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ソーサリー1:シャムタンティの丘 ブログトップ
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S1-21 2日目:番人のゴブリンと戦う [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

坑道がふたまたに分かれているところまで引き返す。入り口からの外光にとても心ひかれたが、残りの左の通路も調べることにする。
先に進むと、石から切り出した大扉が行く手を阻んでいる。鉱山の中でもこの場所は、造りがしっかりしているようだ。戦争になったら、ここを野営地として使うつもりなのだろうか?
扉に鍵は掛かっていなかった。室内は鉱山のすすで汚れており、あたかも夜そのものに満たされた炭鉱のように見える。岩の中の石英は、さしずめ夜空の星だ。
向かいの壁には、鉱山の奥へと続く別の扉がある。だが、部屋の真ん中にはテーブルがあり、不潔なゴブリンがでんと腰掛けている。
君が部屋に入ると、そいつは頭をもたげてくんくん臭いを嗅いだ。「おかしな臭いじゃ、よそ者だな!」奴が挑むように言った。「ここへ入ってきてはならぬ!」
「俺はお前の友達じゃないか。」
「お前が?俺は違うぞ。」巨大な石の棍棒を手に、ゴブリンがのしのしと向かってきた。
「RAZ!」
剣の刃に蜜蝋を半分塗って呪文を唱えると、カミソリの鋭さが宿った刃がギラリと輝き始める。君はほくそ笑むと、ゴブリンに立ち向かった。

<第1ラウンド>
ゴブリンは棍棒で手のひらを打ちながら近づいてくる。君は機先を制して、奴の喉元目がけて危険を増した武器で突きを入れた。奴は防御しようと棍棒を動かすが、君の刃が相手を切り裂く!奴は一瞬恐怖で息をつまらせたが、すぐに君に向かってうなり声をあげた。

<第2ラウンド>
さらにゴブリンを攻めたてる。だが、奴はその大きく重い棍棒で君をはすかいに打ちのめした!君はバランスを崩してしまう。
「お前死んだら、トンネルの奥に捨てて、地虫の餌にしてやる。」慎重さと怒りをないまぜに奴は吐き出すようにそう言うと、片足で地面を踏み鳴らした。

<第3ラウンド>
確かな勇気を胸に、君は相手を壁に追い詰めようと動く。そして、心臓を狙った素早い一撃を繰り出す。それはよろめいたそいつの首を貫いた。ゴブリンは棍棒を床へ落とすと、そのまま自分も床に突っ伏した。

ゴブリンを打ち負かした。君が鉱山の奥へ進むのを妨げるものは何もない。その前に、ゾウの精霊に体力の回復を祈願する。幸いにも、今回も祈りは聞き届けられた。
次に、金貨か武器でも落ちていないか暗い部屋の隅々を捜し回る。結局何も見つからなかったが、ゴブリンが銀の鍵を鎖で首に掛けていたので、それを持っていくことにする。
次の扉は鉱山のさらに奥へと続いているだろう。落石だけは勘弁願いたいところだ。


【変化点】
・現在/最大体力:7/12→6/12(魔法)→3/12(戦闘)→8/12(祈り)
・精霊:カラス→ゾウ
・-蜜蝋(1回分)
・+銀の鍵

【感想】
「RAZ」を使うと、原作同様、相手に与えるダメージが倍増します。
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S1-22 2日目:鉱山を抜け出し、シムソーサ川を渡る [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

扉を開けると、そこは真っ暗な通路だった。
「HOW!」
呪文を唱えてから、前と後ろを交互に見比べる。すると、扉の向こうを見た時と部屋を振り返った時とでは、まるで違った感覚がするではないか。鉱山の奥深くへ続く暗い坑道は額を汗が伝うような緊張を呼び起こすが、振り返って部屋の入り口の扉を見ると、緊張はすぐに鎮まり落ち着いた気分になれるのだ。
君の使命は地下ではなく地上にある。鉱山はもうたくさんだ。他に探索すべき場所はない。引き返して外に出ることにする。

洞窟から忍び足で脱出する。誰にも見つからずに鉱山を後にして、高い木が両側に立ち並ぶ道を進む。
道は急な下り坂になり、川が流れる狭い谷へと出た。川の土手に道はないが、橋が架かっている。
ロープを確かめると、君には丈夫なように思えた。もしこれが罠だとしても、君を川へ落とす類ではないだろう。
だが君は、土手の植物の中を苦労して進み、浅瀬を見つけようと試みることにした。確かに、あの橋は気が利いているが、良すぎるものは逆に正しくないかもしれないのだ。
土手沿いの水辺に生い茂るやぶを切り開き、もがきながら進む。草木のとげに引っかかれ、根っこに足首をひねりながらも、何とか前進していく。そしてついに、飛び石として使えそうな一列に並んだ岩を見つける。

最初の岩を試してみる-よし、大丈夫だ。
岩づたいに渡り続け、川の半分まで来た時、足元の川の中に何か光るものがあることに気づく。注意深くバランスを取りながら川の中から拾い上げると、それは女性の小さな肖像画の入ったロケットだった。誰かが川の中に落とし、ここまで流されて岩に引っかかったに違いない。高価な金属ではないので、おそらくそんなに価値はないだろうが、それを荷物に加えることにする。

残りを渡り切り、川の対岸にたどり着く。そこは開けていたので、もう一度橋のたもとまで行くのにほんの1分しかかからなかった。
再び元の道に戻ると、光を遮る木々の間を抜け、峰沿いの長い道を歩いていく。


【変化点】
・現在/最大体力:8/12→7/12(魔法)→6/12(川辺の行軍)
・+ロケット

【感想】
なんと、ここであの肖像画の入ったロケットを入手!こんな所に配置されているとは驚きです。繰り返しになりますが、新しい選択肢は実に遊びごたえがあります。
なお、ここに出てくる尾根は、タウザー峰という名前がついています。
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S1-23 2日目:スカンクベアをやり過ごし、無事クリスタタンティへ [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

再び低い丘を上る坂道となった。道は灌木が生い茂り、君の服をひっかけてくる。
半分まで上ったところで、下生えの中で小枝が折れる音がしたかと思うと、君の前に熊ほどの大きさの生き物がぬっと立ちはだかった。体は黒と白の毛で覆われ、もしゃもしゃの長い尻尾を後ろに引きずっている。
脅すような唸り声に、君は身体をこわばらせる。慎重に動けば、脇をすり抜けてやり過ごせるだろう。
君はやぶを通り抜けようとしたが、君に関する何か-あるいは君の持ち物-が相手の注意を明らかに引きつけてしまう。そいつは臭いを嗅ぐと、その鋭い牙をむき出しながら君に一歩一歩近づいてくる。戦いは避けられそうもない。この動物はスカンクベアだ。奴が尻尾を上げると、吐き気を催させるような臭気が放たれ、近くにひどい臭いがたちこめるのだ。
「SIX!」
君が呪文を唱えると、閃光とともに君の複製が5体現れた。混乱した野獣はそのうちの一体に攻撃を仕掛けてきたが、君は分身を身代わりに戦わせて、その隙にこの場を逃れた。

2時間ほど上ったところで、道は下りに変わり、谷を越えるとまた次の上りに差しかかった。太陽はちょうど真上を過ぎたところで、埃っぽい熱気が日差しに焼かれた台地から立ち昇ってくる。疲労困憊でほとんど座り込みそうになる。君に必要なものは、食事、休息、そして順調な旅だ。今日はすでにへとへとに疲れているのだから。

やがて午後もだいぶ遅くなり、そろそろ今夜眠る場所が気になり出す。もう一晩野宿するのは避けるべきだろう。
その時、前方の丘の中腹に小さな村が見えてきた。石造りの土台と厚手の草の屋根でできた建物はがっしりとしており、煙突からは煙が上がっている。
普通は、町の中心を貫く通りは1本以上あるものだ。だが、かつては裕福だったこの村では、中心部がぽっかりとなくなっている。小さな建物がそこを取り囲み、村はずれには見捨てられた空き家の並ぶ街路がある。
道沿いにゆっくりと歩き続ける。通りを下ると、すぐに正面が開け放たれた小屋が見つかった。中からビールの匂いが漂ってくる。
中に入ると、そこにはどら声で会話を交わしている数人の丘陵居住者がいた。当然のように、彼らはうさん臭そうにじろじろ君を見てきた。


【変化点】
・現在/最大体力:6/12→5/12(魔法)
・精霊:ゾウ→レイヨウ

【感想】
この「SIX」の呪文、原作でも選択肢にあり、5/6の高確率でスカンクベアをやり過ごせるというものでした。原作では分身は本体と同じ動きをするだけでしたが、Android版では分身ごとに違った動きができるようになっており、かなり強化されています。「ブラッドソード」の宿敵イコンが第4巻で使ってくる妖術「Simulacra」に近いですね。
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S1-24 2日目:村の酒場で老人と打ち解ける [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

