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S2-8 7日目:ウェアウルフと戦い、ヴィックの存在を知る [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

夜半過ぎ、近くの地面をひっかく何かの物音で目を覚ます。
上半身を起こし闇の中を覗く。薄暗がりの中に赤く輝く一対の目とよだれを垂らす牙が見える。ウェアウルフだ。
だが、なぜその姿でいられるのだろう?月はまだ三日月だというのに。
その獣は城壁の影に入ったり出たりしながら、君の周りをグルグルと回っている。そして、月光を全身に浴びたそいつの姿を見た時、君は息をのんだ。灰色の毛皮だと君が思い込んでいたのは実は金属だった。そのウェアウルフはぴったりしつらえられた板金鎧を着ていたのだ。
「HOT!」
君は呪文を唱えて手のひらに火球を作り出すと、それを化け物に向かって投げつけた。火の玉は煙を上げて爆発すると、そいつの毛皮を焼いた。だが、怪物は弱りはしたものの倒れなかった!
立ち上がって剣を構える。ウェアウルフが恐ろしい牙をむき出してそれに応じる。

<第1ラウンド>
僅かな月光に鎧をきらめかせながら、ウェアウルフが泥を蹴って君に迫る。恐怖に駆られながらも、君はまっしぐらに突撃した。そいつが君の足を狙ってあごをわずかに向けた時、君は剣を持ち上げてそいつののどに突き刺した。
ウェアウルフは剣に巻きついて喉をゴボゴボと鳴らすと、そのまま死んでいった。

草の上で剣をぬぐいながら、鼓動を落ちつけようと努める。
嫌悪感とともに獣の鎧を検分する。このウェアウルフの身体に合わせてしっかりと鍛造された精巧なものだ。半ば鎧であり、半ば檻でもある。製作者の標章や印はどこにも見当たらない。
剣の先で鎧を繋いでいる留め具を緩める。板金が地面に落ちると、死んだ獣の姿が変わり始め、獰猛なそれから若い人間の女性へと変わっていった!
だが姿が変わっても、彼女ののどの刀傷はそのままだ。彼女の生命は戻らなかった。
重苦しい心で彼女の顔を観察する。まだ少女になったばかりか、さもなくば18、19歳といったところだろうか。
今や夜は静まり、ほんの少し前に血に飢えたウェアウルフと対決したとは信じられないくらいだ。戦いは空想だったとすら思えてしまう。
だが、狼の形に合わせた鎧は依然としてここにある。そして少女の首には、狼の咬んだらしき痕が奇妙な刺青のちょうど下にあった。
刺青は『ヴィック』と読める。装飾はなく、筆跡は明瞭で簡素だ。恋人のための印というよりは、家畜の焼き印の方がしっくりくる。これは奴隷商人が所有物にする刺青だ。

淡い月明かりの下、剣で泥を掘って哀れな女性を埋葬するのに十分な大きさの穴をこしらえる。作業は辛かったが、君に選択の余地はなかった。彼女を捨て置いてカラスの餌にすることなどできるはずもない。君の剣にかかる遥か前に彼女が破滅させられていたと知ったことがわずかな慰めだ。
彼女の上に土を被せながら、彼女の魂を類人猿の精霊に委ねる。それから、少し離れた場所で眠りにつく。死んだ女性の顔を忘れようと努めながら。

君は城壁の夢をみた。そびえ立つ怪物のような壁は苔とヘドロでヌルヌルしている。門はまるで大きく開いた胃袋のようだ。君が見守るうちに、そいつは旗竿の指を伸ばすと、物乞いの老人を串刺しにして空中に放り投げた。
君が門の中に入ると、そこでは衛兵がモグラ叩きのように地面の穴から出たり入ったりしている。輝く鎧をまとった狼が太陽に向かって遠吠えして、それから君の方を振り向いて投げキスをしてきた。
対岸の北門の地面の上に冠が鎮座している。まるで実際に目で見ているかのようだ。あんなに近いのに、まだ手は届かない…。


【変化点】
・現在/最大体力:18/20→15/20(魔法)→13/20(穴掘り)

【手掛かり】
・ヴィックの牙:板金鎧によって狼の姿にさせられたウェアウルフが、夜な夜な街をうろついている。そいつらはヴィックという名の男によって操られ、そして所有されている。

【感想】
ここで初めて手掛かりが入手できました。今後、攻略の助けになる情報が次々と現れ、また更新されていきます。
S2-werewolf.jpg
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伝説の勇者

この人狼、人型タイプかと思ったら、狼タイプなんですね。
狼の体に合わせた鎧という事は、狼になっている間に装着させて、鎧の魔力で人間に戻れなくした、という事でしょうか。
原作では何故か悪党に顔が広いけど味方らしい謎の人物だったヴィック、こちらでは味方とは限らないか?
by 伝説の勇者 (2016-05-04 18:22) 

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