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ソーサリー2:罠の港街カーレ ブログトップ
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S2-21 8日目:道端のバラバラ死体に襲われる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

緩やかな下り坂の大通りを行く。道は貧相な家屋からなる小さな集落へと続いている。君が通り過ぎると、醜い生き物達が集まってきて、君をじっと観察している。
少し向こうに、排水溝に顔をうつ伏せにした人を見かける。眠りこけている物乞いか、酔っ払って人事不省となった者の類だろう。
そのだらんとした身体に注意深く歩み寄る。注意を払う者は通りには誰もいない。
君は屈み込んで、そいつの肩を揺すった。反応はない。
君は腕を掴むと、その身体を裏返してあお向けにした。だが、顔がぐるりと向きを変えた時、君は恐怖のあまり仰天して飛びすさった。それは腐りかけの死体だったのだ。腐敗した頭からは半ば頭蓋骨がのぞき、肉は悪臭を放っている。そして、さらに悪いことに、その顔には邪悪な笑みが広がっていく…。
次の瞬間、その死体は自分の足で飛び起きると、君に迫ってきた!
「SIX!」
君は呪文を唱えて自分の分身を5体作り出すと、一斉に迎え撃った。
君の最初の斬撃でそいつの身体が飛び散る。すると、頭、胴体、両足、両手、全ての部位が別々に、君をバラバラに引き裂こうと向かってきたではないか!
だが、君は分身していた。君の分身達がそれぞれの部位と渡り合うと、戦いはあっという間に収まった。

バラバラ死体は地面でのたうつと、ゆっくりとくっついていった。今やあの、戦車競走に轢かれたかのような最初の状態とそっくりだ。だが今度はピクリとも動こうとしない。少なくとも今のところは。
次の不意打ちを予想しながら、その身体を探る。だがぼろをまとっているだけで、ポケットの中にはほとんど何もない。
うんざりしながら、君は死体ののどに指を差し入れた。何かあるだろうか?
あった。君は指先で紙切れを引っ張り出した。これは手書きの短い手紙だ。だが、文字に沿って半分破り取られており判読できない。
君は奇妙な書きつけを荷物に収めた。あとでその意味するものが分かるかもしれない。

近くの戸口から何者かが顔を出し、君を手招きしてきた。
その家に近づく。その顔はノームのものだ。
彼が甲高い声でぺちゃくちゃとしゃべり始める。「あんたはあれをやっつけた!やっつけたんだろ?や、やっつけたと思うんだけど!」
「あれはとっくの昔に死んでたよ。今は死んでないかもしれないが。」
「いや違うよ、あんたはあいつを、た、確かに倒したんだ!」首を振りながらノームが答える。「あいつがまた動くまでには、た、たっぷり2、3ヶ月はかかるよ。その間に、僕達はあれをどこかへ、は、運べる。さあどうぞ。僕達はあんたにお礼をしたいんだ。」彼は後ろに手を伸ばした。


【変化点】
・現在/最大体力:14/20→13/20(魔法)
・+紙の切れ端(引き裂かれており、判読不能)

【感想】
ソーサリー全巻を通して最も気持ち悪いシーンにしてカーレ名物、動く腐乱散乱死体がここで登場。当時の少年少女を間違いなく恐怖のズンドコに陥れたでしょう。Android版では、倒した後はまたくっついて再生する仕様となっています。
さて、5月の平日大更新もこれで終了。来月からはまた週末のみに…。
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S2-22 8日目:親切なノームに贈り物と助言をもらう [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

君が待っていると、彼は小さな袋を差し出した。金貨が5枚入っている!「あんたのような人間には大金じゃ、な、ないと思うけど、」彼がすまなそうに言う。「それは僕達の全財産なんだ。」小さな窓越しにのぞくと、20人ほどの顔が見えた。
「足しにはなるよ。」君はそっけなく答えた。「それで、あの化け物は何だったんだ?」
「あいつは、い、以前はカーレの第2貴人だったって話だよ。」ノームがささやく。「でも第1貴人を怒らせちゃって、カ、カーレで永遠に生き続ける呪いを受けたんだ。今や、あいつは正体が知れた、そ、粗悪な金貨みたいなものさ。街の、い、色んな場所に捨てられるんだ。次はスヴィン街に持っていくことになると思う。今度は奴らの番だ。」家の中で、賛同するようにクスクス笑う声がした。
「君達が俺の助けになるかもしれないな。貴人はどこで見つけられるんだ?」君はノームに尋ねた。
「他の貴人達、ってことだよね?彼らはたぶん、ひ、評議会にいる、は、はずだよ。でも噂だと、彼らは全員いなくなったんだって。」彼は鼻の横をトントンと叩いた。「だ、第1貴人が独りで2ヶ月も、ひ、評議会に閉じこもっているとも聞いたね。」ノームがだんだん落ち着かなげになってきた。
「もう1つだけ。北門の呪文を何か知っているかい?」
ノームは急に笑い始めた。実のところ、笑い過ぎて叫び始めた。「僕がそんなお偉方に見えるかい?」彼が尋ねる。「僕がだよ?」
「そうだな、君の耳はまるで地面近くにあるみたいだしな。」君がやり返す。
ノームがうなずく。「そうとも、そうとも。でも呪文を知るためには、地面よりもっと下に、い、行かないと。もう全ての貴人が生きているわけじゃないんだ。」彼は鼻を意味ありげにかいた。彼の言わんとすることは誰かの推測ではあるが…。「ともかくあんたは、し、神殿で、し、司祭に質問するといい。彼が助けてくれるかもしれない。」
ノームの鼻がぴくぴくと動く。「僕はもう、い、行かないと。」彼が急いで言う。「あともう1つ、お、贈り物があるんだ。」一悶着の後、彼は3個の玉石を持ってきた。「あんたは魔法使いだから、し、射撃にはこいつがおあつらえ向きだって聞いたことがあるよ。」彼がウインクする。
君は彼に礼を述べると、贈り物を注意深く背負い袋の中に入れた。

ノームと別れ、丘を下り続ける。
やがて、今朝目にした道路が分岐している場所まで戻ってきたと気づく。君は数時間を費やして、円状に歩いていたのだ。
まだ門の呪文を1行も見つけていない。もし全部見つけられるならの話だが。
君は振り返り、もう一度丘を見上げた。


【変化点】
・金貨:38→43枚
・+玉石(3個)

【手掛かり】
・司祭が知っているかもしれない…:南カーレにいる司祭なら、君が北門の呪文を見つける手助けをできるかもしれない。

【感想】
あの死体が街のあちこちに持ち回りで捨てられていたとは。でも、ジャバジ河に捨てて流せば万事解決するような気も。そしてその正体も、カーレの第2貴人のなれの果てだと判明。原作では不在だった第1貴人ですが、今回は重要人物として街のとある場所にいます。
カーレでは2泊3日することが決まっており、今日はその中日。このシーンでは、「もう半日費やした」、「すぐに日は暮れてしまうというのに」、「暗くなる前にまたどこか夜を過ごす場所を見つける必要があるだろう」という記述がありましたが、この日はまだまだ色々な場所に行くつもりなので、あえて省きました。
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S2-23 8日目:スヴィンの鎖職人から魔法の鎖を購入 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

右の広い道に沿って行くと、大きな家に出くわした。
これはこの通りでまだ立っている唯一の建物だ。両側は空き地で、かつては北の農地を営む農家が住んでいたのだ。その家も今では潰れ、掴み草で厚く覆われている。ここは城壁の陰になるので、人が住むのに選ぶべき場所ではないのだろう。
家の扉のそばには、精巧な文字で『鎖屋』と書かれた看板がある。扉は少し半開きで、中からはチャリンチャリンという金属と金属のぶつかる穏やかな音が聞えてくる。まるで、鎖帷子を着込んだ誰かがいつまでも行ったり来たりしているかのようだ。
しばらく立ち止まって扉に聞き耳を立てる。だが、中からは声や足音は聞こえない。ただ鎖の音がするだけだ。
どこか遠くから人混みのざわつきが聞こえてくる。催し物の類が開かれているのだ。

