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S4-151 24日目:魔導書に潜む罠 [ソーサリー4:王たちの冠]

部屋から出る前に、もう少し書棚の本を見ていくことにする。
『転送の魔導具』と書かれた本を手に取る。
文章は気難しく、文字は密集しているため、判読するためには本に屈み込まねばならなかった。
著者が言うには、転送の呪文はありふれた物に使えるとのことだった。ほとんどの呪文と異なり、ある水準の転送の呪文はグリマルキンを必要としない、と書かれている。

本を書棚に戻し、今度は『魔法の監獄』という題名の本を開く。
最初の2,3ページは無味乾燥な内容で、低く落ち着いた声が語って聞かせてくれた。
やがて声が読むのを止めた。「お前は誰だい?」声が尋ねる。「大魔法使いじゃないね。」
「そういうあんたは何者だ?」
本のページが満足げに、ひとりでにパラパラとめくれる。
「あたしの名前はヴァリケッシュ、この要塞で史上最高の大魔法使いだよ。魔法使いの数をうんと増やしたんだから!農夫に巨大化の呪文を使って畑を耕すよう教えたし、カーレで入り口の罠を作って住民に分け与えたのもあたしなんだ!実に多くの神秘の技を披露したものさ。あたしの著書に全部書いてあるから読んでごらん。」
「あんたは本の中にいるのか?」
「見りゃ分かるだろう。」本が答える。「本に囚われる条件が一つだけあってね。」
「呪われたのか?」
「まあ、ある意味では。」
「でもどうやって、あんたはしゃべっているんだ?」
「しゃべっているんじゃないよ、」南バクランドのアクセントで、本が明瞭な返事を寄越す。「この会話はあたしの精髄を純粋に構築したものなんだ。あたしの生命は完璧に蒸留されて本に移されているから、ページを流し見るだけであたしの考えが理解できるってわけ。」
本が君の手の中で微かに飛び跳ねる。
「ところで親愛なる読者殿、この巻には韻を踏んだ箇所があるんだけど。それをあたしに読んでくれないかねぇ。」
ちょうどその時、フランカーが君の手から本を払い落とした。
「もう1時間近くその本を眺めたままだぞ。」彼が告げる。「読むのを止めろ、そいつに囚われる前にな。」
身震いする。本は表紙を下にしてカーペットの上に落ちたまま、何やらわめいている。
悪態をつく本を慎重に拾い上げ、大事に荷物に加える。

次に、題名が『地下王国の歴史』と記された本を引っ張り出す。
読み進めていくと徐々に、それが要塞に使われている下水設備に関する、長く複雑な学術論文であることが分かった。要塞はかつて繁栄したドワーフの砦だったが、最終的には長らく放棄されていたようだ。
本を本棚に戻す。もう十分物色した。後でまた読む時間もあるだろう。
「俺達を阻むものはもう何もない、」君が宣言する。「さあ、行こう。」
図書室を出て、奥の階段へ向かう。


【変化点】
・+『魔法の監獄』の本

【感想】
ヴァリケッシュはS4-25S4-109でもチラッと登場しましたが、先代の大魔法使いだけあって、やはり一筋縄ではいかない人物です。彼女の言うがままに韻を踏むと、彼女と入れ替わりに本の中に囚われてしまいます!(もちろんゲームオーバー)
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