリ版では、シーサチュロス(She-Satyrs)ではなく、フーフボーン(Hoofborns)と書かれていました。が、ここではなじみのあるシーサチュロスとしました。
と思ったものの、読み進めていくと、女性だけでなく男性もいることが判明!というわけで、やはりフーフボーンとします。
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S4-8 18日目:指導者シフーリと面会 [ソーサリー4:王たちの冠]

村に入ると、君の案内役達は無口になった。よく手入れされた小屋も2つ3つあるが、フーフボーンの多くが岩壁の穴に住んでいるのは明らかだ。
外から見た感じでは、洞窟は清潔で広い様子だ。山腹全体は穴だらけになっているに違いない。
驚くほどたくさんのフーフボーン達が出てきて、口を開けて君を見つめている。ゆったりした衣服をまとった、一人の年かさのフーフボーンが洞窟から進み出た。
君の案内役の一人が両腕をまっすぐ広げる。「シフーリ、」彼女が言う。「シフーリ、お客を連れて参りました。」
シフーリは案内役と同じように、君に向かって両腕を伸ばした。「ようこそ、」彼女が告げる。「我々が客をもてなすことはあまりないんだよ。」
君も同じ身振りをすると、シフーリはそれに満足した。「我らの習慣に敬意を払うとは見上げたもんだ。」
「俺はあんた方の村人の一人を洞窟で見つけたんだ。」死んだフーフボーンの少女を発見したことを順序立てて語る。
「やっぱりそうかい。それはシヒンブリだよ。可哀そうな子。彼女は酷い病を患ってしまって、村に迷惑を掛けるくらいならと、夜の間に抜け出したんだ。死に場所を求めて斜面を下っていく彼女を歩哨が見ている。」
「どんな病に?」君が尋ねる。
「震え病といってね、執念深い幽霊のように山々にはびこり、我らの種族を苦しめる病さ。」彼女は山羊のような霞んだ瞳で君を見上げた。「彼女の亡骸をどうした?」
「火葬した。」君が告げる。
「それは賢明だった、」シフーリが答える。「震え病は感染力が凄まじいから。」
彼女が君の案内役の方を見た。「このご仁はどこから来なさった?」
「アナランドからと。」案内役が答える。「使命の最中だと言っています。」
「そうなのかい?」シフーリが尋ねる。
「ああ。」
彼女の眼が大きく開かれる。「旅の目的は言わずともよいが、これだけは知りたいね。それは大魔法使いを苦しめるのかい?」
「大いに。」
「お見事!」彼女が答える。「でも、マンパンでは注意おし。あそこは混沌とした残酷な場所だよ。大魔法使いはあそこを完全に支配しているけど、いつも押さえつけているわけじゃないから、些細な犯罪や厄介ごとは見逃されている。でもお客人、あんたは別さ。奴にはザメン中にスパイがいるんだ。そちらが向かってきていることは先刻承知だろう。」
「俺は奴の大蛇どもを始末した。」
「そうなのかい?それなら上手くいくかもしれないね。」
「村に入ってもいいだろうか?」
フーフボーンの指導者が駈歩で後ろに下がり、頭をひょいとかがめる。「食べて休んで、ゆっくりしてお行き。その気があるなら、交易にも応じるよ。」

村の中心部に入る。見物していたフーフボーン達は、ある者は洞窟に、またある者は火の回りに集まるなど、自分の集団に戻っていき、次第に散らばっていった。


【感想】
原作でも登場した、フーフボーンの女長老シフーリとの会話。ここと、この後の会話で彼女に良い印象を持ってもらいつつ、失礼のないように振る舞えば、別れ際に樫の木の槍をタダで譲ってもらえます。
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S4-9 18日目:フーフボーンの村人と交流 [ソーサリー4:王たちの冠]

焚火に近づいて、フーフボーン達と一緒に座る。彼らはオレンジと焦げた木の香りがする肉を分け合っている。
君は持ち運んでいた生魚の包みを解くと、火にくべて焼いた。いい匂いで空っぽの腹がぐうぐう鳴る。だが、焼き魚は日持ちするから、今は取っておくことにする。
次に君は、席を詰めて彼らの肉を分けてもらった。肉は脂が滴る大きな塊で、オレンジの香りがする甘い照りがかけられている。小さな穀物の入った器に入れられたそれは、とても食べ応えがあった。
火が穏やかにくすぶる。
フーフボーン達は外界の存在に有頂天で、君の冒険談をしきりに聞きたがった。盲目の貴人ズィーターの薄暗い廃墟や、評議会のいかめしい会議室について話すと、彼らは熱心な顔つきで君を囲んだ。
広漠とした旅の物語も話してやる。イルクララ湖と、そこでの恐るべき水の大蛇との戦い等々…。
彼らは明らかに君の話の半分は信じていないようだったが、それにもかかわらず冒険談を楽しんでいた。君が話を終えると、彼らは物欲しそうに山の向こうを眺めた。
「大魔法使いについて何か教えてくれないか?」君が尋ねる。
山羊人間の一人が肩をすくめ、別の一人が笑う。「奇妙な噂がマンパンから流れてきたよ、旅の人。実に奇妙な噂がね。」
「教えてくれ。」
「マンパンは衛兵どもが切り盛りしてるって、商人や貿易業者が吹聴してるんだ。大魔法使いは姿を全く見せない、と。」
「連中は何故だと言っている?」
山羊人間がもう一度肩をすくめる。「奴はもう死んでいるんじゃないかって。もしまだ生きているなら、1000歳は超えてることになるらしい。でも誰に分かる?奴がマンパンの外に出たことがないことだけは確かだろうけど。」
彼らに言えるのはそれで全部だった。
君は再び立ち上がり、村を見回した。村は狭い。住民は100人もいないだろう。