次に行ける場所は幾つかあるが、まずは扉を開けて中に入ることにする。
家の中は暗かった。床はおがくずに覆われ、油と磨き粉と焦げた金属の匂いがする。天井からはツタのようにあらゆる長さと太さの金属の鎖がぶら下がっている。あるものは機械装置用、あるものは雄牛用、そしてまたあるものは手足を縛るためだ。鎖そのものが揺れて音を立てている。
ここには誰もいないようだ。奥には別の部屋があり、その扉はぶらんと開いている。
「こんにちは。そこに誰かいるかい?」君は呼びかけた。
奥の扉の向こうから足を引きずる音がして、人影が姿を現す。それはスヴィンの鎖職人だった。トレパーニ出身のハーフオークの種族の一人だ。
「何だって?」ぶっきらぼうに彼が尋ねてくる。「鎖が欲しいのか?」
「カーレの北門へ行く道を知りたいんだ。」君が答える。「助けてくれないか?」
「そいつは無理だ。」彼が肩をすくめる。「あれには鎖が一切使われてねえんだ。魔法で閉じられているんだとよ。4行の呪文でな。」頭の悪いその生き物は、3本の指を立てて示した。「用心するに越したことはねえ。」
君は店内を見渡した。どこもかしこも平凡な鎖があるばかりだ。
だがその時、1本の鎖が目に留まる。銀の短い鎖で、両側の鎖よりも力強くゆらゆら揺れている。
鎖職人がうなずく。「あれは上物だ。」彼が言う。「魔法の鎖なのさ。」
「それはどんなものなんだ?」君が尋ねる。
「だから、魔法だよ。」石頭のそいつが答える。
「幾らだ?」
彼が君を値踏みする。君を金持ちに違いないと思ったようだ。「金貨5枚だ。」
「じゃあ、買おう。」
金貨を渡して鎖を受け取る。明らかに魔力を帯びている。鎖の端が、艶めかしい蛇のように誰かを咬もうと揺れている。
「相手の膝を潰すのに使えるぜ。」鎖職人が説明する。
君は店の外に出た。


【変化点】
・金貨:43→38枚
・+銀の鎖

【感想】
今回の主人公で公明正大なキャラクターを演じるつもりはさらさらないのですが、Android版では不要な殺生は後々面倒な事態を引き起こしかねないので、ここで盗みは働かないことにしました。
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S2-24 8日目:第2貴人の遺書を発見し、北門の呪文の一行が判明 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

道に沿って進み続ける。地面は緩やかに上っている。やせた貧相な雑木が、幼児の歯ぐきに生えた歯のように岩だらけの地表を割って伸びている。
斜面ではヤギが歩き回っているが、この偏執狂の狡猾な生き物達は、君の足音を聞いて逃げていった。急に君はクリスタタンティ郊外の農地へと引き戻された気がした…。

腰を下ろせる低い石を見つける。休憩して、チーズとパンの食事を1食分食べることにする。少し体力が回復した気がする。街は驚くほど疲れる。距離は常に予想以上に離れているし、開けた野外を歩くように気楽な足取りにはなりそうもない。
旅を再開しようと立ち上がる。だがその時、座っている岩の下から何かが突き出ていることに気づく。何か大きなものの端っこだろうか?
確かにそうだ。君はそれをつまむと、そっと引っ張って短い手書きの紙きれを取り出した。それはかなり古く、かつては上質な紙であったものの苔で緑色に変色し始めている。とはいえ、雨からは保護されていたため、インクはまあまあ判読できる状態だ。
最初の行が非常に興味をそそる。

 もしこれをおぬしが見つけたなら、サンサスはやはりわしを殺したことになる。

そのまま読み進める。

 わしは第2貴人の地位に取り立てられたのは罠であったと知るに至った。
 サンサスは簡単にわしを殺せるよう、評議会室に招き入れたかっただけなのだ。
 わしの毒味係がわしのワインに毒が入っていると気づいた。
 わしは逃げる決意をした。
 だが、奴の呪いがわしを追い詰めていくのを感じる。
 奴によると、わしは決してここを離れられず、決して死ねないという。
 わしは奴のその声を自分の頭の中で聴いたのだ。
 そこで、このわし、カーレのモウラスは北門の呪文をこの紙に託す。

そしてもちろん!この紙と死体ののどから見つけた紙片をくっつけると、それは完全に一致して、呪文の1行として形を成した。

 お前に命ずる 門よ大きく開け

第2貴人モウラスは、自分が殺される前に、もしくは自分にどんなことが起ころうともその前に、この覚え書きを飲み込もうとしたに違いない。
君は書き付けを背負い袋に収めると、わだちに沿って歩みを再開した。
やがて前方から大群衆のざわめきが聞こえてきた。河のそばで、見世物か市のようなものが開かれている。一方、左手のぬかるんだ道は農地の中を横切っている。


【変化点】
・現在/最大体力:13/20→14/20(食事)
・食料:5→4日分
・+覚え書き(入手済みのものと合わせて2枚)

【手掛かり】
モウラス卿:モウラス卿はカーレの貴人の一員。

【鍵】
モウラスの行:お前に命ずる 門よ大きく開け

【感想】
カーレの貴人達の間で何らかの謀殺があったことがこの書き付けからうかがえます。でも、何度も繰り返すように、貴人の所属する評議会は悪党のエリート集団。このような事態も何ら不思議はないわけで、第1貴人もその他の貴人達も、叩けば埃が出まくる人達なのです。まさに、罠と陰謀に満ちた街。本当にジャバジ河を渡る手段は他になかったんでしょうか?
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S2-25 8日目:祭り会場で最初のテントを試す [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

大騒ぎしている方角に向かって道を進み続ける。2、3分後、君は高い支柱の間でさざ波のように揺れる色とりどりの旗の下をくぐった。広場では人々や生き物達がだらだらと広がり、幾つかのテントが建てられている。テント同士はたくさんの旗で繋がれている。
集まった群衆の端へゆっくり歩み寄る。誰も彼も元気で楽しんでいるように見える。ここに人がたくさんいるのなら、北門の呪文と貴人達に関する有益な情報を得られるかもしれない。
様々な出し物に目をやる。踊り子の一座のために陽気なジグを演奏している音楽家の集団がいる。別な場所には、綱の上で踊る熊を手なずけているドワーフがいる。そして一方では、叫んで喝采を送る群衆が見守る中、ならず者の司会者が素手格闘のチャンピオンと戦う挑戦者を求めている。
こいつはかなり賑やかな催し物だ!

催し会場の南端へと歩く。少し離れた所では、少年が樽のそばに立っている。そして、川の近くには活気のないテントが建っている。もっと北に行けば、さらに刺激的な露店がある。
小さなテントに近づく。入り口で、一人の若いエルヴィンの女が入場料を集めている。「金貨1枚よ。」君にウィンクしながら女が言う。
「中に何があるんだ?」
「お笑い芸人マルコがいるわ。」にっこりとほほ笑んで彼女が答える。まだウィンクしている。もしかすると、片目が不自由なのかもしれない。「彼はとても可笑しいの。さあ、金貨1枚よ。」
金貨を1枚手渡すと、彼女は脇へ退いてその低いテントに入るよう君に合図した。

テントの中は暗かった。ロウソクやランタンは見当たらない。テントの布地は漆黒のベルベットで、日光が中に入らないようになっている。中央では、緑色の頭髪をした男が目をつぶったまま足を組んで座っている。
男を観察する。彼はいたって普通だ。もじゃもじゃの明るい緑色の髪を除けばの話だが。君にはまったく気づいていない。
テントの中はしんと静まり返り、外の見世物の喧騒をすっかり忘れる。
「それで、どういうわけであんたに金貨1枚の価値があるんだ?」君が尋ねても、その男は身じろぎ一つしない。目は閉じられたままで、とても深く息をしている。
彼が飛び起きるか、もしくは反応することを期待してもっと近づく。いや、実際には彼は行動していた。君が手の届く距離まで近づいたにもかかわらず、ただそこに座っているのだ。そこからは、彼の髪が実はかつらであることがはっきりと判別できた。
男のかつらをひったくろうと手を伸ばす。だが、男は光の速さで反応すると、君の手首を掴んだ。「これは俺の芝居なんだ。」そうつぶやくと、彼は君の手首を離した。
「それはどういう意味だ?」君が尋ねても、彼は返事をしなかった。
「SAP!」
君が呪文を唱えると、眼前の男はため息をついて意気消沈し始めた。「あんたはこれが面白いなんて思っちゃいないんだろ?」彼がぶつぶつ言った。「なんで俺がそんなこと気にしなきゃいけないんだ。」彼は緑色のかつらを頭から剥ぎ取って脇へ投げ捨ると、隅に行ってむっつりと座り込んだ。
君がかつらを拾い上げて荷物に加えても、男は気にも留めなかった。
「すまない、」男に口早に告げる。「あんたのジョークが俺には理解できない。」
「俗物め。」彼は文句を言ったが、振り向こうとはしなかった。
不満を抱えたままの男を後に残して外に出る。

エルヴィンの女がほほ笑んできた。「楽しめたかしら?」
「ああ。」
「まあ、良かった。マルコもきっと満足よ。今日の他の客は、彼のことを人間のクズだなんて思ってたんだから!」彼女は立ち去る君に手を振った。
君の周りではどこを向いても催し物が繰り広げられ、行商人が様々な呼び物を大声で告げている。全体的な雰囲気は楽しいが、僅かに暴力の気配もする。


