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ソーサリー3:七匹の大蛇 ブログトップ
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S3-1 第3部開始時データ [ソーサリー3:七匹の大蛇]

【プロローグ】
アナランドを出発して9日目の夜になった。東の方には高い山脈が、まるで星々に掴みかかるかのようにそびえている。
荒涼とした不毛の地バドゥーバクの端に立つ。その向こうに、マンパン砦、大魔法使い、そして王たちの冠があるのだ。

ここまでの道のりは長かった。シャムタンティの丘を後にし、カーレに入った。そこではゴブリンによる破壊から街を救った。精霊の導き手は失ったが、慈悲の神クーガの信徒となった。
一時は奴隷商人に囚われたが、不注意な者に死をもたらすよう設計された古代の残酷な魔法の罠に打ち勝った。

だが、バクランドではまた状況が違ってくるだろう。
遥か昔、ザンズヌ連峰の高地にある魔法使いの要塞の手厚い庇護の下、かつてこの地は繁栄していた。それから何かが変わった。カーレにたどり着いた最後の避難民は、「何もかも無くなってしまった」とだけ語ったという。
その結果、北門は増築され、バクランドは置き去りにされた。

今や門は開かれた。門の向こうに広がる大地は呪われていると噂されている。国としてはまだ若いアナランドで、この地を横断した者はこれまで一人もいない。君が最初の一人となるのだ。旧世界が君を待っている。

【体力】
・現在/最大:17/19

【貴重品】
・金貨(65枚)
・蛇の指輪

【食料】
・保存食(6日分)
・リンゴ(1日分)

【信仰神】
・クーガ

【武器】
・アナランドの剣
・長剣(+2)
・伝説の剣(+4)
・銀の剣(-3)
・銀の鎖

【魔法の品】
・魔法の呪文の書
・蜜蝋(3回分)
・スカルキャップ
・鼻栓
・玉石(4個)
・ブリムベリーの搾り汁(3回分)
・ゴブリンの歯(4個)
・巨人の歯(1個)
・黒い仮面
・緑色のかつら
・骨の腕輪
・太陽石(2個)
・金張りの鏡

【鍵】
・銅の鍵
・銀の鍵

【その他】
・ロケット
・蛇の解毒剤
・火口箱
・危険探知の火
・2片のメモ(モウラスの破かれた覚え書き)
・謎の言語で書かれた巻物(フレイヤーの家で入手)
・第1貴人の肖像画
・第5貴人の肖像画
・第7貴人の肖像画
・縄梯子
・木の皮のエッセンス


【感想】
アプリ版の第3部は、ある仕掛けによりゲーム性が原作からガラリと変わっています。面白い試みではあると思うのですが、ストーリー重視のリプレイをする上ではいささか辛いものがあります。プレイヤー目線で見たらゲームクリアに好都合な行動であっても、主人公目線ではその行動の理由付けが難しい場合が出てくるからです。
とはいえ、クリアルートが圧倒的に増えたことで、何度もやり直して一番楽しめたのもこの第3部でした。アプリ版の個人的評価としては、ストーリー性では第2部、ゲーム性では第3部がそれぞれ一番です。乞うご期待!
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ちなみに、インパクトなら何と言っても第1部(ダドゥーリーの登場、ガザ・ムーンとの対決、アリアンナのキス[キスマーク]←くどい)。第4部は…、どうしてああなったんや[ふらふら]
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S3-2 9日目:アナランドからの頼もしい使者 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

古道の敷石は、もう見えないくらい砂埃に埋もれている。君の背後には、港街カーレの大城壁がのしかかるようにそびえている。前方には荒漠とした平原と夜が広がっているだけだ。
最後に街を一瞥する。今まさに、ヴィックが街の主導権を掌握しようとしているのだ。狼の吠え声が平原を越えて響いてくる。
目をカーレから星へと移す。アナランドの塁壁から遠く離れたこの地で、星達はどのような手つかずの神秘を宿しているのだろう?
荒れ果てた道の一歩ごとに、君は安全から遠ざかり、未知の中へと踏み込んでいく。
何かが-おそらくクーガだろう、君の感覚を刺激する。君以外に何者かの気配がする。鳥の鳴き声だ。それとも遠くの叫び声だろうか?
「YAP!」
呪文を唱えてかつらを被る。遠くの方から鳥の金切り声が聞こえてきたが、魔法が効果を表すと、それは意味のある言葉へと変わった。「いたぞ、奴だ!」空から鋭い声がする。「うまそうな獲物だぜ!」
「俺が最初に仕掛ける!」別の声が聞こえたかと思うと、1羽の獰猛なヨタカが、鉤爪を伸ばして君の首目がけて急降下してきた!
最速の身のこなしで剣を抜き、ヨタカに切りつける。通り過ぎざまの一撃を受け止め、羽根が舞う。
そいつは弧を描くと、仲間の群れに再び加わった。「目を狙え!」そいつが金切り声を上げる。
奴らは4羽いる。グルグル回って飛びながら、今にも攻撃してきそうな構えだ。
「LAW!」
鳥達が急降下しようとしたちょうどその時、君は呪文を唱え終えた。突然、そいつらは空中で金縛りに遭い、混乱した様子で羽ばたき始めた。
君が奴らの意思を支配したのだ。さあ、どうしてやろうか?
君は容赦なく、そいつらが互いを攻撃するよう仕向けた。辺りはすぐに、羽根や鉤爪やくちばしで大混乱となった。君は後ずさりして、奴らが戦いながらゴミへと変わっていく様を眺めた。
突然、ヨタカの混戦に異変が生じる。別の何かが輝きながら、連中のど真ん中に姿を現したのだ…。
高台に移動する。その間も、君の背後では奇妙な戦いが続いていた。1羽のヨタカの翼が枝のように折れ曲がる。2羽目が見えざる爪によって羽根をまき散らしながら引き裂かれる。
残りは散り散りになって飛び去った。後には、謎に包まれた救い手だけが残された。
姿の見えない生き物に向かって感謝の言葉を呼び掛けると、君の前で空気がざわめいた。それが何であれ、着地したようだ。目には見えないが、羽根の翼が立てる音が聞こえる。
ついに、君は状況を理解した。この生き物は金冠ワシだ。アナランド王が所有する高巣から遥々来たのだ!
巣はシャムタンティの壁の奥深くだ。ここまで飛んだら3日はかかるに違いない。なぜここに?
その生き物の姿が徐々に見えるようになってきた。ワシがくちばしを傾ける。
その体高は酒場の建物より高く、翼長は9人の騎手を一度に振り落とせるほど長い。
このワシ達は、そのパワーだけでなく隠密性によって、長らくアナランドの力強い味方となってきた。羽根を斜めに傾けて身体の周囲の光を反射させることで、上空では姿をほぼ隠すことができるのだ。
ワシにお辞儀をする。返答にワシはくちばしを開くと、何かを地面に落とした。
それは巻物入れの筒だった。中身が何であれ、非常に重要なものに違いない。さもなければ、これを届けるために君の居場所を知らせてしまう様な危険を王が冒すはずがないではないか!


【変化点】
・現在/最大体力:17/19→14/19(魔法)

【感想】
毎度お馴染みのヨタカ。結構侮れない連中です。「LAW」を使ってただ引き返させるのではなく、同士討ちをさせる辺り、時に非情な判断もできる主人公の側面が出せました。幸いにも、慈悲の神クーガは今回は文句を言ってきませんでした(時々言ってくる)。
アプリ版の金冠ワシは、ステルス性能があったり数人の人間を一度に運べたりと、非常にチートな能力を持っています。が、なぜ主人公をさっさとマンパンに運んでくれないのか、せめてカーレを越えるくらいはしてくれてもいいのではないかというもっともな問いかけが、第4部の終盤に投げかけられます。前者については、マンパンはバードマンに守られているため、いくら金冠ワシでも危険過ぎるという回答がありましたが、後者については結局うやむやのままです。アプリ版の製作者にも良い言い訳が見つからなかったのかも。
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S3-3 9日目:危急を告げる連絡文書 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

手を伸ばして筒を拾い上げる。中身は巻かれた羊皮紙だった。アナランド王家の封印がしてある。

 この知らせが届く頃、貴殿は順調に旅を続けていることと確信する。しかしながら、恐ろしい危険が迫っていることを伝えねばならん。貴殿の任務は敵に知られてしまった!
 マンパンの密偵が我々の計画を嗅ぎつけて、それを知らせるべく暗黒の要塞に向かったのだ。
 こちらが盗聴に気づいた時にはすでに、貴殿の情報は大魔法使いの腹心の部下である7匹の大蛇によって、高地ザメンへ向けて持ち出された後であった。今頃はもうバクランドまで来ているだろう。
 奴らは別個に使命を果たそうと、バドゥーバク平原からは別れて行動するものと思われる。
 貴殿に余力があるなら、この7匹の大蛇を探し出すのだ。奴らも時には休息や食事で足を止めよう。
 マンパンにたどり着く前に奴らを仕留めよ。さもなくば、大魔法使いは万全の態勢で貴殿を迎え撃つであろう。
 隠者シャドラックを探し出し、助言を授かれ。彼の知恵なくしてバクランドを抜けるのは至難の業だ。
                                     我々の心は貴殿と共にあり[かわいい]

君が目を上げると、すでに金冠ワシは再び姿を消していた。ワシが地面から翼を持ち上げたため、空気が揺らぐのを感じる。
そして君は独りになった。
巻物を丸め、荷物に加える。バクランドは君が予想したほど無人というわけではなさそうだ。
7匹の大蛇を探し出して倒さなければ、君の旅は無駄になってしまう!

星が頭上に広がる。北極星を頼りに、古道へ再び合流して北へ向かう。君の前には、バクランドが薄暗い地平線の彼方まで広がっている。
こんな荒野の中、どうすれば7匹の大蛇の居場所を突き止められるのだろう?
シャドラックは君を助けてくれるに違いない。だが、アナランド王はどうやってバクランドに人が住んでいると知ったのだろう?この荒野には君が知る以上のものがあるのだろうか?それとも、王は当てにならない予言者に頼っているのだろうか?