居酒屋の主人が君に話しかけてきた。「クリスタタンティへいらっしゃい。何が欲しいんだ?」
「ここで少し休ませてくれないか。それと、のどを潤したい。」
「エールがジョッキ1杯で金貨1枚だよ。まあ、座ってくれ。」
人々がいるテーブルに近づく。君の注意はそのテーブルで最も年配の男に向けられた。若かりし頃がどんな顔であったとしても、その面影はしわによって跡形もなくなっているが、日焼けした肌からは彼の余命は推し量れないところがある。
「ごきげんよう、ご老人。」
彼はマグを掲げて会釈した。「旅の人、どこから来なすった?」彼の顔は砂利のようにザラザラで、この町の通りの埃っぽい地面のようだ。
「それはどうでもいいだろう?」
「そりゃそうだ。」彼は同意して言った。「お前さんはアナランドなまりじゃし、ブーツに背負い袋、剣もあそこの装いだで。」舌打ちして続ける。「カントパーニの門を通る者はあんまりおらん。どちら向きにもな。わしの言うとることが分かるか?」
「アナランドは安全に保たれねばならないんだ。」君は手短に答える。
「わしらのような者からもな。それに戦争が近いという噂がある。冠に関係があるらしいがの。」
「冠というと?」警戒しながら聞き返す。
「王たちの冠じゃよ。それは指導者に統率する力をもたらすと言われておる。冠なしでは誰もおぬしに従いはせぬ。冠があれば農夫を軍隊に駆り出すことも、全住民に海の中に入れと命令することもできてしまう。」老人は首を振った。「わしに聞いても無駄じゃよ。じゃが、誰かがそれを被るというなら、マンパンよりはアナランドの方にお願いしたいわい。」
君がビールをすすると、老人は向かいに座っている若者と目配せを交わした。
「この辺りについて何か教えてくれないか?」君が尋ねる。
「クリスタタンティか?もちろん教えてやるとも。わしらはいつでもよそ者には親切なんじゃ。」
「この町の先には何がある?」
「ここからは二本の道が伸びておる。一本はアリアンナの家のそばを通っておるが、もし彼女が家にいたら、あんたは少々頭を使わにゃならんぞ。もう一本は巨人の領地リー・キへ通じておる。どちらの道を選ぼうとも、わしはあんたに旅先でシンドラの幸運が舞い込むよう祈っとるでな。」
「シンドラとは?」
「果たせそうもない目的を司る神じゃよ。」老人が笑う。
酒場の人混みがまばらになってきた。残りのビールを一息に飲み干して立ち上がる。酒場を立ち去ろうとすると、主人が手を差し出して君を呼び止めた。
金貨を1枚払い、通りに出る。次にすることを決めようと考えながら道の先を眺めていると、先ほどの老人が再び君に近づいてきた。君の肩に手を置き、果物を一つ君の手に押しつけてくる。
「これはボンバの実といってな、」酒臭い息を吐きかけながら老人が言う。「わしが手ずから育てた。胃に優しいんじゃ。」君の腹を軽く叩くと、彼は少しふらつきながら歩み去った。
老人が手渡してくれたのは、とても栄養豊かな皮の厚い果物だった。唯一の欠点は、びっくりするほど重いことだ!


【変化点】
・現在/最大体力:5/12→6/12(エール)
・金貨:19→18(エール)
・食料:3→4日分(ボンバの実)

【感想】
このご老人、主人公の旅の目的を薄々感づいており、「果たせそうもない」と思っている節があります。まあ、マンパンは遥か彼方ですし、当然と言えば当然。それにしても親切な人や~。
Android版では、ゴブリンによるシャンカー鉱山での採掘活動は、秘密裏に進行している戦争準備の一環であるという背景が新たに与えられています。この戦争が、やがて主人公をも巻き込んでいくことになろうとは…。
また、シンドラについては、このページが詳しいです。シンドラには、原作にも登場したチーラーやグレッドという別名があるとのこと。さらに、女神リーブラはシンドラの娘だそうで。
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S1-25 2日目:見栄を張って高級宿に宿泊 [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

さあ、そろそろ宿を決めて寝る時間だ。君が通りがかった人を呼び止めて宿の場所を尋ねると、その人物はそのまま宿まで案内してくれた。
「あんた、王様のところから来たのかい?」宿を経営している女性が、入り口に立って腕組みしながら詰問してきた。
「王の使命を受けているところだが。」
「税金?」
「いいや。」
彼女は目を細めた。「ここはクリスタタンティ一の高級宿だよ。賓客しか泊めないんだ。一泊が金貨3枚、食事は金貨2枚だけど、これは全部賓客用の料金さ。」
君はエメラルドを一つ取り出すと、彼女の前にちらつかせた。彼女の目が輝く。「王へのもてなしと同じように扱ってもらいたいものだな。」
彼女は急いでうなずくと、君の手から宝石をひったくった。「食事をお持ちします。お部屋は2階です-私のを使ってください!」そう叫ぶと、彼女は走っていき、部屋を掃除するよう夫をどやしつけた。
食堂に入り、スカンクベアのシチューの夕食をとる。食べながら、君は今日出くわしたあのひどい臭いの動物を思い出さずにはいられなかった。
それから階上の部屋へ向かう。ありがたいことに、君はすぐに眠りに落ちた。

再び鮮明な夢をみる。さざ波が立った海のような地面の上を上ったり下ったりしながら無限に歩く。一歩ごとに疲労がたまっていくのに、少しも前に進まない。
しばらくすると、腐敗臭のする丈の高い生き物が大またで歩いてきた。遠くで深い声があざけっている。長く冷酷な指が冠にまとわりつき、もう一方の手が君を手招きする。まるで罠にいざなうように…。

朝早く起きる。そんなに慌てて村を出発する必要もないため、しばらく座って過ごす。今日は旅の3日目だ。たくさん歩いたので、脚の筋肉は引き締まりたくましくなっている。
束の間の平和を楽しみ、それからおもむろに荷物をまとめる。


【変化点】
・現在/最大体力:6/12→13/14(食事&睡眠)
・-宝石(1個)

【感想】
保存食は生きていく上では大事ですが、味は宿などでのできたての食事の方が勝るでしょう。食事のメニューを見ると、やけにおいしそうに感じてしまうという、ゲームブックあるある。結局、スカンクベアのシチューはうまかったのか、臭かったのか、どっち?
今回は、キャラクターがというより、プレーヤーが見栄を張って、宝石をちらつかせて賓客扱いで宿泊してしまいました。でも、この宿は別に高級宿といえるほど立派ではなかったような気がします。ああ、エメラルドの宝石がこんなところで…。
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S1-26 3日目:盲目の乞食に施しを与える [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

クリスタタンティは数マイルの農場に囲まれた町で、防衛に適したリング状の丘の中にある。川に近いため農業にも好都合だ。
天日に焼かれた作物の列の間を歩く。右の道の先には離れ屋があり、左の道はそのまま深い森の中へと続いている。

右の道を進むと、建物のそばで働く人を何人か見かけた。旅の間に人を見かけることはめったにないので、会話する機会は可能な限り確保するべきだろう。
そちらへ向かって歩いていくと、途中に、低い塀を背に座り込んだ目の不自由な乞食がいた。君の足音を聞きつけた乞食は、手を伸ばして指を鳴らした。「お恵みくださらんか?恵んでくだされば、あなた様にシンドラの慈愛が降り注ぎましょうぞ。」
男は惨めな姿だ。痩せこけた身体にぼろをまとい、目が見えないのを分かってもらうために、目の辺りに黒っぽい染め粉を塗っている。
「どうか、だんな様。わしはかつて看守でしたが、今はこの有様。どうかお慈悲を。」
「何があったんだ?」
「レッドアイの仕業です。」彼は答えたが、それ以上は何も言わなかった。
君は差し伸ばされた手に金貨を1枚置いてやった。
「親切な旅のお方じゃ。」乞食は硬貨の表面を手探りしてから、歯で咬んだ。「なんと!金貨とは!」彼は驚いて叫んだ。「あわれな乞食なんぞにもったいない!もしわしが金貨を持っていると誰かが知ったら、わしは殺されてしまうわい!」
「では、達者でな。」
「お待ちくだされ!」にっこり微笑んで乞食が声をかけてきた。「しばしお待ちを!」まるで穴を探すかのように自分の身体をまさぐり始め、ついに銅の鍵を引っ張り出した。「ああ、あった!」
「それは何だ?」慎重に尋ねる。
「何年も昔、わしはカーレに住んでおりました。カーレこそわしの故郷で、わしはあの城門の中で牢獄の監守をしておったのです。カーレではレッドアイに用心なさるがよい。さもなくば、あなた様にもわしと同じ運命が待ち受けております。生きていくために物乞いをせねばならぬ身となり果てるのです。」
「レッドアイとは何者なんだ?」
「出くわさぬよう祈りなされ。」それが彼の簡潔な返事だった。「カーレはよそ者に用心深い街ですが、例えレッドアイに捕らえられたとしても、この鍵さえあれば大丈夫ですぞ。経験者たるわしを信用なされよ。」
埃を巻き上げながら、君の背後の道を牛車が通り過ぎていく。
君は彼から鍵を受け取り、荷物に加えた。「ありがとう。」礼を言ってから再び歩き出す。