【変化点】
・現在/最大体力:14/20→13/20(魔法)
・金貨:38→37枚
・精霊:ゴリラ→類人猿
・+緑色のかつら

【感想】
このかつらの男のセリフから、髭男爵のネタを思い出しました。「逆に聞こう、何が面白い?」
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S2-26 8日目:当て物ゲームの姉弟に負ける [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

次に、樽のそばに立つ少年に近づく。おどおどした様子だ。
「君は何を売ってるんだ?」君が尋ねる。
少年は樽を指さしたが、答えようとはしなかった。
樽をのぞき込む。中は小さくて硬いリンゴで一杯だ。そのほとんどは腐って黒ずむか、虫食いで穴だらけだ。
「リンゴは1個幾らだい?」誰かが買うとはほとんど想像できないものの、君は尋ねた。
少年は片手の指を1本立て、もう一方の手は5本全部を広げた。
「リンゴ5個で金貨1枚?」君が尋ねると、少年がうなずく。
君は首を振った。「リンゴはどれも傷んでいるよ。」
すると少年も首を振った。彼はリンゴを1つ手に取ると、それを君に向かって投げた。その衝撃は驚くほど痛く、まるで岩が当たったかのようだ。
君が金貨を1枚手渡すと、少年は君にリンゴを5個寄越してきた。君の手の中のそれらは、石へと変わる何らかの病気によって岩のように硬くなっている。
少年は感謝をこめておじぎをしてから、自分の後ろを身振りで示した。そこには、彼の姉と思しき一人の少女が別の樽の後ろから姿を現して、君を見つめていた。
君はぺろりと舌を出してみせると、彼女はくすくす笑って樽の後ろに身を屈めた。少年が期待するように君を見る。彼女が再びちらっと姿を現す。
「君の姉さんかい?」少女の方を指さして、君が尋ねる。
少年はうなずくと、樽からリンゴを1個取り出して、野原の向こうに投げた!彼の姉が素早く身をかわす。
君もリンゴを彼女目がけて投げた。だが、彼女が横に身を投げ出したため、それは外れた。少年が拍手する!少女が両手を突き出し、すぐに引っ込めた。
君は2個目のリンゴを準備して、彼女が姿を現すのを待ち受けた。そして、彼女が顔を出すと同時に投げつける。だが、君の狙いは逸れ、指の幅1本分くらいで外れた。少女がくすくす笑い、姿を隠す。
次の投擲に挑戦するが、君の狙いは実に酷かった。もし君が剣術や身体的な技術の訓練に時間を費やしていたなら‐そして、魔法の呪文の書の勉強にあまり時間を割いていなければ‐狙いはもっとましだったかもしれない。
君は残りのリンゴを少年に返した。少年がそれを姉に投げつけるのを尻目に、催し会場に戻る。

騒動のざわめきが広場を駆け巡る。突然、小さな竜巻がテントを持ち上げて空中に運び去ってしまった!
人混みを通り抜けて祭りの中心部まで来た君は、売り込み中の呼び物を見物して回ることにした。


【変化点】
・金貨:37→36枚

【感想】
縁日といえば射的。このシーンでは、これまでの選択肢によって結果が変わります。魔法よりも剣を使う頻度が多かった場合は、少女にリンゴを当てることができ、報酬として硬くないリンゴ(食料扱い)が入手できます。でも、硬いリンゴをぶつけられた彼女が大怪我をしなければいいんですが。生活のためにやっているのかもしれませんが、ただでさえ生きていくには厳しい街ですし。
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S2-27 8日目:ゴブリン酒場で貴人の噂を聞きつける [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

川のごく近くに低いテントがあった。フラフラよろめく人影が周りでたむろしている。醸造された穀物の濃厚な匂いが辺りに漂っていなければ、踊りの会場と言ってもいいくらいだ。
中では3人のハーフゴブリンの女が、マグにビールを注いだり、地元の住民と話したりしている。看板には、『マグ1杯で金貨1枚、マグ4杯で金貨6枚』とある。
君は立ち止まって、醸造された穀物の芳醇な香りを嗅いだ。実にうまい!
バーの女の1人が君の笑顔に目を留める。「どう、気に入った?」彼女が言う。「グラスの中身はもっといけるよ!」
ひょろりとした背の高い生き物が声を張り上げた。マグを4杯注文している!大歓声が上がり、女達がバーの後ろに消える。
人々を押しのけてバーへと進み、女達の1人の注意を引こうと手を振る。
「いらっしゃい。」彼女がほほ笑む。「何にする?」
「なぜマグ4杯はそんなに高いんだ?」君が尋ねる。「4杯を別々に頼んだ方が安いじゃないか。」
「あら、」愛らしく笑いながら女が答える。「それは特別に提供しているのよ。マグ4杯で金貨6枚なの。」
「でも、それじゃ別々に買うより高くなるんだよ!」
「ああ、」ゴブリンの女性が答える。「あなたの勘違いが分かったわ。よくあることなのよ。看板を書き換えなくっちゃ。」彼女は理由を話さないまま、他の客に応じるために行ってしまった。
ちょうどその時、2匹の生き物が通りがかった。「それでお前は、あいつらが奴を埋葬した時、奴が死んでいなかったと言うのか?」片方がささやく。
「そうさ。」もう1人が答える。「話ができるほどにな。」

君はそいつらの会話を聞くためにテントを後にした。
「貴人の奴、」最初の生き物が言う。「なぜ死んだくせに死んだままでいられないんだ?」
「さあ、何なんだろうな。」もう1人が答える。「だがとにかく、少なくともあいつらは貴人を葬ったんだ。ボスを悩ませる貴人が1人減ったということさ!」
そいつらは人混みの中にまぎれた。完全には死んでいない貴人だって?もし彼が北門の呪文を知っているなら、まだそれを教えてもらえるかもしれない。
1人のずんぐりしたドワーフがちょっと君にぶつかった。「すまんな。」人混みに消える前に彼がつぶやく。

テントに戻り、雌ゴブリンに手を振る。
金貨1枚を支払い、泡立つビールのマグを購入する。エールは泥のように見え、どこか吐き気を催させる。実際、その味は全くビールなどではなかった!
「ちょっと、」これまでの君との会話にかなりうんざりしてきたに違いない女に呼びかける。「これは何だ?」君はマグを指さした。
「上等のビールよ。」女が答える。だがその表情からは、女が全ての真実を話していないと分かる。
「自分で飲んで証明してみせろ!」
女が悲しげにほほ笑む。「できればそうしたいけど…、でも仕事中は飲めないの。」
その時、別の客がやって来た。彼の鼻は赤く、酔っ払いの目をしている。「俺がおごってやるよ。」彼は金貨を10枚カウンターの上に置いた。「バーの向こうのあんたら6人全員に十分足りるだろ。」そして、君に向かって抜け目なく言った。「2杯が3組だ。冴えてるだろ?」
君はカウンターの向こうに金貨を押しやった。「さあ、続けてくれ。」平然と言ってやる。「あんた自身もビールを飲むための、金貨10枚だ。」
女は息をのんだ。どこか気乗りしない様子で、マグを樽の栓の下に置く。
「あら、いやだ。」突然女が言う。「樽を替えに行かないと。」女はその場を抜け出した。
しばらく待っても、女はいっこうに戻らない。隣の酔っ払いも同じようにしばらく待っていたが、なぜ自分がそこにいるのか忘れたようで、フラフラしながら人混みを抜けて出ていった。彼は残りの金貨4枚をカウンターの上に置いたままだ。
急いで男を追いかけて金貨を手渡すと、彼はとても驚いたようだった。「あんたに売るものは何もないよ、若いの。」彼が答える。「あの悪辣な貴人のモウラスが俺を廃業させやがった。奴が死んで、今俺は祝杯を上げているってわけさ。それじゃ、いい一日を!」金貨を受け取ると、彼はよろめきながら去っていった。
飲みかけのビールをそのままにして、テントを立ち去る。途中で振り返ると、一本の配管がテントから出て、ジャバジ河に直接入っているのに気づく。あれがビールの正体だったのだ…。


【変化点】
・現在/最大体力:13/20→14/20(ビールの香り)
・金貨:37→35(スリ)→34枚(偽ビール)

【感想】
この場面は妙に訳しづらかった…。
サクッとすられている辺り、さすがカーレといったところ。
2匹の生き物の会話は、原作でもおなじみ、第5貴人のシンヴァ卿のことを言っていると思われます。
ちなみに、この偽ビールをガッツリ飲むとたちまち体力が減ります。ガンジス川の水を飲むイメージ?
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S2-28 8日目:暗殺者フランカーと再会 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

