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S4-142 24日目:ミュータントから聞き取り調査 [ソーサリー4:王たちの冠]

屈んで部屋に入る。驚いたことに、部屋の中のあらゆるものが小さい!
椅子は膝の高さまで、ベッドは足の大きさ3つ分、天井の高さもそれに見合った低さだ。
椅子の一つには、オーガとも、髭のない不格好なドワーフともどちらにも見える-いずれにしてもやけに小さい-生き物が落ち着かなげに座っている。
そいつの涙目が君を見れるように、少しの間待ってやる。
やがてそいつは椅子からずり落ちて、キーキー喚いた。「ちゃんと理由があって呼び鈴が付いてるんだぞ!」そいつが床から不平を言ってくる。「俺をあざ笑いに来たんだろうが、俺が死ぬほど怖がるとは限らないからな!」
「何故俺が笑うんだ?」
「ふん!俺は間抜けじゃない。連中はそう思っているが、俺は違う。」
部屋を眺めると、この生き物がいかに不釣り合いか気付く。家具の小ささに対してそいつが大き過ぎるのだ。実際の体格は小さいのに、部屋はそいつが巨人に見えるようにしつらえてある。
「あんたを笑うつもりはないさ。」
その小さい生き物は不思議そうに君を見た。「何故だ?」
「俺がどうしてそんなことをする?」君が答える。
そいつが虚ろな笑い声を上げる。「他の奴らは理由は十分あると思ってるようだが。」
「あんたは誰だ?」
「ニブダムだ。」ニブダムが答える。「あの方は俺の奇体が愉快らしく、それで俺はここにいるんだ。」
「奇体?」
奴がしかめ面をする。「俺はミュータントなんだ、失敗作の。」
「大魔法使いの仕業か?」
そいつがぼやく。「あの方はオーガとドワーフを交配しようとしたんだ。オーガのように強くて気高く、でも鉱山に合うように小さい奴が望みで。」
「あんたは鉱夫には見えないな。」君が言う。
そいつが目をぐるぐる回す。「なれなかった。交配された俺は脆弱だった。つるはしを持ち上げることも振るうこともできやしない。」
「あんたは大魔法使いを知ってるのか?」
「いやほとんど。俺をこのちっぽけな部屋に住まわせた張本人なのに、ここに来ることはめったにないね。」
「見かけたこともないのか?」
ニブダムが甲高い声を急に潜める。「何だって?いや、最近はない。自分の塔に閉じこもっている。何か企てがあるんだ。」
「どんな企てだ?」
「どうして俺に分かる?」そいつが鋭く言い返す。「バードマンとワラジムシか何かを交配しようとしてるんじゃないか?」
「外の通路の突き当りには扉があるな。」
「衛兵が通さないだろうよ。」ニブダムが言う。「もしお前ら全員があの方のご恩に報いない企みや批判を止めたなら、マンパンは世界を征服できるって断言するぜ!」
「ひょっとしたら、結局それが一番なのかもな。」君が我を忘れて物思いにふける。
奴が気付いたそぶりはない。「もちろん、俺にとってもっと酷いことになるかもしれんが。」
「話ができてよかったぜ。」ニブダムが言う。「最近はあまり人と喋れなかったから。」微かに笑みを浮かべながら、椅子に座ったまま奴が言う。


【変化点】
・精霊:キツネ→ゴリラ(嘲笑しない)

【感想】
この人物、原作にも登場した、一撃でも倒せてしまう彼ですね。
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