【変化点】
・現在/最大体力:12/17→14/17(食事)
・食料:6→10(焼き魚)

【手掛かり】
・大魔法使いは死んでいるかもしれない:大魔法使いは死んで久しいという噂がある。

【感想】
生魚を何日も持ち歩いて、焼いた後もまたテイクアウトOKという、ゲームならではの食料錬金術。賞味期限切れの鮮魚を調理して復活させるスーパーの闇事例に近いものを感じます。
それにしても、『原始肉のオレンジグレーズ 雑穀を添えて』が旨そう。
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S4-10 18日目:シフーリの心遣い [ソーサリー4:王たちの冠]

大きめの小屋の外に座っているシフーリに近づき、お辞儀をする。
「ようこそ。」彼女が言う。「くつろいで過ごしておくれ。」
「ここでどうやって生き抜いているんだ?」君が尋ねる。「あそこから少し離れているだけのこの地で。」
シフーリが肩をすくめる。「これが我々の持つ全て、ささやかな帝国なんだ。」彼女が遠くに目をはせる。
君は初めて、彼女の眼が霞んでよく見えないことを悟った。「目が見えないのか?」
「まだ見えるけど、」シフーリが答える。「年々見えづらくなってきてね。我々は皆創り出された生物だけど、生き続けるようにはできていないのさ。」
「マンパンに行ったことがあるのか?」
シフーリが不愉快そうに蹄をもぞもぞと動かす。「かつてはマンパンにいたよ。少なくとも我々のうちの何人かは。そこから脱出したんだ。」
「それなら、砦に入る方法を知っているんだな?」
「お前さん向けじゃないね。」彼女が首を振る。「壁の崩落した部分を登って、自由への道を這い降りたんだ。我々の種族には一番頼りになる蹄が備わってるけど、それでも何人かは転落して命を落としたんだから。」
「あんた達は大魔法使いの囚人だったのか?」
「そんな類だね。」
「でも今は自由なんだろう?」
「今まで大魔法使いが気づかなかったか、それとも気にも留めていないのか。いずれにしても、束の間の平安だよ。」
フーフボーンの秘密が何であれ、彼女がそのことを話したくないのは見て取れる。そこで、君はその話題から離れることにした。
「バードマンについて何か教えてもらえないか?」君が尋ねる。
「残忍な生き物だけど、少しは望みがあると思う。」彼女が答える。「連中は強いよ、いずれは大魔法使いの支配力から逃れるほどにね。」
君はうなずくと、背を向けてその場を後にした。
「最後に一つ、」君が歩み去る前に、彼女が声を掛けてくる。「もし大魔法使いを見つけたなら…、」
「伝言があるのかい?」
「そんなところさ、」彼女が告げる。「…躊躇なく殺しな。」
そう言うと彼女は、答えを求めて遠くの地平線の方へ視線をさまよわせた。

一人の痩せたフーフボーンが岩壁にもたれて立っている。彼のそばには、2,3個の壊れた荷造り用のかごが置かれ、中にはガラクタが入っている。
君が近づいていくと、彼は片手を上げて挨拶してきた。
「ごきげんよう。」
商人がうなずく。「これが俺達の商品だ。」彼が言う。「少ないと思うかもしれないけど、何個かは興味を持ってもらえるんじゃないかな。」
広場の向こうからシフーリの声がした。「このご仁は公正に扱うんだよ、ラハン!我らの種族にとっての友人なんだからね!」
商人がうなずく。


【変化点】
・精霊:キツネ→ゴリラ

【感想】
ここで彼女に根掘り葉掘り質問して、フーフボーンが大魔法使いの実験の産物だったことまで聞き出してしまうと、彼女の心証を悪くしてしまいます。一方、心証が良ければ、シフーリが商人に声を掛けたタイミングで、精霊が変わるようです。
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S4-11 18日目:ザメン高地の珍品を購入 [ソーサリー4:王たちの冠]