近くの場所で、テントの向こうに消えていく人影をちらりと目にする。その仕草にはどこか見覚えがある。
人混みを押しのけて影のようなその人物を追いかけ、狭い裏手に入り込む。注意深く進むと、突然君ののどに手が掛けられた。「お前を殺してやる。」聞き覚えのある声がささやく…。
君は嬉しくなって笑った。トレパーニに着く前、君が命を助けた暗殺者のフランカーだ!
「これはご挨拶だな。」興奮気味に君が声を掛けると、彼はうなずいた。
彼は顔こそ笑っていないが、君に会えて嬉しそうな様子だ。「我が友人にして仇敵よ!俺と同じように、あんたもこの『盗賊祭り』を楽しんでいるとみえる。俺と別れた時と同じように元気そうだし、ここまでの旅は平穏だったんだな。それで、カーレの暮らしはどうだ?」
「この街は極悪人の巣窟だ。」
フランカーが笑ってうなずく。「そうとも。それは確かだ。だが少なくとも、あんたはまだ『入り口の罠』に直面していない。俺達暗殺者が言うとおり、あれはあんたから笑顔を奪い去り、のどへと入り込む。」
「入り口の罠とは?」
フランカーが笑う。「恐れなくていい。あんたが見逃したわけじゃない!あれは全て、河の対岸にしかない罠なんだ。だからあんたは今まで生きてこれたんだ。」
彼は話を中断すると、まるで誰かを待っているかのように辺りを見回した。だがそうだとしても、見つからなかったようだ。
「数分なら時間がある。」彼が言う。「あんたの使命について教えてくれ。上手くいっているのか?」
「旅は長い。だが、俺はくじけない。」
「いいぞ。」彼がうなずく。「あんたがまだ臆病になっていないと分かって嬉しいよ。あんたに負けたのは恥だが、根性なしに負けたとあっては苦痛だからな。」
「入り口の罠について教えてくれ。」君が尋ねる。「知る価値があるような気がするんだ。」
「入り口の罠は、カーレの初期の統治者によって設置された。」フランカーが答える。「第1貴人だけが、それらを置いたり偽装したりする力を持っている。そして、罠は見てすぐに分かるように偽装される。」
「どんなふうに?」
「何にでも。どんな物にでも、どんな大きさにでも。しかし、変えられない特徴が1つだけある。それらは常に同じ形をしているのだ。」彼は指を一本使って、空中に真ん丸を描いた。
「それと、司祭を見つけるように言われた。」
「俺が知っている唯一の司祭は、波止場近くのスランの神殿にいる。」フランカーが答える。「井戸を見つけて、丘の上を真っ直ぐ目指せば見つかるだろう。だが、心しておけ。スランは公正な取引などしない。」
「街の貴人達を見つける必要もあるんだ。密猟者達が言うには、貴人だけが北門の呪文を知っているらしい。」
フランカーがうなずく。「実際、それは正しい。だが、どこに彼らがいるか教えられるほど、俺はこの街に詳しいわけじゃない。ひょっとすると、カーレの神の一人に懇願した方がいいかもしれないな。」
「どの神に?」
やや無頓着にフランカーが答える。「スランはそういった知識にあまり秀でてないが、彼の神殿を試すことはできると思う。さもなくば、クーガが知っているかもな。だが、彼の神殿は北門のそばだ。」最後に彼がうなずく。「俺はもう行かなくては。あんたとはまた後で会うだろう。今夜は波止場にある『旅人の憩い』亭で飲むつもりなんだ。もしその気があるなら、そこで落ち合おう。」
君はフランカーにうなずいてから、祭りの中心部へと戻った。

原っぱの向こうでは、踊る熊が荒れ狂っているようだ。ドワーフの周りの群衆が叫んだり格闘したりしている。これではもう出し物は店じまいだろう。


【手掛かり】
・スランの神殿…:スランの神殿にいる司祭なら、北門の呪文を見つける手助けができるかもしれない。神殿は南カーレの井戸と波止場の間に位置している。
・クーガ神…:クーガなら、北門の呪文を見つける手助けができるかもしれない。
・入り口の罠は丸い:入り口の罠は何にでも偽装できるので、見破るのが困難だ。それにもかかわらず、それらは常に円形をしている。

【感想】
原作でもあちこちに登場した下水道に通じる、入り口の罠(Portal Trap)。今回はこれに第1貴人が絡んでくることで、陰謀の道具としても使われています。
それにしても、さすが暗殺者稼業だけあって、フランカーは前回に引き続き第2部でも裏社会に精通しているところを見せてくれます。原作にも増して、貴重な情報を提供してくれるありがたい存在です。
あと、熊とドワーフですが、彼らには意外な秘密があったようです。今回のように寄り道していると、勝手に事態が急変して行けなくなりますが、行ってもあまりいいことはなかったり。混沌とした祭りの雰囲気は楽しめますが(笑)。
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S2-29 8日目:踊り会場で踊り手と知り合う [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

君は催し会場の北の端までやって来た。祭りはここから始まっており、反対側へは丘を上る道が続いている。
陽気な調べに合わせて渦のように回る踊り手の一団を見物している群衆のいる場所を目指す。その踊りにはどこか催眠術のような雰囲気がある。
音の調子が強まり、音楽のテンポが速くなる。観客は手拍子しながら足を踏み鳴らしている。君自身も同じようにして、このショーを楽しむ。
踊り手達がクルクル回りながら観客の中に入ってきた。見物人を踊りの輪の中に引き込んでいる。そして踊り手の一人が君にも近づいてきた…。
踊り手が伸ばした手を君が掴むと、彼は君を観衆のど真ん中に解き放った。
音楽のテンポがさらに速くなり、すぐに君は回り始めた。頭上で空がグルグル回る。
君は次のパートナへと放り投げられた。見物人の生き物達がはやし立て、歓声を上げ、爪を打ち鳴らす。束の間、君は自分がカーレ中の人気者になったような気がした!
熱狂的な人混みの中、自分の足につまずいて倒れないよう全力を尽くして踊り続ける。こいつは爽快だ!

徐々に音楽が小さくなり、踊りはおしまいになった。君は地面に倒れ伏した。目が回るが、同時にすこぶる爽やかな気分だ。観客が音楽家達に硬貨を投げながら、気持ちのこもった声援を送っている。
やがて群衆は立ち去って散り散りになった。
踊り手の一人が君のそばに来て座った。「いい踊りっぷりだったよ。」彼が言う。「この『盗賊ダンス』で才能ある素人に出会うことなんてめったにないからね。観衆はあんたのことをサクラだと思ったんじゃないかな。」
「楽しかったよ。」
「それは良かった。」うなずきながら男が言う。彼は君を眺めた。「背負い袋、剣、刀傷。あんたはカーレの出身じゃないね。祭りを楽しむためだけの理由でここにいるんじゃないんだろ?」
「ひょっとすると、あんたなら俺の手助けができるかもな。」
「多分ね。」彼は地面に腰を下ろして手を差し出した。「俺の名はジーラだ。あんたに会えて嬉しいよ。」握手すると、彼が言った。「あんたは俺達が今晩過ごすのに十分なお金を稼がせてくれたからね。俺にどんな手伝いができる?」
「街の貴人達を見つける必要があるんだ。」
ジーラはまじまじと君を見つめた。明らかに驚いているのだ。だが詮索しようとはしなかった。「そうか、」ようやく彼が言った。「こんな祭りじゃ、彼らは見つからないだろうね。この2、3ヶ月の間、サンサスは評議会に閉じこもったままという噂だよ。そして他の貴人達については、彼らがどこに行ってしまったのか誰も知らないらしい。俺なら街の反対側を試すね。そこには少なくとも貴人の所有する大邸宅が1つある。彼はロラグという名の学者だ。」
「サンサスというのは?」
ジーラが笑った。「カーレの第1貴人だよ。」彼が答える。「もし俺があんただったら、きっとその名前は忘れないだろうね。」彼は立ち上がった。「俺達は波止場のそばにある『肉と包丁』亭に滞在しているんだ。他の場所はお勧めしないな。もしあんたが自由の身なら、そこで会おう。」彼はウィンクすると、群衆の中に向かっていった。


【変化点】
・現在/最大体力:14/20→16/20(踊り)

【手掛かり】
・第1貴人サンサス:サンサス卿はカーレの第1貴人。
・ロラグ卿は学者:ロラグ卿は学者。
・学者の家…:学者は街の『赤の地区』にある『炎景広場』の近くの大邸宅に住んでいる。

【感想】
ここで「DOZ」や「NIF」で踊りの邪魔をすることができ、前者では、踊りが台無しになってやる気をなくした演奏家が捨てた竹笛を拾えます。後者では何も得るものはありませんが、悪臭は術者のマントの下から発生するとの描写があります。鼻栓がなくても発動することから考えても、この呪文の触媒は自分のおなら、もしくは体臭なのかもしれません(笑)。
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S2-30 8日目:オーガとバーバリアンの格闘試合を観戦 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

