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S4-12 18日目:フーフボーンの行く末 [ソーサリー4:王たちの冠]

村の北面に見張り台がある。そこからは、眼下の谷を見渡せる壮大な眺めが広がっている。
北の渓谷の向こうの山頂でバードマンが弧を描いて飛ぶのを眺めながら、しばらくそこに留まる。
一人のフーフボーンが君に加わる。「奴らは憎悪に満ちた、生まれながらに残忍な生き物だよ。」彼が言う。「だが、連中はマンパンの外の山脈に巣を作るという噂だ。」
「どんな鳥だって巣を作るさ。」
「俺達が山羊じゃないように、奴らも鳥なんかじゃない。バードマンは自分達の子供を作れないんだ。大魔法使いだけが彼らを生み出せる。」
辺りを見回して、君は急にその言葉の真実に気付いた。村のどこにも、幼児が一人もいないのだ。
「それなら、なぜ彼らは巣を作るのだろう?」君が尋ねる。
そのフーフボーンの男が首を振る。「分からない。それは謎だ。巣が卵を連れてきてくれると信じているのかもしれないな。何とも言えない。」
「シフーリからあんた達の種族のことを少しだけ聞いたよ。」
フーフボーンがもじゃもじゃの頭を振る。「俺達は種族だなんて呼べたものじゃない。俺達の最後の一人が死んでしまえば、その存在は永遠に消えるんだ。」そう言うと、彼は手のひらで自分の胸を叩いた。「心安らかに、旅人よ。」

村の端に向かうと、シフーリがパカパカと音を立てて追ってきた。長く重い槍で武装し、君に向けている。
「シフーリ?」
シフーリがしばし君を見つめ、それから槍をひっくり返して柄を先に向けた。
「祝福された槍だよ。」彼女が言う。「感謝の印として贈ろう。大魔法使いを取り巻く守りを貫く助けになるからね。」
「受け取れないよ、」君が答える。「あまりに高価だ。」
「お前さんにはその資格があるし、そうしてくれるだろう。」シフーリが答える。「ここでは金貨はほとんど役に立たないけど、大魔法使いの死は我らにとって計り知れない価値があるんだ。」
「ありがとう。」深くお辞儀をしながら、君が答える。「光栄に思う。」
槍を受け取り、背中に革ひもで縛りつける。確かに、しっかりした作りだ。
「さあ、お行き。」シフーリが告げる。「旧世界の神々がともにあらんことを。」
踵を返して出発する。衛兵が一人、君の後ろに付き従って、道を下ってきた。手助けなしでは急な道は転落の危険があるので、これはありがたい。


【変化点】
・+祝福された堅木の槍

【感想】
ここでフーフボーンには生殖能力がないことが判明しますが、これはS4-10でシフーリが語った話(マンパンから脱出したのは一部の者だけ)と矛盾するような気がします。マンパンを脱出した者以外はいったいどこから来たのか?という疑問が生じるので。フーフボーンは大魔法使いの魔法実験の産物なので、野生にはいないはずですし。
また、バードマンもフーフボーン同様に、大魔法使いの魔法の産物であるとのこと。あくまでアプリ版での設定ですが。
何はともあれ、敵地のすぐそばで友好的なフーフボーンと交流できたことは、主人公にとって幸運でした。いわゆる、ラストダンジョン前の村ですね。
20190721-1a.jpg
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伝説の勇者

やっぱりアプリ版では鳥男も大魔王が作ったものなんですね。原作のFFシリーズではアランシアやクールにもいましたけど。
サテュロスも鳥男も自分達で繁殖できないとは。所詮は使い捨ての兵士にするために生まれた存在という事でしょうか。
高価だからと槍を断ろうとする主人公に感心しました。
by 伝説の勇者 (2019-07-29 23:59) 

teamtomtom

原作の樫の木の槍は優れた攻撃力を発揮しましたが、アプリ版ではいまいち存在感がなく、出番を見つけるのに苦労しました。原作の雰囲気を大事にするなら、こういうところが大事だと思うのですが…(ブツブツ)。
by teamtomtom (2019-11-17 18:20) 

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