【変化点】
・金貨:18→17(施し)
・+銅の鍵

【感想】
ここはほぼ原作通り。この先、カーレに関する情報がちらちらと出てきます。
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↑鍵の項目。
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S1-27 3日目:囚われのアリアンナを解放 [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

村を離れ、朝の残りは道沿いを行く。道は平坦で、息をするのと同じくらい自然に歩くことができた。長年この旅のために訓練を重ねてきたことがほとんど信じられないくらいだ。
少し坂を上り、林の縁をたどると、道は二手に分かれていた。このまままっすぐにも行けるし、西に曲がることもできる。

西に進むことにする。しばらくは暑かったが、再び木々の間に入ると涼しく、また静かになった。
何事もなく数時間歩く。この地は入植も探索も行われておらず、旅に使われることも極めてまれだ。道にはやぶや下生えがせり出している。君ののどをひっそりとかっ切るには完璧な場所ともいえる。
ゆっくりと静かに、用心しながら道をたどる。もし近くに野獣がいても、君が近づく音を聞かれる前に、そいつの首をへし折ることができるだろう!
やがて、静かで深い森の中で、もう一本の道が交差する場所に出た。二本の道の合流点に誰かが標識を立てている。道案内か、もしくは警告のためだろう。右はダンパスを、左はアリアンナ‐クリスタタンティの老人から聞いた女性の名前‐をそれぞれ示している。どちらの道に行くのも気は進まないが、選ばなければならない。

アリアンナと書かれた方へ向かう。道は次第に青々とみずみずしくなる木々の間をぬって続いている。川が近いはずだが、水の音は聞こえてこない。
木洩れ日でまだらとなった陰の中を30分ほど歩くと、しっかりとした造りの小屋があった。花々が外壁を彩り、扉には華やかな模様が描かれている。道はここで終わっている。
君は素早く小屋の周りを回った。おかしな所は何も見当たらない。深い森の中の一軒家そのものだ。だが、密林の野獣に囲まれて生き抜いているということは、かなりの力を持った人物に違いない。
君は近づいて扉を叩いたが、返事はなかった。
扉を開けて中に入る。小屋の中はきちんと片付いていた。明らかに気難しい女性の住まいだ。
家の中には、客人をもてなすかのようにテーブルを囲んで椅子が置いてある。一隅にはマットレスが置かれ、台所の広さからすると、住んでいるのが誰であるにせよ、料理好きであるらしい。
「こんにちは。誰かいるかい?」
驚いたことに、すぐに返事があった。「そこにいるのはどなた?」
大きな食器棚で仕切られて見えない隅の方をのぞいてみると、檻に若い女性が閉じ込められている。「旅のお方、どうか私を檻から出して下さい!」
君はとても驚いて、檻に近づいた。「何があったんだ?」
「もう二日もここに閉じ込められたままなのです!あのいたずら好きなエルヴィン達!自分の料理が見えるのに手が届かないこんな場所に私を置き去りにするなんて!どうかお助け下さいまし。」
「助けてあげよう。」
檻に近づき開けようとしたが、扉には当然鍵が掛けられていた。
君は腕まくりをして言った。「君のために力を貸すのを感謝してくれよ。」
「DOP!」
錠前に向かって呪文を唱える。すると、錠前が静かに唸り始めたかと思うと、カチャカチャという音がして、内部の留め金が動いていることが分かった。そしてついに、錠前は開いて床へ落ちた。
彼女は喜びで両手をパチンと打ち合わせると、扉を開けて檻の外へ飛び出してきた。そして、君が一歩退いて彼女を落ち着かせようとする間もなく、君に抱きついてきた!


【変化点】
・現在/最大体力:13/14→12/14(魔法)

【感想】
そういえば、手の届かない場所に置いた食事を見せながら飢えさせる拷問方法があったような。ここまでくると、もはやエルヴィンの性格はいたずら好きを通り越して、かなりの性悪と言えそうです。
あと驚いたことに、アリアンナを殺害する選択肢もあったりします!「ZAP」の呪文を唱えると、稲妻が金属の檻を直撃、彼女はあっという間にくすぶる灰に…。落雷のイメージなんでしょうが、酷いの一言。
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アリアンナの家があるこの一帯は、メディキの森とのこと。
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S1-28 3日目:彼女にまつわるロマンスとサスペンス [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

「旅のお方、あなた様には借りができましたわ。このアリアンナからお礼をさせていただきとうございます。戦いに役立つ品と魔法に使う品、どちらがよろしいですか?」
「君のキス以上の報酬はいらないよ。」
彼女がはにかんで微笑む。「あなたはとても親切な方ですのね。でもそれは分別のあることとは思えませんわ。」そう言うと、彼女は優美な動作で君から離れ、テーブルの反対側へと回った。

彼女は自由の身となった。もうこれ以上ここに留まり続ける理由はない。
「ここを去る前に、君と一緒に食事をしたいな。食事を作ってもらえるかい?今日はまだ何も食べていないんだ。」
「ここには何も食べる物がないんです。」彼女は悲しげに肩をすくめた。「エルヴィン達に何もかも取り上げられてしまいましたもの。」
「俺の食料を分けてやろうか?」君が尋ねると、彼女ははつらつとした表情でうなずいた。
二人でテーブルについて、パンとチーズを二等分する。一かけらたりともテーブルの割れ目に落とすことのないよう細心の注意を払う。まるで家族の食卓の真似事をしているかのようだ。
彼女は君と同じ様にむしゃむしゃと食べた。

しばらくして、君は立ち上がった。「もう行かなくては。今日中にまだ何マイルも歩かなくてはならないんだ。」
「そう。では、どうかこれをお持ちになって。」彼女は小さな金貨袋を差し出した。
君は袋を受け取った。中には7枚の金貨が入っている。
「それともう一つ。」彼女はテーブルを回ってくると、君にもたれかかってきた。君の頬に軽くキスをして、耳元でささやく。「私は魔女アリアンナ。今まで善良な男達を何人も私の魔法で殺してきたわ。でも今日、あなたは殺さないでおいてあげる。安心してお行きなさい。」
後ろに身を引いた彼女の顔を見ると、これまでにないくらい穏やかで優しさに満ちている。彼女の言葉を聞き間違えたのだろうか?そんなはずはない。時間だ、もう行かねば。
君は急いで家を出ると、分かれ道まで引き返し、今度はダンパスという標識が出ている方へと向かった。


【変化点】
・現在/最大体力:12/14→13/14(半分の食事)
・金貨:18→25(報酬)
・食料:4→3日分
・精霊:レイヨウ→ゾウ

【感想】
アリアンナを助けた際のお礼として、新たな選択肢「キス」が!もうこれだけで、原作を超えたと個人的には結論しました(笑)。「ブラッドソード」のリプレイに彼女を登場させた身としては、この時点でAndroid版「ソーサリー!」のリプレイを決意せざるを得ませんでしたね、ええ。ラグナリスタの剣術熟達の腕輪なんか目じゃないぜ!
なお、主人公が女性の時は、「キス」の選択肢は現れませんでした。
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繰り返しになりますが、ここの文章に脚色は一切入っておりません。(↑証拠)
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S1-29 3日目:ラットベアをやり過ごし、無事ダンパスへ [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

曲がりくねりながら続く木々の間の道を数時間歩く。
突然、君は立ち止った。前方で何か音が聞こえたのだ。何かが道の端の岩の間で動いている。
君は後ずさりした。確かに何かが動いている。大きくて長い何かが。木々の間でとぐろを巻いている尻尾も見える。
君にはそいつが見えているので、君の方が断然有利だ。
その野獣は道の右側にいるので、道の左側の木立ちを忍び足で歩けば気づかれずにすむかもしれない。君はこの作戦を試そうと、できるだけ音を立てずにゆっくりと慎重に移動した。
数ヤード進んでから道に戻ろうとした時、そいつの動きが止まる。君の音を聞きつけたか、臭いを嗅ぎつけたに違いない。
案の定、そのすぐ後に、そいつは君に向かってきた。ラットベアだ!つやのある黒い毛皮に葉と泥をまとわりつかせながら、下生えから駆けてくる。思ったよりも近い。
「LAW!」
君が呪文を唱えると、野獣はおとなしくなった。そいつはくんくん臭いを嗅いでいるが、今のところ問題があるとは思わなくなったようだ。君はすんなりとその場を去った。