広場を横切って、レスリングのリングへ向かう。リング内では1人のごろつきが、今回の挑戦についてやかましくアナウンスしている。「カーレの諸君!準備はいいか?白コーナー、バーバリアン・アンヴァー!」群衆が歓声を上げる。
アンヴァーは君の身長の半分くらいしかないが、その一方で手足は筋肉で覆われている。だが、おそらく奴は対戦相手のオーガよりも軽そうだ。それはつまり、勢いが弱いということだ。
「そして黒コーナー、カーレの格闘チャンピオン、人呼んで『頭蓋骨割り』、ダドゥーリーのオーガ・カグー!」
このオーガ―は君が以前出くわしたオーガと同様にずんぐりしているが、その身体は固い筋肉で覆われ、手足はねじくれた木の皮のようだ。
「挑戦者、準備はいいか?」ごろつきが尋ねる。アンヴァーがうなずいて胸を叩く。
君は近くの観客の注意を引いて尋ねた。「教えてくれ、どんなルールで戦うんだ?」
「ルールなんざねえよ。」男が忍び笑いをしながら答える。「あえて言うなら、楽しませることだけだな。」
「武器はなしだ。」別の男が付け加える。「それが唯一のルールだ。」
舞台の上で、ごろつきがオーガに向き直る。「チャンピオン、準備はいいか?」
オーガには質問の意味が分からなかったようだったが、そいつは脇の下をぼりぼりとかいた。ごろつきがうなずく。
馬鹿でかい帽子を探して、ノミ屋を見つけ出す。オッズと報酬額が帽子の布地にピン止めされている。
「ツキがあるんだろ?」そいつがほくそ笑む。手のひらに汗をかいている。君は、奴が両手の袖の内側に飛び出しナイフを仕込んでいることに気づく。「さあ、賭け金をくれ!」
「オッズはいくらだ?」
「挑戦者が3対1で、」彼が言う。「チャンピオンが1対3だ。」
「どういう意味だ?」君が尋ねる。
「バーバリアンが勝てば、奴に賭けた硬貨1枚につき、儲けが3枚になるということさ。オーガが勝った場合は、奴に賭けた硬貨3枚につき、儲けは1枚にしかならないがな。」
君はポケットから金貨袋を取り出した。「オーガに賭けよう。」ノミ屋に伝える。
「賢明な選択だ。」奴が同意する。「いつもオーガが勝っているからな。賭け金は最大金貨9枚だ。」
君が金貨9枚を手渡すと、奴は帽子に印をした。

そうこうしているうちに、リングで戦いが始まった。白コーナーのバーバリアンが唸り声を上げて胸を叩く。オーガは両こぶしを宙に振り立てた。
「TEL!」
頭に布のスカルキャップを被せて呪文を唱え、バーバリアンに注意を集中する。そいつは今朝宿に眠ったまま残してきた誰かのことで明らかに頭が一杯で、かなり気がそらされていた。そんな心構えでは戦いには決して勝てないだろう!
バーバリアンは自分の胸を叩くと、オーガの頭の辺りを何度も強打した。アンヴァーは俄然やる気になってきたようだ。

「TEL!」
もう一度呪文を唱えて、今度はオーガの精神を読む。だが、特に変わった思考は見つからなかった‐たった1つを除けば。それは何度も何度も繰り返される音だった。腕の骨を真っ二つにへし折る音だ!
オーガが憤怒の雄叫びを上げ、前に出てバーバリアンに組み付くと、強烈な一撃を浴びせた!。観衆が静まり返る。戦いが再び拮抗する。
突然バーバリアンがふらつき、観衆が喘ぐ。だが、奴は再び立ち直った。

2人の闘士のうちの片方をのろまにしようと魔法を準備する。
「DOZ!」
君は呪文をバーバリアンにかけ、戦いを奴にとってさらに不利にした。急に動きが遅くなったそいつは、もはや相手をしっかり掴むことなどできそうにない。
オーガの唇が切れ、血が流れる。アンヴァーは吼えると、驚いたことにオーガを頭突きで後退させた。バーバリアンはまだ諦めていなかったのだ。奴がさらに別の打撃を繰り出す!

「止めを刺せ!」君は怒りで唸っているオーガに向かって叫んだ。
オーガは吼え声を上げながらものすごい速さで突進すると、バーバリアンの頭蓋骨を砕いた!
今や形勢はオーガが有利だ!
君はオーガに向かってヤジを飛ばした。もっとも、それが何かいい効果を生むのかはよく分からないが。

そしてついに戦いは終わった!オーガがバーバリアンをリングの外に放り投げたのだ!観客がざわつく。
ノミ屋を見つけて賞金を回収する。「あんたとそれ以外の全員だ。」奴がため息をついて、金貨12枚を寄越してきた。
リング内で、レフェリーを務めたごろつきがオーガのこぶしを宙に掲げた!「チャンピオンに挑戦するのはどいつだ?賞金は金貨10枚!」
「俺が挑戦しよう!」君が叫ぶと、全ての視線が君に注がれた。
レフェリーが嬉しそうに宣言する。「挑戦しようというよそ者が現れたぞ!そいつを通してやってくれ!」


【変化点】
・現在/最大体力:16/20→15/20(魔法)
・金貨:34→25(賭け)→37枚(儲け)

【感想】
全員がオーガに賭けたら、賭けが成立しないような…。
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S2-31 8日目:オーガと肉弾戦を繰り広げる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

群衆が割れて、君はリングの中に引き上げられた。小声でレフェリーがルールの概要を説明する。公正な試合、魔法はなし、相手が立てなくなるまで戦う-。「いいか?」彼が尋ねる。
思い切って相手をちらりと見る。奴は不格好な獣だ。全てのオーガがそうであるように、特大の石でできているかのような怪物なのだ。
「では、黒コーナー、」ごろつきが告げる。「頭蓋骨割り。白コーナー、」そいつが君に向かってささやく。「あんたを何と呼ぼうか?」
「よそ者でいい。」君が言うと、男は当惑した表情を浮かべた。
「ちょいとばかり見た目の刺激が足りないが、」そいつが観客に喧伝する。「心配はいらないぞ。本日の白コーナーは、誰も知らない国から来たばかり、リングにようこそ、『よそ者』その人だ!」そう告げると、奴は横目で君を見てからリングをそそくさと出た。
観客が猛烈な勢いで賭けを始める。彼らは君の取り柄をオーガと比較しながら議論している。「あいつは力不足だろ。」「俺にはマニアック過ぎるぜ。」
そんな議論を耳に、君はこぶしを構えた。
オーガが両手のこぶしを宙に掲げて雄叫びを上げると、観客からも似たような反響が返ってきた。

<第1ラウンド>
ゴングが鳴る。君は大声を出しながら前に踏み出した。そいつもまっすぐ向かってくる!
君は重い衝突に対して迎え撃ったが、怪物は最大のパワーで君にぶつかってきた。マットに背中から倒れ込み、君は息が詰まってしまう。さらにそいつが君を打ちのめし、君は宙を飛んでマットの上に叩きつけられた。
オーガがリングの向こうに後ずさりし、君との間に距離が開く。

<第2ラウンド>
君は力を込めた打撃を繰り出そうと突進する。オーガは君の頭めがけて腕を振るってきた。

<第3ラウンド>
もう一度殴りつける。素早い動きで奴の心臓を狙う。そいつはまるで心臓が止められるのを見ないようにするかのように顔を背けた。

<第4ラウンド>
再び突進する。素早く動いて奴の目を狙う。オーガは避けようとするも、急にふらついてリングの縁のロープにぶつかってしまう。観衆が息をのむ!

<第5ラウンド>
重いパンチを見舞う。だが、相手の攻撃の方が強く破壊的だった。君は床に投げ出された。観客はあえいだり、歓声を上げたりしている。
オーガは後ろに引いている。観客の誰かが君への助言を叫ぶ。「そいつの膝を狙え!」

<第6ラウンド>
効果的な動きで相手の胸を突く。オーガは分厚い背中をひねって衝撃を和らげた。身体をボリボリとかいて少し間が空く。

<第7ラウンド>
再び殴る。今度はろっ骨を真っ直ぐ狙う。オーガは身体をそらせた!奴は激怒してうなったが、その時よろめいてマットに身体を打ちつけた。一瞬、そいつが倒れたままになるのではとさえ思う。しかし、奴は崖を登るかのようにゆっくりと身体を起こして再び立ち上がった。自分の筋肉に覆われた大きな胸を叩いて吼え猛っている。

<第8ラウンド>
防御するために体を低くする。君の予感は当たっていた。直後に、オーガが全体重を乗せて突進してきたのだ。君は少しだけ後ろに押された。
オーガが行きつ戻りつして様子見している。観客は今や君を応援してはっぱをかけている。

<第9ラウンド>
渾身の一撃を秘めながら、相手目がけて突っ込む。疲労でぼうっとした目を驚きでぱちくりさせ、オーガがあえぎながらたじろぐ。君は最後の力を振り絞って腕を振り上げると、それをこぶしに乗せて放った。そして、オーガを完全に打ちのめした!