1時間ほど歩いた後、前方に漆黒の線を見つける。君は足を止めるのにぎりぎり間に合った。垂直に切り立った断崖からほんの1歩離れた所まで来ていたのだ!
ぐらついていた石が数個、崖の縁から落ちて暗闇に消えていく。
下る道を探しながら、崖に沿って両方に歩いてみるものの、何も見つからない。
もっと崖に近づけば見つかるかもしれないが、ここで野宿して日が昇るのを待った方がいいかもしれない。
崖の上から石を1つ放り投げる。何も聞こえてこない。底なしなのだろうか?それとも単に、下に植物が生えているのだろうか?
その時、後ろの平原の遠くの方から羽ばたきが聞こえてきた。ヨタカがもっといたのだろうか?
見ると、爪が閃いて星空を引き裂いている。それから何かが起きた。鳥達は叫びながら隊列を崩していく。続いて、暗い平原を進んでいく1人の人影が見えた。
暗闇を通して見つめるものの、それが誰なのか見極められない。
口元に手を持っていき声を掛けようとした時、突然全ての光景がかき消えた。平原も空も、再び無人となった。
この平原は何かひどく奇妙だ。
吹き付けた風に崖っぷちの石がすくい取られ、サイコロのように転がり落ちていく。


【変化点】
・+アナランドからの連絡文書

【手掛かり】
・7匹の大蛇:7匹の大蛇が君の旅を脅かしている。君の接近を大魔法使いに知らせようとしているのだ!
・隠者シャドラック:シャドラックは君を助けられる。

【感想】
バドゥーバク平原は超自然に支配された場所なので、幻が見えても不思議はないのかもしれません。
それにしても、冠に続いて機密情報まで持っていかれるとは、アナランドの衛兵はちゃんと仕事してる?主人公は冠を奪還したら、国に返さないで反乱を起こしていいかも。
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S3-4 9日目:断崖の下にたどり着く [ソーサリー3:七匹の大蛇]

崖の縁までにじり寄る。落差はかなりのものだ。底の方は暗闇で見えない。
だがしばらくすると、断崖の壁面に規則正しい輪郭が彫り込まれているのが見えてきた。
地質のいたずらか、もしくは階段だろうか?確かなことは分からない。
頭上の空に強い星の存在を感じる。
「SUN!」
君が呪文を唱えると、荷物の中の太陽石が目がくらむような眩しい光を間欠的に発し始めた!
宝石からの光で、崖の上から石段を見下ろす。確かに道らしきものがある。少なくとも、数百年もしくは数千年前にはあったのだ。
どんなに長い間この階段がここにあったとしても、年月を経て傷んでいるはずだ。それに太陽石の呪文も長くはもたない。階段を下りるのはよそう。
やがて呪文の効果が切れ、太陽石は暗くなった。
「fAL!」
新たに呪文を唱えると、君の身体は通常よりも遥かに軽くなった。前にダドゥーリーでやったのと同じ芸当をやろうというわけだ。
君は崖の縁まで来ると、そのまま飛び降りた!
暗闇の中、君の身体はゆっくりと山の斜面を漂い下りていく。長らく道を歩いた後では、これはかなりくつろげる時間だった。
途中、壁面に何かを見つけたが、暗闇の中ではそれが何なのか分からなかった。やがて、それは見えなくなった。

崖の下にたどり着いた。体重が元に戻り、ゆっくりと着地する。空気がまだ冷たい。
君の後ろでは、岩がほとんど垂直に空に向かってそびえている。今となっては、ここを無事にやり過ごせたのが不思議なくらいだ。
暗闇の中、道が微かに見える。闇夜に彷徨い歩くのは危険だろう。
少し時間を掛けて、自分の状況を把握する。食料はたっぷりある。カーレを抜ける際にしっかり節約したお陰だ。これなら、すぐに飢える心配をせずに野外を探索できるだろう。だが、いったん食料が底を尽いてしまえば、ここれで食料を探すのは困難だ。少なくとも、今日はすでに食事を済ませている。
次に目を周囲の荒野に転じる。呪われた平原の中に旅立つ時だ。
崖の陰を後にして、平原を横切る道へ出る。遠くの地平線から太陽が昇ってきた。
一晩中起きていたせいで少し体力が衰えたように感じる。


【変化点】
・現在/最大体力:14/19→13/19(魔法)→11/19(徹夜)

【感想】
崖の途中にあったのは洞窟の入り口で、夜以外の時間に来れば入ることができます。
このように、第3部にはそれまでとは違うルールが幾つかがあります。
・時間の概念があり、訪れた時刻や時代(!)によってイベントが変わってくる。
バクランドに入ってから経過した日数によって、第4部に変化が生じる模様。例えば、8日目の夜までにクリアすれば7匹の大蛇よりも早くマンパンにたどり着けたことになり、大魔法使いは主人公の接近を知らない等。
・徹夜すると体力が減少する。対策は簡単、朝までに就寝すること(夜になるとほとんどの場所で食事と野宿が可能になる)。ただし今回は、7匹の大蛇を全て倒す&8日以内にクリア&個人的にお気に入りのイベントをこなす(実はこれが結構キツイ)、という縛りを設けたため、移動を優先してろくに寝る暇もありませんでした。
その他まだまだあるのですが、それは追々…。
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S3-5 10日目:木の精霊に道案内してもらう [ソーサリー3:七匹の大蛇]

ここからの道は不確かなことだらけだ。
バドゥーバクは不毛の地で、東部との境界をなす高い尾根を抜ける道は見当たらない。スナッタの森は尾根の東側にあるが地図には描かれていない。クラッタバク草原は未開の半人しか住んでいないという噂だ。スナッタの森より先にあるイルクララ峰を登る道はなく、その向こうの大きな湖には橋が架かっていない。
ザンズヌ連峰とマンパンはあり得ないくらい遥か遠くにある。しかも道を見つけなくてはならない。大魔法使いが王たちの冠を盗む際は、空飛ぶバードマンが送り込まれた。だが君は歩かなくてはならないのだ。
選択の余地はない。旧世界の未来は、君がこの干からびた平原を抜ける道を見つけられるかどうかにかかっているのだから。

道を離れて乾燥した平原を横切る。早朝の太陽が気温を上げていく。
しばらく歩くと、単調さを破る何かが見えてきた。石柱や建物にしては高過ぎるし細過ぎる。
近づいて初めて判別できたそれは、1本の傾いた木だった。葉はなく枯れている。
かつての森の最後の名残りに違いない。他の木が倒れる中で、何故これだけが生き残ったのか定かではないが。
向きを変えて歩み去ろうとした時、ある音に注意を引かれる。それは声だった。「旅人よ!」声は微かだがまだ聞こえる。「旅人よ!」
周囲や木の後ろを肩越しに見回す。だがどちらにも果てしない平原が広がるばかりだ。視界には誰もいない。
「そこにいるのは誰だ?」
「お主は旅人であろう?」どこか上の方から答える声がする。
「姿を現せ!」君が叫ぶ。
くすくす笑いのような乾いた音を立てて声が揺らぐ。「わしは隠れてなどいない。」そいつが答える。
「TEL!」
空の向こうの星を見すえ、スカルキャップを引っ張り出して魔法を紡ぐ。君の精神が広がっていく。
だが思ったような結果は得られなかった。近くには人間どころか、生き物すらいないのだ。代わりに『知性』が感じられた。重く、陰気で、濃厚な、古代の油のような思考だ。
この奇妙な何者かの存在に繋がろうと、君は感覚をさらに拡張させていった。だが、うまくいかなかったようだ。呪文が消え、君は目を開いた…。
開いた君の目は、別の誰かの目と向き合っていた。小枝が絡まり合ってできた目だ。
「旅人よ!」木でできた顔が物思いに沈んだ声で告げる。「お主は道に迷ったのじゃな。」
「お前は何者だ?」勇気を出して問いただす。
木はまるでそよ風が吹き抜けたかのように揺らめいた。たぶん笑っているのだろう。「わしは精霊じゃ。」そいつが答える。「そして古い友人でもある。」
「俺を案内してくれるか?」
一陣の風を受けて枝がさわめき、一瞬だけ顔が消える。
「バドゥーバクのシャドラックの居場所を探すがよい。」顔が答える。
「どうしてそれを知っている?」
枝がざわめいて揺れる。やはり笑っているのだ。「わしはシャドラックをよく知っているのだ。」そいつが答える。「それはもう、ずいぶん古くからな。」
「彼は何者なんだ?」君が尋ねる。
「シャドラックは隠者でな、賢い男じゃ。この荒野に住む者の中で最も親切な者の一人じゃよ。」そいつは一人だけで冗談を楽しむかのように、少しの間何かをつぶやいた。
「何が可笑しいんだ?」
「ああ、何でもない。」木がため息をつく。「シャドラックを見つけよ。そうすればお主にも理解できる。彼はフィッシュテイル・ロックでお主を待っておる。」
さらに強い風が吹き付け、枝を捉えてかき乱す。それが収まった時、顔は消えていた。
木の陰から出て歩み去る。


【手掛かり】
・隠者シャドラック:シャドラックは君を助けられる。彼はフィッシュテイル・ロックで見つけられる。

【感想】
アプリ版では、この木を「HOT」の魔法で燃やすことすらできてしまいます。S1-16で樹上の老人を殺害するのと同じ狂気を感じます…。
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S3-6 10日目:バドゥーバク平原南部を歩く [ソーサリー3:七匹の大蛇]

平原を歩き続け、古道に再び合流する。雲が空を滑るように流れていく。
道は乾燥地帯をくねくねと進む。やがて、もやの向こうに何かを見つける。塔ではなく、尖った岩だ。妙なことに、チカチカと瞬いている。
その時、背後で声がした。「もしもし。」
周囲を見回しても、道は無人のままだ。どの方向にも人っ子一人いない。
「どこにいるんだ?」フランカーが砂埃から実体化して君に会いに来たのではないかと半ば期待しながら、声を張り上げる。
返事はない。涼しい風が君のそばで音を立てる。ほんの少し前よりもさらに荒漠感が増した気がする。
無人の道を歩き続ける。

古道をたどり続ける。時間がたつにつれ、風が出てきた。
ここで道は分かれている。太い方は東の方角へ曲がりながら山を登っていく。落石が道以外の斜面を覆い尽くしている。
そびえ立つバドゥーバク峰を眺める。長い道の終着点で、主峰はかすんで見えなくなっている。
北に目を転じると、岩でごつごつした丘の中腹に沿って道が伸びている。少し先に、ことさら印象的な石塔がある。
歩くたびに足の下で石が転がる。