「いつもは誰と取引を?」君がやや戸惑いながら尋ねる。
その貧しそうな生き物が微かに肩をすくめる。「あんたが初めての客なんだよ。」そいつが告げる。「でもいつの日か、俺は本当の交易所を開きたいんだ。」
かごの中を覗き込む。この生き物は奇妙な取り合わせの商品を揃えている。あるものは高い価値がありそうだが、その他は値打ちのないものばかりだ。ほとんど商店の猿真似といった感じだ。
かごには殴り書きでラベルが貼られている。安物のかごの最初の商品には金貨6枚、次のものには金貨12枚とある。高価な商品のかごは空っぽだが、そばに1本の槍が立て掛けられている。
安い方のかごに入っているガラクタを掘り返し、うさん臭いガラス瓶を取り出す。中身は透明な液体だ。
栓を取ろうとすると、フーフボーンに止められた。「それは火酒なんだ、」彼が言う。「空気にさらすとあっという間に蒸発してしまうから、飲むなら買ってからにしてくれ。」
年代物のコルク栓がまだしっかりしていることを確かめてから、火酒を背負い袋に加え、金貨を6枚手渡す。
かごに残った商品を眺める。
オレンジ色の埃がかごの隅っこに溜まっている。君が尋ねると、フーフボーンはそれが売り物だと請け合った。「細かい琥珀の粉さ、」彼が言い張る。「鉄さびより上質なんだ。もしそれをどう扱うのか知っているなら尚更ね。」
「で、その方法とは?」
彼が肩をすくめて答える。「俺は魔法使いじゃない。」
オレンジ色の石の粉を小袋に注意深く注いでから、商人に支払う。
残りの商品を眺めるが、君の興味を引くものはかごの中には何もなかった。
槍を手に取ると、商人がうなずいた。「それは祝福を受けた堅木の槍でね、」彼が言う。「ほぼ壊れないといっていい。それに実際のところ、うんと値が張る。」
「幾らなんだ?」君が尋ねる。
「金貨70枚。」商人が答える。
「それは法外じゃないか!」君が断言すると、相手は肩をすくめた。
「ぼったくりはこんなもんじゃ済まないよ。でも気にしないでくれ。買ってくれなくて結構。」
「これでもう十分だ。」商人に礼を言って立ち去る。

若者達が泥の中で遊んでいる。彼らは年長者よりも毛深い。4本の脚を全て使っている者もいる。
彼らはこれから人間らしくなるのだろうか?それとも大魔法使いの仕業で、若い頃は単に山羊により近いだけなのだろうか?


【変化点】
・金貨:92→74(買い物)
・+火酒
・+オレンジ色の岩の粉

【感想】
ここでついに火酒が登場。何だったら、第2部のドワーフ地区の店で出してくれればいいのに。
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S4-12 18日目:フーフボーンの行く末 [ソーサリー4:王たちの冠]

村の北面に見張り台がある。そこからは、眼下の谷を見渡せる壮大な眺めが広がっている。
北の渓谷の向こうの山頂でバードマンが弧を描いて飛ぶのを眺めながら、しばらくそこに留まる。
一人のフーフボーンが君に加わる。「奴らは憎悪に満ちた、生まれながらに残忍な生き物だよ。」彼が言う。「だが、連中はマンパンの外の山脈に巣を作るという噂だ。」
「どんな鳥だって巣を作るさ。」
「俺達が山羊じゃないように、奴らも鳥なんかじゃない。バードマンは自分達の子供を作れないんだ。大魔法使いだけが彼らを生み出せる。」
辺りを見回して、君は急にその言葉の真実に気付いた。村のどこにも、幼児が一人もいないのだ。
「それなら、なぜ彼らは巣を作るのだろう?」君が尋ねる。
そのフーフボーンの男が首を振る。「分からない。それは謎だ。巣が卵を連れてきてくれると信じているのかもしれないな。何とも言えない。」
「シフーリからあんた達の種族のことを少しだけ聞いたよ。」
フーフボーンがもじゃもじゃの頭を振る。「俺達は種族だなんて呼べたものじゃない。俺達の最後の一人が死んでしまえば、その存在は永遠に消えるんだ。」そう言うと、彼は手のひらで自分の胸を叩いた。「心安らかに、旅人よ。」