君はフラフラとリングから降りると、観客の歓声を浴びながら賞金を受け取った。


【変化点】
・現在/最大体力:15/20→10/20(格闘)
・金貨:37→47枚(賞金)

【感想】
原作と異なり、魔法は一切使えませんでした。ということは、オーガはバーバリアン戦の怪我が残っていたということになるのでは?それにしても、こんな目立った行動をとるとは、密偵としては失格ですな。
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↑絵のオーガはハンマーを持っていますが、実際には素手です。
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↑前回勝者がバーバリアンの場合、彼と戦うことになります。アイタッ!
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S2-32 8日目:祭り会場を後にして、農道を行く [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

辺りを見回しながら、君は祭り会場の中央を通り抜け、南の端まで戻ってきた。そこから、会場を後にして泥だらけの畑を横切る。
少し行くと、畑の縁に沿って走る道に出た。上ったり下ったりしながら、雑木や刈り取った干し草の間を抜けていく。
道は次第に細くなり、ついには単なる家畜の通り道となった。もはや本物の道なのか全く確信が持てなくなる。
前方には岩の多い上り坂が伸びている。

上り坂の頂上に着いた。道の前方を見ようとした時、背後で音がした。短剣を鞘から引く抜くシュッという音だ…。
君が剣を抜きながらパッと振り向くと、そこには短刀で武装した盗賊がいた。そいつはほくそ笑んでいたが、見つかったと知ってニタニタ笑いが少し消えた。だがそれにもかかわらず、君に向かって刃を振り回している。
「武器を下ろせ。」君が脅す。「お前を痛めつけたくはない。」
少しばかり頭が足りなさそうに、そいつが笑って答える。「ああ、そうかい。その方がお前には色々と都合がいいんだろうなあ。」どうやら奴は、自分の方が攻撃を仕掛けようとしていたことを忘れてしまったようだ。
「このままでも十分容易いだろうがな。」確信を持って奴に言ってやる。
そいつはぐっと息を飲み込むと、腕を動かした。奴が片手に持っていた岩が君の側頭部に当たり、一瞬目から火が出る。だが、それでは君を止めるには不十分というものだ。君は剣を手に突撃した。

<第1ラウンド>
ひょっとするとこの盗賊は正気ではないのかもしれない。奴は叫びながらやみくもに突っ込んできたのだ!君は剣を掲げると、無慈悲な攻撃でそいつを草の上に打ち倒した。それでも奴は勇敢にも立ち直った。

<第2ラウンド>
奴にプレッシャーをかけ続ける。君は小高い断層によじ登ると、前方に跳んで着地と同時に剣を前に突き出した。気持ちの乗っていない相手の攻撃を弾き飛ばす。今やそいつは恐怖に苛まされながらよろめき、後ずさっている。

<第3ラウンド>
相手の短刀を剣で叩き壊す。地面を蹴ってあっという間に間合いを詰めて剣を突き刺す。それは奴が耐えられる以上の攻撃だった。そいつは地面に倒れて死んだ。

盗賊の死とともに、畑に再び静寂が降りる。
奴の身体を素早く探る。役に立たないちびた刃の短刀を除けば、そいつの持ち物はたったの金貨2枚だ。
賭博場のチップのように見えるそれらをもらっていくことにする。


【変化点】
・現在/最大体力:10/20→8/20(投石)
・金貨:47→49枚
・精霊:ゴリラ→類人猿(死体を探る)

【感想】
祭り会場から出るには、今回のルート以外にも、北にある2箇所の道が選べます。そのうちの左側を選べば、すぐに大通りに出ることができ無駄がないのですが、Android版は原作よりもルート選択の自由度が増しているので、今回はどこまで行ったり来たりできるかわざとやってみました。主人公は無駄に歩かされてクタクタだとは思いますが(笑)。
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S2-33 8日目:掴み草に絡み付かれる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

畑の間をくねくね曲がる道を進み、片側が果樹園となった場所に差しかかる。木々の葉は落ち、リンゴの果実が露わになっている。反対側にはぬかるんだ畑を挟んで祭りの旗が見える。
さらに進むと、両側の景観が高い柵によって遮られた。
立ち止まって柵を眺める。向こう側の畑はいたって普通のように思われるが、なぜか柵は君の身長の2、3倍もの高さがある。君の視界には、乗り越えられるような梯子も門も見当たらない。
この場所の星の中に、役に立ちそうな魔法を幾つか感じる。
柵越しに、とてつもなく背丈の高い草の生えた正方形の草地を見つける。家畜に食べさせた様子はなく、誰も長い間刈り取っていない。何かがそこに隠されているかもしれない。
柵の最初の数段をよじ登り、それから一番上まで登る。ここからは、北と東の祭りが、そして他の方角にはカーレの低地部分から城壁までがよく見える。だが畑の中を見下ろしても、丈の高い草しか見えない。
君は柵から草地の中へ飛び降りた。

ほとんど君の首までの高さがある草地の中に立つ。どの面も高い柵で囲われている。それにもかかわらず、草地は空っぽのように見える。
身体を低く屈めて草地の地面を手探りし、何かがそこに隠されていないか確かめる。
突然、何かが君の手首を掴み、君を下に押さえつけた!剣で斬ろうとするものの、腕が動かせない。今や全身を掴まれ、地面へと引き倒されていく…。
君はすぐさま、類人猿の精霊に必死に祈りを捧げた。
しばらくして、手足の戒めが緩んでいくことに気づく。君はこの隙を無駄にすることなくクモのように柵を乗り越えると、道の上にドスンと着地した。改めて精霊の助けに感謝する。
振り返ると、柵の中はまるでただの草地のように見えた。君の手首に赤く残った痕がなければ、全て君の妄想だったと信じてしまいそうだ。

断崖に向かって緩やかに上っていく広い道路に出る。
畑のど真ん中に唐突に突き出ている崖を見上げる。その崖に沿って造りの良い建物が建ち並んでいる。
丘を見下ろすと、少し先に建物が見え、その向こうでは道が3つに分岐している。
さあ、行動に移す時だ。
君はカーレの南の城壁へ向かって、畑を抜けて丘を下る大通りを行くことにした。今朝がた歩いた道だ。
少しして、左前方に焚き火の残り火があることに気づく。そこでは細い道が右に分かれている。狭い畑の間を曲がりくねりながら、開発が進んだ街の低地へと続いていく。
焚き火に面した柵の向こうを見ようと立ち止まる。あの密猟者達は、ついさっきここを立ち去ったに違いない。煙がまだ立ち昇っているし、肉を焼いた匂いが微かに漂っている。
道の反対側には、貧弱な畑を抜ける曲がりくねった道が伸びている。その先には、街の居住区の一つの建物群が見える。多分、農業に従事する労働者が使う道なのだろう。そのうちの一つは特に豪勢な屋敷で、農地のちょうど端に建っている。


【感想】
精霊の助けを借りないと、ここでそのまま畑の肥やしになってしまいます。柵を乗り越える前ならHOTやZAPで焼き払うこともできますが、脱出した後に報復としてそれができるとちょっと面白かったかも。
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S2-34 8日目:たき火跡で野犬を手なずける [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

君は柵をよじ登り、畑を横切ってたき火跡の方へ向かった。辺りには豚を焼いたうまそうな匂いが漂い、地面には食べかすが散らばっている。だがここには誰もおらず、買ってもよさそうな物も何もない。
少し時間を取って焚き火のそばを調べる。激しくかき乱された泥と足跡が、ほんの少し前にここにいた密猟者達によるものであることは明らかだ。
不意に、君の背後で鼻をクンクンいわせて嗅ぐ音が聞こえる。君以外の何かが匂いに引かれてきたのだ。
「LAW!」
呪文を唱えて、ウルフハウンドの意志を操る。君が命じると、そいつは鼻を鳴らしてクルクル回った後、君の足元にまとわりついてきた。
数分間そいつの温もりを楽しんでから解放してやる。獣が去り、畑に静寂が降りる。だが、獣が踏み荒らした泥の中で、何かがキラキラ光っている。
泥を掘って、湾曲した水晶のかけらを掘り出す。あの水晶玉の一部だ。恐ろしく鋭いのでここに残しておくことにして、君は大通りに戻った。

向こうにちょうど見える城壁の方へ後戻りしながら、道を下り続ける。道路の右側に2、3棟の建物があるが、静かで中では誰も動いていない。
扉が大きく開いた大きな建物に差しかかる。中から香の匂いが漂ってくる。
立ち止まって中をのぞいても暗闇があるばかりだ。広い暗がりの中から、低い詠唱が外の通りまで聞こえてくる。あの女性の声だ。

