SSブログ

S1-13 1日目:カクハバード海の海岸で女性と出会う [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

砂浜の上に歩み出した君は、自分が一人ではないと気づく。浅瀬に引き揚げられた一艘の小さな帆船のそばに、一人の女性が奇妙な織機を持って低い腰掛けに座っていたのだ。彼女は織りのしっかりした明るい色の長い帯を織っている。
彼女の機織りを見た君は、素早いながらも念入りなその仕事ぶりに、話しかけるのを躊躇してしまう。それぞれの色の糸が、いったん広がってから再び合わさり、絡まり合っていく。縫い糸が模様から消えたかと思うと、そのすぐ後にまた現れた。彼女が織っているものは、幅はベルトよりも広くはないが、極端に長いもののようだ。
唐突に、彼女は手を止めて君を見上げた。「こんにちは。ここに人が来るのはずいぶん久しぶりよ。」
「ごきげんよう。」お辞儀をしながら、君も挨拶を返す。「君は何者だい?」
「私にはたくさんの名前と顔があるわ。」彼女は微笑んだ。「でも、あなたには一つしかない。あなたこそ何者かしら?」
彼女は辛抱強く君を眺めている。君は答えた。「俺はアナランドから来た勇者だ。」
「いいえ、まだまだよ。」彼女は簡潔に言った。「勇者とはなすべきことを何一つ残していない人のことを言うの。あなたにはまだこの先たくさんあるわ。」まるで縫い糸の中に未来が読めるかのように、彼女はうつむいて織物を眺めた。
「君はここで何をしているんだ?」
「機を織っているのよ。」彼女は言った。「そして、待っているの。」
「何を?」
「質問する機会を。さあ、準備はいいかしら?」彼女が尋ねる。
「ああ、質問するがいい。」
「簡単な問いよ、あなたについてのね。」彼女は織っていた帯の終わりに出ていた二本の糸を指先でつまみ上げた。それらは彼女が作業を終えたちょうどに出てきたものだ。「何ら利益とならないにもかかわらず、他人のために自分自身を危険にさらすことになった時、あなたはどちらを選ぶ?危険な方法?それとも臆病な方法?」

「では答えよう。」君の言葉を待ち受けている彼女へ君は言った。「危険な方法を選ぶ。俺は生きたい。生きてスリルの全てを楽しみたい。」
「素晴らしいわ!」彼女は拍手をした。「あなたは自分が必要なものを全部持っているわ。さあ、ここを去り、いるべき場所へ戻りなさい。ダドゥーリーは人が生きていける土地ではないの。」
彼女は織り機を片手で手繰り寄せると、後ろの小舟の中へ乗り込んだ。
「その舟で俺をカーレまで連れていってくれないか?」
彼女は眉を寄せ、それから笑い出した。「私はカーレには行かないわ。それに、私が向かう先では、カーレは瓦礫と廃墟の山よ。」そう言うと、彼女は頭に手をやって金色の髪を一本引き抜いた。「帰還の呪文にはこれが必要になるでしょう。」
無音の言葉を発すると、帆が膨らみ、彼女の小舟は波間へと進んでいった。彼女の歌声も風にかき消されていく。


【感想】
彼女は不思議な人物です。「ブラッドソード」の海賊王ハンガックみたいに、次元をまたいで航海しているようですが。もっとも、あちらは巨大な軍船、こちらは小さな帆掛け船。
時空を超えるといえば、Android版ではいつでも時間を巻き戻して選択肢をやり直せる機能がついています。ただし本当に巻き戻してしまうので、元の箇所に戻るためには、もう一度その選択肢を選んで進める必要があります。つまりセーブ機能はないということ。
WS008502a.jpg
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。