村の端に向かうと、シフーリがパカパカと音を立てて追ってきた。長く重い槍で武装し、君に向けている。
「シフーリ?」
シフーリがしばし君を見つめ、それから槍をひっくり返して柄を先に向けた。
「祝福された槍だよ。」彼女が言う。「感謝の印として贈ろう。大魔法使いを取り巻く守りを貫く助けになるからね。」
「受け取れないよ、」君が答える。「あまりに高価だ。」
「お前さんにはその資格があるし、そうしてくれるだろう。」シフーリが答える。「ここでは金貨はほとんど役に立たないけど、大魔法使いの死は我らにとって計り知れない価値があるんだ。」
「ありがとう。」深くお辞儀をしながら、君が答える。「光栄に思う。」
槍を受け取り、背中に革ひもで縛りつける。確かに、しっかりした作りだ。
「さあ、お行き。」シフーリが告げる。「旧世界の神々がともにあらんことを。」
踵を返して出発する。衛兵が一人、君の後ろに付き従って、道を下ってきた。手助けなしでは急な道は転落の危険があるので、これはありがたい。


【変化点】
・+祝福された堅木の槍

【感想】
ここでフーフボーンには生殖能力がないことが判明しますが、これはS4-10でシフーリが語った話(マンパンから脱出したのは一部の者だけ)と矛盾するような気がします。マンパンを脱出した者以外はいったいどこから来たのか?という疑問が生じるので。フーフボーンは大魔法使いの魔法実験の産物なので、野生にはいないはずですし。
また、バードマンもフーフボーン同様に、大魔法使いの魔法の産物であるとのこと。あくまでアプリ版での設定ですが。
何はともあれ、敵地のすぐそばで友好的なフーフボーンと交流できたことは、主人公にとって幸運でした。いわゆる、ラストダンジョン前の村ですね。
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S4-13 18日目:対抗呪文でロープの罠を解除 [ソーサリー4:王たちの冠]

再び道の近くまで戻ると、案内人はフーフボーン流の腕を広げる挨拶をした。「あんたがしてくれた知らせと語りに感謝するよ。でも、もう戻ってこないでくれ。あんたがマンパンのスパイに後をつけられて、俺達の村が見つかる危険を冒すわけにはいかないんだ。」
「俺がマンパンを破壊してやるさ。」
彼は微笑むと、もう一度腕を広げた。それから狭い道を上って姿を消した。

最後に少しだけ這い降りて、再び道に出る。太陽が照りつけてきて暑い。
振り返って、先ほど山に分け入った道を見つけようとしたが、数回入り口を間違えた挙句、擦りむいたり落っこちたりしただけだった。おそらく君は、フーフボーンが先導してくれたからこそ、あの斜面を上る信用を得られたのだろう。いずれにしても、風変わりな洞窟の村は今や手の届く範囲から失せたということだ。
道は崖っぷちに沿って両側に伸びている。

深い奈落を見下ろす険しい崖の縁に沿って歩く。峡谷の幅は広いが、その向こう側にマンパン要塞へと向かう曲がりくねった山道が見える。
1本のロープが峡谷の上の空中に張られ、その端が今いる道の上にきちんと巻かれて置いてある。
疑わしげにロープを眺める。峡谷のど真ん中で支えもなしにぶら下がっているのだ。
ロープを解いて引っ張る。手ごたえは信頼できそうだが、表面には違和感がある。ロープの反対側の端は、見えざる固定点から動かず、かなりしっかりと保持されているようだ。fIXの呪文でも使われているのだろうか?
表面が妙に滑らかでひし形の模様が描かれていることを除けば、撚りひもを束ねて端がほつれたごく普通のロープだといえる。
「HOW!」
呪文を唱えて、穏やかな魔法の声が君の耳に語り掛けてくるのを待ち受ける。
だが、声は聞こえてこなかった。代わりに、ロープを止めていた透明な固定点が唐突に消え失せ、ロープは谷間に落ちていった。
崖ににじり寄って目で追いかけるが、それは数秒で視界から消えてしまった。あれを保持していた魔法が何であれ、君の呪文で解除されたのは明らかだ。
これは対抗呪文だ!道を示す呪文は、固定の呪文を妨害するのだ。
奈落を見下ろす。ロープは見当たらない。底には、岩だらけの道が視界の向こうに続いているのが見えるが、ほとんどは眼下の霧に隠されている。
今いる道の先に目をやると、遠くに橋が見える。ロープは明らかに罠だったのだ。その場を後にして、橋に向かう。

少ししてから、頭上の斜面に何かが動く気配がした。見上げるものの、何も見当たらない。
フーフボーンがこちらの歩みを監視しているのだろうか?
手を振ってみる。2,3分してから、石ころが1個、君のこめかみに当たった。それが投げられたものなのか、単なる落石なのかは何とも言えない。
前方の橋はがっしりして頑丈そうに見える。今いる道から峡谷の反対側に架けられている。これがかつてマンパンへ向かう旅人がたどった道に違いない。
ここで時間を費やすわけにはいかない。


【変化点】
・現在/最大体力:14/17→13/17(呪文)