ダンパスの村に着いた。君は村の真ん中を通る道を歩いていき、むさ苦しい丘陵居住者が数人座り込んで何かを食べている小屋の前で立ち止まった。彼らは何事か話しこんでいる様子だ。指を振り立てている者もいる。
帆布を引き上げて中に入る。彼らはすぐに話を止め、君を見上げた。一人が立ち上がり、君を手招きする。
君が前に進み出た時、別の一人が現地語で何か呼びかけてきた。君の腰を指さしている。マントの縁から剣があらわになっていたのだ。
くだけた共通語で、最初の男がしわがれ声で告げた。「武器はなしだ。」彼は扉のそばのテーブルを指さしている。
君は剣帯を緩めると、テーブルの上に武器を載せた。彼らはそれに理解を示し、そばに来て座るよう合図した。
それから、村人達は以前のように活発に会話を続けた。現地語なので君には理解できない。だが話し込みながらも、彼らは君を飲み物や食べ物でもてなしてくれた。かなり歓迎してくれているようだ。
食べながら、あちこちでいくつかの単語を耳にする。「ゴブリン」、「軍隊」、「クリスタタンティ」。村人達には大きな心配事があるように見える。
「ゴブリンが何をしているんだ?クリスタタンティの村人が武装させたのか?」君が尋ねると、男達は首を振った。
やがて、君はゆっくりと状況を理解していった。村人達は、ゴブリンの一団がクリスタタンティを攻撃するつもりだと確信していた。確かに、クリスタタンティは丘陵地帯で裕福な場所の一つだ。そして、クリスタタンティの防衛に加勢すべきか否かが議論の的だったのだ。加勢するならば、何らかの謝礼があるかもしれない、と。
「彼らを助けるべきだ。」君はまじめに言った。
「だがよ、クリスタタンティは俺達を助けちゃくれないんだぜ。」一人が言った。「あいつらは金を持ってるが、俺達は貧乏だ。」
「あんた達は彼らより裕福になれるよ。」
村人達がうなずく。彼らは君の弁に揺り動かされていた。「あんたはどうなんだ?どうやって戦う?」一人が尋ねる。
「必要なら手助けしよう。」
「ゴブリンどもには今晩襲撃させるといい。」彼らは歓声を上げた。「そうすればあんたの力を借りられるからな。」
こうして、夜の集会はお開きとなった。村人達は君の助言に感謝すると、一人また一人と帰っていった。


【変化点】
・現在/最大体力:13/14→10/14(魔法)→11/14(食事)
・精霊:ゾウ→サル

【感想】
何だか、クリスタタンティ手前でのスカンクベアとの遭遇とデジャブなシチュエーション…。どちらも、まるで毛深い人間のような見た目。
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↑ラットベアというよりウェアラット。
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S1-30 3日目:爆買いを反省して深夜のバイトに勤しむ [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

さらに歩いていくと、商人の小屋が二軒並んでいる場所に差しかかる。
今の所持金で買うに値する品物を探すことにする。織りの良いスカルキャップ、丁寧に仕上げられた長剣、小さな食料袋が君の興味を引いた。
君はスカルキャップを手に取って裏返した。
「ダドゥーリーの司祭から盗まれた逸品でね、」商人は誇らしげに言った。「きめの細かい織物なんだ。金貨5枚になるよ。」
それ自体に魔力を帯びてはいないが、魔法をかける時に役立つかもしれない。君は金貨を支払うと、スカルキャップを背負い袋に収めた。
次に、テーブルから長剣を慎重に持ち上げ、試しに振ってみる。刃は念入りに研ぎ澄まされている。
「名工による業物だってことは、あんたにも分かるだろ?」商人が熱っぽく話す。「お代として金貨6枚いただこうか。」
君は代金を支払うと、新しい長剣を腰に吊った。
最後に食料袋を確かめる。3食分に十分足る量が入っている。
「旅人にはぴったりの品だよ。これも金貨6枚だ。」
代金を渡し、食料を荷物に加える。
君が店主にうなずくと、彼はにっこりと笑った。「他に手伝えることはあるかい?」
「何か仕事はないか?金が少しいるんだ。」
彼は君を品定めした。「あんたはいい人手になりそうだな。俺の友人の一人が穴を掘りたがっているんだ。あいつなら手間賃と食事をくれるだろう。」
「力仕事みたいだな。」
「ただで金は手に入らんさ。」しゃべりながら、彼は商品を覆い始めた。まるで君が何か盗みを働くのではないかといわんばかりだ。
「それで、どうするね?」彼は肩越しに道を見やった。「俺は今からそこに行くんだ。一緒に来るかい?」

商店の主人は君を村はずれの民家に連れていくと、そこの住人に君を紹介してくれた。その恰幅の良い男は、おそらく鋤を持ち上げることなどできないのだろう。
「何をして欲しいんだ?」君が尋ねる。
「汚水溜めを掘ってくれ、」男が答える。「裏庭に。」
「どのくらいで?」
「かなり急を要するんだ。古いやつはもう溢れてきてて…。」
「どのくらいの”金”をくれるのかと聞いているんだ。」
「金貨3枚だ。」
「分かった、始めるぞ。」
「鋤は裏庭にある。」彼は親指でぐいと指し示した。
君は男の家を通り抜けて裏庭へと入った。ひどい臭いがする。仕事というのは単に新しい汚水溜めを掘るのではなく、古い穴を掘り返すことだった。これは数時間に及ぶ仕事になる-おそらく一晩中はかかるだろう。
君は穴のそばの地面に突き立てられていた鋤を手にした。
「BIG!」
呪文を唱え、効果が現れるのを待つ。いくらもたたぬうちに、君は普段の三倍の大きさになった!手にした重い鋤がただの爪楊枝のように感じられてくる。
おかげでたちまちのうちに仕事を終わらせることができた。
君は家に戻ると、報酬の金貨3枚を受け取った。感謝しきりの男は、寝床だけでなく食事も提供してくれた。幸せな気分で寝床に着く。

すぐに眠りに落ちた君は、また奇妙な夢をみた。
夢は小屋の中の奇妙な女性で占められていた。まるで彼女自身が地面から生えているかのように、その髪から花が咲いている。夢の中で、彼女は本来の姿よりもどんどん若く美しくなっていった。
頭上で翼がはばたく音がした気がする。バードマンが冠を奪いに来たのだ。もしかすると、この旅のどこかで奴らは襲ってくるかもしれない…。


【変化点】
・現在/最大体力:11/14→10/14(魔法)→13/16(食事&睡眠)
・金貨:25→9(買い物)→12(報酬)
・+スカルキャップ
・+長剣(+2)
・食料:3→6日分(保存食)

【感想】
原作でいうところの「ていねいに仕上げられた剣」を購入しました。攻撃力が+2される優れモノ。
この3K作業(汚い、きつい、暗い)の後、風呂に入れたかどうかが非常に気になります。
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↑旅が進むと、魔法の道具一覧も充実!
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S1-31 4日目:疫病の村ウルスタンティを迂回 [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

家主の詮索を避けるため、朝早く起きて通りに出る。数分の後には、ダンパスを出て街道に戻ることができた。
1時間かそこらすると、道は二本に分かれた。一本は曲がりくねりながら丘へ上り、そのてっぺんには孤立した集落らしきものが見える。もう一本は丘を下り、不毛の岩場へと続いている。

丘を上る道を進むことにする。なだらかだった上り坂は急な斜面に変わり、君は昼までに何度も小休止をとらなければならなかった。今までは丘の中腹を歩いてきたが、これから旅はより厳しいものになっていくだろう。
ようやくてっぺんに着くと、丘が一望のもとに見渡せた。道が掘っ建て小屋の並んだ小さな村に続いているのが分かる。通りには村人がいて、話したり働いたりしている。楽しげで活気に満ちた場所のように見える。
見晴らしのいい場所にもう少し留まり、何も変わりがないか様子をうかがう。しばらくして、君は村人達の動き方がどこか奇妙なことに気づいた。足を引きずって歩いている者を一人見つける。そしてもう一人。這いずっている者さえいる。ついには、どの村人も動くときに苦しんでいるのだと君は理解した。
その場に身を隠して観察を続ける。やがて、村に何が起こっているのか君は理解した。これは絶望的だ。そこには笑いも、喜びも、商いもなかった。女は歩こうともせず、男はそんな女達を見ようともしない。これではまるで捕虜収容所ではないか!
観察はもう十分だ。低い雑木林に逃げ込むと、弧を描いて村を避けながら遠くに見える橋へ向かう。
歩きながら後ろを振り返り、今になって気づく。何軒かの扉には赤い十字の印が描かれている。それは疫病の印だ。君は身震いすると、サルの精霊に感謝した。