足下の地面が岩とガレ場になってきた。太陽が天頂に近づくにつれて風が強くなる。
尖った大岩の陰で一休みする。この一枚岩は、布地を突き抜けた鉤爪のように泥の上に鎮座している。かつては東に連なる山脈の一部だったか、または地殻変動によって地面からせり上がったのだろう。
岩の基部に洞穴が口を開けているのに気づく。
片手を剣に伸ばし、入り口に近づく。数歩先は真っ暗だ。
何者かが洞穴の内側の岩に伝言らしき言葉を刻んでいる。かろうじて判読できるが、古代のものに違いない。
「SUN!」
岩壁近くに太陽石を掲げると、古代に刻まれた伝言がかなり明瞭に判読できた。

 旅人よ!わしは随分昔からお主を待っておった。お主が望むならば、呼び寄せて進ぜよう。
 空に向かってわしの名を叫ぶといい。さすればお主の声がわしに届くじゃろう!
  ‐‐シャドラック

この伝言は名前を呼べと言っているようだ。だが、誰の名を呼ぶべきだろうか?
「シャドラック!」
君の声が平原に響き渡る。すると、それが遠くの雪崩を引き起こしたかのように、地面がグラグラと揺れ始めた。ふらついて膝をついてしまう。まるで大地が引き裂かれているかのようだ。あるいは大地に引っ込もうとしているのかもしれない。
何とか洞穴から這い出る。その時、地面についた手の指の間に草が生えていることに気づく…。

しばらくして、ふらつきながらも立ち上がる。少し気分が悪い。
君の身体に変化はなかったが、周囲はすっかり様変わりしていた。岩の尖った部分がもう1つ現れて2つになり、洞窟は一回り小さく暗くなっている。そして、洞穴の入り口の藪の中には囲炉裏がしつらえられ、火が燃えている。
洞穴の中から優しい歌声が聞こえてくる。それは氷の上を滑る砂利のような、耳障りな男の声だ。君には理解できない言葉で歌っているが、その旋律は君の魂を落ち着かせてくれた。
「シャドラック!」火に近づきながら声を掛ける。「俺はここにいるぞ。」
歌声が途絶える。咳とゼイゼイいう音が聞こえ、洞穴から1人の老人が杖にもたれながらよたよたと出てきた。
彼がシャドラックに違いない。だが、その顔は先ほど会った木の精霊のそれと同じではないか!


【変化点】
・現在/最大体力:11/19→13/19(魔法の歌)

【感想】
シャドラック以外の名前も叫べますが(サンサスとか)、間違った名前を選んでも特にペナルティはありませんでした。
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S3-7 10日目:交錯する2つの世界 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

「ああ、お主か。」髭越しに重々しい口調で老人が答える。「来るのをずっと待っておったぞ。」周囲の景色を手で振って示す。「よう戻ってきた。」
「俺が誰だか知ってるのか?」君が尋ねる。
老人がうなずく。「そうじゃ。」彼が微笑む。「むろん、お主の使命は知っておる。お主の事なら何でもな。それに、お主もわしのことを知っとるのではないか?わしがシャドラックじゃ。」
君は荷物から伝言を引っ張り出した。「俺はこれを受け取った。」君が説明する。「あんたのことが書いてある。」
彼が巻物を手に取って、中身を調べる。「そちらの予言者は大したもんじゃ!いや、ふうむ。おそらくわしらが会うことは単に記憶されておったんじゃな。そうとも、それが最もあり得ることじゃ。」
読み進めるにつれ、彼が目を細める。「7匹の大蛇か。そうとも。これで、奴らがお前さんに送り込まれた理由が今分かったわい。」
「奴らについて何か知っているのか?」
「少しだけな。」考え事をしながら、彼がゆっくりとうなずく。「お主がカーレからここまで旅してきたのは知っておる。教えてくれ、あの街はどんな様子じゃ?」
「まだ元のままだ。」
シャドラックが深くうなずく。「わしは剣や斧で武装した沼ゴブリンの軍勢が崖をよじ登るのを目にした。そうなれば地平線に煙が立ち昇りそうなもんじゃが、そんなものは見えなかったしな。」
彼は乾いた草を地面から一掴み囲炉裏の中に放り投げた。一瞬炎が燃え盛る。
彼は話題を変えた。「これは警告じゃが、アナランドから来た者で、バクランドを横断しおおせた者はただの一人もおらぬ。」
「どんな危険が?」
「この地は呪われたんじゃ。」シャドラックが答える。「相当な岩や土地が失われ、あらゆる物事がバラバラになった。今やお主もそうなっておるぞ。」
「この呪いは払えるのか?」
シャドラックはしばし考えてから、ようやく答えた。「いや、まず無理じゃろうな。」
彼は2本の指を絡ませながら説明した。「旧世界と古代世界はいばらのように共生してきたんじゃ。片方を旅することは、もう片方を旅することでもあるんじゃ。」
「古代世界だって?」砂漠から草原に変わった土地を眺めながら君が尋ねる。
「イシュタラといってな、わしの故郷だった場所じゃ。」シャドラックがうなずく。「お主なら大歓迎じゃよ。」
不意にシャドラックがよろめく。彼は君に弱々しく微笑んだ。
「この呪いはどうやって降りかかってきたんだ?」
「わしには分からぬ。思うに大魔法使いの企みによって、わしらは皆忘却の彼方に追いやられたか、追いやられようとしているんじゃろう。そして、永遠に続く荒廃だけが残されるというわけじゃ。」
「だが何故だ?」
「お主のせいじゃよ。」シャドラックが鋭く答える。「大魔法使いはこの全土をお主を倒すための罠にするつもりなんじゃ。お主が奴を倒す前にな。奴はかなり破れかぶれになっておる、危険な敵じゃ。」
「つまり、大魔法使いは俺が来ることを知っているのか?」
「お主が来ることは知っておるが、今ここにいるとは知らぬ。できることなら、お主はこのまま知られぬようにすべきじゃ。」
今や、シャドラックは細かく震えている。髭の奥の顔色は蒼白だ。
「7匹の大蛇について何を知っている?」可能なうちに知るべきことを知ろうと、君は急いで尋ねた。
「大蛇は最も厄介な相手じゃ。」シャドラックが答える。「わしは奴らを何度も目撃したことがあるが、連中はただの蛇ではない。奴らにまつわる伝説を知っておるか?」
「教えてくれ。」
シャドラックはうなずいた後、酷く咳き込んだ。「今から何千年も昔‐お主には2,3年前じゃろうが‐マンパンの大魔法使いが、高地ザメンの洞窟に住みついた巨大ヒドラと戦い、これを倒した。」
「こいつが余りに手ごわかったため、大魔法使いはその7つの頭をマンパンに持ち帰り、自分の黒魔術で翼を持つ7匹の大蛇として蘇らせた。こうして、そいつらは彼お抱えの伝令、暗殺者、暗黒の軍隊となったわけじゃ。」
「今から数千年前だって?」
シャドラックが弱々しく笑う。「本当じゃよ。自分の回りを見るがいい。お主がこの谷に来た時、草に覆われてはおらなんだと思うが。」
彼の言う通りだ。ここは同じ谷だが、それでいて同じではない。
「俺には何が起きているのか理解できない。」
「そのうち分かる。」シャドラックが答える。「だが、それは自分で学ばねばならん。これだけは言っておく。それぞれの大蛇は自身の元となる精を持っておる。それは凄まじいパワーをもたらすが、その一方で大きな弱点にもなる。その弱点を見つけ出すのじゃ。そうすれば奴らを倒せるじゃろう。」


【感想】
ここで、アプリ版で新たに導入された世界観が語られました。旧世界と交わる古代世界イシュタラ。
それと、先発した勇者は全員失敗したようです。おそらくすでにバクランドで屍をさらしているのでしょう。(-人-)ナムナムチーン…
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S3-8 10日目:シャドラックとの別れ [ソーサリー3:七匹の大蛇]

シャドラックが咳き込んで身震いする。
「友よ、」彼がつぶやく。「行かずに済めばよいのだが、わしはもう行かねばならん。輪を閉じるためにな。」彼は杖を手に立ち上がった。
「何をするつもりなんだ?」
「休息じゃよ。」それが心底ありがたいといった様子でため息をつく。「足を大地に踏ん張り、腕を枝として張り巡らし、地面に水がある限り日光を浴びるつもりじゃよ。これでさらばじゃ。」シーソーのように腕を広げて笑う。
急に酷く咳き込み始める。「もうあまり時間がなくてな。」
「さようなら。それと、ありがとう。」
シャドラックがうなずく。「お主とはまた会うじゃろう。思うに、わしらはすでに会ったことがあるんじゃ。」
洞穴の入り口で彼が手を振る。「その中に、お主に残していく物がある。では気をつけてな。イシュタラを行く時、お主が大蛇に襲われることはない。だが、元の時間に戻らねば奴らは倒せぬ。」
「どうすれば2つの場所を行き来できる?」
「灯台に行くといい。」彼が謎めいた答えを返す。「お主の時間でまだ残っているものがあれば、古代の光を少しは宿しておるやもしれん。少なくとも、ここの北に1つある。川のそばじゃ。」
腕を伸ばすと、彼は君の頭の両側に手を置いた。大いなる光が身体の中に流れ込んでくるのを感じる。それが終わると、彼は振り向いて草地を横切って歩み去った。
「待ってくれ!」
後ろから声を掛けるが、次の瞬間彼の姿はかき消え、草原に漂うもやの中に溶けていった。
彼の言葉を思い出す。この地は呪われてバラバラになった、と。彼は君を呼び寄せるために力を使ってくれたようだが、今再び離れ離れになったのだ。
洞穴の入り口に一人残される。
もう一度洞穴の中を覗き込むと、今度は壁のフックに奇妙な形の角が掛けられているのを見つけた。風変わりな形に曲がったそれには皮で装飾が施されている。この角笛は大変な希少品だ!
慎重に取り上げ、唇に持っていって一吹きする。澄んだ美しい音色が発せられると、その反響で空気が揺れ動いた。
贈り物のお礼をそっとつぶやく。

古道に戻り、岩を後にする。
北には、シャドラックが言っていた緑のツタに覆われた塔が垣間見える。西には、確かに以前にはなかった若い木がいつの間にか立っている。
太陽石の光が2度瞬き、それから消えた。


【変化点】
・現在/最大体力:13/19→19/19(祝福)
・+疾風の角笛

【手掛かり】
・7匹の大蛇の弱点:7匹の大蛇が君の旅を脅かしている。君の接近を大魔法使いに知らせようとしているのだ!だが奴らには皆弱点がある。もしそれを見つけられれば、奴らを倒せるだろう。