【対抗呪文】
・HOW⇔fIX

【感想】
行きの案内人二人は女性でしたが、帰りは男性です。
ロープの罠は、経緯こそ異なるものの、原作同様にHOWの呪文で看破できました。
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S4-14 18日目:嘆きの橋の番人コレタス [ソーサリー4:王たちの冠]

前進を続け、峡谷に架けられた橋のたもとにたどり着く。ここからはしっかりした造りに見える。今や太陽は一番の高みに達している。
橋は平板で造られている。山のこの辺りは空気が乾いており、腐る兆候すらいない。
試しに足を置いてみると、板に触れた途端に微かに奇妙な音が聞こえた。
音は足を離すと止んだが、足をまた板に乗せると再び聞こえる。まるで橋がうめいているかのようだ。
移動する頃合いだが、思い切って橋を試す意思が君にあるだろうか?

橋の上に進み出ると、うめき声は大きくなった。しっかりと聞き取れた時、それが警句だと君は気付いた。「お主が冠を目にすることは決してない。」声が告げる。「お主の旅は無意味で、時間の無駄じゃ。」
「そこにいるのは誰だ?」呼び掛けても返事はなく、君は独りのままだ。声は君自身の心の中にあるだけなのだ。
「お主は無駄にここまで旅をしてきたのじゃ。」声が続ける。「お主の国はもう望みを捨ててしもうた。サイトマスターは大魔法使いに寝返った。冠は取り戻せぬ。」
「見つけてみせるさ!」
「あれを見つければ支配されてしまうぞ。」声が応じる。「お主はただの無力な魔法使いに過ぎぬ。お主の王が南の海を越えて逃げるため、大魔法使いを足止めしようと送り込まれたのじゃ。」
今や君の両足は橋の上にあったが、それ以上は進めなかった。立ち止まり、身体を支えようと手すりを握り締める。嘲りの言葉を受けて目まいがする。
目に見えぬ攻撃者の名を叫ぶ。「コレタス!」
こだまが山々に響き渡る。だがそれだけだった。
「コレタス!」もう一度叫ぶ。
すると、橋全体が震え、揺れてきしんだ。うめき声が怒りを帯びた唸りとなり、踏板の外側に一体の幽霊が姿を現した。
「いかにも、わしはここじゃ。」幽霊が言う。「わしに何か用か?」
「何故この橋は俺を惨めな気持ちにさせる?」
「この地全てがそうであろう、」幽霊が答える。「あらゆる場所がな。橋は真実を語っているのじゃ。」
幽霊ではあるものの、その姿は古風に見える。彼は歩きながら手探りしている。盲目なのだ!彼の眼は黒く塗りつぶされている。これはクリスタタンティの風習で、神の領域がよりよく見えるよう、かの地の司祭や呪い師は自ら目を潰すのだ。
「あんたの書き置きを読んだよ。」君が言う。
「読んだのか?じゃが、お主はそれに注意を払わなかったとみえる。旅人はこの道から先に行ってはならぬと、わしは警告したはずじゃ!」
「でも俺はただの旅人じゃない。」君が主張する。「王たちの冠を探しているんだ!」
彼の両目が驚きで大きく開かれる。それから、悲しげに頭を垂れる。「無駄なことを。」


【感想】
盲目になった経緯が変わるなど、コレタスの設定も色々と変更されているようです。でもこれは原作のままの方がよかったのでは…。
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S4-15 18日目:コレタスの地縛霊を解放 [ソーサリー4:王たちの冠]