道は険しいガレ場の斜面を下りながら森へと入っていく。立ち並ぶ木々の間から道の先をうかがい知ることは難しくなるが、他に選択の余地がなかったため、君は進み続けた。
唐突に、谷底から遥か上に張り出た岩棚に出る。岩棚は前方で左右に分かれ、他に道はない。
左を見ると、割れた岩でできた狭い岩棚が霧の立ち込める谷へと延々と下りていく。反対側に上る道があったとしても、ここからでは分からない。
次に振り向いて右手を見ると、谷の霧が晴れるに従って、途方もなく長い橋が視界にぼんやりと現れた。まるでたった今そこにできたかのようだ!厚板とロープでできたその橋は、こちらとあちらの丘のてっぺんから吊り下げれられている。誰がどのくらい前に、このような素晴らしいものを造ったのだろう?
もうしばらく橋を眺める。それは優美な曲線を描いて谷に架かっており、時おり吹く風にわずかだが揺れている。
それにしても、見れば見るほど完璧な橋だ。そんな橋が実在するのだろうか?それともあれは、不注意な旅人を騙すための単なる幻に過ぎないのだろうか?
再び歩き出そうとして、バランスを取り直す。ひとたび足を滑らしてしまえば、谷底へ真っ逆さまだ…。


【感想】
Android版では、この疫病の村にウルスタンティという名前が付けられました。村人と接触すると、ここの住民が実は近隣の村(ビリタンティやダンパスなど)から追われてきた人々であることが聞けます。なぜ追われてきたのかはよく分かりませんが。既に疫病に罹患していたから?
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S1-32 4日目:吊り橋でヴァンカスに追い返される [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

橋へと続く岩棚を上る。今にもそれが羽ばたいて飛び去ってしまうのではないかと思いながら。
断崖をくねくねと曲がりながら上り、ついに巨大な礎石に深く固定されている橋のたもとへたどり着く。橋のそばにはむさ苦しい小屋が建っている。
その掘っ建て小屋は、ゴブリンが住むのにかろうじて足りるほどの大きさしかない。だが、何者かが風変わりな様式-色あせた木の陰や血の色をした雲の中に描かれた大小の人物の輪郭-で外壁を飾っている。そして、これらの人物の幾人かについては、あたかも家の構造の一部であるかのように、壁そのものから実際に骨が突き出ている。
もちろん君はすぐに理解した。この家にも橋にも、魔法や呪術の臭いがする。
小屋に近づき扉を叩いても返事はなかった。だが、それより奇妙なのは、扉を叩いても何の音もしなかったことだ。まるで水の表面をこぶしで叩いているかのようだ。
だが、問題はない。小屋は古くむさ苦しいから無人なのだろう。君は橋に向かって冷静に歩き出した。

数歩進んだ時、背後から呼びかける声がした。
 「見知らぬ者よ、待ちなされ!」
振り向くと、小屋の扉から醜いせむし男が出てきたところだった。
 「ここを通っていきたくば、
  ヴァンカス様の二つの問いに、
  ちゃんと答えてもらおうか。」
君は男に聞き返す。「ヴァンカスってのは誰のことだ?」
彼はまばたきした。おそらく驚いたのだろう。それから彼は自分の胸を親指でトントンと軽く叩くと、少しだけ背をまっすぐ伸ばそうとした。
さらに君が尋ねる。「なぜ答える必要がある?」
男は謎かけのような口調で答えた。
 「汝、ヴァンカスの橋を越えていきたくば、
  愚かでなきこと、番人に確かめさせよ、
  汝、友であり、友となりたくば、
  尋ねられし問いに答えてもらおうか。」
君は頭を振りながら苦笑すると、振り返って橋を渡り続けようとした。

ヴァンカスがしたことは君には見えなかった。だが次の瞬間、踏み出した君の片足は橋の床板を通り抜けていた。ロープを掴もうにも、それも実体のない空気となっていた。
転落を食い止めるすべはなく、君は地面に落下した。ただ幸運なことに、まだ橋を少し進んだだけだったため、かすり傷と打撲だけで済んだ。
奴が小屋の中へ戻っていく。頭上では、橋がひそかに元の姿に戻っている。
激高した君が尊大な卑劣漢を串刺しにしようと丘に這い上がった時には、奴の姿はすでに消えていた。
小屋の扉は閉じられていたが、君はそれを開け放とうと飛びかかった。だが、手は扉を素通りしてしまう!
仕方なく、君は扉を開けるのを諦め、谷へ下りるもう一つの道を進むことにした。


【変化点】
・現在/最大体力:13/16→11/16(落下)

【感想】
この橋には番人ヴァンカスがいますが、今回はジャイカー廃鉱山に行く新ルートを選択するので顔見世程度です。なんと彼は、Android版の第3部で再登場します。謎かけ以上の技を披露してくれる手ごわい(&ありがたい)存在として。
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↑彼の謎かけの中に気になる一文が。ヴァンカスとアリアンナは兄妹?
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S1-33 4日目:ジャイカー廃鉱山で魔物から間一髪逃げのびる [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

石の張り出しに沿って歩く。斜面は急で、つまずかないように歩くのは困難を極めた。
谷底は干上がった川で、遥かな昔に失われた流れで摩耗した石に覆われていた。近くの岩肌には小さな洞窟が口を開け、その外に錆びた機械が放棄されている。鉱石を運ぶ荷車が通った広い上り道が対岸の斜面にある。
少しの間立ち止まり、息が整ってから辺りを見回す。
しばらくの間、川床のそばの泥にうねを残す古代の機械群の間を歩き回る。じょうご状の口とスパイクの生えた車輪のある巨大な装置は、今は錆びて赤褐色となっている。そして、機械の間をつなぐ滑走台は、つる、ヘドロ、泥で厚く覆われている。これらが何のためのものであれ、何十年、いやおそらく何世紀もの間、使われた形跡はない。
川床を見下ろしても、ただ石が敷き詰められているだけだ。その中から、手ごろな玉石を選び、背負い袋に入れる。運ぶには重いが役に立つものだ。

鉱山の入り口に近づく。深みから吹く湿った風が君を迎える-鉱山の縦坑がどこかに通じているに違いない。内部は真の闇で、松明も見当たらない。そして、君自身も明かりになるようなものは何も持ち合わせていない。
君は少しだけ中へ忍び足で入った。濡れた岩が頭上にある。空気が急に冷たく静かになった。君の息づかいがこだまする。狭く暗い空間はほとんど脅威だ。岩壁はつるはしで削られているが、まだどこか粗削りなところがある。
足元で砂利が音を立てる。
「HOT!」
君は呪文を唱えて、手のひらに火の玉を作り出した。縦坑が光で満たされる。
前方を見ると、坑道はT字路になっており、それぞれ鉱山の深くへと下っている。
だがその時、左の坑道から何かが近づいてくるのが見えた。巨大な目とかぎ爪の生えた足をしている。そいつは悪意のこもった怒りで吼えると、君に向かって突進してきた!
とっさに君は火の玉を怪物目がけて投げつけた。肉が焼ける匂いがして、そいつはほとんど人間と同じような苦痛の唸り声を上げた。
化け物が立ち直る前に、回れ右をして走り出す。そして、太陽の下に出ると、谷を上る道を駆け上がった。サルの精霊に、体力の回復と奴が追ってこないことを祈りながら…。


【変化点】
・現在/最大体力:11/16→8/16(魔法)→13/16(祈り)
・+玉石(3個)

【感想】
後に、このシャムタンティ一帯の鉱山の由来や、ジャイカーやトレパーニの廃鉱に怪物がいる理由が判明します。リメイク時に原作のプロットをつなげて作り出されたのでしょうが、王たちの冠そのものが絡んでくるとても壮大なストーリーとなっています!
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S1-34 4日目:見張り番のトロールと戦う [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