【感想】
原作同様、シャドラックは様々な情報を教えてくれる大変ありがたい存在です。今回の選択肢以外を選べば他にも有用な情報をまだまだ教えてくれますが、彼がこの世界にいられる時間には限りがあるため、全部を聞くことはできません。
例えば、蛇の指輪を見せた場合。

主人公「これが何か分かるだろうか?」
シャドラック「今まで目にしたことはなかったが、これは蛇の指輪じゃろう。古代世界には2つか3つしか存在しないがの。あるいは、お主には分からぬじゃろうが、唯一のものが2つの世界を行ったり来たりしているのやもしれん。」
主人公「何をしてくれるんだ?」
シャドラック「確か、呪文の触媒じゃったはず。どんな呪文なのかは知らぬが。お主も知っての通り、わしは魔法使いではないのでな。山の魔法使いを訪ねてみよ。ここから登って森を抜けるんじゃ。」

そんな彼の正体は、古代世界イシュタラの木の精霊のようです。S3-5で登場したあの木ですね。
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S3-9 10日目:謎のつむじ風に助力を阻まれる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

可能な場所では道の痕跡をたどり、残りは這い上りながら、草に覆われた岩や巨石を越えて進む。遮るもののない空から熱が降り注ぐ。
埃っぽい平原は野原へと変わった。それでもこの辺の草は、東の山脈から転がり落ちてきた岩で踏み散らかされている。
その時、どこかすぐ手の届きそうな近場から聞こえてくる奇妙な風切り音が、君の注意を引いた。音の出所は大岩の反対側だ。その風音は常に鳴り続けている。
岩の向こうを覗いてみると、君の目に奇妙な光景が飛び込んできた。この地方特有の呪いなのか、それとも珍しい気象現象なのか君には何とも言えなかったが、少し先に浮かんでいたのは、岩の間の窪みに留まって渦を巻くつむじ風だった。
小さなハエがつむじ風の上を飛んでいく。次の瞬間それは中に吸い込まれ、君の視界から消えた。
このじょうごのようなものは生きているのだろうか?その動き方から察するにそう見えるのだ。閉ざされた岩の間でもぞもぞと動いている。まるで傷ついて外に出る道を探してるかのようだ。
ほぼ剣の長さほどの距離まで、ゆっくりと這い寄る。そいつは相変わらず同じ場所で目まぐるしく回り続けている。ここからならもう少し様子が分かる‐何かが光っている内部を除けば。
再びつむじ風から距離を置く。それでもそれは無反応のままだ。
突然、どこか君の頭上から声がした。「アナランド人!伝言だよ!」
目を上げて右手の方を見る。岩壁に目を走らせると、ヤギのように岩から岩へと飛び移りながらやってくる少年を見つけた。
「伝言があるんだ!隠者シャドラックからだよ!」
「どうして俺を知ってるんだ?」
「シャドラックが僕に教えてくれたんだ。剣を持った男の人で、飢えた狼みたいな目をしてるって。」少年が答える。「あんたを見つけるように言われたんだ。火の大蛇についての伝言だよ。」
少年が山の斜面を下ってくる。
「どんな?」疑わしげに君が尋ねる。
「火の大蛇だって。あんたを追ってるんだ。あんたが眠ってる間に襲うつもりなんだよ!シャドラックがそう予見したんだ!」
少年は斜面をもう半ばまで下りている。岩の中のつむじ風のすぐ上だ。彼は飛び降りるつもりなのだ。
「待て!」
崖に片足を掛けて跳ぼうとした少年の動きが止まる。互いの目と目が合う。
だが、足の下の岩が滑って彼は転がり落ちた。落ちていきながら、彼の身体がつむじ風の方に引き寄せられていくのが分かる…。
「気をつけろ!」君が叫ぶが遅過ぎた。次の瞬間、少年はつむじ風にぶつかり、その中に消えてしまった。
つむじ風から離れ、他所へ移動することにする。その正体が何であれ、少年の身に起きた事を考えれば、あれは調査しないでおく方が良さそうだ。
ここからは2方向に道が分かれている。


【手掛かり】
・火の大蛇が君を追っている:火の大蛇が攻撃の機会をうかがって君を追っている!

【感想】
原作にも登場した謎のつむじ風。アプリ版ではその調査を続けると、そばに別の生き物が出現するイベントがあるのですが、それでも結局つむじ風の正体は分からずじまいです。
それとこの少年、こちらが魔法を使えば竜巻に吸い込まれずに済んで助けられるのですが、今回は非情にも見捨ててしまいました。彼は火・水・月の大蛇の弱点を教えてくれるので、ゲーム攻略上はとてもありがたいのですが、今回はこれから主人公が苦労しながらその情報を見つけていくつもりなので邪魔な存在なのです。火の大蛇の夜襲を警告してくれるだけで十分だったのです。少年、君はしゃべり過ぎなのだよ、フハハ。
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S3-10 10日目:灯台から平原を見渡す [ソーサリー3:七匹の大蛇]

草原を横切って進む。太陽が地平線に向かって傾き始めている。
シャドラックが『灯台』と呼んでいた塔の影の中に入る。塔の側面は余りに滑らかで自然のものとは到底思えない。それどころか、石やレンガを組んだものですらない。まるで1個の石やレンガを彫って作った巨大な駒のようだ。掴み草が羊毛の糸巻きのように塔の周囲にぐるぐる巻きついている。塔の向こうには河が音を立てて流れている。
戸口が見つかることを期待して、塔をぐるりと一周する。だが、何も見つからない。塔の側面は堅固な石造りだ。これが実際に塔であればの話だが。
塔の天辺で、金属のような何かが太陽の光できらりと輝いた。
首を伸ばし、太陽の眩しさに目を細めながら、何が光ったのか見極めようとする。黄銅の類が突き出ているように見える。人の手が入った金属や石があるのは奇妙な話だ。ここは不毛の地ではなかったのだろうか?
次に、河の流れをしばらく眺める。せせらぎの音は穏やかだが、対岸にも平原は続いている。いずれ、どうにかして渡らねばならないのだ!
掴み草をぐいっと引っ張る。ツルはロープのように強く、塔の石にしっかりと根を張っているようだ。しかも頂上まで続いている。

掴み草を握り、身軽に塔の外壁をよじ登る。生い茂った根が十分な足場を確保してくれるので、登攀は容易だ。
すぐに塔の天辺の胸壁にたどり着いた。

塔の最上部に立つ。荒野を渡る風が外套のフードをなびかせる。地面は茶色の海のように眼下に広がっている。
実のところ、そこは空っぽではなく、かろうじて立てるスペースがあるだけだった。塔の屋根の真ん中に据えられた大きな黄銅製の見慣れない機械が、床のほとんどを占めている。
ここからは全ての方向が見渡せる。東には低い山々があり、南から西にかけては断崖がぐるりと取り囲み、北には暗い地割れが走っている。
山に視線を走らせる。稜線はギザギザして、向こう側は見えない。山の頂で、黒い翼の何かが弧を描いて飛んでいる。ヨタカだろうか?それとももっと手ごわい何かだろうか?その斜面はフィッシュテイル・ロックから続く草に覆われ、特に緑が濃い。
君が下りてきた断崖に視線を戻す。階段の列が、何か黒い点を通り過ぎて下っている。あそこに洞窟がある!
束の間、東の深い森の中に山が突如現れた。だが、埃っぽい雲が晴れると、山は再び消え去っていた。
フィッシュテイル・ロックの周囲の平原は、緑豊かで陽気な印象を受ける。だがどの方向を見ても、緑地は唐突に荒れ地へと変わっている。暗い部屋の床に窓の月明かりが当たっているかのようだ。あるいは、よどんだ湖の水面から岩が一つだけ突き出ているような感じだ。
地割れは大地を真っ二つにしている。横断できないほど幅が広いことがここからでも分かる。君の心は沈んだ。
少しの間、河に水が流れているのが見えたが、しばらくするとまた見えなくなった。
地割れの向こうを眺めると、高い建物が見えた。ここと同じような別の塔ではないか?
視線を遠くから近くへ引き戻す。少し向こうで鳥が空を舞っている。


【手掛かり】
・断崖の洞窟:バクランドの入り口の断崖には洞窟がある…

【感想】
ここで景色が移ろう描写がありますが、これは誰が呼んだのか『時の風』という現象です。このように、バクランドの一部は旧世界と古代世界の間を行ったり来たりしているのですが、主人公が灯台を1つでも復活させると揺らぐ領域は減ります(全てなくなるわけではない)。
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↑暗い部分が旧世界、明るい部分が古代世界
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↑イシュタラ出現後のバドゥーバク平原
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S3-11 10日目:第1の灯台に光を灯す [ソーサリー3:七匹の大蛇]

この塔は明らかに、中心に据えられた黄銅の機械を格納するために建てられたものだ。
好奇心に突き動かされて調べてみる。真ん中の軸受けに大きな黄銅製の筒が載り、その先端は胸壁から少しはみ出ている。魔法使いの長の望遠鏡の一つにかなり似ているが、それにしても何故こんな複雑な装置を荒野に置いたのだろう?
筒の下の軸受けは機械を動かすためのものだろう。それより何より、床にはめ込まれている青水晶がとても印象的だ。青水晶は君が知っているような宝石ではない。その内部では光が明滅し、まるで中で何かが生きているようにさえ見える…。
筒の中を覗き見ても、中は何も見えない。そもそも接眼レンズがないのだから、これが望遠鏡であるはずがない!筒を押して塔の上を旋回させる。まるで最近油を差したかのように滑らかだ。だが、何も変わったことは起こりそうもない。
「SUS!」
星の光を束ねて身体の周りで形にすると、聞き慣れた穏やかな声が君に語り掛けてきた。この望遠鏡は大変強力なパワーを宿し、実際に大いなる害悪をもたらし得る、だがそれは今この場で君に対してではない、と。
そう告げると、呪文の力は消えていった。
水晶に触れてみる。君の指が表面をこすった時、何かが起きた。まるで勢いよく放り出されたかのように、身体が宙に引っ張られた感覚がする。
めまいと共に、君はバドゥーバク全土を見下ろしていた。それから少し後には、君はまた元のように立っていた。頭がガンガンするが、妙にパワーがみなぎっている。
手を伸ばして、もう一度水晶に触れようとしたが、思い止まった。青水晶がまばゆく輝いたかと思うと、突然濃密な光線が放出されたのだ。光線の奔流は大地を横切り、もやを切り裂き、陽炎のように景色を歪めた!
光線に照らされた大地に変化が起きた。先ほど目撃した魔法がまた起ころうとしている…。

