SSブログ

S3-84 16日目:炎の罠をくぐり抜け、塔の壁画を読み解く [ソーサリー3:七匹の大蛇]

炎は地面から少し浮いているように見える。君が眺めていると、その大きさは親指ほどから小皿くらいまで膨張した。
どこか隠れる場所を求め、急いで周囲を見回す。だが、塔を駆け上がろうにも階段は離れており、壁や家具といった遮蔽物はどこにもない。
今や炎は、明らかに魔法で作り上げられた完全な火球の大きさにまでなった。その光の中で、何がそれを生み出したのかが君には見えた。それは両腕を広げた女性の形をした、荒削りの木で造られたグリマルキンだった。もしサイトマスターの言葉が本当なら、王たちの冠と同じようなものということになる。
そのまま様子を見るうちに、熱く強烈な火球がそいつから君に向かって放たれた!
床に伏せると、火球は君の上にぶち当たり、扉ではなく階上へ向かう階段に向かって跳ね返った。
少しの間、部屋が暗くなる。
火球と暗闇の合間に、グリマルキンを少しだけ観察できた。骨格は古く、半ば腐りかけの木でできている。横材はかつて屋根の一部だったのかもしれない。一本の支柱で体と頭が形成され、外に向けられた両腕は星の光を集められるような角度に曲がっている。
ハーイト、オスリス、ターラの星の下にきちんと陣取るように、そして火球が階段に向かうように置かれている。
「dOC!」
持っている薬に呪文を掛けると、それは光を帯びて泡立ち始めた。だが奇妙なことに、呪文はすぐに弾けて消えた。と同時に、グリマルキンの火の玉も消え去った。
次の火の玉が創られるのを待つが、何も出てこない。治癒の魔法が火の玉の魔法を打ち消したようだ。
グリマルキンは静かになった。おっかなびっくりしながらそれに近づく。

依然としてそいつは動かない。
その構造はいたって単純だ。このような星と交信するための装置を成り立たせているのは、その素材や構造が特別なのではなく、単に両腕の配置で決まるのだ。それらは星の光を集めるよう正確に配置されているが、もちろん自分が何をしているか感じることも調整することもできない。
この個体は高度に熟練した魔法使いが組み立てたものに違いない。ただのひと繋ぎの木切れに過ぎないそれは、ほとんど無造作に組まれたようにも見えるが、非常に熱心な意図が込められている。

次に君は、グリマルキンとの戦闘で忘れていた壁の彫刻に再び注意を戻した。
これまでに巡った他の塔とは異なり、この彫刻は見事なままに保存されている。それは床から天井までを覆い尽くし、歴史を順に物語っている。
最初の画板は、強大で誇り高い人々の手によって巨大都市が湖畔に建設された場面を表している。やがてその都市は、地下の悪魔が引き起こした雪崩やその他の災害に脅かされ、幾つもの建物が破壊された。

少し階段を上り、彫刻された物語を拾い読む。
壊れた建物は再建されたが、男女の賢者から成る評議会がこの問題を議論するために集められた。彼らは思索にふけりながら、髭を掻きむしり、髪を櫛でとかし、目をこすっている。そしてついに、一連の巨大な塔を全土のあちらこちらに建てることを決めた。
塔の目的は不明瞭だったが、人々は皆それが更なる災厄から守ってくれると信じたようだ。人々は諸手を挙げて褒め称えた。

最後の画板には、角付き兜の男が石の塔の建設業者に何かの装置を届けている場面が描かれている。この男のマントの紋章から、彼が高地ザメンの大魔法使いの一人だと悟る。どの塔にも明かりが据えられ、火が灯された。すると灯台の光の中で、鳥は空中で静止し、川の流れは途絶え、雲は空で動きを止めた。
塔の高さより下では、大地は平穏で人々は幸せ一杯だ。光が彼らを安全に保っているのだろう。そこで話は終わっていた。
今君がいる場所からは、塔を上ることもできるし、外の森の中に戻ることもできる。


【変化点】
・-ブリムベリーの搾り汁(1回分)

【対抗呪文】
・dOC⇔HOT

【感想】
グリマルキンの炎には「ZAP」や「WAL」でも対抗できます。前者はぶつかり合った魔法の余波で、後者は火の玉を真正面に弾き返して、どちらもグリマルキンを完全に破壊できます。
こういう古代の壁画を読み解くシーンは、ロマンがあって実にいいですね。映画ナウシカやラピュタのオープニングに出てくる伝説を物語るタペストリーみたいな感じがして。
nice!(0)  コメント(1) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 1

伝説の勇者

OC⇔HOTとは、これまた意外な対抗呪文の組み合わせですね。水(薬)と炎の関係?
DOCが対抗呪文で打ち消された場合、薬を強化する効果が打ち消されるだけで薬自体は普通に使えるのではと思いましたが、薬も消費されるんですね。呪文の効果と共に薬の本来の治癒効果も消滅して、ただの液体になるのか、呪文の消滅と共に薬そのものも消滅するとか?
古代の記録を未来に残す方法は、絵が一番良さそうですね。テープのような記録媒体だとそれを再生する道具が未来にもあるかどうか分かりませんし、文字だけだと解読できるかどうか分からず、解読した時には手遅れという例は山ほどありますし。
by 伝説の勇者 (2018-11-20 21:57) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。