死体との遭遇を繰り返したくはないので、大通りを引き返すことにする。道は小さい畑の間をやや上りながら続く。誰もカーレの城壁から外に出られないため、市民はできる限りのことをしようと、壁の内側で農業を営んでいるのだ。
途中、右手の畑の方からうなり声が聞こえるが、今度は無視する。
高い柵の間を抜けて進むと、やがて開けた農地に出た。少し遠くには、先ほど目にした岩肌が見える。そこではカーレの街が一段違う高さになっており、装飾的な屋根や柱廊のある豪邸が建ち並んでいる。富裕層が自分の所有する畑を見下ろしながら暮らす場所なのだ。バルコニーでワインをちびちび飲みながら、精を出して働く農夫達を望遠鏡で眺めるさまが君には想像できた。
だがよく見ると、何かがおかしいことに君は気づいた。ある木は家の屋根から伸び、また別の木は隣家の庭へ斜めに倒れている。
その場所はすでに廃墟になっているのだ。カーレが貧しいとは知っていたが、これは聞いていたよりも酷い。

まばらで貧弱な畑を抜けて、ごくわずかに上る道を進み続ける。道の両側には、骸骨でできたかかしが柱に吊り下げられている。骨が風に揺られてガラガラと鳴っている。辺りには誰もいない。
一日で最も暑くなる時間帯になる頃、分岐点らしき場所にたどり着く。
大通りの右には、色とりどりの旗が立ち並ぶ道が崖に沿って続いている。そこを行くと、先ほど訪れた祭りに戻ることになる。
少し先には、泥レンガでできた小屋がある。煙突からは煙が立ち上り、その扉からは濃厚でコクのある匂いが漂ってくる。もしこれが店なら、こんな畑のど真ん中にポツンとあったのでは、あまり商売が繁盛しないに違いない。


【変化点】
・現在/最大体力:8/20→5/20(魔法)

【感想】
引き続き無駄な動きをして、Android版の自由度の高さを満喫中。でも、何だかんだで体力点はガタガタ。
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S2-35 8日目:フレイヤーの家にお邪魔する [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

小屋の扉は少し半開きだ。いい匂いが漂い出てくるが、中からは何も聞こえてこない。
扉を強くノックすると、返事があった。「どうぞお入んなさい。でも扉を開けるときはご用心を!」
君が扉を素早く押すと、何かの液体の入った瓶が扉の枠から落ちてきて、床に叩き付けられた。「そういうわけだったんだがね。」声がする。「まあ、いいか。」
店は調理場だった。暖炉には火が入り、そこに掛けられた鍋は煮立って湯気を立てている。壁には香草、野菜、肉、調理器具がぶら下がっている。
だが、どんなに目を凝らしても、声の主の姿が見えない。
テーブルの下をのぞくと、そこは散らかり放題だった。君は誰かがそこに隠れているのではないかといぶかしんだ。どれもガラクタばかりだが、巻き物と鏡が入った小さな箱もあった。
「大将、あっしの調理場で何をコソコソやってるんで?」声が問いかけてくる。
もう一度目をやると、鍋のそばに立つ奇妙な姿の怪物に不意に気づく。そいつは人間の胴体をしてはいるが、頭は緑色のゼリーだ。彼の後ろの壁に野菜が掛けられていたため、見つけられなかったのだ。
頭から生えた長くてしなやかな触手が玉しゃくし、スプーン、塩入れ、包丁を掴み、それぞれすくい、かき回し、振り入れ、振り回している。彼は間違いなく料理人だ。
「それで?何が欲しいんで?」そいつが尋ねる。
「やあ、こんにちは。」君が切り出す。
「いいかい、」そいつが不満げに言う。触手がかき回し、刻み、混ぜる作業に戻る。「あっしは時間が惜しい。何がお望みよ?」
「貴人を探しているんだ。」
「奴らはこんなとこに隠れちゃいねえよ。」化け物が答える。「あっしが最後に聞いた話だと、評議会室に衛兵を連れて身を隠しているっちゅうことだ。冬か何かを怖がってるんだとさ。」
「中でも特に、学者を見つけたい。」君が続ける。
そいつは無関心な様子だ。「あっしは農民と懇意にしてる。でも学者とじゃない。もしカーレに学者がいるんなら、そいつは多分川向こうのもっと品の良い地区に住んでるんだろうよ。」
「それと、あんたの箱の中身が欲しいんだが。」
「あんたはズィーターの部下なのかい?」そいつが尋ねる。
「いいや。」
そいつが笑う。「なら大将、あんたも相当厚かましいね。あっしがあんたを串刺しにして焼いちまう前に、うちの店からとっとと出ていきな。」
「dIm!」
魔法をかけると、腹を立てて唸っていた怪物は、かなり混乱してきたように見えた。部屋の中を目的もなくさ迷い始め、あちこちぶつかっている!
うまい具合にフレイヤーの注意が逸れたので、君は調理場を自由に調べられる。
シチューをよそって食べる。味は濃厚で滋養がある。化け物は少しの間それを見ていたが、塩を加えるように勧めると、円を描いてクルクルと回り始めた。
箱を開けて中をのぞく。箱は大きいが中はほとんど空っぽで、君には理解できない言語で書かれた巻き物が1本、裏が金張りの鏡、汚れた金貨が2枚あるだけだ。全て背負い袋に入れる。フレイヤーはレタスにすっかり気を取られており、君には全く気づいていない。
空腹も満たされたので小屋を立ち去る。化け物がテーブルの下から上機嫌で別れの挨拶をしてきた。さしあたり、そこに隠れることにしたのだろう。


【変化点】
・現在/最大体力:5/20→4/20(魔法)→5/20(食事)
・金貨:47→49枚
・+巻き物:君には読めない言葉で書かれている。
・+裏が金張りの鏡
・精霊:類人猿→ゴリラ(魔法)→類人猿(箱の中を探る)

【手掛かり】
・ズィーター卿:ズィーター卿はカーレの貴人の一員。

【感想】
プレーヤー的にはちゃんと金を払って箱の中身を譲ってもらおうと考えていましたが、結果的に強盗したことになってしまいました。魔法にかかった化け物が、一瞬だけまともになって、無銭飲食の主人公に塩を勧めるシーンが笑えます。料理人の悲しい性(さが)。
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S2-36 8日目:命からがらカマキリ男を倒す [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

緩い上り坂をたどると、窪地に出た。その一番低くなった場所には1軒の草ぶきの小屋が建ち、外にはほっそりとした奇妙な像が立っている。
窪地の向こう側で道は再び上り坂となり、ドーム型の屋根の大きな建物へと向かっている。
像は男と言っていい類の様相を呈している。手足は長くトゲがあり、目つきは鋭く残忍だ。手は身体の前で合わせられ、まるでカーレに多くいる神々の誰かに祈っているかのようだ。首の周りには純金のように見えるロケットが掛けられている。
ロケットはかなり価値がありそうだ。だが、それを確かめるためにはもっと近づかなくてはならない。
後ろの小屋は大急ぎで建てられたものだ。壁は泥と粘土で継ぎが当てられ、扉は魚用の木箱を解体して作られた上、厚板にはそれが持ち込まれた船の印がまだ残っている。
像があるということは、ここは神殿なのかもしれない。だが、君にはその神格など皆目見当もつかなかった。

像や小屋に近づいてもいいし、道に沿って進むこともできる。まず君は薄暗い小屋の中に踏み込むことにした。
君が最初に気づいたのは臭いだ。湿って重苦しく、まるで肉屋のような血の臭いがする。
その次は君の足が蹴りつけた何かで、床の上をカラカラと転がっていった。それは腕の骨だった。
君は骨を拾い上げた。間違いなく人間のものだ。そこには歯形がついている。
「そこに誰かいるのか?」君が呼びかける。「俺は武装しているぞ。」
返事はない。少なくともこの小屋は空っぽのようだ。窓を通して、淡い光が差し込んでくる。
小屋の別の隅を探る。ぼろぼろの服が2つ3つほど積み重ねられている。おそらく犠牲者の身体から剥ぎ取られたものだ。
ほんの短い間、小屋の戸口に影が差した。

服の山を漁ると、金貨が5枚見つかった。骨をもう数本選んで調べる。男、女、子供。多くはないが幾つかは違う種族のもので、全てごちゃ混ぜになっている。
部屋の片隅でおびただしい数の指関節の骨を見つける。それらは数珠つなぎにされ、身の毛もよだつ腕輪となっている。
骸骨の手が自分の腕を掴んでいるなどと想像しないよう努めながら、君はその腕輪を身に着けた。
この場所は吐き気を催させる。君はきびすを返すと、もう一度戸外に出た。

小屋から通りに出て、屋内よりも新鮮な空気をありがたく思う。だが、さっきとは何かが違っている。一体何が?
君は小屋を振り返った。だが、それは君が出た時のままだ。
次に通りを端から端まで見渡すものの、やはり何も変わっていない。遠くのドームの建物の外には群衆が集まっているが、ここは静かなままだ。
その時、降って湧いたようにあの像が飛びかってきた!カミソリのように鋭い両腕が君の首に伸び、荒々しく切り裂く。こいつは像などではない、カマキリ男だったのだ!

