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S3-10 10日目:灯台から平原を見渡す [ソーサリー3:七匹の大蛇]

草原を横切って進む。太陽が地平線に向かって傾き始めている。
シャドラックが『灯台』と呼んでいた塔の影の中に入る。塔の側面は余りに滑らかで自然のものとは到底思えない。それどころか、石やレンガを組んだものですらない。まるで1個の石やレンガを彫って作った巨大な駒のようだ。掴み草が羊毛の糸巻きのように塔の周囲にぐるぐる巻きついている。塔の向こうには河が音を立てて流れている。
戸口が見つかることを期待して、塔をぐるりと一周する。だが、何も見つからない。塔の側面は堅固な石造りだ。これが実際に塔であればの話だが。
塔の天辺で、金属のような何かが太陽の光できらりと輝いた。
首を伸ばし、太陽の眩しさに目を細めながら、何が光ったのか見極めようとする。黄銅の類が突き出ているように見える。人の手が入った金属や石があるのは奇妙な話だ。ここは不毛の地ではなかったのだろうか?
次に、河の流れをしばらく眺める。せせらぎの音は穏やかだが、対岸にも平原は続いている。いずれ、どうにかして渡らねばならないのだ!
掴み草をぐいっと引っ張る。ツルはロープのように強く、塔の石にしっかりと根を張っているようだ。しかも頂上まで続いている。

掴み草を握り、身軽に塔の外壁をよじ登る。生い茂った根が十分な足場を確保してくれるので、登攀は容易だ。
すぐに塔の天辺の胸壁にたどり着いた。

塔の最上部に立つ。荒野を渡る風が外套のフードをなびかせる。地面は茶色の海のように眼下に広がっている。
実のところ、そこは空っぽではなく、かろうじて立てるスペースがあるだけだった。塔の屋根の真ん中に据えられた大きな黄銅製の見慣れない機械が、床のほとんどを占めている。
ここからは全ての方向が見渡せる。東には低い山々があり、南から西にかけては断崖がぐるりと取り囲み、北には暗い地割れが走っている。
山に視線を走らせる。稜線はギザギザして、向こう側は見えない。山の頂で、黒い翼の何かが弧を描いて飛んでいる。ヨタカだろうか?それとももっと手ごわい何かだろうか?その斜面はフィッシュテイル・ロックから続く草に覆われ、特に緑が濃い。
君が下りてきた断崖に視線を戻す。階段の列が、何か黒い点を通り過ぎて下っている。あそこに洞窟がある!
束の間、東の深い森の中に山が突如現れた。だが、埃っぽい雲が晴れると、山は再び消え去っていた。
フィッシュテイル・ロックの周囲の平原は、緑豊かで陽気な印象を受ける。だがどの方向を見ても、緑地は唐突に荒れ地へと変わっている。暗い部屋の床に窓の月明かりが当たっているかのようだ。あるいは、よどんだ湖の水面から岩が一つだけ突き出ているような感じだ。
地割れは大地を真っ二つにしている。横断できないほど幅が広いことがここからでも分かる。君の心は沈んだ。
少しの間、河に水が流れているのが見えたが、しばらくするとまた見えなくなった。
地割れの向こうを眺めると、高い建物が見えた。ここと同じような別の塔ではないか?
視線を遠くから近くへ引き戻す。少し向こうで鳥が空を舞っている。


【手掛かり】
・断崖の洞窟:バクランドの入り口の断崖には洞窟がある…

【感想】
ここで景色が移ろう描写がありますが、これは誰が呼んだのか『時の風』という現象です。このように、バクランドの一部は旧世界と古代世界の間を行ったり来たりしているのですが、主人公が灯台を1つでも復活させると揺らぐ領域は減ります(全てなくなるわけではない)。
WS010630a.jpg
↑暗い部分が旧世界、明るい部分が古代世界
WS008748a.jpg
↑イシュタラ出現後のバドゥーバク平原
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