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S2-20 8日目:神秘的な女性から予言を授かる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

建物の薄暗い陰に踏み込む。香水と香油の匂いがとても強く、君は咳き込み始めた。
中に誰がいるにせよ、もう君の存在を知らせてしまった。案の定、歌声が止んで沈黙が降りる。
「そこに誰かいるのか?」君は暗闇に向かって声を掛けた。
返事はない。静かな音‐軽やかな足音もしくは本をめくるような音‐だけが聞えた。それから、声がした。「ごきげんよう、アナランドのお人。大胆な方なのね。」
「こんにちは。」
その声が優しく響く鐘のように笑う。「何かをお探しのようね。」
「俺は北門の呪文を探し求めているんだ。」
「そうなの?あれは禁じられた知識よ。」声がもう一度笑う。再び、手のひらを何かに置くような音がする。「困難に次ぐ困難が見えるわ。」
「助けてくれるかい?」
また音がした。カードを束から裏返す音のようだ。
「話してご覧なさい。」彼女が言う。「言葉を言ってくれれば、何が見えるか教えてあげるわ。」

「貴人。」
「墓が見える。そして、歩く幽霊、賢者が。」

「門。」
「閉ざされた扉が見える。そして、秘密をささやく声、炎の罠が。」

「冠。」
「長い道が見える。そして、煙の雲、朝をもたらす雨が。」

突然、部屋の向かい側で一本のろうそくの火が灯った。明かりから影が浮かび上がる。深くフードを被り、星形のテーブルに着いた女性の姿が露わになる。
彼女は目の前に並んだカードを見つめている。だが薄暗がり越しで、君にはほとんど判別がつかない。
「あなたは王たちの冠を探している…、」彼女がはっと息をのむ。「旧世界を征服しようというのね。」
「冠は一体どんなものなんだ?」君が尋ねる。「そのパワーとは?」
彼女が君を見つめる。「それを探しているのに知らないというの?冠は意志を捻じ曲げる力を帯びているわ。違うものを信じ込ませるために。冠は海に捨てた方がいいの。このことは忘れないで。」
「君は何者だ?」問いながら、彼女に歩み寄る。
彼女が鋭い目つきで君を見上げる。彼女の口から左の耳にかけて長い傷が走っている。「私は物事を見通せる。必ずしも聞きたくないようなことも。」
「俺は聞きたい。」
彼女がうなずく。「賢明だこと。」不承不承といった感じで、彼女は別のカードを裏返した。「覚えておきなさい!冠はカーレにはないけれど、あると言い張る者は大勢いるわ。そして、それに騙された者が一人!その者だけは完全に信じ込んでいるのよ!」
彼女の不思議な警告に礼を言う。だが、彼女の注意は君から再び離れ、床の敷石のひび割れに注がれている。「通りは燃え上がり、」彼女がつぶやく。「狼どもが徘徊するでしょう。」
彼女を暗い光景の中に残したままその場を離れることにする。道まで後戻りすると、君は旅を続けた。


【感想】
またも女予言者の登場ですが、こちらは本物。ここでの予言は漠然とし過ぎてあまり役に立ちませんが、これからカーレの街に起こることを的確に言い当てています。彼女が主人公をいきなりアナランド人だと見破ったのも驚き。ただ者じゃないです、この人。もしも主人公がこの女予言者の言に従って、王たちの冠を危険なアイテムとみなして始末するようなことになれば、大変面白いのですが。第4部が楽しみです。
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