今や光線の当たった大地では、違った光景が現れていた。鳥が飛び、優しい風がもやの中で花粉を運んでいる。
光に触れぬよう注意を払いながら光線を調べる。塔の端から数フィートの所で収束し、目まぐるしく色を変えながら外へ向かっている。光の当たった場所では草がどんどん伸びているが、その外側は荒れ地のままだ。
シャドラックが言っていた灯台はこれに違いない!軌道に沿って機械を動かすと、光線の当たる場所もそれにつれて移動した。
灯台に光を灯したまま、君は胸壁から身を躍らせた。

再び掴み草を頼りにテキパキと地面に下り、最後の数フィートは飛び降りる。
ここから南には、平原を西に横断する広い道が続いている。

草地を歩いて道に出る。太陽が傾くにつれ、空があざのような紫色へと変わっていく。またすぐ夜になるだろう。


【変化点】
・現在/最大体力:19/19→18/19(魔法)→19/19(青水晶)

【感想】
位置関係が少し分かりにくいですが、この装置は塔の丸天井の上に据えられており、青水晶がはめ込まれているのも、今主人公が立っている床も、この丸天井の上です。
また、「SUS」の呪文でも示唆されている通り、実はこの青水晶の光線を使うとこの地に悪影響が及ぶようです。その辺りの話は第4部で語られるのですが、あまりに複雑で、現時点ではまだよく理解できていません。この灯台を再起動せずに第3部をクリアするルートもあるのですが、その場合第4部にどんな違いが出てくるのかも興味深いところです。
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↑アプリ版独自システム、摩訶不思議な灯台。光を照射する箇所は360度調整可能ですが、遠くの場所や遮蔽物の向こう側には光が届かないこともあります。
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S3-12 10日目:リンチ虫を撃退、地割れを飛び越える [ソーサリー3:七匹の大蛇]

進むにつれて、道がゆっくりと曲がっていく。足下の地面がひび割れ始めた。石がひび割れるたびに草が現れる。
やがて細かい埃の層に隠れて道が見えなくなった。今や、太陽は空の最後の四分の一のところまで来た。間もなく夜になる。
大きく口を開けた地割れが、少し道から外れた地面に走っている。地割れの始まる箇所から河が流れている。この平原はまるで、アナランドの結婚式に届けられた皿のようだ。渓谷はあり得ないほど広い。
西を見ると、道は渓谷の方へと曲がっている。かつてはそこを渡る橋の類があったのだろう。
東の方には、バドゥーバク峰の向こうにクラッタバク平原がある。湖にたどり着くにはそこを横断せねばならない。

夜の帳が下りた頃、道が地割れの端に突き当たった。どこか安全に眠れる場所を探す頃合いだ。もし夜通し歩き続けたなら、体が弱ってしまうだろう。空腹を抱えて長い距離を歩いた後ではなおさらだ。
行き止まりには古代の橋の残骸がある。風が地割れ沿いに音を立てて吹き抜ける。まるで河があざ笑っているようだ。
地割れの端ににじり寄って下を見下ろす。縁も陰になっているが、底まで何マイルもありそうだ。両側からは岩が滝のように降り注いでいる。
ここにはかつて橋があり、道が通っていたのだ。地獄の口に落ちる石は数個だったはずだ。
だが橋は遥か昔に崩落し、驚くような落差を君に見せるだけとなってしまっている。
突然、割れ目の端で動きがあった。長い突起が端から突き出し、それが曲がり、地面に引っ掛けられ、続いて何かが顔を出した…。
君は何かの生き物が身体を引っ張り上げるのを見守った。
それは長い6本足の昆虫だった。鉤のように曲がった顎と恐ろしげな棘を持ち、数日前に君が切り倒したマンティコアと同じ大きさをしている!
剣を抜いてそいつを待ち受ける。

<第1ラウンド>
リンチ虫が下あごを宙で交差させる。君を引っかくつもりだ。君が必死に振るった剣が奴に当たる。

<第2ラウンド>
優勢な君はそのまま攻める。奴の胸部に狙いをつけ、リンチ虫が近づいた時、剣を深々と突き刺す!果物をかみ砕くような音を立てて、固い外殻が少し割れる。
少しの間、そいつはバランスを崩して細い足でよろめいた。それから、前脚を跳ね上げて飛び掛かってくる。まるで、王の宮廷で踊り手があまりに場違いな行為をしているかのようだ。

<第3ラウンド>
君の剣が奴のわき腹をバラバラに切り裂く。さらに足を斬り飛ばし、突き刺し、斬り付け、ねじる。
リンチ虫は泥の中にくずおれた。

ほっと息をつく。恐ろしい虫を退治した。周囲を再び見回す。数羽の鳥が割れ目の中で弧を描いて飛んでいる。それから空高く舞い上っていく。
「fAL!」
呪文を唱えると、君の身体は通常より遥かに軽くなった。
「HUF!」
更に呪文を唱え、角笛を持ち上げて吹く。
角笛が呼び出した力強い風が、羽根ほどの重さになった君を捉え、空中へと連れ去る。

奈落をあっという間に越える。やがて徐々に体重が戻っていき、君はゆっくりと対岸に着地した。
荒涼とした平原がまた広がっている。背後では割れ目を抜ける風が音を立てていく。
時間を無駄にはできない。歩くにはちょうど良い涼しい夜だ。

果てしなく続く塵の平原をとぼとぼと横断する。月が昇り、周囲が銀の光に満たされる。
道は砂埃越しにかろうじて見える程度だ。道沿いに骨が2,3本散らばっている。
骨を手に取ってみる。ほっそりした大腿骨と長い腕の骨だ。エルヴィンかブラックエルフのものだろう。風で摩滅してカサカサになっている。


【変化点】
・現在/最大体力:19/19→18/19(魔法)

【感想】
今回は「fAL」と「HUF」のコンボで渓谷を越えましたが、どういうわけか「DOZ」を自分にかけることでも渡れます。
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S3-13 10日目:新たに灯台を発見するも、毒薬で死にかける [ソーサリー3:七匹の大蛇]

暗闇の中、道をたどって歩き続ける。
平原は広大で空虚だ。南には地割れが口を開けている。北に向かって、石だらけの緩い上り道が伸びている。
途中で道を外れ、灯台の光で荒野から姿を変えた原っぱを歩く。月が昇り、星も多くなってきた。
やがて、石でできた塔の基部に着く。月光が扉の輪郭を照らし出す。
扉を試してみるが、鍵がかかっている。だが少なくとも、前の塔とは違い、こちらには扉がある。
「DOP!」
天上の星を探り、呪文を形作る。すると、扉の内側でカチッという音がして、扉はすぐに両側に開いた。
星がどんどん増えてきた。

扉を抜けてひんやりした塔の中に入る。最後に誰かが足跡を残してからどれだけの年月が経ったのだろう?
洞穴のように広くて深い空間に立つ。頭上は闇の中で、屋根があるのか分からない。君の足音が虚ろに響く。空気には新鮮味がない。おそらく何世紀もこのままだったのだろう、部屋の空気は薄く気分が悪くなる。
淀んだ空気を胸一杯に吸い込むと、何か甘ったるい匂いがした。少ししてから、それが墓地や納骨堂の臭いに近いことに思い当たる。だが腐敗臭というわけではない。
部屋の隅を調べるが、ほぼ真っ暗闇の中では何も判別できない。塔に窓はないが、いずれにせよ外も暗いのだ。
「SUN!」
星を順番に身体の回りにまとわせていくと、太陽石が魔法の白い光を放ち始めた!暖かい光が部屋を満たす。
宝石の光の中で周囲を見回すと、石組みを登っていく影のような奇妙な形が目に入った。それは光から後退していく。闇ツタだ。階段と天井を分厚いマットのように覆っている。闇ツタは暗い場所にしか育たない、ツル状の植物だ。幸いなことに、過剰に食べ過ぎなければ害にはならない。ここに立ち込めている匂いは、この植物が放つ芳香だったのだ。
すぐには階段に向かわず、部屋の隅々を明かりで照らして調べる。興味を引く物はなさそうに思えてきた時、君は古い背負い袋らしき物につまずいた。
袋を開けると、驚いたことに垂れ蓋の内側にアナランドのなめし業者の焼き印を見つけた。中を漁ると、栓をされた3本の瓶を見つけた。
紫色の液体の瓶を持ち上げて振ってみる。液体の色は薄いが、微かに輝いている。これはもちろん、君にも分かる。ブリムベリーだ!素晴らしい発見だ。
茶色の瓶にはどろっとした得体の知れない油が入っている。栓を抜くと、木の香りが鼻をつく。これはカーレでも手に入れた木の皮のエッセンスだ。味見しなかったのは幸いだった!紫の瓶のそばにしまうことにする。
薄い黄色の液体はすっぱそうな見た目だ。瓶には蛇の印が描かれている。
栓を開けて、優雅に振ってから舐めてみる。
次の瞬間、喉が絞めつけられ、瞳が乾いてきた。これは毒だ!
吐こうとするが、舌がピンと伸びたまま麻痺してしまい、口を開けられない。最後の力を振り絞って精神を統一し、目を閉じて慈悲の神に祈る。
すぐに平穏さで身体が満たされる。クーガが君の身体を浄化してくれたのだ。ほっと溜息をつく。
黄色の瓶も荷物に加える。慎重に扱えば、どこかで役に立つかもしれない。
毒のせいで息もつかせぬほどパニックに陥った記憶はなおも残ったが、発見物に満足して背負い袋を閉じる。


【変化点】
・現在/最大体力:18/19→17/19(魔法)
・+ブリムベリーの搾り汁
・+木の皮のエッセンス
・+毒薬

【感想】
この袋はおそらく先行した別の勇者が置いていったものでしょう。第2部でヴァンゴーンを倒してすでに毒薬を入手している場合は、ここには毒薬は出てこない模様。
ところで、基本的には灯台の光が当たった場所は古代世界、当たっていない場所は旧世界となりますが、光が重複して当たった場所は旧世界となります。また、灯台の光の境界は常に揺らいでいるため、その辺りに移動する際は、主人公のアイコンをドラッグしたタイミングによっては旧世界になったり古代世界になったりします。例えば、ここの冒頭の灯台に入る直前の文章は旧世界の夜のもので非常にシンプルですが、古代世界の夜では以下のように長文でした。

