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S2-48 8日目:前金付きの潜入調査を請け負う [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

安全な場所まで戻ってきた。縄梯子の端を掴んで安全を確認してから登り始める。

縄梯子を結んだ金属の横棒までたどり着く。遥か頭上では、井戸の口が淡い日光の円を描いている。
結び目は君の体重で引っ張られて固くなってしまった。もう解くことはできそうにない。君は剣を抜くと、縄を片手で持ってピンと張りながら断ち切った。
縄梯子の残りを背負い袋にしまい、きびきびと井戸を這い登る。

ひどく疲れたが、再び井戸の外の広場に戻って来れた。ここに日がな一日座り込んで、空想好きな子供のように井戸の中を覗き込むことすらできそうだ。だが、君は動き続けるべきなのだ。

道の両側の住宅がだんだん密集してきた。通りは不潔でごみ屑だらけだ。住人達はパイプ煙草を吸いながら戸口をうろつき、石で爪を研いでいる。
その内の一匹が君に声を掛けてきた。「おい、あんた!金を稼ぎたくないか?」
君がその生き物に近づくと、そいつはニヤリと笑い、長い爪でパイプの中の灰をかき立てた。
「俺の言葉に気を引かれたのは、あんたの目で分かったよ。」そいつが君を煽る。「職工みたいに見えるが、誰しも食わねばならん、そうだろ?」
「あんたは誰だ?」
「人にはカンカックスって呼ばれとるが、」考え深げに煙草を吸いながら、そいつが答える。「それは俺の名前じゃない。だが、皆はそう呼ぶ。」
「分かった。」
彼はパイプをトントン叩いて灰を通りに落とした。「向こうの角にある大きな建物が見えるか?」パイプで指しながら彼が言う。「屋根から蒸気を上げとるやつじゃ。わしの友人がちょうどそこに行っておってな、ある仕事をしておる。わしはそれについて知りたい。」
「なぜ彼に尋ねない?」
彼は首を傾げた。「話したい仕事の類ではなさそうなんでな。だが、あの建物では話すようなのじゃ。だから、あんたはそこに行って、聞いて気づいたことをわしに教えて欲しい。さあ、やってくれるか?」
「いいだろう。」
「最初に金貨を4枚渡す。中に入るのに必要だからな。戻ってきたらさらに6枚やろう。それでどうだ?」
「それで引き受けよう。」君が答える。
彼がうなずく。爪の生えた指を広げ、君の手のひらに4枚の金貨を載せる。「ここでまたすぐに会おう。」爪を自分の鼻の上まで持ってきて君を指さすと、彼はその場を立ち去った。
左から腐った魚の臭いと水音が聞こえてくる。波止場が近いのだ!
正面には、建物群の縁を過ぎて丘を下る道が続いている。

下り坂を進むと、右手から伸びる道にぶつかった。それは祭り会場へと戻っていく旗が並ぶ道だ。
分岐点のL字部には、手入れの行き届いた大きな建物が建っている。屋根からは蒸気が立ち昇っている。
一匹の生き物が出てきた。爽やかに顔を紅潮させている。
ここがさっきあの生き物が言っていた建物だ。どうやら温泉浴場のようだ!


【変化点】
・現在/最大体力:13/20→11/20(登攀)
・金貨:56→60枚

【感想】
これはいわゆるお使いクエストというやつですが、描写が丁寧なゲームブックだと、さほど作業感がしません。今回のように、背後でうごめく陰謀が垣間見えてくるとなればなおさら。
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