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S3-6 10日目:バドゥーバク平原南部を歩く [ソーサリー3:七匹の大蛇]

平原を歩き続け、古道に再び合流する。雲が空を滑るように流れていく。
道は乾燥地帯をくねくねと進む。やがて、もやの向こうに何かを見つける。塔ではなく、尖った岩だ。妙なことに、チカチカと瞬いている。
その時、背後で声がした。「もしもし。」
周囲を見回しても、道は無人のままだ。どの方向にも人っ子一人いない。
「どこにいるんだ?」フランカーが砂埃から実体化して君に会いに来たのではないかと半ば期待しながら、声を張り上げる。
返事はない。涼しい風が君のそばで音を立てる。ほんの少し前よりもさらに荒漠感が増した気がする。
無人の道を歩き続ける。

古道をたどり続ける。時間がたつにつれ、風が出てきた。
ここで道は分かれている。太い方は東の方角へ曲がりながら山を登っていく。落石が道以外の斜面を覆い尽くしている。
そびえ立つバドゥーバク峰を眺める。長い道の終着点で、主峰はかすんで見えなくなっている。
北に目を転じると、岩でごつごつした丘の中腹に沿って道が伸びている。少し先に、ことさら印象的な石塔がある。
歩くたびに足の下で石が転がる。

足下の地面が岩とガレ場になってきた。太陽が天頂に近づくにつれて風が強くなる。
尖った大岩の陰で一休みする。この一枚岩は、布地を突き抜けた鉤爪のように泥の上に鎮座している。かつては東に連なる山脈の一部だったか、または地殻変動によって地面からせり上がったのだろう。
岩の基部に洞穴が口を開けているのに気づく。
片手を剣に伸ばし、入り口に近づく。数歩先は真っ暗だ。
何者かが洞穴の内側の岩に伝言らしき言葉を刻んでいる。かろうじて判読できるが、古代のものに違いない。
「SUN!」
岩壁近くに太陽石を掲げると、古代に刻まれた伝言がかなり明瞭に判読できた。

 旅人よ!わしは随分昔からお主を待っておった。お主が望むならば、呼び寄せて進ぜよう。
 空に向かってわしの名を叫ぶといい。さすればお主の声がわしに届くじゃろう!
  ‐‐シャドラック

この伝言は名前を呼べと言っているようだ。だが、誰の名を呼ぶべきだろうか?
「シャドラック!」
君の声が平原に響き渡る。すると、それが遠くの雪崩を引き起こしたかのように、地面がグラグラと揺れ始めた。ふらついて膝をついてしまう。まるで大地が引き裂かれているかのようだ。あるいは大地に引っ込もうとしているのかもしれない。
何とか洞穴から這い出る。その時、地面についた手の指の間に草が生えていることに気づく…。

しばらくして、ふらつきながらも立ち上がる。少し気分が悪い。
君の身体に変化はなかったが、周囲はすっかり様変わりしていた。岩の尖った部分がもう1つ現れて2つになり、洞窟は一回り小さく暗くなっている。そして、洞穴の入り口の藪の中には囲炉裏がしつらえられ、火が燃えている。
洞穴の中から優しい歌声が聞こえてくる。それは氷の上を滑る砂利のような、耳障りな男の声だ。君には理解できない言葉で歌っているが、その旋律は君の魂を落ち着かせてくれた。
「シャドラック!」火に近づきながら声を掛ける。「俺はここにいるぞ。」
歌声が途絶える。咳とゼイゼイいう音が聞こえ、洞穴から1人の老人が杖にもたれながらよたよたと出てきた。
彼がシャドラックに違いない。だが、その顔は先ほど会った木の精霊のそれと同じではないか!


【変化点】
・現在/最大体力:11/19→13/19(魔法の歌)

【感想】
シャドラック以外の名前も叫べますが(サンサスとか)、間違った名前を選んでも特にペナルティはありませんでした。
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