道に沿って歩き続ける。歩くにつれ、道の舗装が滑らかで良くなる。まるでまぶたのない目のように、月がゆっくりと空を渡っていく。
広い草原を歩く。片側はさらさら音を立てて流れる河で、もう片方は暖かい夜に包まれている。どこか近くから、歌ったり飲み食いする音が聞こえてくる。近くに村があるに違いない。
浮かれ騒ぐ音がどこから来ているのか確かめようと立ち止まる。だが、草原を吹き抜ける風のせいでよく分からない。空では夜鳴き鳥が鳴いている。
河の水音に耳を澄ます。バドゥーバク峰の東のどこかには、あの名高いスナッタの森がある。いかにも大蛇が隠れそうな場所ではないか?
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S3-14 10日目:第2の灯台に光を灯す [ソーサリー3:七匹の大蛇]

階段を一番上まで登り、天井を覆う闇ツルを剣で叩き切る。ツルからどろっとした樹液がにじみ出て、床の上に滴り始める。
ツルを切り裂いていくと、落とし戸が姿を現した。かんぬきで閉じられている。
だが、今や君の腕は樹液まみれで、しかもだんだん冷えて硬くなってきた。
腕を開いて呪文を唱えようとするものの、魔法を生み出す前に腕が今の位置のまま動かなくなった。魔法は泡となって消え、君は両腕を頭の上に掲げた状態のまま、像のように硬い殻に覆われてしまった。
そんな極端な状況が極端な処置を君に思いつかせた。体重を左右に移動させるうちに君の身体は傾いていき、ついにはバランスを崩して階段から転げ落ちた…。
床に落下した衝撃で、君の身体を覆った琥珀色の殻が砕ける。再び自由になった!
自由を取り戻した君は、階段に取って返すとかんぬきを引き抜いた。屋根の蓋が下りて開き、上から涼しげな星明りが差し込む。
さあ、移動する頃合いだ。平原に戻ることもできるし、塔の天辺に行くこともできる。

天井窓を抜けると、強い風が吹き付けてきた。ここはバドゥーバク平原北部にある石の塔の天辺だ。床には軸受けの軌道が設けられ、その上に青水晶がはめ込まれた黄銅製の筒の台が載っている。塔の床の片隅には、今君が開けた落とし戸がある。
全方向の景色を眺めながらその場でくるりと回る。今や地割れには水が流れ、最初の塔の光が当たった場所は緑があふれている。それを見た君の目から涙がこぼれる。
この塔の筒は以前見た物とそっくりだが、こちらの方がやや細く、50センチほど長い。機械を復活させるのに少し手間取ったものの、やがて筒から光線が出て土地を照らし出した。光に触れた時、君は急に元気になった。
君は機械の位置と焦点を慎重に調節した。光の下、大地が姿を変えていく。結果に満足して、君は胸壁の刻み目の1つに光源を固定した。
その場を後にして、落とし戸をくぐって塔の内部へ戻る。さらに塔の基部を出て、闇夜の中へと踏み出す。

平原をとぼとぼと歩く。進むに従い、草地は砂埃へと変わった。太陽石の光が2回明滅し、それから消えた。真夜中は静かで寒い。
地面の石の一部が、明るい黄色の奇妙な苔に覆われている。
興味をそそられ、苔を一掴み手に取る。それはみずみずしく、先端がやけに尖っている。鼻に持っていくと、レモンと濃厚なチーズと肥料を全部一緒にしたような匂いがする。カーレで飲んだ水が思い出される。あれは効果てきめんだった。
ためらいがちに舌の上で苔を味わう。味は良くなかったが、苦くはない。おそらく毒ではないのではないか?
勇気が出てきて、苔をひと塊口の中に入れて噛む。濃厚な黄色い汁があごから滴る。飲み下すのに苦労したが、そうした途端、胃から温かさが身体中に広がった。
この苔の正体が何であれ、とても身体に良いようだ!暗闇にもめげず、旅を続けることにしよう。


【変化点】
・現在/最大体力:17/19→19/19(青水晶)

【感想】
前述しましたが、灯台の光を浴びると体力は回復して大地は緑に帰るので、一見するといいことばかりのように思えるのですが、どうやらそう単純な話ではないらしいのです。
なお、この苔が味わえるのは旧世界だけです。
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日数縛りをした上でお気に入りイベントをこなすためには、細心の注意を払ってビームを調整し、さらに時の風も利用する必要がありました。
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S3-15 10日目:火の大蛇の夜襲を受ける [ソーサリー3:七匹の大蛇]

荒野を渡り、古道の端にたどり着く。東の空はすでに明るくなりかけている。
空っぽの平原は寒く暗い。砂埃が君の足元で渦を巻いている。まるで平らな海面を歩いているかのようだ。
ここは一休みするには物寂しい場所だが、おそらく静かに過ごせるだろう。
敷石の上に荷物を置きながら、寒さを気にせずにくつろごうと努める。少なくとも今日はすでに食事を終えているので、空腹に悩まされることはない。
目を閉じ、疲れが身体に降りかかるに任せる。静けさが耳にうるさい。この場所の真の寂しさが段々分かってきた。カーレの喧騒は遠い夢のように思えてくる。

1時間ほど眠っただろうか?寝返りを打つ。君は顔に熱を感じて汗ばんできた。すぐそばから、シューという音がずっと聞こえてくる…。
物音も立てずに伝説の剣を鞘から引き抜き、襲撃者を確かめようと見上げる。だが君が目にしたのは最も奇妙な光景だった。炎のとぐろが君の上に浮かんでいるのだ!
君が見守るうちに、君の背負い袋を掴み取ろうと、2本の鋭い爪が降りてきた。
目を見開いて化け物の姿を見つめる。そいつは際限なく燃え盛る炎の翼を生やした大蛇だった。火の大蛇だ!
大蛇の爪が君の背負い袋の上の方を掴んだ。君が引っ張り返すと、そいつは君もろとも空に上昇した!
そいつは首を曲げて、赤熱した石炭のように燃え盛る爬虫類の目で君をにらみつけると、唸り声をあげて君に咬みつこうとした。
背負い袋の取っ手をぐいと引っ張って、化け物の爪から逃れようと試みる。化け物は空中で身体をよじって、君を振り落とそうとしている。
背負い袋の取っ手の縫い目がほころび始める。
君は腕をひねって化け物を突き刺した。おそらく上手くいったのだろう、そいつは荒々しく吠えると、もっと高く飛び始めた…。
突然、そいつは激しく身体を傾けると、何の前触れもなく爪を開いた。
君は地面へと墜落した。少なくとも荷物は無事だ。だが、大蛇はどこだ?
ぎこちなく立ち上がる。かかとかどこかをひねってしまったようだ。
だが大蛇は君を諦めてはいなかった。弧を描いて飛んでいる。
「貴様を焼き尽くしてくれる!」そう叫ぶと、そいつは君目がけて急降下してきた。君が奴を追っているのではない。奴が君を追っているのだ。
君は背を向けて逃げ出した。しばらくすると、砂が君の目に飛び込んでくるようになった。砂嵐が目の前に迫ってきている!
砂が飛び交う暗がりに飛び込む。火の大蛇は君を追ってきたが、砂がその火の翼に吹き付けると、パチパチ音を立てて暗くなっていった。やがて、吹きすさぶ風音の中で、君は奴の姿を完全に見失ってしまった。
砂嵐から鼻と口を守るため、マントをぎゅっと引き寄せる。だが、目を守ることまではできない。
何かが君の足元で体をくねらせ、のたくっている。特大サイズの長虫だ。この嵐で地表に引きずり出されたのだろうか、それとも…?
衣服を叩き付けてくる砂のせいでほとんど前が見えないくらいだが、長虫の背中は深紅の色をしており、君の足の周りで必死に身もだえしている。
そいつを踏みつぶそうとブーツを振り下ろす。だがそいつは砂の中に穴を掘って逃げてしまった。まるで砂が肉の塊を飲み込むかのように姿が見えなくなった。
もしあの長虫が火の大蛇なら、砂が弱点ということだ!
だが今や君は砂で目がくらんで、息が詰まりかけていた。君は砂を数回手早くすくって袋に流し込んだ。もちろん、君の口からはまだそれ以上の量の砂が何日間も出てくるだろう。
それから砂嵐の通り道の外に走り出る。新鮮な空気で一息つくと、再び元の気分に戻った。大蛇がどうなったのかは分からない。
一難去って、君はもう一度くつろぐことにした。


【変化点】
・現在/最大体力:19/19→17/19(落下)
・+砂(2回分)

【手掛かり】
・火の大蛇の弱点:火の大蛇は砂が弱点

【感想】
ついに7匹の大蛇のうちの1匹と初遭遇!剣で立ち向かうことも(死んだふりさえも)できますが、凄まじい攻撃力を誇る相手ですので、真っ向勝負はかなーり厳しいです。アプリ版では火の大蛇以外の数匹にも、前哨戦→再戦という流れが用意されています。いずれも前哨戦の段階で敵の強大さを実感できるので、個人的なお気に入りイベントとして攻略ルートに加えています。悪役にも見せ場を用意してこそ、倒しがいがあるというもの。この王道的展開を分かっているとは、アプリ版はさすがです。
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それぞれの大蛇に新たな挿絵が!原作に近い雰囲気がイイ感じ。
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火の大蛇の最大攻撃力は15!大蛇の炎に照らされ、伝説の剣の刃が煌く‐。
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S3-16 11日目:ケンタウロス三人組と取引 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

