SSブログ

S3-15 10日目:火の大蛇の夜襲を受ける [ソーサリー3:七匹の大蛇]

荒野を渡り、古道の端にたどり着く。東の空はすでに明るくなりかけている。
空っぽの平原は寒く暗い。砂埃が君の足元で渦を巻いている。まるで平らな海面を歩いているかのようだ。
ここは一休みするには物寂しい場所だが、おそらく静かに過ごせるだろう。
敷石の上に荷物を置きながら、寒さを気にせずにくつろごうと努める。少なくとも今日はすでに食事を終えているので、空腹に悩まされることはない。
目を閉じ、疲れが身体に降りかかるに任せる。静けさが耳にうるさい。この場所の真の寂しさが段々分かってきた。カーレの喧騒は遠い夢のように思えてくる。

1時間ほど眠っただろうか?寝返りを打つ。君は顔に熱を感じて汗ばんできた。すぐそばから、シューという音がずっと聞こえてくる…。
物音も立てずに伝説の剣を鞘から引き抜き、襲撃者を確かめようと見上げる。だが君が目にしたのは最も奇妙な光景だった。炎のとぐろが君の上に浮かんでいるのだ!
君が見守るうちに、君の背負い袋を掴み取ろうと、2本の鋭い爪が降りてきた。
目を見開いて化け物の姿を見つめる。そいつは際限なく燃え盛る炎の翼を生やした大蛇だった。火の大蛇だ!
大蛇の爪が君の背負い袋の上の方を掴んだ。君が引っ張り返すと、そいつは君もろとも空に上昇した!
そいつは首を曲げて、赤熱した石炭のように燃え盛る爬虫類の目で君をにらみつけると、唸り声をあげて君に咬みつこうとした。
背負い袋の取っ手をぐいと引っ張って、化け物の爪から逃れようと試みる。化け物は空中で身体をよじって、君を振り落とそうとしている。
背負い袋の取っ手の縫い目がほころび始める。
君は腕をひねって化け物を突き刺した。おそらく上手くいったのだろう、そいつは荒々しく吠えると、もっと高く飛び始めた…。
突然、そいつは激しく身体を傾けると、何の前触れもなく爪を開いた。
君は地面へと墜落した。少なくとも荷物は無事だ。だが、大蛇はどこだ?
ぎこちなく立ち上がる。かかとかどこかをひねってしまったようだ。
だが大蛇は君を諦めてはいなかった。弧を描いて飛んでいる。
「貴様を焼き尽くしてくれる!」そう叫ぶと、そいつは君目がけて急降下してきた。君が奴を追っているのではない。奴が君を追っているのだ。
君は背を向けて逃げ出した。しばらくすると、砂が君の目に飛び込んでくるようになった。砂嵐が目の前に迫ってきている!
砂が飛び交う暗がりに飛び込む。火の大蛇は君を追ってきたが、砂がその火の翼に吹き付けると、パチパチ音を立てて暗くなっていった。やがて、吹きすさぶ風音の中で、君は奴の姿を完全に見失ってしまった。
砂嵐から鼻と口を守るため、マントをぎゅっと引き寄せる。だが、目を守ることまではできない。
何かが君の足元で体をくねらせ、のたくっている。特大サイズの長虫だ。この嵐で地表に引きずり出されたのだろうか、それとも…?
衣服を叩き付けてくる砂のせいでほとんど前が見えないくらいだが、長虫の背中は深紅の色をしており、君の足の周りで必死に身もだえしている。
そいつを踏みつぶそうとブーツを振り下ろす。だがそいつは砂の中に穴を掘って逃げてしまった。まるで砂が肉の塊を飲み込むかのように姿が見えなくなった。
もしあの長虫が火の大蛇なら、砂が弱点ということだ!
だが今や君は砂で目がくらんで、息が詰まりかけていた。君は砂を数回手早くすくって袋に流し込んだ。もちろん、君の口からはまだそれ以上の量の砂が何日間も出てくるだろう。
それから砂嵐の通り道の外に走り出る。新鮮な空気で一息つくと、再び元の気分に戻った。大蛇がどうなったのかは分からない。
一難去って、君はもう一度くつろぐことにした。


【変化点】
・現在/最大体力:19/19→17/19(落下)
・+砂(2回分)

【手掛かり】
・火の大蛇の弱点:火の大蛇は砂が弱点

【感想】
ついに7匹の大蛇のうちの1匹と初遭遇!剣で立ち向かうことも(死んだふりさえも)できますが、凄まじい攻撃力を誇る相手ですので、真っ向勝負はかなーり厳しいです。アプリ版では火の大蛇以外の数匹にも、前哨戦→再戦という流れが用意されています。いずれも前哨戦の段階で敵の強大さを実感できるので、個人的なお気に入りイベントとして攻略ルートに加えています。悪役にも見せ場を用意してこそ、倒しがいがあるというもの。この王道的展開を分かっているとは、アプリ版はさすがです。
WS011174a.jpg
それぞれの大蛇に新たな挿絵が!原作に近い雰囲気がイイ感じ。
screenshotshare_20170916_190306.jpg
火の大蛇の最大攻撃力は15!大蛇の炎に照らされ、伝説の剣の刃が煌く‐。
nice!(0)  コメント(2) 

nice! 0

コメント 2

伝説の勇者

原作では火の蛇にしか無かった前哨戦と挿絵(陽の蛇にも一応あるか?)が、アプリ版では全員分用意されているとは楽しみです。
原作では登場からいきなり弱点を突いて一撃撃破できてしまう例が多くて、強敵感が薄くなってしまった印象があったので(特に時の蛇は、クリアルートは必然的に弱点を突いた状態で戦うので、最強なのに弱いボスという印象がありました)、前哨戦によって強大さを実感できるようにしたのは正解ですね。
by 伝説の勇者 (2017-11-23 22:29) 

teamtomtom

前哨戦は全部の大蛇にあるわけではありません。それと、時の大蛇には挿絵が無かったです。マップ上にシンボルとしては登場しましたが。
アプリ版では、大蛇との対戦に当たって、前哨戦以外にも、呪文やアイテムの新たな効果や共闘などの新機軸が盛り込まれており、単に弱点を突くだけではない多彩な戦い方ができるようになっています。今回のリプレイではその辺りをお伝えできればなと。
とにかく、第3部も間違いなく名作です!
by teamtomtom (2017-11-25 18:01) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。