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S4-152 24日目:いざ再戦! [ソーサリー4:王たちの冠]

曲がりくねる一連の階段を上り、塔の次の階にたどり着く。
ここは遥かな高みだ。外では風がうなりを上げ、窓ガラスを震わせながら吹き抜けていく。
「この上だよ。」ジャンがつぶやく。
「この道だ。」苛立ちを含む声音でフランカーが続く。

塔を取り巻く通路を進むと、こじんまりとした木製の扉に行き着いた。窓からこぼれる鈍い光が、通路の床を照らしている。
大魔法使いの屋根裏部屋へと続く扉まで再び戻ってきたのだ。今度こそはもっと準備できていると思いたい。
扉の前にばったりと死体が転がっている。老人だ。
ひっくり返すと、それは君がファーレン・ホワイデとして知っている、市場で占いをしていた男だった。
「猫の贈り物みたいに置かれてるね。」ジャンが幾分恐ろし気にこぼす。
彼の身体を調べても、バードマンが掴んだ時の切り傷以外、何も痕跡は見当たらない。もしかすると、自分に迫りくる運命を悟って、単に恐怖のせいで死んだのかもしれない。
真実がどうであれ、彼にしてやれることは何もない。
「ここだよね?」ジャンが尋ねる。「あいつはこの扉の向こうにいる。あいつから漂ってくる魔法の匂いがするんだ。」
「そうだ、ここだ。」フランカーが言う。
窓の外を見ると、目のくらむ様な遥かな落差が見える。下の要塞のどこかから、叫び声がこだましてくる。
フランカーの方を向く。「フランカー、お前の手でやるか?それとも俺が?」
「あんたの好きにしてくれていい。」フランカーが答える。「だが、もしあんたがやらなかったら、間違いなく俺が奴を殺す。」
「ミニマイトは本当に冠のパワーを防げるのか?」君が尋ねる。
ミニマイトが真剣に一度だけうなずく。「うん、そうだと信じてる。さもないと、僕ら皆あの世行きさ。むしろあんたよりも、僕の方がもっとまずいだろうね。」
少し立ち止まって、目を閉じてゴリラの精霊に静かに祈る。
返事はなく、姿もここにはない。それでも幾分落ち着いた気分になる。
それから手を伸ばし、扉の取っ手を握る。
たやすく回った。魔法はかかっていないし、呪われてもいない。鍵さえかかっていない。
「剣を抜いておきなよ、」ジャンが冷ややかに言う。「そうすれば、すぐにあいつの首から冠を切り離せるから。」


【感想】
三者三様の思いを胸に、大魔法使いへ最後の挑戦!俺たちの戦いはこれからだ!<完>
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次回からはブラッドソードの続きを…(ウソ)
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コメント 3

青蓮

ご愛読ありがとうございました。teamtomtom先生の次......
って、一番大事な場面がまだ待ってますから!
(一瞬本気で驚きましたよ!)

次回作という名の、別ルートのリプレイは是非読んでみたいです(人任せ)。
NBASとかアリイジが一緒バージョン(New Game+含む)とかフランカーとのアレとか……。

今更ですがファーレン・ホワイデの存在は本当に残念ですよね。コレタスと共にアプリ版ソーサリー二大がっかり絶対王者、もうちょっとどうにかなって欲しかったんですが。せめて、バードマンに連れ去られた理由を話にうまく絡めて欲しかったです。
by 青蓮 (2021-12-21 05:19) 

マギ派の残党

ブラッドソードの続き……というより
ゴールデンドラゴンシリーズを使った外伝の続きになるなら
やはりシャドー砦のダークローブ卿や
失われた魂の城の悪魔スランクを討伐する物語になるんでしょうね。

by マギ派の残党 (2021-12-21 20:06) 

teamtomtom

青蓮様
一応の決着はついたものの、おなじみのifルートも引き続きやっていきます。「アプリ版ソーサリー二大がっかり絶対王者」、大いに同意です!アイテムも含めれば、祝福された堅木の槍も仲間入りかと。

マギ派の残党様
まずは、ブラッドソード#5の付録やマギ戦記に取り掛かりたいところです。
by teamtomtom (2021-12-31 23:57) 

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