「冠について、あんたは何を知ってるんだ?」
コレタスがため息をつく。「わしもあれを探していた。遠い昔の話じゃ。わしがどうなったのか、お主はよく知っておろう。」
「あんたは生前どんな人間だったんだ?」この幽霊に幾らかの同情を感じられたらと思い、君が尋ねる。
「わしはかつて聖職者でな、」彼が言う。「お主のように使命を帯び、そして失敗した。他の皆もそうなるじゃろう。」
「何があった?」
「わしは奴らの集団に加わろうと、魔法使いの要塞を訪れた。じゃが、奴らはわしを雇おうとしなかった。大魔法使いはわしに呪いをかけた。二度とマンパンに入れぬよう、それでいてこの山から出られぬよう。よいか、もしお主が歓迎されておらぬなら、マンパンに入る手段はない。あそこはあらゆる希望から隔絶された場所ゆえ。」
「マンパンについて、もっと教えてくれないか。」哀れを誘う幽霊に尋ねる。
彼は肩をすくめたようだった。「わしは二度とそこに入れぬ。じゃが、今やそれが普通となった。誰もあそこに入れぬし、誰も立ち去れぬ。外庭の衛兵ですら、永遠にそこに留められたままなのじゃ。」
「大魔法使いはどこにいる?」
「開かずのスローベンドアの向こう、決してたどり着けぬ塔の中に。」
透けた手を上げて自分の顔に持っていく。マンパンへたどり着けなかった自分の失敗を悔やんで彼がぶつぶつつぶやいているうちに、橋のうめき声がどんどん大きくなっていく。
「あんたはここに憑りついているんだな。」
彼がうなずく。「ああ。だが、お主を行かせるわけにはいかぬ。それがお主のためになるんじゃ。」
「あんたは自分自身を許すべきだ、」君が答える。「あんたが何をしたにせよ。」
「わしはもう死んでしもうた!」コレタスが泣き叫ぶ。「無駄な存在なんじゃ!」
「無駄、無駄!」橋がうめく。まるで踏板が本当に言葉を発したかのようだ。
「俺を通してくれる見返りに、あんたに何かしてやれることはないか?」君が提案する。
「何もない!」彼が叫ぶ。「こんな惨めな有様で、わしに何が望めると?」
「あんたを自由にしてやれるぞ。」
彼が肌をかきむしるが、指は顔を素通りしていく。「この責め苦を終わらせられるのか?それならまさに、スロフ様ご自身からの祝福ぞ!」
「交渉成立だな。」
橋のささやき声が収まっていくのが聞こえる。だが、彼がうなだれると、再びうめき始めた。「じゃがどうやって?」彼が尋ねる。「そんなことができるのか?」
「俺は魔法使いだ。」君が答える。
「お主ではマンパンの魔法使い達には敵わぬ。」コレタスが苦々しげに答える。「ましてや、大魔法使いに敵う者などおらぬ。奴隷にされておしまいじゃ。」
君は暗殺者の剣を抜くと、橋の床板に斬りつけた。だが、効き目はない。コレタスは身震いしながら近くに漂っている。
君はもう一度振りかぶると、橋のロープを一刀両断した。束の間、あらゆるものがぐらつく。
君は奈落の底に落ちていきながら、橋が歓声を上げるのを聞いた。


【手掛かり】
・スローベンドア:大魔法使いの本塔は恐るべきスローベンドアによって守られている。

【感想】
やけに悲観的なコレタス、原作のイメージが台無しです。彼を説得したり「PEP」の魔法を使うなどして橋を無事渡り切ることも可能ですが、今回はあえて転落する選択を。
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S4-16 18日目:スナッタキャットを呪文で召喚 [ソーサリー4:王たちの冠]

岩壁の間を奈落に向かって落ちていく。底がぐんぐん近づいてくる。あと数秒しかない!
「fAL!」
呪文を唱えると、君の体重はほんのわずかになり、君は緩やかに着地した。身体中の骨が揺さぶられたものの、息が詰まるほどではない。
体重が戻ってきて、足が徐々に地面にめり込む。

今君がいるのは峡谷の谷底で、ここまでどうにかまだ生き延びている。
峡谷の壁を調べる。数本の亀裂や摩滅した窪みがある。登攀を試みることもできるが、勾配は険しい。
周囲を見回すと、岩に混じって、2,3足の腐ったブーツ、凹んだ胸当て、打ち捨てられた身の回り品などがあるのに気づく。これらはどこから来たのだろう?
岩や小石をどかすと、答えが見つかった。この峡谷には、頭上の橋から転落して生き残れなかった冒険者達の砕けた骨が散らばっている。マンパンへ行こうと企てた者は君が最初ではないということだ。誰か成功したのだろうか?
だが、ここに留まるわけにはいかない。旅を続けるためには、上に戻る道を見つける必要がある。

峡谷の坂道をたどるが、すぐにこの道では外に出られないと悟る。どちらの斜面もほとんど垂直にそそり立っているのだ。
太陽が地平線に向かって傾き始める。橋のアーチの下をくぐる。岩壁が両側から圧迫してくる。
少しの間、登攀を試みるが、ここはあまりに急峻すぎる。岩肌は金属と同じくらい滑らかだ。
その時、君は小さな彫刻に気付いた。それは線状に並んだ点で、あまりに簡素なので、自然にできたものと見間違えそうになる。だが、その意味するところは明らかだ。
これは星座じゃないか。ロックデーモンを召喚する「ZOB」と同じなのだ。
反対側の岩壁には別なものが彫り込まれている。先ほどのものと同じだが、鏡に映したように対称になっている。
その呪文そのものは君の知らないものだが、スケイ、オービイ、バララスタの星から編み出されている。これらも同じ召喚の呪文なのだろうか?一体どんな怪物を呼び出すのだろう?
「SOB!」
呪文を唱え終わると、君の背負い袋でポンと何かが弾け、続いてシューという音が聞こえてきた。袋の口を開けると、スナッタキャットの歯が輝いているのが見える。
次の瞬間、それは空中に飛び上がって爆発し、長い爪を生やしたスナッタキャットが地面に降り立った!
手を伸ばしてなでてやると、そいつはゴロゴロと喉を鳴らして目を閉じた。途端に姿が見えなくなる。
「SOB」の呪文が、新たに魔法の呪文の書に書き加えられた。相反する「ZOB」とは、星の図形は一致するものの、左右が入れ替わっている。ロックデーモンを召喚する呪文は、スナッタキャットを召喚する呪文で無効化されるのだ。
だが歯の残りはもうないから、おそらくこの先役には立たないだろう。
岩の彫刻から目を反らし、道に戻る。ここから先は明らかに道がない。戻るしかない。