遠くから聞こえてくる物音で目が覚める。見ると、3つの人影が砂塵を巻き上げながら平原を横切っている。
君が見守るうちに、それは君の方に方向転換して向かってきた。
手を上げて、近づいてくる人影に挨拶する。ケンタウロスだ!背が高く、がっしりした体格をしている。
「おい、そこのよそ者!」そいつらのリーダーが仲間を制止しながら言う。「俺達はバクランドのホースマンだ。」
「やあ。」
ケンタウロスは弓を肩から外すと、君の足元の地面に1本の矢を放った。それ以上近寄るなという警告だ。そいつは次の矢をつがえて、今度はもう少し高く構えている。
「さあ、教えてもらおうか。生ける者を苛むバクランドのこんな所にいる目的は何だ?」
「俺は旅人なんだ。」慎重に君が答える。
ホースマン達が笑う。「護衛もなしにここを旅する愚か者なんざいねえ。さては貴様、まじない師だな。」
「あんたらに危害を加えるつもりはない。」君が伝える。
最後尾のケンタウロスが前に駆けてくる。「こいつに違いないぜ、」君に聞こえないほどには小さくない声でそいつがささやく。「大蛇が言ってた奴は。」
「それは誤解だ。」きっぱりと君が答える。
ケンタウロスがよく響く深い声で笑う。「いいや、俺はそうは思わんな。」そいつが言う。「この平原を大魔法使い目指して横断するような馬鹿者は一人だけだ。そして、その馬鹿は相当な金貨を持っていると聞いたぞ。」
「多分俺達は助け合えると思う。」細心の注意を払ってほのめかす。「確かに俺はあんた達が欲しい物を持ってるかもしれない。」
ケンタウロスが片方のげじげじ眉を吊り上げる。「何をしてくれるんだ?」
「あんたに幸運のまじないをかけよう。」
「幸運のまじないだって?」明らかに相手の興味を引いたのだ。「それで、見返りに何が欲しいんだ?」
「この先に何があるか教えてくれ。」
「そんなことか?」ケンタウロスが肩をすくめる。「それならただで教えてやる。北と少し東に行くと、蛇使いマナタが住んでいる。東と少し北に行けば、ブラックエルフの隊商がいる。連中はカーレを目指して、もう何年も旅をしているんだ。」
「何年も?」
「バクランドは呪われた土地でな、」ケンタウロスが答える。「ここでは何もかもがぴったりと合わさらねえ。はたから見りゃよく分かることもあるだろ。ブラックエルフは強情だから周りが何にも見えちゃいないんだ。だから、自分達のわだちの跡をたどってグルグルとさまよってやがるのさ。いつの日かカーレにたどり着くことを夢見ながらな。」
「連中は愚か者なんだな。」
「そうさ、」ケンタウロスが答える。「だが奴らを出し抜くのはたやすいことじゃないぜ。それにかなり冷酷だ。そこに行くなら気をつけるこった。」
「どうやったらバドゥーバク峰を越えられる?」次に君が尋ねる。
ケンタウロスが騒々しい笑い声をあげる。「その問いには何の価値もありゃしない。そんなことできっこないんだからな。古いトンネルは千年前に埋まったし、大きな橋も落ちて久しい。伝説で語られた滑り台さえ干上がっちまったって噂だ。お前はここに留まるしかねえんだ、俺達と同じようにな。」
「滑り台だって?」
「魔法使い連中がうまい名前を付けた事なんて一度もないさ。」ケンタウロスが答える。「言い伝えでは、かつて南の死火山に一人の強い魔法使いが住んでいて、残忍なその男は侵入者を山の下の平原に放り落としていたんだと。だが実際は、そいつは殺しはしたくなかったから、そいつらを滑り台で降ろしていたらしい。今となっちゃ、それもできねえが。」
ケンタウロス達がいなないてたてがみを振る。
「それで全部か?」リーダーが尋ねたが、すぐに別のケンタウロスが割り込んできた。「さあ、俺達にまじないをかけろ!」


【感想】
どうやら7匹の大蛇は、お尋ね者のアナランド人が来ることをバクランドの住人に触れ回っているようです。
別な選択肢として、7匹の大蛇について尋ねることもできますが、見返り(=幸運のまじない)の有無によって内容が変わります。見返りなしで聞いた場合、バクランドは呪われた土地であり、先行した大蛇達もその影響を受けてマンパンには真っすぐたどり着けないため、主人公にも追いつくチャンスがあると教えてもらえます。取り引きした場合は、シャドラックから聞いたのと同じヒドラ退治の伝説や月の蛇の弱点を教えてもらえます。さらには、あまりメリットはないものの、少しの間だけ背中に乗っけてもらって移動することもできます。
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バクランドで2日目の朝。
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S3-17 11日目:まぐれ当たりの魔法に大苦戦 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

「LUK!」
君が呪文を唱えると、奇妙な力が君の骨に染み込んでくる感覚がした。まるで身体が硬直してきたかのようにブルブルと震え始める。
君はすぐにその呪文の力をケンタウロスへと向けた。まさにこの場所で開運の呪文を見つけるとは、何という幸運の巡り合わせだろう!
この祝福に満足し、ケンタウロスが宙に脚を振り上げる。そいつがニヤリと笑みを浮かべた。「今や俺達はお前が倒せないような祝福を受けた。お前から好きなだけいただいていくぞ!」
そいつが攻撃を仕掛けようと君の周りを駆ける間、残りの連中は後ろに下がって弓を振ってはやし立てた。戦う以外に選択の余地はない!

<第1ラウンド(1人目)>
ケンタウロスがすきっ歯をむき出して笑う。君は剣を高く掲げてめくらめっぽうに突き出した。そいつは突撃してきたが、最後の瞬間に身をひるがえして君の剣の届かないところに逃れた。
「用心しろよ。」仲間の内の一人が声を掛けると、そいつはガミガミと怒鳴り返した。

<第2ラウンド(1人目)>
前がかりになろうとするケンタウロスの苛立ちを利用して、剣を突き出す。そいつは弓を射たが、それから向きを変えて後退しようと試みた。だがそれは奴の身体の馬の部分を混乱させることとなった。そいつは素早く方向転換することができず、君の剣はそいつの皮にギザギザの深い切り傷を負わせた。
ケンタウロスはよろよろと後ずさったが、大声を出して笑うと、突撃しようと向きを変えた。

<第3ラウンド(1人目)>
猛進してきたケンタウロスに対して、君は身を屈めて横に転がって身をかわした。相手は不満げに駆け去っていく。

<第4ラウンド(1人目)>
今度は君が攻撃を仕掛ける。斜めに切りつけるが、ケンタウロスはうまく逃れたため、少しかすっただけに留まる。
「剣をよく見ろ!」仲間の内の一人が声を掛けると、そいつは黙ってろとどなった。

<第5ラウンド(1人目)>
ケンタウロスが向かってきた!素早く剣を突き出すが、そいつは身体を振って君の剣をかわした。逆にそいつの放った矢が命中し、君は苦痛のうめき声を上げた。
「脇腹ががら空きだぜ!」仲間の声にケンタウロスが荒々しく毒づく。

<第6ラウンド(1人目)>
ケンタウロスが弧を描いて駆ける。奴が急に突っ込んできた時、君は自分の身を守ろうと攻撃の一手を変えようとした。だが遅過ぎた。奴の前脚が君を捉え、君は思わず悲鳴を上げた。
「さっさと終わらせろ!」そいつは明らかに仲間のヤジを屈辱に感じている様子だ。

<第7ラウンド(1人目)>
隙が見えた。低い姿勢から剣を振り上げ、野獣の冷たい心臓に狙いをつける!攻撃が当たり、奴がうめき声を上げる。激しく狂乱して後ろによろめいている。

<第8ラウンド(1人目)>
ケンタウロスが分厚い胸を叩く。君は奴を近くに誘い込もうと後ずさったが、奴はぐるりと向きを変えたため空を斬っただけだった。
そいつは馬具の調子を直してから、行動を起こそうと蹄を踏み鳴らした。

<第9ラウンド(1人目)>
次のチャンス到来だ。止めを刺そうと剣の切っ先で狙いをつける!だがケンタウロスが急いでかわしたため、奴の脇腹を引っ掻いただけだった

<第10ラウンド(1人目)>
君が後ずさりすると、ケンタウロスが迫ってきたが、君に触れることはなかった。
「気をつけろよ。」仲間が声を掛けると、そいつはうなり声を返した。

<第11ラウンド(1人目)>
再び突進して跳躍する。君の剣が奴の脇腹の分厚い皮膚を切り裂く。
そいつが少し後ずさり、奴の連中がどよめく。

<第12ラウンド(1人目)>
またしてもチャンスが訪れた。それなりの強さで剣を振るう。だが奴はうまく逃れてしまった。
「剣をよく見ろ!」仲間が叫ぶと、そいつは黙れと吠えた。

<第13ラウンド(1人目)>
ケンタウロスが矢を放つ。君は身体を低くしてそれをかわした。

<第14ラウンド(1人目)>
そいつは蹄を踏み鳴らすと、君に向かって突進してきた!まぐれ当たりを期待して剣を突き出すが、奴は急に跳躍してそれをかわすと、君を地面に打ち倒した。頭がくらくらする。肉をえぐられ顔をしかめる。

<第15ラウンド(1人目)>
ケンタウロスが無防備になるタイミングを見計らって剣を深く突き刺す。そいつは断末魔の絶叫を上げると、砂埃を盛大に巻き上げながら地面に倒れた。


【変化点】
・現在/最大体力:17/19→9/19(戦闘)

【隠し呪文】
・LUK

【感想】
でたらめな呪文を唱えたつもりが、本当に呪文の効果が表れてしまったため、思わぬ強敵となってしまいました。ちなみに、「LUK」を唱えるのではなくただのでたらめな言葉でごまかすと、戦闘にはならずに彼らは去っていきます。「LUK」の効果が強すぎて好戦的になった模様。
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「New Game Plus」では敵の攻撃力がさらにアップ!
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S3-18 11日目:敵の残党を撃退 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

だが君には、休む時間どころか、息をつく暇さえない。次のケンタウロスが向かってきているのだ!

