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S4-153 24日目:意外な幕切れ [ソーサリー4:王たちの冠]

屋根裏部屋に入る。机の向こうにはあの老人が座っている。
だが、その表情は以前と違っていた。恐怖で両目を見開いている。
「貴様はアナランド人だな。」彼があえぐ。「とうとう来たのか、今になって。ブリアは真実を見たんだな、だから貴様がここにいる…。」
フランカーが剣を抜き、刃を外側に向ける。
王たちの冠のパワーを感じる-、そして、それがミニマイトの霊気のせいでゆっくりと後退していくのも。
「今度は俺に魔法をかけられないようだな。」
大魔法使いは大汗をかいている。「今度は?言っている意味が分からぬ。だが、貴様が驚くべき魔力を備えた魔法使いだということは見て取れる…。」
翼をなくしてバランスが取りづらいからか、ジャンがややもたつきながら机の上によじ登り、嫌悪感もあらわに大魔法使いをにらみつける。
君は背負い袋に手を突っ込み、『魔法の監獄』の本を取り出した。
「それで何をするつもりだ?」声を震わせながら大魔法使いが尋ねる。「わしに読ませようとしてもそうはいかんぞ。そんなやり方で閉じ込められてたまるか!」
「本を読むか死ぬかのどちらかだ。」
大魔法使いは汗びっしょりになって首を振るが、動こうとはしなかった。
「次はないぞ。本を読め。」
「わしは王たちの冠を被っているんだ、」猛烈な怒りで声を荒げながら、奴が言い返す。「盗人やペットのネズミごときに指図は受けぬ。」
暗殺者の剣を鞘から少し抜き出す。
「後生だから。」大魔法使いが身をすくめ、年季の入った両手を震わせて懇願する。

長い沈黙が下りる。動く者は誰もいない。

「どうか、」大魔法使いが繰り返す。「危害を加えないでくれ。わしはただの学者なんだ!」
奴の汗ばんだ額から冠をさっと取り上げる。「これでもう貴様は無力だ。」
まるで急に老け込んだかのように、奴ががっくりとうなだれる。「わしに選択肢はないんじゃな。」ぜーぜー息をしながらつぶやく。「かつてわしがしたことを、貴様はわしにせさようというのか。」
「本を読むんだ、」奴に本を押し付け、君が要求する。「さあ。」
大魔法使いは悲し気にうなずくと、本を手に取り、開いたページを韻を踏みながら読み始めた。
奴が読み終えた途端、その姿はどんどん縮んでいき、やがて視界から消え去った。本が地面に落ちる。
入れ替わりに、机の辺りから新たな人物-しわくちゃの老婆-が姿を現した。
彼女は君が手にした冠を一瞥して、それからジャンを見下ろして含み笑いをした。「素敵な帽子だこと。」
「あんたは誰だ?」
彼女がお辞儀する。「ヴァリケッシュ、この要塞の大魔法使いさ。以前はそうだったけど、どうやらまた返り咲いたようだね。でも、このネズミには出ていってもらわないと。」そう言ってミニマイトを見やる。
彼女はしゃべりながら床から本を拾い上げると、無造作にそれを部屋の隅の暖炉の中に放り込んだ。半ば悲鳴のようなか細い声が上がったが、やがてそれも聞こえなくなった。


【感想】
まずはアプリ版オリジナルのルートから。
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