谷の斜面の半ばで小休止をとる。息は切れ切れで、心臓は激しく脈打っている。
見ると、道から少し引っ込んだ所に木でできた掘っ建て小屋が建っている。君がそうしたように、やぶの後ろに隠れて見えないようになっている。
2、3分後、一匹のトロールが頭を屈めて小屋の戸口から出てきた。この辺りの何か―おそらくゴブリンの別の鉱山―を守っているのか、もしくは今は廃墟と化した町を守るために何年も前にここに配置されたのか…。
数分の間、そいつは小屋の外に立って、あちこちに目を走らせていた。巨大な頭が水車のような速さと機敏さで動く。
それから奴は丘の湾曲した辺りへ歩み去った。再び現れるまで少し時間がありそうだ。
君はこの機を捉えて、何かをくすねようと小屋へ駆け寄った。
小屋の中は殺風景だった。窓や扉はない。低いオーク材のテーブルが中央にある。一隅の毛布の山が唯一の慰めだ。
テーブルの外観と汚れから判断すると、トロールはここで刃を研いだり、ウサギの皮を剥いだり、眠ったりしているのだろう。木の幹を割いた天板には深い傷が刻まれ、それを支える4本の太い脚はかなり頑丈だ。
テーブルの下をのぞいたが、トロールの食事で捨てられたウサギの骨や毛皮といった残飯があるだけだった。
部屋の隅にある毛布は、かつては目の細かい上物だったに違いない。長い年月の間に擦り切れており、明らかに一度も洗われていないため、織りの隙間にハエが卵を産みつけている。
奴がそろそろ戻ってくる頃だ。もう行かなければ。

突然、入り口を影が横切った。トロールが戻ってきたのだ。
怒りで唸りながら、剣を構えている。君は戦わなければならない。
「DUm!」
君が呪文を唱えると、一回の鼓動の間に、そいつのずんぐりした体形はさらに鈍重になった。
トロールはなおも君に向かってきたが、自分の剣を手から蹴り飛ばしてしまった。悪態をつきながら剣を拾おうとするが、またしても取り落してしまう。
今や奴は容易い―あるいは、間違いなく逃げ切れる相手だ。君は剣を抜くと、混乱した敵の周りを回って、飛びかかる体勢を整えた。

<第1ラウンド>
トロールが足を踏み鳴らして前に出た!奴は距離を置いて、小さな楯の向こうでゴキブリのようにうずくまっている。君は一撃で切り伏せようと剣を強く振るう。ほとんど運のおかげではあったが、奴はその攻撃を弾くことができた。気をよくしたトロールは、あまりに喜び過ぎて剣を取り落としてしまい、慌てて拾い上げる羽目になった。

<第2ラウンド>
大声を張り上げるトロールに対して、プレッシャーをかけ続ける。剣をひるがえして柄で殴りつけると、奴はよろめいた。反撃は剣で打ち返す。

<第3ラウンド>
剣を何度も打ちつけた後、素早い突きを放つ。そしてついに、そいつの首をはね飛ばす!

トロールは死んだ。手早く小屋の中を探ると、毛布の山の中に隠された3枚の金貨を見つけた。それから小屋を抜け出し、旅を続ける。

1時間後、丘を上り終えた。太陽が急速に傾きだしている。
ここはあの当てにならない橋の反対側だ。振り返ってもう一度眺めても、すこぶるしっかりと存在しているように見え、それを選択しなかった自分が愚かにさえ思えてしまう。だが、仮にこの道を戻ったとしたら、それが死の罠であることを思い出す羽目になるだろう。
日が暮れる中、君は斜面を下り続けた。


【変化点】
・現在/最大体力:13/16→11/16(上り坂)→ 8/16(魔法)
・金貨:12→15

【感想】
ここでの戦利品は、原作では幸運のお守りも手に入りましたが、Android版では運点は廃止されているので金貨のみとなっています。
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↑「DUm」で弱体化したトロール
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S1-35 4日目:ミニマイトのジャンが旅に同行、ビリタンティへ [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

丘を少し下ったところで一休みする。大きな岩に腰掛け、この先がどうなっているのかうかがう。道はずっと谷間の方へと下り、3つの峰に囲まれるような位置に村がある。この辺りにしてはずいぶん大きな村だ。
君の後ろでは、太陽が急速に傾きだしている。間もなく夜になる。
村は立ち寄るのに都合がよさそうだ。君は岩から飛び降りて歩き出した。
突然、道に張り出した枝が顔をかすめたかと思うと、陽気で甲高い声がした。素早く周りを見回すと、君の肩の辺りを小鳥くらいの生き物が飛び回っている。子供のようでもあるが、肌は緑色で痩せこけており、透き通った羽根を動かしてひらひら飛んでいる。やがてその生き物は親しげに君の肩にとまった。そいつは爪の生えた小さなつま先であぐらをかいている。
「SIX!」
そいつを驚かせて追い払おうと、君は呪文を唱えた。が、何も起きない!
その小さな生き物はくっくっと笑いながら言った。「僕がそばにいる間は、魔法を使おうったって無駄だよ!」
「それはどういう意味だ?」
「いたって簡単なことさ。」そいつが答える。「僕は魔法の存在なんか信じちゃいない。見たこともないね。なぜって、僕がいると魔法は決して働かないからさ!」
「小人君、君の名前は?」
「ジャンだよ。」その生き物は甲高い声で楽しそうに返してきた。
「君は何者だい?」
そいつは後ろに宙返りしてから丁寧にお辞儀をした。「僕はミニマイトなんだ。あんたに会えて嬉しいよ。」そう言うと、そいつは小さな手を差し伸べて、君の耳たぶと握手した。
「あの村について何か教えてくれるかい?」君は谷を指さした。「安全なのか?」
「あそこはビリタンティ、とても安全な場所だよ。シャムタンティの丘で最も大きい村なんだ。この道を行く旅人は必ず一晩あそこに泊まっていくんだから。少し値は張るけど‐ミニマイトには特にね。それでも十分愉快だけど。」ジャンは上へ下へと飛び回りながら、痺れを切らしてぷりぷりと言った。「さあ、もう行こうよ。」
「なぜ俺と一緒に行きたいんだ?」
「あの村を見たろ?最後にあそこを通り抜けようとした時、あいつら僕はお断りだって言うんだ。誰かと一緒にいれば、それももう気にしなくて済むからね。」
「俺が行こうとしている場所は危険なんだ。俺と一緒にいると、君は殺されるかもしれないぞ。」
「僕には羽根があるんだ。誰も僕を捕まえられっこないさ。」ジャンは肩をすくめると、君の肩を飛び立って、もう一方へと飛び移った。「そんなに急いでないんだろ?」ジャンが君を見やる。「それとも、野ざらしで眠りたいのかい?」
「やれやれ、じゃあ行こうか。」君の言葉に興奮したジャンは、君の耳と再び握手をした。

君達は連れ立って、谷底へと道を下っていった。
両側の丘はどちらもそびえ立つように高く、村に濃い影を落としている。薄暗く圧迫されるような印象さえ受ける。だが、通りから遠く聞こえてくるのは、陽気な笑いとにぎわいの歓声だ。
通りを歩き続ける。浮かれ騒ぎの喧騒がどんどん大きくなってくる。谷の影の中にあるこの場所では、そしてわびしい旅路の後では、むしろ怖いくらいだ。村では底抜けに陽気なお祭りが繰り広げられている!
「ほらね?」ミニマイトが君の肩の上から声をかけてくる。「ここは楽しい場所だって言っただろ?」
「ジャン、ここで何が起こっているんだ?彼らは魔法をかけられているのか?」君が尋ねる。
ジャンは頭を振った。「違うよ。もしこれが魔法なら、僕にはそうと分かるからね。これは子供のお祭りなのさ。」
「それはどんなものなんだ?」
「まあ、あれをご覧よ。」ジャンが小さい手を振って示す。「年に一度だけ子供達だけに許される無礼講で、いたずらをしては大いに楽しむ日なんだ。」
すぐにジャンが言った意味が分かってくる。最初の幾つかの建物を過ぎると、そこでは大勢の子供達が通りに腰を下ろして、大振りのジョッキからエールを飲んでいた。その向こうでは、一人の少年がお婆さんを膝の上に載せて尻をぴしゃぴしゃと叩いている。『グランドレイガー酒場』という看板の出ている小屋の前では、ひとかたまりの少年達がケンカしている。どこも完全に混乱した状態だ。
君はお婆さんを助けることも考えてみた。だが、できることは何もないと分かって諦めた。結局のところ、これは彼らのお祭りなのだ。


【変化点】
・現在/最大体力:8/16→ 7/16(魔法)

【感想】
主人公のマスコット(天敵?)、ミニマイトのジャンが登場。ソーサリーシリーズの味わい深い挿絵では、キモ可愛い感じに仕上がっています(比率はキモい方が勝っているような気が)。
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S1-36 4日目:酒場の主人グランドレイガーと語らう [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