【変化点】
・現在/最大体力:13/17→12/17(呪文)
・-スナッタキャットの歯(1本)

【隠し呪文】
・SOB

【対抗呪文】
・SOB⇔ZOB

【感想】
なんと、ZOBの対抗呪文を発見!敵じゃないスナッタキャットは、ただの猫みたいなものですな。
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↑とても対抗できそうには見えない…。
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S4-17 18日目:カクハバード海の海岸再び [ソーサリー4:王たちの冠]

峡谷の底に並ぶ重々しい岩石の間をぬって歩く。
夕方になるにつれ風が出てきた。すぐにまた暗くなるだろう。だが、ここには安全に休める場所などない。
その時突然、船酔いに似た吐き気が襲って来た。足元の地面が位置を変え、太陽が斜めに動く。
身体を安定させようとするが、その甲斐もなく倒れてしまう。世界が君のそばを通り過ぎ、あるべき場所から遥か遠くへすり抜ける。
女性の歌声が聞こえる。寄せては返す波の音にも負けない、優しい歌声だ。
これはどんな魔法だろう?

波が海岸に打ち寄せる。君は石の台の上に横たわり、まぶしい太陽を見上げていた。
ここは高地ザメンではない。ぞっとする感覚が君を襲う。これはどんな罠なのだ?どのくらい遠くまで飛ばされたのだろう?
星の力を集めようと腕を広げる。
「そのままじっとしていなさい。」優しく思いやりのある声がささやきかける。「ここでは自分の身を守る必要はないわ。」
「あんたは誰だ?」キョロキョロ見回しながら呼び掛ける。だが、海の向こうには何も見えない。
「私を覚えていないのですか?」優美に笑いながら彼女が答える。「少なくとも私達がどこにいるのか、あなたは知っているはずよ。」
波が君のブーツを洗う。前に進み出るよう、君を招いているかのようだ。
上着を引っ張る穏やかな風に従って歩く。やがて、君は自分がどこにいるのか悟った。
君は再びカクハバード海の海岸-アナランドからほぼ半日の場所-に立っているのだ。

浜辺に向かってザクザクと砂を踏む。輝く水面に、一艘の小舟が前後に揺れ動いている。舟には機織り機を持った女性が座っている。
「何故俺をここに連れてきたんです?」君が尋ねる。
「私達は長い旅路を一緒に歩んできたのですよ、」彼女が答える。「あなたは気付かなかったかもしれないけれど。でも、それももうじき終わるわ。」
「私はリーブラ、正義の女神です。あなたをここに連れてきたのは、警告を授けるためなのです。」彼女の声は悲しみで満ちている。「私はあなたを何度も救ってきました。ですが、もうこれ以上は手を貸してあげられません。」


【感想】
ここでまさかまさかの、S1-13以来となる、女神リーブラ様との再会!ここに来るためには、第4部開始からこの場面まで、時間巻き戻しを使わずにプレイする必要があります。巻き戻し機能に慣れてしまうとついつい使ってしまうので、これが意外と盲点になります。
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S4-18 18日目:女神リーブラの加護 [ソーサリー4:王たちの冠]

「俺は一度だけあなたに助けていただきました、」君が答える。「前にここの崖で。でも…、」
「まだ理解していないのですね。」彼女が答える。「でもすぐに分かるわ。マンパンに入った時に理解するでしょう。あそこは呪われた場所で、魔法陣やナイフで守られていますが、要塞の壁は単なる石壁以上のものなのです。」
「つまり、あなたは中に入れない、と?」
「その通り。でもあなたはその代償をまだ理解できていないかもしれません。アナランド人、あなたがこれまで歩んできた間、私もあなたのそばを歩いていたのですよ。私はあなたに白日夢-あなたの選び得る選択肢-を与えてきました。そして夢から起きたあなたは、今度は別の道を歩いていったのです。」
「俺は散々夢を見てきたけれど、決していい夢ではなかった。」夜ごとに現れた恐怖の記憶に身震いしながら、君が答える。
「私が話しているのは白日夢のことです。」女神が答える。「何事もなかったかのように消えるまでは、現実として存在する夢についての話なのです。」
彼女が織り機の杼を縦糸に通す。「でも、これ以上はできません。いったんマンパンの壁の内側に入ってしまえば、あなたの未来は再びかけがえのないものとなるのです。」
女神の言葉が君の心で恐怖の鐘を鳴らす。
「どういう意味なのか教えてもらえないでしょうか。」敬意を込めてお辞儀をしながら尋ねる。
「織布が織られ、解かれ、そして今度は違った模様に織られる。最後に出来上がる衣には、それが何度縫い合わされたのか表れはしないの。あなたの旅もそれと同じなのよ。」彼女が笑う。「でももしかすると、あなたは自分が今まで生きてこれたのは、単に強運だったからと思っているかもしれないわね。」
彼女は手を伸ばすと、黄金色の髪の毛を一本引き抜いて、君に手渡した。「いつこれを使うべきか、いずれ分かるでしょう。」
会釈して受け取る。ひときわ大きな波が海岸に打ち寄せて引くと、舟は傾いて流され始めた。女性はそれを止めようともせず、機を織り続けている。
「待ってくれ…!」君が叫ぶ。「俺はここからどうやって出ていけばいいんだ?」
だが、君の言葉は波間に消え、彼女は行ってしまった。


