S4-78 22日目：エッフェの宗教活動とは

階段を上り、建物の中に入る。この場所は修道院にしてはかなり騒がしい。修道士と民衆が長テーブルの周りに群がり、一方だけから興奮が伝わってくる。
修道院の奥に続く広い扉が向かいにある。鉄格子のはまった小さい窓が壁に並び、微かな光が差し込んでいる。
エッフェの修道士のほとんどは賭けをしているが、片足で立ったり、時間を数えたりする者もいる。反対側では、二人の修道士が木の下に立ち、特定の葉がいつ落ちるのか言い当てようとしている。遠くの壁沿いでは、複雑なコースのラットレースを大勢の人々が囲んでいる。
「YAP!」
背負い袋からかつらを引っ張り出し、それを被って呪文を唱える。
君の周囲には話し掛けられる動物はいなかったが、ラットレースの方から小さな声が聞こえてきた。「僕の勝ちだ！」そいつがわめく。「この田舎者ども、チーズは僕のものだからな！」
修道士の何人かは様々な賭博を監督しているが、ほとんどの者は自らが賭けに没頭している。
「RAp!」
かつらを被り呪文を唱え終わる。突然声が聞こえなくなる。言語の魔法は動物との会話の星座を打ち消すのだ！
「fAR!」
足を組んで床に座り、水晶の球に手のひらを置く。呪文を唱えると、全てが変化していった…。

賭けに賭けまくる自分自身の姿を目にする。テーブルはリズムも理由もなく走り回る化け物で一杯だ。何日も過ぎていき、日に日に痩せてやつれていく。もはや賭けで恍惚状態に陥り、冠のことなど忘却の彼方だ…。

光景が消える。修道院での賭博は日中のど真ん中ですら続けられているようだ。サイコロが転がる音と賭けの声が脇の部屋から轟いてくる。
階段を下りて修道院の庭の外に出る。

オアシスのような修道院から出て、灰色で埃まみれのマンパンに戻る。道が両側に伸びている。
西へ向かう道を行く。道はすぐに、高い石壁の端に沿って曲がり、少し行った所に金属製の背の低い扉がある。
また夜になった。休む場所が必要だ、空腹の場合は特に。
扉は金属の鋲が打たれた薄い板切れでできている。板同士の間には隙間や穴が数か所開いている。
穴から覗き見ると、丈の高い草の海がうねっていた。明らかに、半ば自然のままになっている。


【対抗呪文】
・YAP⇔RAp

【感想】
エッフェの教団は単なるギャンブル依存症の集まりなのでは？

↑修道院の内部