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S4-38 20日目:マンパン要塞の威容に気圧される [ソーサリー4:王たちの冠]

歩いていくと、低い建物の前に出た。空気が君の周りで微かにそよぐ。まだ冷たいが新鮮だ。
風が建物の上層をなめていく。掴み草と黄色いガイラルディアの花が、割れた窓から飛び出ている。
この建物は、かつて宿屋か交易所か、あるいは大要塞へ向かう新参者を迎える案内所だったのかもしれない。それも今では、元の状態の半分ほどまで崩れている。
ガイラルディアを一輪引き抜く。その黄色い花は、ほとんどの野草がそうであるように何の役にも立たない。君はそれを脇に投げ捨てた。
骨組みに手を掛け、傾いた戸口をくぐって中に踏み込む。

崩壊した建物に入る。屋根がないので空に筒抜けだ。
念入りに部屋の残りを調べるが、興味を引くものは見つからない。内部はほぼ空っぽだ。
だが、一方の壁に伝言のようなものが刻み込まれている!
 「…スローベンドアを…三番目の呪文は…不可視の…」
興味深い内容だ。

戸口が君を招いているが、準備がまだだ。建物の輪郭で縁どられた空が君の思考を静めてくれる。目を閉じて、ゴリラの精霊に祈りを捧げる。
大いなる平穏が訪れるのを感じる。君はマンパンに近づいたが、まだ束の間の平和が得られるのだ。
さらに、荷物から調理した魚を一匹取り出し、空腹を満たす。
ここですべきことはもう何もない。古めかしい建物の外に出て、外光の中に戻る。

道まで引き返してから、もう一度周囲を見回す。道が幾つかの方向に伸びている。

2,3個の雲が天空を流れていく。
東の道を行く。道は岩に開いた深い割れ目のそばを通っている。割れ目は南へいくほど、どんどん深く広くなっている。
割れ目を越える方法はないが、それに沿って道が両側に伸びている。

火口の縁に開いた、埃っぽい曲がり道を上る。地平線が迫りくるマンパンの威容で唐突に占められる。
朝の時間が進むにつれ、風が強くなってきた。
その存在に魅了され、君の目が要塞の壁の輪郭をなぞる。まるで必死で天に祈る者のように、凸凹した尖塔が空に向かってよじれている。
鋭角で尖った先端がそこかしこに突き出し、悪魔のガーゴイルが壁の外側に並んでいる。
目を反らそうとするがどうしてもできない。まるで塔が君の目を握っているかのようだ。
その眺めはどんな勇敢な兵士の勇気もくじいてしまうだろう。それは君にも言えることだ。
君のみぞおちに恐怖がそのしこりを埋め込んだのを感じ、思わず身震いする。
要塞の光景に震えながらも、君は前進しようと無理やり自分を奮い立たせた…。


【変化点】
・現在/最大体力:7/17→12/17(祈り)→14/17(食事)
・食料:10→9

【手掛かり】
・スローベンドア:…スローベンドアを…三番目の呪文は…不可視の…

【感想】
「Brightspark」という植物が何か分からなかったので、「~スパーク」という名の品種があるガイラルディアを当ててみました。
マンパン要塞の遠景の挿絵が原作にもアプリ版にも載せられていますが、あれは確かにおどろおどろしく、かつてプレイした際には主人公と同じように恐怖におののいたものでした。
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この場面では、上が東で右が南。
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コメント 2

伝説の勇者

かなり遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

Brightspark…明るい色の花なんでしょうか。「Bright spark」だと「頭の良い人」という意味だそうですね(頭の悪い人への皮肉として使われるそうですが)。
花を一輪引き抜いて、脇に投げ捨てるって、下手するとキザに見られるかも。
基地の外に並ぶガーゴイルというのは、たとえ動くものでなくても相手に恐怖を与えるもののようですね。
by 伝説の勇者 (2020-01-19 21:48) 

teamtomtom

今年もよろしくお願いします。
そのまま「ブライトスパーク」でもよかったのかもしれません。束の間、花に注意を向けただけのシーンですが、こういう些細な描写が、敵地を目前にした主人公の何らかの心理状態(不安?心の渇き?)を物語っているような気がして、アプリ版の気に入っている部分です。
by teamtomtom (2020-02-23 22:04) 

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