<第1ラウンド(2人目)>
こいつはすでに怒りに燃えている。優位を確保しようとめくらめっぽうに剣で薙ぎ払う。そいつは最後の瞬間に方向転換して、君の剣から逃れた。
そいつは大声で嘲笑しながら、次の突進の準備している。

<第2ラウンド(2人目)>
そいつが突進してきた。君は稲妻のように剣を振るい、通り過ぎざまにケンタウロスに斬りつけた。
奴が走り去った後には、おびただしい血が点々と残っている。

<第3ラウンド(2人目)>
また突進してきた!胴体に斬りつけようとするも、奴の弓で受け止められてしまう。代わりに君は地面に倒され、たっぷり砂を味わわされる。

<第4ラウンド(2人目)>
奴が攻撃しようとして無防備になる頃合いを狙って、前に出て剣を突き出す。だが奴がうまくよけたため、少しかすっただけに終わった。

<第5ラウンド(2人目)>
そいつが向かってきて後ろ脚で立ち上がる!素早く剣で刺そうとするも、そいつが身体を傾けたためそれてしまった。逆に君は岩に押し倒された。身体に衝撃が走る。
「そいつはお前を煮て食うつもりかもしれんぞ。」残りの1人が仲間をあざける。

<第6ラウンド(2人目)>
好機が訪れる。脇によけて相手の胴体に斬りつける。ケンタウロスは弓を射てから後退しようとしたが遅過ぎた。君の刃が奴の背中にギザギザの傷を負わせる。
ケンタウロスが空に吠える。弱ってきた証拠だ!
「もっと早くよけろよ!」残りのケンタウロスが文句をつける。

<第7ラウンド(2人目)>
君はなおも攻め続ける。それなりの強さで剣を振るうと、相手はうめき声を上げて地面に倒れ伏した。

最後の生き残りが恐怖に満ちた目で君を見つめる。そいつは君の剣から距離を置いて、君の周りを回っている。
君は歯をむき出してうなると、そいつ目がけて駆け出した。奴は鋭く叫ぶと、きびすを返して平原の向こうに走り去った。奴の鞍袋から金貨が数枚落ちる。君はそれを拾い集めた。
平原が静寂に包まれる。2頭のケンタウロスの死骸が静かに砂に埋もれていく。連中が地面の中に放った矢はまだ刺さったままだ。
矢を地面から引き抜く。矢柄は君の指の太さほどもあり、金属の矢じりは砥石の大きさほどもある。君はそれを記念品として荷物の中に滑り込ませた。
死骸を埋める意味はなさそうだ。砂が奴らとその荷物を速やかに覆っていくだろう。
連中の鞍袋をくまなく探り、4枚の金貨、茶色の砂の入った袋、すでに君が持っているものによく似た太陽石を見つけた。それらを荷物に加える。
その場を後にする前に、目を閉じてクーガ神に祈る。
神は祈りを聞き届けてくれた。だが、しばらくは満足してくつろぐだろうから、その間君を助けてくれそうにない。


【変化点】
・現在/最大体力:9/19→5/19(戦闘)→11/19(祈り)
・金貨:65→68→72枚
・+頑丈な矢
・+砂
・+太陽石

【感想】
火の大蛇に続く厳しい連戦が何とか終わりました。遠く故郷を離れ、吹きさらしの荒野を旅する主人公の心中たるや、いかばかりか…。
それにしても、こういったゴツゴツした岩石やザラザラした砂の埃っぽさ・土臭さこそ、ソーサリーの主要な構成要素と言うべきものです。ソーサリーほど旅の苦労を感じさせるゲームも、そうそうないのではないでしょうか。
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S3-19 11日目:大蛇の道は蛇 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

道路を外れ、灰白色の平原を横切ることにする。風が少しだけそよぐ。空気はまだ冷たいが、少なくとも新鮮ではある。
古道を少し離れた地面に深い穴が開いている。中からは何とも不思議な音が聞こえてくる。
立ち止まって耳をすませる。笛の一種で奏でる音楽のようだが、かつて聞いたことのあるどの旋律にも似つかないものだ。まるで音がどぐろを巻いているかのようだ。演奏者は息継ぎをしていないような気がする。
穴のそばに歩み寄り、中を覗き込む。
底には浅黒い肌の痩せた男がうずくまり、笛を吹いていた。彼の前には6匹の蛇が身体を宙にのたくらせて踊っている。彼はまだ君に気づいていない。
「TEL!」
星に手を伸ばして魔法を生み出すと、魔法を留めるために布のスカルキャップを取り出す。
蛇使いの思考は音にあふれ、音楽的なものだった。しかも、明らかに君の存在に気づいている。「この男は7匹の大蛇が探していたアナランド人じゃないのか?もしそうなら、こやつにいかほどの価値があるだろう…。」
君は読心を続けたが、彼の思考は音楽の方へと移っていった。どうやら彼は、華麗で魅惑的な調べを思い浮かべている…。
少し意志の力を要したものの、君はスカルキャップを脱いで奴の思考との繋がりを断ち切った。
「ごきげんよう、風変わりな生き物達!」上から声を掛ける。
男はさっと見上げると、笛を口から話した。「お客人か!わしししらに加わらぬか、旅の方よ?」
「その蛇は危険じゃないのか?」注意深く君が尋ねる。
「わしにはな。」口元を歪めて彼が答える。だが話している間も、蛇は穴の中で休みなく動き続けている。「わしのすべすべのししし姉妹達だもんでな、シシシ!」
頃合いを見計らって、君は蛇使いと話をしようと穴の中に下りていった。
「よく来なすった。」君に座るよう促しながら、彼は蛇の背中を撫でた。「どうか、ゆるりと。」
「あんたがマナタか?」
「そうさ。」蛇使いが答える。「旅人にはししし親切にしとるよ。」蛇達がシューと音を立てながら主人に巻き付く。
「この蛇達は?」
「わしが飼っとるんじゃ。」彼がニヤリと笑う。「地上で最も美しししい生き物よ。わしは彼女達のために演奏しておる。」蛇のうちの1匹が君のブーツを軽く咬む。
「どうか、」マンタが低い声で囁く。「お主の旅のことを教ししししえてくれぬか?」
「取引しないか?」君が提案する。
「お主にはどんな物がある?」君の背負い袋の中身を覗き込もうとすり寄りながら、マナタが尋ねる。
君が背負い袋を開けると、彼の視線が黒い仮面に落ちた。「これをくれぬか?」
「代わりのものをやろう。」君が提案すると、彼は興味を示したように頭を傾げた。
「金貨5枚でどうだ?」
彼が肩をすくめる。「結構。」
彼の手のひらに金貨を置く。
「そそそそれで、」彼が尋ねる。「何が欲しい?」
「情報さ。」
蛇使いが両手を開く。「何が知りたい?」
「7匹の大蛇について。」
マナタが肩をすくめる。「どれも恐ろしい奴らよ。それぞれが自身のせせせ精を宿しておる。」
「奴らの精とは?」
マナタがくすくす笑う。「お安い御用さ。」指で数を数える。「まず地、気、火、水の4つ。その上に陽と月の2つ。そして最後に、」そこで彼の笑みが険しい表情に変わる。「無敵の存在がおる。」
彼は君の前に餌をまき、それを楽しんでいるのだ。
「無敵?」
彼がうなずく。「それは時の大蛇じゃ。何者も奴を倒すことはできぬ。剣でも富でもな。」
蛇使いが首を傾げて目を閉じる。まるで何かを聞いているかのようだ。
「わしはもう十分喋った。さあ、もう行ってくれ。」しばらくして、彼が告げた。


【変化点】
・金貨:72→67枚

【感想】
読心を続けると、彼の思考の中で催眠術にかかってしまい、蛇の姿に変化させられてゲームオーバーになってしまいます。ここにいる蛇も、元々は違う生き物だったのかも。
他の選択肢としては、穴には入らずに「mUD」を唱えることもできます。その場合、蛇や蛇使いはあっさり全滅しますが、アイテムを入手できない上、クーガ神に見放されてしまいます。
さらに、主人公の体力が低い場合(5点の時に確認)、どういうわけかマナタが笛の音で主人公を眠らせて体力を8点も回復させてくれました。てっきり眠らされてそのまま蛇の姿にされるのかと思いきや、そんなことはありませんでした。ただし、かなり時間が経過してしまいます。
ここで、7匹の大蛇の格付けが明らかとなりました。四大元素の上に月と太陽、最上位が時、とのこと。
それにしても、全4部を通して、黒い仮面の”人気”は絶大です。なぜか、取引や落とし物の第1候補にいつも挙げられます。こっちとしては、だぶついた太陽石を捌きたいのに。
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S3-20 11日目:蛇使いとそのペットを撃退 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

「もう1つだけ。」君が食い下がると、蛇使いは目を細めた。
彼が笛を吹き始める。軽妙な旋律だ。彼の蛇は笛の音に合わせて動いている…。
仕方なく君は伝説の剣を鞘から引き抜くと、最初の蛇を迎え撃った!

<第1ラウンド(1匹目)>
蛇がアーチ形に頭をもたげて近づいてくる。君はそいつを斬り落とそうと剣を振るった。
君の剣を受けた蛇はシュッと音を立てて死んだ。

<第1ラウンド(2匹目)>
次の蛇はすぐ後ろから迫ってきた。君が叩き切ろうとするも、そいつは飛びすさって逃げた。
奴が大きく顎を開く。

<第2ラウンド(2匹目)>
蛇は君から離れようとしたが、君は追いすがった。全体重をかけてそいつの首を貫く!

<第1ラウンド(3匹目)>
次の蛇はすでに君の足に巻き付いていた。そこから上に登ってこようとしている。
君はよく狙ってそいつを真っ二つにしようと斬りつけた。

<第2ラウンド(3匹目)>
蛇は弱ってきている。君の剣が空を、そして蛇を切り裂いた。

<第1ラウンド(4匹目)>
最後の1匹が襲いかかる。だが君は難なくそいつを薙ぎ払った。

<第1ラウンド(蛇使い)>
蛇使いは君に呪いの言葉を浴びせると、舌をチロチロと出し入れしながら、鉤爪の生えた手で自ら攻撃してきた!
君は一撃で仕留めようと剣を強振した。
君の刃が深々と切り裂き、そいつが悲鳴を上げてあえぐ。「この悪党め!」

<第2ラウンド(蛇使い)>
練達の正確さと力強さで剣を振るい、奴を圧し続ける。そしてついに致命的な一撃を見舞う。蛇使いは手で傷口を押さえると、唸り声を上げながらきりきり舞いをして、それから胎児のように丸くなって地面に横たわった。

急に静かになった。眉毛の汗をぬぐい、ほっと息をつく。
手早く蛇使いの身体を探る。透明な液体の瓶が見つかった。彼の笛も無傷のままだ。
瓶を振る。中身が何であれ、水のように見えるが、驚くほど澄んで輝いている。その輝きは液体そのものから発せられている。これは聖水ではないか!
笛は竹でできており、明瞭で軽やかな音色を奏でてくれる。
君は両方とも荷物に加えた。
この血塗られた穴にはもう一刻たりとも留まりたくない。地上にすぐに戻ることにする。


【変化点】
・+聖水
・+竹笛

【手掛かり】
・水の大蛇…:(空白)
・地の大蛇…:(空白)
・気の大蛇…:(空白)
・月の大蛇…:(空白)
・陽の大蛇…:(空白)
・時の大蛇…:(空白)
・時は無敵:時の大蛇は無敵との噂だ

【感想】
欲を出さずに質問を切り上げれば、無事に退出することができます。また、取引しないまま7匹の大蛇について尋ねたりアナランドから来たことを伝えたりすると、7匹の大蛇への報償目当てでやはり襲われてしまいます。
この「Pit Snake」、体力は低いのですが、毒を持っているせいか、攻撃力は高めです。蛇の解毒剤の出番だったかも。
ところで、先ほど渡した金貨5枚がどうしても見つからないんですが…。
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