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S4-148 24日目:大魔法使いが呼び寄せた用心棒の正体 [ソーサリー4:王たちの冠]

階段が塔を取り巻く踊り場に出る。外は暗いにもかかわらず、ステンドグラスの大窓から色の着いた光がこぼれている。
ミニマイトが君のマントを引っ張る。「ここには恐ろしい魔法がかけられてる。僕には分かるんだ。」
窓を眺める。色ガラスがとぐろを巻いた大蛇のモザイクを形作っている。
だが、背後から声を掛けられ、君の物思いはすぐに破られた。
「こっちを見ろ。」
「そこにいるのは誰だ?」
「相変わらずだな、友よ。あんたが俺だと気付く前に、俺は何度姿を現すことになるんだ?」冷笑を帯びた声が答える。
目の前の影が動き、男の姿になる様を見つめる。それはフランカーだった。
「ここでお前に会うことは分かっていた。」君が言う。
フランカーが少しだけお辞儀をしてから頭を上げる。「こうなるのではないかと思っていた、確信はなかったがな。」彼の声音には、どこか不愉快な響きがある。
「俺は大魔法使いの居場所を突き止めねばならない。」
彼が首を振る。「アナランド人、あんたに初めて会った時、俺は自分の目的地は知っていたが、暗殺対象までは知らなかった。もし知っていたなら、もっと早くに殺していただろうに。」
「俺がお前を打ち負かしたのを忘れるな。」
「あんたを殺すことになると知っていたら、あんたが俺に背を向けた瞬間に刃を突き立てていたよ。」
フランカーが冷たく言い返す。「あんたがここにたどり着くために辛酸を舐め、目的地の直前で斬られる羽目になるくらいなら、そうした方が良かったんだ。」
「もし僕に離れて欲しいならそうするよ。」ミニマイトがささやく。「もし僕が必要になったら、あんたに知らせるから。」彼が両手を振り回す。
「ジャン、そうしてくれ。」君がささやく。
フランカーが通路の方を顎で示す。「この先に大魔法使いの図書室がある。そこで待つといい。」
ジャンがしばし君を見上げ、それからうなずくと向こうへ跳ねていった。
彼の存在がなくなり、君の肩から重しが取り払われるのを感じる。
「お前に俺は倒せん、」フランカーに告げる。「分かっているはずだ。」
「二人のうちのどちらかだけが、この場所を後にするだろう。」奴が答える。「俺はこれまでの人生で百人もの男と百人もの女を殺してきた。そしてあんたと一緒に旅をして、あんたの型を学ばせてもらった。」
君は鞘から剣を抜いた。それが暗殺者の曲刀だと気付き、フランカーがうなずく。
奴が君に近づく。「さあ、終わらせようか。」曲線の軌跡を描いて、奴の剣が鞘から抜き払われる。


【感想】
アプリ版では今回のように、フランカーが最初から最後まで主人公に絡んでくるルートが提供されています。一介の盗賊風情が偉くなったもんですが、ここらで実力の違いを分からせてやりますか(あかんフラグ)。
ちなみに彼はすでに本気モードで、不用意に近づくと容赦なく腕を切り落とされてしまいます!
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