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S3-35 12日目:埋葬された死者を蘇生、大魔法使いの話を聞き出す [ソーサリー3:七匹の大蛇]

空き地に出た。真ん中には墓石が1つある。
墓石に近づく。その銘文は風によって摩滅してしまい、巻き付いたツタと文字の彫刻‐『BRI』とある‐がかすかに残るのみだ。
興味深いことに、墓石の土台のそばに、地面から細い管が突き出ている。
管は親指の幅ほど地面から突き出ており、その直径は指の幅くらいだ。軽い金属で作られているように見える。中を覗き込んでも暗いだけだ。
「RES!」
君は荷物から聖水の瓶を取り出して、呪文を唱えた。聖水が内側から光り輝き始める。
聖水を管の中に流し込む。
だが何も起こらない。

ここには何もない。立ち去ろうと向きを変える。
その時急に、何かが君の踵を掴んだような気がして、君はその場に凍り付いた。
恐る恐る見下ろすと、ゾッとするような光景が目に入った。骸骨の手が墓地の泥から突き出て、今まさに君のブーツを掴んでいるのだ。
何かが出てこようとしている…。
君はそのまま見守り続けた。まるで地面が沸騰しているかのように動いている。地面の下にいるのが何者であれ、そいつは外に這い出てこようと、人間とは思えない力で君の足を掴んでいる…。
これは単に『RES』の呪文の効果で、何が出てきてもそんなに長くは生きられないのだと自分の気持ちを落ち着かせながら、君は内心ハラハラしながらそれを待ち受けた。
やがて地面が裂け、頭蓋骨が現れた。虚ろな眼窩と砕けた顎から泥が溢れ出る。
次にもう片方の骨の手が現れた。そいつは自分の身体を草地の上に持ち上げると、背中からパタッと倒れ込んだ。呼吸のつもりなのか、肋骨が上下している。
君はそいつが座った姿勢を取れるよう手を貸してやった。そいつは君を凝視しようとしているのか、首をぴんと伸ばした。
そいつが顎をパクパクさせるが、音は何も出てこなかった。
「TEL!」
魔法を編み出しながら、スカルキャップを頭に置く。やがて、顎の動きに合わせて、そいつの声が君の頭の中に聞こえてきた。
「そこのお方、」そいつがうめく。「私はどこにいるの?何も見えないわ!」
「あんたは埋葬されていたんだ、」君が告げる。「地面の下に。」
「そんなことがあったの?」そいつが答える。明らかに困惑している。「私はほとんど覚えてない。私が仕えるあの方が怒ったことは微かに覚えてるけど、そこからの記憶ははっきりしないの。」
そいつは繊細な骨の指を顔に持っていくと、空っぽの眼窩を探り始めた。
「あんたは誰に仕えていたんだ?」興味をそそられて君が尋ねる。
「高地ザメンの大魔法使いその人よ。彼に千の祝福がありますように。」そいつが君の頭の中で答える。
「大魔法使いだって?」
彼女が深くうなずく。「彼は賢者であり、偉大な先生であり、この地の指導者なのよ。」
「先生?」
「もちろん。」骸骨が答える。「彼は大魔法使いなのよ。」突然、彼女は君の頭の中であえぐ。「まだあれが起こっていなければ。」
「何が起こるんだ?」
「私、視たの。」そいつが答える。「あの方に予言の呪文を試すよう促されたの。今まで誰も視たことのない遥か先を。私はやったわ、そして視た…。」君の頭の中で、彼女が少し声を詰まらせる。
「あんたは何を視たんだ?」
「剣を持った男を視たわ、アナランドから遣わされた。カーレを抜けて来るの。大魔法使いを破滅させようと送り込まれた大いなる破壊者よ。」
「それを大魔法使いに告げたのか?」
「ええ。」彼女がうなずく。むせび泣くかのように肩を震わせている。「彼の怒りは凄まじかった。私はたぶん…彼に殺されたんだわ。」
「どんなふうに?」
「私は地面の下で目を覚ましたの。両手を縛られて。私に何が分かって?」
「大魔法使いには他に何を伝えたんだ?」
「それ以上は何も、」彼女が答える。「私が視たものは。ただ、イシュタラの人々がその男の旅を助けるとだけ。」彼女がはっと息をのむ。「イシュタラは大魔法使いの生まれ故郷だった。そして彼は、この地に呪いをかけた。」恐怖に駆られた様子で、彼女は君の方に虚ろな顔を向けた。
「どんな呪いを?」君が尋ねる。
「永遠に続く後悔、」驚嘆を帯びた声音で彼女が答える。「幸せだった過去にずっと隣り合わせの空虚さをもたらしたの。」
その時、だしぬけに魔法が解けた。彼女はがくりとくずおれ、ただの骨となった。君が頭からスカルキャップを取ると、もう一つの魔法も解けた。
空き地に再び静寂が戻る。
ブーツで骨を軽くつつく。何も起こらない。
指の1つに状態の良い緑色の指輪を見つける。
ごわごわした指の骨から指輪を抜き取り、手のひらに載せる。強い魔力が君の腕を走り抜けるのを感じる。
骨の山はもう動かない。そのままにして立ち去る。


【変化点】
・‐聖水(1本)
・+緑色の金属の指輪

【感想】
大魔法使いがイシュタラに呪いをかけた背景がここで明らかとなります。ところで主人公、可哀そうな女性の骨はせめて埋めてあげようよ。
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伝説の勇者

RESが骸骨蘇生の使い方もできた事に驚きました。
バクランドの呪いのいきさつは分かりましたが、そうなると大魔王は大蛇がアナランドで盗聴する前から、主人公の存在を既に知っていたという事になりますね。
原作では、大魔王が主人公を知っていたのはジャンから聞き出したからのようでしたが(ジャンが「みんな俺のせい」って言っていましたし)、アプリではこの予言が原因なんでしょうか。そうなると、苦労して情報を持ち帰ろうとしている大蛇達の立場が無いような…
by 伝説の勇者 (2018-02-25 22:59) 

teamtomtom

ここ以外にも、RES+TELの組み合わせは出てきます。
この古代世界時代の予言は、大まかな情報(旧世界時代にアナランドから刺客=主人公がやって来る)だけだったのではないでしょうか。そのため、7匹の大蛇をわざわざ派遣して、詳細な情報(人物像や行軍状況など)を得ようとしたのではないかと。
by teamtomtom (2018-03-18 18:59) 

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