【変化点】
・+金色の一本の髪

【感想】
やや分かりにくいですが、アプリ版のゲームシステムの根幹にも関わる話をしてくれています。つまり、アプリ版の巻き戻し機能は、そもそも女神リーブラが主人公に見せていた白日夢のお陰であり、マンパン要塞の中に入ってしまうともう力が及ばないので使えない、ということのようです。個人的には改悪が多いと感じている第4部ですが、ここはかなり感心させられました。
リーブラはアプリ版ではほとんど出てきませんでしたが、ちゃんと見守ってくれていたんですね。しかも、途中でスロフに改宗しても見放したりしないとは。ありがたや~。
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S4-19 18日目:最後の白日夢から覚めて [ソーサリー4:王たちの冠]

マンパンに戻る長い旅路を思い、君の心は沈んだ。
それでも気を取り直して、海を背に無人の海岸へ戻る。
この浜辺から出る道があるはずだ。そうすれば、あのワシに乗ってマンパンに戻れるかもしれない。

薄暗い洞窟の入り口に向かう。中では、しょっぱい雫が石から滴っている。高波が洞窟内に押し寄せたに違いない。
洞窟の壁は不規則なギザギザの形をしている。千年もの間、打ち付ける波と断層でずれた岩によって造られたのだ。あちこちにある凍り付いた石の窪みの奥で、水晶の鉱脈がきらめいている。
岩壁を登るすべがない。踵を返して、再び海岸の日差しの中に戻る。

浅瀬の中を歩く。海岸を回り込む道があるかもしれない。
だが、その望みは薄そうだ。海は南にどこまでも続いているのだから。君は再びここに囚われてしまったのだ。
その時、何者かの声に引き寄せられ、君はどんどん深みへと進んでいった。風が強まり、波が高くなる。海の水が君の胴の回りに打ち寄せる。
やがて波が君に覆いかぶさり、頭上から照らす星の光が君を捉えた…。

気付くと、君は石だらけの峡谷に戻っていた。あれは現実だったのだろうか?
だが手には一本の金色の髪の毛を持ったままだ。
頭を振って記憶の光景を振り払うと、もう一度周囲に目をやる。
さあ、移動する頃合いだ。

岩場を這うようにして下っていくと、草が地面を覆うようになった。
暗くなってきた。休息が必要だ。どこか安全に休める場所を見つけた方が良さそうだ。

峡谷を下り続ける。まだマンパンの方角に向かっているつもりだが、こうも低い場所にいては確信が持てない。
進むに従い、岩の斜面がなだらかになり、草と灌木の茂みが散在するようになってきた。
月の光が全てを覆う。周囲を見回しても、役に立ちそうなものは見つからない。

ひんやりとした時間帯に、砂埃にまみれながら歩いていくと、樹木の茂みに出くわした。高地ザメンに点在する、棘のある種類だ。あそこなら静かに休めるだろう。
月が暗い空をゆっくり横切っていく。
谷は下りながら前方にまっすぐ続いているが、右手には岩の斜面を遠くまで上っていく道がある。
今晩はここで眠ることにする。横になり、悩み事を忘れようと努める。

夜の残りは夢の光景で埋め尽くされた。
君はどんどん落ちていった。どこまでもどこまでも、下へ下へと…。
ジブジブがあらゆる方向から現れ、ほどんど目を飛び出さんばかりにして、君の両側を跳ね回りながら駆け抜けていく。
その間中ずっと、東の方から笑い声が遠く聞こえてくる…。


【感想】
何とか、高地ザメンまで戻ってきました。女神様の髪の毛がなければ、実際に起こったこととは到底思えないでしょう。
しかも、時間巻き戻しを使うと見れなくなるイベントは、実はこれだけではなかったという。気付くのに相当時間がかかりました…。
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