騒ぎを避けて酒場に入る。バーの向こうでは、恰幅のいい男がぼろ切れでジョッキを拭いている。
「いらっしゃい、旅の人。」彼が呼びかけてくる。「わしはここの主人のグランドレイガーだ。」
「どうも。今日は長旅でね。」
「そうだろうと思ったよ。まあ座ってくれ。」
君が座ると、ジャンはカウンターに飛び乗った。グランドレイガーはその生き物に驚くよりむしろ面白がって見ている。
「エールは一杯いくらだい?」
「金貨2枚だ。この街で一番の味だよ。というより、この街でエールと呼べるのはうちのだけ、それは確かだ。」
君がカウンターの上に金貨を2枚置くと、グランドレイガーはビールのジョッキを差し出した。泡立ったそれは暖かく、とても元気づけられた。
「旅に出て、もうずいぶん長いようだな。」グランドレイガーがほほ笑む。
「あんたに分かるわけがない。」君が答えると、彼は黙ってうなずいた。「それより、この村について教えてくれないか?」
グランドレイガーは肩をすくめた。「語ることはそんなにないさ。あんたの見たまんまだ。カーレとカントパーニを結ぶ唯一の道の途中にあるおかげで、この場所は今も栄え続けている。この山々のどれか一つが崩れるか川が凍るかすれば、2週間後にはここは廃れちまうだろうよ。」
「あんたのことを話してくれ。」
「わしか?何故だ?」彼は両手を広げた。「わしはうんざりするほど普通の男だ。あんたの見たまんまだ。わしがいつも言っているようにな。」
「あんたに贈り物があるんだ。」
「ほう、そうなのかい?」彼が興味深そうに君を見る。
「これなんだが。」君は川で見つけたロケットをカウンターの上に滑らせた。「これはあんたにとって何か意味を持つかい?」
彼はそれを手にして、珍しげに眺めた。蓋を開けて若い女性の肖像画が露わになると、彼の顔が赤く染まった。「これをどこで手に入れた?」彼が君をにらみつける。
「拾った物だ。」
グランドレイガーは仁王立ちになり-、そして笑い出した。「いや、ただの冗談さ。その女性は一度も見たことがない。わしの恋人でもないし、彼女ならカーレに住んでいる。」彼はロケットを閉じると、それを下に置いて君につき返した。
「俺はカーレを目指しているんだ。」
「もちろんそうだろう。」彼はニヤリと笑った。「あんたにそう言わなかったかい?」
「カーレについて何か教えてくれないか?」
「ああ、カーレか。さっき言ったように、わしはかつてあそこで恋人と暮らしていた。あそこは愛の街だ。カーレでは、毎日が人生最後の日だと思って過ごさなくちゃならん。そうなる可能性が高いんだからな。そして今や、かつてないほど盗賊のはびこる都市となった。あんたはおとなしく故郷にいた方がいいと思うぞ。」
「俺には魔術がある。」
「なら、そいつがいない方がいいだろう。」彼はジャンを指さした。その小さな生き物は落ち着かなげにそっぽを向いた。酔っ払って気分が悪そうだ。
バーを拭く仕事に戻ったグランドレイガーが、思い出したように言った。「あんたはトレパーニを通って行くつもりだろう?あそこのスヴィンはいつもは陽気な連中なんだが、近頃ずっとふさぎ込んでいる。あの場所には憂慮すべき現実的な問題があるんだ。」
「彼らにどんな問題があったんだ?」
「ああ、ええとだな。」しばらく考えてから、彼は声に出かかった何かを振り払った。「あんたにとって重要なことじゃない。」
カウンターからジャンの盛大なげっぷが聞える。彼は君のジョッキからこぼれ落ちたエールをちびちびすするうちにかなり酔っ払っていた。ジャンを指でつつくと、彼は指によじ登ってきたが、前のめりに倒れて床で伸びてしまった。
「置いていきたいなら、そうしてもらっても構わないよ。」グランドレイガーが言った。「つまみ上げてジョッキの中に入れてやろう。」
だが、君はあえてそうしなかった。ジャンは最後にようやく目を覚ますと、フラフラと飛んで君の肩にとまった。「愛してるぜ。」彼が君の耳にささやく。


【変化点】
・現在/最大体力:7/16→9/16(エール)
・金貨:15→13(エール)

【感想】
今回はカントパーニに立ち寄っていないので斧はなしです。Android版では、第2部でカーレに着いてからでもヴィックに関する手掛かりは入手可能なので、斧の重要性はやや下がっています。なお、原作でのヴィックは単なる顔利きのような存在でしたが、このAndroid版ではカーレにとって超重要人物となっています。
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↑謎のスローガン「第1貴人にヴィックを!」
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S1-37 4日目:水晶の滝で泳ぐ [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

酒場を出るて角を曲がると、『水晶の滝』への道を示した標識のそばに少女達が群れているのに出くわす。彼女達は大人が通りがかるたびに足を引っ掛けてつまづかせては、顔を見合せてくすくすと笑っている。
君は立ち止って、滝について彼女達に尋ねた。だが、彼女達はジャンの存在にすっかり気をそらされてしまい、彼をつついたり、くすぐったり、優しく話しかけたりしては歓声を上げている。
数分後、君は諦めて歩き出した。
「また戻ってきてね!」一人が叫び、別の一人も呼びかけてきた。「滝の水は身体にいいわよ!」
くすくす笑う彼女達を尻目に、その場を離れる。

山の中腹にある裂け目を抜ける道を歩いていく。やがて、空気が雷鳴のような轟きに満たされる。結構な上り坂だったが、岩の狭い裂け目を抜けて角を曲がると、ついに天然の大滝が初めてちらりと見えた。
頭上の崖から吹き出した滝の水は、両側にぶら下がった水晶の鍾乳石の間を流れている。
滝へ続くただ一つの道は、通りがかった者から金をまきあげるならず者のいる小屋の前を通り、垂直に露出した岩で終わっている。
君は肩のジャンをつついた。「この先を偵察してくれないか?この滝に金を払う価値があるか確かめるんだ。」
ジャンが力強くうなずく。「いいとも。でもすぐ戻るから、僕を追っ払おうなんて考えちゃだめだよ。あっという間に追いつくからね!」
彼が羽ばたいて飛んでいくと、君はすかさず呪文を唱えた。
「DUD!」
言い表せないような財宝が袖口からあふれ出す。
困惑して驚いたふりをして、君はならず者に声をかけた。「これで十分だろうか?」
男は自分の目が信じられなかったに違いない。彼は小屋に駆け込むと、金庫を持って戻ってきた。そして装身具、宝石、金貨などをその中に次々とかき込んだ。
「まあ、いいだろう。」そいつは言った。「これならあんたは贅沢なもてなしを受けられる。泳いでいる間は縁に生えている草やハーブを投げ入れるといい。気分が良くなる香りがするよ。」
そう言って金庫のふたを閉めると、彼は小道を駆け下りていった!あの勢いなら、騙されたと気づくまでに遠くまで行っていることだろう。
肩の辺りで羽ばたく音がして、ジャンが戻ってきたと分かる。
「大したものじゃないね。もし金を払うなら、無駄になると思うよ。」彼がささやく。

滝に近づく。水は力強く滝つぼへと流れ落ちている。
君は服を脱ぐと、その中へ飛び込んだ。ジャンは水しぶきの中をひらひらと飛んでいる。
冷たい水は爽快で、君はすぐに活力がみなぎってくるのを感じた。
君の中で自信が大いに高まる。ここに来たのは今までで最良の決断だ!
「だが、待てよ。病を癒やす水だって?」君の中で何かが頭をもたげた。それは何かとてつもなく重要な意味があったような…。


【変化点】
・現在/最大体力:9/16→8/16(魔法)→16/16(水晶の滝)

【感想】
原作ではジャンが片時も離れてくれないので魔法が使えませんが、Android版では今回のような選択肢もあるのです。
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S1-38 4日目:水晶の滝で妙案を閃く [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

思い出した!人里離れた山中にある疫病で荒廃した村だ。あの村人達をここに連れて来れば、彼らを救うことができるのではないか。
だが、もう時刻は遅い。あの疫病の村に歩いて戻れば、1日いやおそらく2日は費やしてしまう。
それに、あの村からこんなに近いのだから、彼らもこの滝を知っているはずだ。症状が重過ぎて癒やせないのだろうか?
誰かを村に送って確かめる必要があるが、君の使命はあまりに重要なので危険は冒せない。
ならば、グランドレイガーが適役ではないだろうか?カーレに住んでいたことがある彼なら、きっと旅慣れているはずだ。
君は村にとって返した。

