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S3-16 11日目:ケンタウロス三人組と取引 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

遠くから聞こえてくる物音で目が覚める。見ると、3つの人影が砂塵を巻き上げながら平原を横切っている。
君が見守るうちに、それは君の方に方向転換して向かってきた。
手を上げて、近づいてくる人影に挨拶する。ケンタウロスだ!背が高く、がっしりした体格をしている。
「おい、そこのよそ者!」そいつらのリーダーが仲間を制止しながら言う。「俺達はバクランドのホースマンだ。」
「やあ。」
ケンタウロスは弓を肩から外すと、君の足元の地面に1本の矢を放った。それ以上近寄るなという警告だ。そいつは次の矢をつがえて、今度はもう少し高く構えている。
「さあ、教えてもらおうか。生ける者を苛むバクランドのこんな所にいる目的は何だ?」
「俺は旅人なんだ。」慎重に君が答える。
ホースマン達が笑う。「護衛もなしにここを旅する愚か者なんざいねえ。さては貴様、まじない師だな。」
「あんたらに危害を加えるつもりはない。」君が伝える。
最後尾のケンタウロスが前に駆けてくる。「こいつに違いないぜ、」君に聞こえないほどには小さくない声でそいつがささやく。「大蛇が言ってた奴は。」
「それは誤解だ。」きっぱりと君が答える。
ケンタウロスがよく響く深い声で笑う。「いいや、俺はそうは思わんな。」そいつが言う。「この平原を大魔法使い目指して横断するような馬鹿者は一人だけだ。そして、その馬鹿は相当な金貨を持っていると聞いたぞ。」
「多分俺達は助け合えると思う。」細心の注意を払ってほのめかす。「確かに俺はあんた達が欲しい物を持ってるかもしれない。」
ケンタウロスが片方のげじげじ眉を吊り上げる。「何をしてくれるんだ?」
「あんたに幸運のまじないをかけよう。」
「幸運のまじないだって?」明らかに相手の興味を引いたのだ。「それで、見返りに何が欲しいんだ?」
「この先に何があるか教えてくれ。」
「そんなことか?」ケンタウロスが肩をすくめる。「それならただで教えてやる。北と少し東に行くと、蛇使いマナタが住んでいる。東と少し北に行けば、ブラックエルフの隊商がいる。連中はカーレを目指して、もう何年も旅をしているんだ。」
「何年も?」
「バクランドは呪われた土地でな、」ケンタウロスが答える。「ここでは何もかもがぴったりと合わさらねえ。はたから見りゃよく分かることもあるだろ。ブラックエルフは強情だから周りが何にも見えちゃいないんだ。だから、自分達のわだちの跡をたどってグルグルとさまよってやがるのさ。いつの日かカーレにたどり着くことを夢見ながらな。」
「連中は愚か者なんだな。」
「そうさ、」ケンタウロスが答える。「だが奴らを出し抜くのはたやすいことじゃないぜ。それにかなり冷酷だ。そこに行くなら気をつけるこった。」
「どうやったらバドゥーバク峰を越えられる?」次に君が尋ねる。
ケンタウロスが騒々しい笑い声をあげる。「その問いには何の価値もありゃしない。そんなことできっこないんだからな。古いトンネルは千年前に埋まったし、大きな橋も落ちて久しい。伝説で語られた滑り台さえ干上がっちまったって噂だ。お前はここに留まるしかねえんだ、俺達と同じようにな。」
「滑り台だって?」
「魔法使い連中がうまい名前を付けた事なんて一度もないさ。」ケンタウロスが答える。「言い伝えでは、かつて南の死火山に一人の強い魔法使いが住んでいて、残忍なその男は侵入者を山の下の平原に放り落としていたんだと。だが実際は、そいつは殺しはしたくなかったから、そいつらを滑り台で降ろしていたらしい。今となっちゃ、それもできねえが。」
ケンタウロス達がいなないてたてがみを振る。
「それで全部か?」リーダーが尋ねたが、すぐに別のケンタウロスが割り込んできた。「さあ、俺達にまじないをかけろ!」


【感想】
どうやら7匹の大蛇は、お尋ね者のアナランド人が来ることをバクランドの住人に触れ回っているようです。
別な選択肢として、7匹の大蛇について尋ねることもできますが、見返り(=幸運のまじない)の有無によって内容が変わります。見返りなしで聞いた場合、バクランドは呪われた土地であり、先行した大蛇達もその影響を受けてマンパンには真っすぐたどり着けないため、主人公にも追いつくチャンスがあると教えてもらえます。取り引きした場合は、シャドラックから聞いたのと同じヒドラ退治の伝説や月の蛇の弱点を教えてもらえます。さらには、あまりメリットはないものの、少しの間だけ背中に乗っけてもらって移動することもできます。
WS011178a.jpg
バクランドで2日目の朝。
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伝説の勇者

うーん、やっぱり黒エルフの隊商は無事では済んでいませんでしたか。
同じところを延々とさまよう地…ピグマリオの「歪められた西」を連想します。まともに抜けようとするなら、手段は空を飛ぶくらいしか無いんでしょうか。
by 伝説の勇者 (2017-11-23 22:37) 

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