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S3-53 13日目:見えざるスナッタキャットを撃退 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

「お前は何者だ?」君が怒鳴りつける。
「奴は俺の正体を知りたいようだな。」そいつが独り言を続ける。「誰に食われるのか知りたいってのか。」
透明でいる間、この生き物は正気を失ってしまうのだろうか?
「聞こえているぞ!」そいつの言葉-吠え声と鼻を鳴らす音-で言い返す。「そこにじっとしていろ!」
「俺を馬鹿にする気か?だが、そうはいかん。」奴がつぶやく。
「ここを立ち去れ、さもないと皮を剥ぎ取ってやるぞ!」君が豪胆に宣告する。「これが最後の警告だ!」
そいつは少しだけ考えていたが、やにわに駆け寄ってきた。君の腕に長く深い切り傷が走る。目に見えない爪で引っ掻かれたのだ。
一瞬生暖かい息を頬に感じ、すぐに遠ざかる。
「HUF!」
呪文を唱えて、角笛を唇に持っていく。澄んだ音が発せられる。
ゆっくりと、そして着実に、風が強まっていく。草の葉身が君の足元で揺れ、木々がしなる。
その生き物の正体が何であれ、そいつは悲しげに鼻を鳴らしてうめき始めた。明らかに嵐が嫌いなのだ。
風はどんどん強くなり、草は曲がってべったりと倒れた。同時に、草の曲がり具合の違いで、この不可視の生き物の輪郭があらわになる。
君はすぐに剣を抜き、そいつを斬り伏せた。
瞬く間に、そいつの姿が見えてくる。犬ほどの大きさの荒々しい獣だ。そいつが目を閉じると、その姿は再び消えた。
草の上を手探りして、死んだ獣の輪郭をなぞる。尻尾、皮、そして開いた口にたどり着く。
剣の切っ先を使ってそいつの前歯を2本抜き取る。血生臭い作業で、足元の草は血だらけになった。
長居は無用だ。血の匂いがこいつの仲間を引き寄せるかもしれない。
荷物を取り戻し、倒木を乗り越えて先に進む。

木々の間を進む。月が瞼のない眼のように空をゆっくりと動いていく。
枝が絡み合う深い茂みのそばに道が差し掛かる。暗闇の中では奥を見通すことはできない。
そこに何があるにせよ、長い間打ち捨てられたままに違いない。
その場を後にする。

道のようでもあり川のようでもある何かをたどって森を抜け、唐突に低い丘のそばの空き地に出る。
ここは開けた場所だ。ぐずぐずしない方がいいだろう。
空き地の縁を回って進み始めるが、すぐに驚いて立ち止まる。
塚の南東側で、丘の斜面に沿ってはめ込まれた木の扉に出くわしたのだ。この場所には不調和な代物だ。
丘の天辺に飛び乗ると、森を見渡す眺めが見えた。南には、木々の葉の間に石造建築が見える。古代の橋の一部だ。
次に扉の前に飛び降り、もっと近くで調べることにする。
扉は重い木で作られ、様々なルーン文字や記号が君の知らない言葉で刻み込まれている。
ノックしてみるが返事はない。
「fAR!」
近くの木の根元に座って水晶球を取り出す。そして、星を見上げながら魔法を唱える。
急に、どこか新しい場所にいることに気づく…。球の奥深くに、暗い地下洞窟が見える。一対のテーブルと椅子があり、人間のような人影が君のものとそっくりな水晶球を見つめながらそこに座っている。
君は歩を進めると、その球の中を覗き込んだ。長い尾と二股に分かれた舌が見える。何かが円を描きながら泳ぎ回っている。そいつの片目が君の方を向く…。
君はすぐに呪文を中断した。だがあれは何だったのだろう?


【変化点】
・現在/最大体力:10/17→9/17(スナッタキャットの爪)
・+スナッタキャットの歯(2本)

【感想】
今回探索を断念した、この鬱蒼とした茂みの中の廃墟に、伝説の剣を盗んだ人物(アリージという名の少女)が住んでいるのですが、今回は日数縛りのために泣く泣く割愛。何と彼女は、スナッタキャットのミルクをよく飲むせいか、瞼を閉じると姿が消えるという特異体質の持ち主です。廃墟で一夜を明かすと明朝彼女に会えますが、残念ながら主人公とのロマンスはなさそうです(笑)。古代世界のティンパン出身とのこと。
また、ここで「fAR」を使ってみました。この呪文は、ほとんどの場面で時間が大幅に経過してしまうのですが、ここではなぜかほとんど時間が進まなかったので。
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↑ほとんどトラ、どおりで強いわけだ。
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伝説の勇者

HUFで草をしならせて居場所を特定するとは思いませんでした。
スナタ猫の透明化能力は精神集中によるものだそうですが、それって一種の魔法なんでしょうか。だとしたらYAZの対抗呪文で打ち消せるか?
前回、「地面が口を開けて丸呑みしてしまったかのようだ」なんて言っていたので、犯人は地の蛇かと思いましたが、アプリ版の新キャラが犯人だったとは。
スナタ猫のミルクで育ったら姿を消せる…カメレオナイトの血を塗ると保護色能力を得られるのと似たようなものでしょうか。
by 伝説の勇者 (2018-06-09 22:18) 

teamtomtom

新キャラのアリージはけなげな少女なので助けてあげたいところなのですが、伝説の剣を持っていくのだけはやめて欲しかった…。
ところで、彼女を連れてスナッタの森を離れることはどうやらできない仕様のようです。ある地点まで来ると、それまで主人公の後ろをついてきていた彼女が、「待って、どこに…(行くつもりなの?)」と言い残したまま消息不明になってしまいます。主人公も最初はいたずらで彼女が姿を消したのかと思ったようですが、それきり二度と会えません。他の古代世界の人間と同じように消えたのか、あるいはスナッタキャットに襲われたのか…。
by teamtomtom (2018-06-24 17:33) 

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