先ほどより荒々しさを増した通りを抜け、グランドレイガーの酒場に入る。彼は前と同じようにバーの向こうにいたが、店内は静かなままだった。
「またあんたか。」彼は言った。「飲み直しかい?」
「いや、そうじゃない。」
「中に入りなよ。何を考えてるんだ?」
「俺のためにして欲しいことがある。」
「ほう、そうなのかい?」彼は興味深そうに言ったが、同時に警戒もしている様子だ。
「丘向こうにある村についてなんだが。」
彼は深くうなずくと、手ぬぐいをカウンターの上に置いた。「ああ、そうじゃないかと思ったよ。あんた、滝に行ってきたんだろ?」
「それはどういうことだ?」
「滝に魔法の力があると思ったんだな?皆と同じように。」
「そうじゃないとあんたは言うのか?」
グランドレイガーは首を振った。「あの滝は観光の名所だ。かき乱れた心を落ち着かせてくれる。だが、それだけのことさ。」
「だから、疫病は治せないと?」
彼は再び首を振ると、肩をすくめた。「できるとは思わないね。そりゃ、ひょっとしたらわしが間違っているかもしれんが、わしは自分が間違ってるとは思わないよ。」
「それでも試してみなければ。」
彼が三度首を振る。「もしも滝の水が疫病を癒やせるのなら、もうすでに村人がそこを訪れたとは思わないのか?滝は秘密でも何でもないんだ。いつでも簡単に答えが見つかるわけじゃない、そうだろ?」
君はがっかりしてうつむいた。「よく分かったよ。」
「彼らの心配をするとは、お前さんは優しい心を持ってるじゃないか。」彼はため息をついた。「だが、そのために眠る時間まで削ることはないさ。」
君は扉に向かった。


【感想】
このエピソードは原作にはありませんが、言われてみれば確かに、疫病の村と癒やしの滝はかなり近いので、この状況に対するアクションがあっても良さそうなものです。
相談相手としては、グランドレイガーだけでなく、滝で料金を徴収していたならず者を選択することも可能です。なお、グランドレイガーを選んだ場合、「もちろん、かつての勇者であるグランドレイガーが適役だ!」という文章があるのですが、今回のルートでは彼の素性を知らないはずなので、つじつまを合わせるためにこちらで少し改変しました。
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S1-39 4日目:グランドレイガーとジャンの助力に感謝 [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

酒場を出た君は、疫病の村へと戻る気の滅入る長い道のりを歩き始めた。
「本当にこんなことをするのかい?」ジャンが耳元でキーキー騒ぎ立てる。「あんたどうかしてるよ!」
君は彼の不平を無視して歩き続けた。
1時間後、雲の間に架かる長い橋と、谷の険しい斜面が視界に入ってきた。
「どこに行こうってのさ?あんたには使命があったと思うけど?」
「これは大事なことなんだ。」
「そうだけど、」ジャンが不機嫌そうに答える。「睡眠だってそうさ。」
君は何も言わずに歩き続けた。
数分後、突然ジャンが甲高い声で言った。「しっ。あれが聞こえるかい?」
「何が聞こえる?」
「僕達の後ろだよ。ほら。」
束の間息を止めたまま、じっと立ち止まる。ジャンは正しかった。何かが後をつけている。
「そこにいるのは誰だ?」君は誰何の声を上げた。
カサカサと音がして、人影が現れた。とても驚いたことに、それはグランドレイガーだった!彼の表情はやつれて悲しげだ。
「酒場を出たあんたがこの道を行くのが見えたんでな、」彼は言った。「若い愚か者がやろうとしていることがわしには分かったと思ったよ。それで、あんたを追ってきた。引き返そうとずっと思っていたんだが-、結局そうはしなかった。それで、今ここにいる。」
「あんたは俺を止めるつもりなのか?」
彼は首を振った。「いや、わしが代わりに行く。あんたはやるべきことがある。わしか?わしはもう老いぼれさ。この中の一人が疫病にかかるとしたら、それはわしでないとな。それに、わしらのうちの誰かが村人を救うとしたら、それもわしの手柄だ。英雄になれるチャンスはもう多くないからな。これを言いに来たというわけだ。」
「恩に着るよ。」
「感謝なんかしないでくれ。もう十分、良心の呵責から恥じ入っているんだ。」そう言うと、彼は君のそばを通り過ぎ、闇の中へと消えていった。

肩のジャンが君をつついてきた。
「何だい?」君が尋ねる。
「彼は信用できると思う?」
「俺は彼を信じるよ。」
「確信があるみたいだね。でも僕には分からない。」そう言うと、ジャンは突然君の肩を飛び立った。数フィート飛んでから、腕を組んで君を振り返る。「僕も行くよ。彼が言った通りのことを実行するか確かめるためにね。」口論を覚悟した様子で君を見つめている。
「ありがとう、ジャン。」
ほっと息をついて、彼がうなずく。「これは正しいことなんだから、やらなくちゃ。」それから彼は、羽音を立てながら暗闇の中へ飛び去った。
君はまた独りぼっちだ。
村人達は保護されることになるだろう。だが、君は彼らの感謝を受けるために留まることはできない。どこか眠る場所を探す時間だ。運が良ければ、明日にはカーレにたどり着けるだろう。


【変化点】
・精霊:サル→類人猿

【感想】
ここで彼をわざと挑発することもできますが(老いぼれの剣の腕じゃ俺を止められないぜ、的な)、その場合、グランドレイガーに一発殴られてのされてしまいます。昔取った杵柄とは、まさにこのこと。彼が疫病の村に向かってくれる点は同じです。もし彼に斧を返していたら、剣ではなく斧を持って現れていたのかは未確認ですが。
そして、なんとここでジャンと穏便に別れることができます!つまり、これ以降魔法が自由に使えるということ。これはデカい!もちろん、第4部で再会した時には、この後日談をぜひ聞きたいところ。
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S1-40 5日目:暗殺者の待ち伏せに遭う [ソーサリー1:シャムタンティの丘]

張り出した岩の下に半ば隠れた村の宿屋を見つけた。手ごわそうな若い女主人がパン焼き棒を手にして戸口に立っている。
「何をお望みかい?」女がキーキー声でどなる。
「一泊したい。」
「金貨5枚だよ。ビリタンティには旅人があふれ返っているからね。こっちは金払いのいい客だけ欲しいんだ。」
君は首を振った。「高過ぎる。あんたが経営しているのはみすぼらしい宿で、宮殿じゃない。」
引き返して村から出ていく君を彼女はあざ笑って見ていた。

寒々しい山が覆いかぶさる下に立ち並ぶ、葉を落とした林の中に踏み入る。ねじ曲がった根の間に休めそうな狭い空間が見つかった。
疲れ果てていた君はまぶたが閉じかかっていたが、まだ今日は食事をしておらず空腹でもあった。背負い袋を枕にして目を閉じると、胃袋がひどく鳴った。
夜が静かに更けてゆく。その晩は、山や谷、そして果てしない道を歩き続ける夢をみた。

木の下の寝床から朝早く出立する。
ビリタンティの向こう側の道に合流する。太陽が輝く宝石のように地平線に昇っている。
全てが順調にいけば、シャムタンティの丘にある最後の村トレパーニに今日のうちに辿り着くだろう。
少し坂を上ると、道は二手に分かれていた。丘を上る左の道と、丘を下る右の道だ。

坂道を上ることにする。勾配は急で、尾根にたどり着いたのは正午近くだった。道は再び下りになっている。君は今、丘の最も高い場所にいるのだ。
ここは木もまばらで、西にはどこまでも見晴らしがきく。そして、北の地平線にはカーレの街が時折ちらりと見えてくる。
立ち止まらずに歩き続け、木立ちに差しかかった。木々の間の影は濃く不気味だ。日陰に入り、目が慣れるまで少し時間を要する。
突然、君は立ち止まった。何かが、君の背後の木々の間で動いたのだ。少しして、木の間から鋼の先端が突き出され、君の首筋に触れた。
「俺を見たな。」声がささやく。「分かっているぞ。」
「俺は何も見ていない。」君は答えた。「あんたには何ら危険はない。」
「危険が迫っているのは俺ではないぞ。」
「お前は誰だ?」君が尋ねる。
返事はない。だが、木立ちの中から暗殺者の背の高い姿が現れた。男は全身黒づくめの装束で、熟練した手つきで鋭い半月刀を握りしめている。
手の届く距離にいたにもかかわらず、君はほんの少し前まで男がいたことなど気づきもしなかった!


【変化点】
・現在/最大体力:16/16→18/18(睡眠)→15/18(空腹)

【感想】
食事抜きの翌日は体力が低下するというシステムは良くできていると思います。ただ、体力があまり減っていないうちは、体力ペナルティ覚悟で食事制限することもできてしまいます。普通に考えたら食事抜きで旅をするのは非常に辛いはずなので、体力だけでなくパワー(技術点)にもペナルティを課した方がもっとリアリティが増したかもしれません。
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