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S3-7 10日目:交錯する2つの世界 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

「ああ、お主か。」髭越しに重々しい口調で老人が答える。「来るのをずっと待っておったぞ。」周囲の景色を手で振って示す。「よう戻ってきた。」
「俺が誰だか知ってるのか?」君が尋ねる。
老人がうなずく。「そうじゃ。」彼が微笑む。「むろん、お主の使命は知っておる。お主の事なら何でもな。それに、お主もわしのことを知っとるのではないか?わしがシャドラックじゃ。」
君は荷物から伝言を引っ張り出した。「俺はこれを受け取った。」君が説明する。「あんたのことが書いてある。」
彼が巻物を手に取って、中身を調べる。「そちらの予言者は大したもんじゃ!いや、ふうむ。おそらくわしらが会うことは単に記憶されておったんじゃな。そうとも、それが最もあり得ることじゃ。」
読み進めるにつれ、彼が目を細める。「7匹の大蛇か。そうとも。これで、奴らがお前さんに送り込まれた理由が今分かったわい。」
「奴らについて何か知っているのか?」
「少しだけな。」考え事をしながら、彼がゆっくりとうなずく。「お主がカーレからここまで旅してきたのは知っておる。教えてくれ、あの街はどんな様子じゃ?」
「まだ元のままだ。」
シャドラックが深くうなずく。「わしは剣や斧で武装した沼ゴブリンの軍勢が崖をよじ登るのを目にした。そうなれば地平線に煙が立ち昇りそうなもんじゃが、そんなものは見えなかったしな。」
彼は乾いた草を地面から一掴み囲炉裏の中に放り投げた。一瞬炎が燃え盛る。
彼は話題を変えた。「これは警告じゃが、アナランドから来た者で、バクランドを横断しおおせた者はただの一人もおらぬ。」
「どんな危険が?」
「この地は呪われたんじゃ。」シャドラックが答える。「相当な岩や土地が失われ、あらゆる物事がバラバラになった。今やお主もそうなっておるぞ。」
「この呪いは払えるのか?」
シャドラックはしばし考えてから、ようやく答えた。「いや、まず無理じゃろうな。」
彼は2本の指を絡ませながら説明した。「旧世界と古代世界はいばらのように共生してきたんじゃ。片方を旅することは、もう片方を旅することでもあるんじゃ。」
「古代世界だって?」砂漠から草原に変わった土地を眺めながら君が尋ねる。
「イシュタラといってな、わしの故郷だった場所じゃ。」シャドラックがうなずく。「お主なら大歓迎じゃよ。」
不意にシャドラックがよろめく。彼は君に弱々しく微笑んだ。
「この呪いはどうやって降りかかってきたんだ?」
「わしには分からぬ。思うに大魔法使いの企みによって、わしらは皆忘却の彼方に追いやられたか、追いやられようとしているんじゃろう。そして、永遠に続く荒廃だけが残されるというわけじゃ。」
「だが何故だ?」
「お主のせいじゃよ。」シャドラックが鋭く答える。「大魔法使いはこの全土をお主を倒すための罠にするつもりなんじゃ。お主が奴を倒す前にな。奴はかなり破れかぶれになっておる、危険な敵じゃ。」
「つまり、大魔法使いは俺が来ることを知っているのか?」
「お主が来ることは知っておるが、今ここにいるとは知らぬ。できることなら、お主はこのまま知られぬようにすべきじゃ。」
今や、シャドラックは細かく震えている。髭の奥の顔色は蒼白だ。
「7匹の大蛇について何を知っている?」可能なうちに知るべきことを知ろうと、君は急いで尋ねた。
「大蛇は最も厄介な相手じゃ。」シャドラックが答える。「わしは奴らを何度も目撃したことがあるが、連中はただの蛇ではない。奴らにまつわる伝説を知っておるか?」
「教えてくれ。」
シャドラックはうなずいた後、酷く咳き込んだ。「今から何千年も昔‐お主には2,3年前じゃろうが‐マンパンの大魔法使いが、高地ザメンの洞窟に住みついた巨大ヒドラと戦い、これを倒した。」
「こいつが余りに手ごわかったため、大魔法使いはその7つの頭をマンパンに持ち帰り、自分の黒魔術で翼を持つ7匹の大蛇として蘇らせた。こうして、そいつらは彼お抱えの伝令、暗殺者、暗黒の軍隊となったわけじゃ。」
「今から数千年前だって?」
シャドラックが弱々しく笑う。「本当じゃよ。自分の回りを見るがいい。お主がこの谷に来た時、草に覆われてはおらなんだと思うが。」
彼の言う通りだ。ここは同じ谷だが、それでいて同じではない。
「俺には何が起きているのか理解できない。」
「そのうち分かる。」シャドラックが答える。「だが、それは自分で学ばねばならん。これだけは言っておく。それぞれの大蛇は自身の元となる精を持っておる。それは凄まじいパワーをもたらすが、その一方で大きな弱点にもなる。その弱点を見つけ出すのじゃ。そうすれば奴らを倒せるじゃろう。」


【感想】
ここで、アプリ版で新たに導入された世界観が語られました。旧世界と交わる古代世界イシュタラ。
それと、先発した勇者は全員失敗したようです。おそらくすでにバクランドで屍をさらしているのでしょう。(-人-)ナムナムチーン…
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伝説の勇者

古代世界との交わり…ダドゥリーといいロラグといい、アプリ版はやけに過去からの干渉が出てきますね。原作ではただの脱出手段だったZEDの重要性が高まりそうです。
原作では12年前だったヒドラ討伐が、こちらでは数千年前になってるんですね。
こんな呪いのかかった土地、黒エルフの隊商達も無事に抜けられるかどうか心配になります。
by 伝説の勇者 (2017-09-18 22:38) 

teamtomtom

原作では現在の旧世界のみを救えばよかったのに対して、アプリ版では過去の古代世界も救う(というか破壊しないようにする)必要が出てきました。こんな状況ですので、もちろんブラックエルフの隊商も無事ではありません。ZEDについても、単なる移動手段などではなく、主人公の人生に深く関わってきます。
あと個人的には、先発した勇者と共闘という展開も期待していたのですが…。
by teamtomtom (2017-10-15 15:39) 

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