君は攻撃を避けて道の反対側まで距離を取った。数秒の内に、カマキリ男はまた君に向かってくるだろう…。
「KIN!」
化け物の姿を捉えようと金張りの鏡を掲げながら、君は魔法を唱えた。詠唱が終わると、鏡から光が溢れ出て、ひょろ長い人影が這い出てきた。そして、通りの向こうの相手と向かい合う。
2匹は君には理解できない言葉で互いを罵り合うと、火打石の火花と同じくらいの速さで相手ののど元に掴みかかった!
君は戦いを見守った。それはまるで、強い風に翻弄されてあちこちに枝を振り回す冬の灌木のようだ。
やがて、木を引き裂くような悲鳴が上がり、像の片方が地面に倒れた。だが、倒れたのはどちらの方だろう?
君はただ待つつもりなど毛頭なかった。剣を抜いて飛びかかる‐、がそいつは黄色い光とともにパッと消え失せた。あれは君の生み出した分身で、本物はすでに死んで君の足元に横たわっていたのだ。
はやる鼓動を落ちつけようとあえぎながら、君は剣を鞘に収めた。それから精霊に祈って体力を回復させる。
危険が過ぎ去ったので、君は化け物を手早く検分した。唯一興味を引いたのは、先ほど奴の首に掛かっているのを目にしたロケットだ。それが太陽石だと分かり、君は荷物に加えた。
もうこの場所を離れる頃合いだ。


【変化点】
・現在/最大体力:5/20→3/20(不意打ち)→8/20(祈り)
・金貨:49→54枚
・+骨の腕輪
・+太陽石

【感想】
カーレ観光の目玉、カマキリ男!最初に原作をプレイした時は、高価そうなロケットに目を奪われ、ついでに命も奪われました…。
それにしても、太陽石は何となくカッコいい響きがあります。ソーサリーの魔法の触媒の中では、これと、裏が金張りの鏡、緑色の金属の指輪がお気に入り。
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S2-37 8日目:修道士とゲームに興じる [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

道は農耕地を離れ、再び建物の並ぶ中へと入っていく。左手には短い道があり、その先から祈りの声が聞えてくる。道の行き止まりには、小ぎれいに耕された小さい畑の中に1棟の低い建物が建ち、外では明るいオレンジ色のローブをまとった人影が数人見える。
この短い道を進むことにする。長いローブを着た彼らは修道士だ。畑で働く者もいれば、座って空や手のしわや足の裏を凝視している者もいる。
その内の一人がお辞儀をして君に挨拶をしてきた。「我らが慎ましい修道院へようこそ。」彼は手のひらを合わせてお辞儀をした。「ご友人、座って話をしようではないか。」彼は骨のサイコロを一揃い引っ張り出すと、ベンチに並べた。
「道を尋ねたいんだが…。」
修道士がうなずく。「いいとも。遊びながら話そう。」彼は熱心に骨のサイコロを指さした。
「何を賭ける?」
彼がほほ笑む。「気づいてないなら言っておくが、私は修道士だ。私は何もあげられないが、何も求めないよ。」
「いいだろう。」君が修道士のそばに陣取ると、彼はサイコロ代わりの骨を4つ寄越してきた。彼の笑顔が真剣な顔つきへと変わる。

最初の目を宣言するよう、修道士が君に手を振って合図する。
「ヴィックという男の名を聞いたことはあるかい?4の目が2つ。」
修道士が首を振る。「いや、ないね。3の目が3つ。」
「そうかい。4の目が3つ。」
「コール。」
だが、4の目は3つあった!修道士がサイコロを1つ投げ捨てる。

互いに再びサイコロを振る。
修道士は自分の手のひらの下を眺め、それから目を閉じて考え込んだ。「スィンドルストーンは最も格調高いゲームだと私は思うんだがね。1の目が2つ。」彼が尋ねる。
「俺は気に入っているよ。1の目が3つ。」君が答える。
「このゲームには由緒ある長い歴史があってね、」彼が言う。「我が街の創立者が考案したものなんだ。1の目が4つ。」
「コール。」
1の目は3つだけだ!修道士は悪態をつくと、サイコロをまた1つ除けた。

「俺は北門を目指していてね。助けて欲しいんだ。4の目が3つ。」
「ほう。」修道士が答える。「つまり、開門するために4行の呪文を探しているんだな。4の目が4つ。」
「そうなんだ。コール。」

「4行の呪文は、貴人達の内の4人だけが知っている。」修道士が言う。「彼らを見つけるのは難しいぞ。1の目が1つ。」
「何とかするさ。1の目が3つ。」

「この修道院はどの神に捧げられているんだ?3の目が2つ。」それがクーガかスランであることを祈りながら君が尋ねる。
「我々の修道会は、偶然と運命の女神に仕えている。3の目が3つ。」修道士は答えたが、神の名は告げなかった。もしかすると、すでに君が知っていると思っているのかもしれない。
「それなら、あんたは最も幸運なはずだ。」君は皮肉を言った。「彼女はあんたのサイコロに祝福を授けてくれているかい?3の目が4つ。」
「ああ、そのはずだ。コール。」彼が答える。
3の目は3つだけだ!修道士は満足げに君のサイコロを1つ取った。

「もし本当に4行の呪文を見つけるつもりなら、」修道士が考え深く言う。「別の道もある。3の目が1つ。」
「別の誰かがその秘密を知っていると?3の目が2つ。」君が尋ねる。
「正確には、誰かではない。」嬉しそうに彼が答える。「それを知る他の勢力があるのだ。3の目が3つ。」
「俺は自分の力で見つけるつもりだ。コール。」君が答える。
3の目は2つしかない!彼はため息をついた。
ニヤリと笑いながら、君は彼の最後のサイコロを払いのけた。「俺の勝ちだな。」
「もう一回どうだろう?」そう尋ねながら、彼は畑で働く者達をちらりと眺めた。
勝利したまま立ち去れることに喜びを感じながら、君は首を振った。
「そうかい、あんたとゲームができて楽しかったよ。」君の手に賭けのチップを一山乗せながら、修道士が言う。「エッフェからの贈り物だ。率直に言わせてもらうなら、あんたには練習が必要だと思うからね。そちらの旅に幸運のあらんことを。」
君は再び元の道へと戻った。


【変化点】
・+賭けのチップ(13枚)

【感想】
原作では幸運の女神はチーラーだったと思いますが、今回この場面で出てきたのはエッフェ(Effe)という名前でした。
また、ここで出てくる「Knuckle Bone Dice」ですが、「History of Games: From Dice to Computers」という報告資料の9&10ページ目によると、古代では動物の骨を加工してサイコロにしていたようです。
ところで、4行の呪文を知っているのは貴人の内の4人だとこの修道士は教えてくれますが、序列の順ではないのがまた不思議なところ。テェーター卿は第7貴人ですし。
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S2-38 8日目:絨毯売りの罠を見破る [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

道はそのまま大きなドーム状の建物の側面へ続いている。そこはある種の屋根付きの市場で、無秩序に広がっている。左右を見ると、何本かの道がこの建物に別々なアーチを通して繋がっている。
そして、中からは非常に興味をそそる音が聞こえてくる。

市場は路地でできた迷路だ。隅々まで商店や露店、木枠や樽に積まれた商品が占めている。行商人は大声で自分の売り物を宣伝し、隣の声をかき消そうと声を張り上げている。
人間やあらゆる奇妙な生き物が辺りをうろつき、多くの者は途方に暮れているものの、ごく少数は実際に何かを買っている。
君は我を忘れて屋台を見て回った。そのほとんどはカーペットを売っているが、香炉やランタンや陶磁器を商う店もある。だが、鍛冶屋や食品を扱う店は見当たらない。
買い物客や行商人の間を押し分けて進みながら市場の中を移動し、巨大なガラス張りのドームの下で立ち止まる。そばを通る人々のどよめきを通して、広場の向こうに出口を見つける。
喧騒がまるで雷のように市場の屋根で轟いている。

市場の突き当りまで歩く。左にいる男が君の袖を掴んで言った。「絨毯をお買いになりませんか?バクランドのこちら側で一番の、本物の蛾から作られた絨毯ですぞ!」
男の後ろには30もしくは40枚もの絨毯がうず高く積み上げられている。どれも灰色で、あまりに埃っぽいため君はくしゃみしたくなった。
その時、市場の片隅でケンカが起こったが、通行人の機転ですぐに収まった。
「極上の品ですよ。」男が君に請け合う。「どの大きさがお好みですか?お部屋用?それとも邸宅のお庭ほど?どれも同じお値段でお譲りしますよ。」彼は君に見せようと1枚引っ張り出した。
彼が見せてくれた絨毯は10万の蛾の羽根を入念に縫い合わせたもので、色はくすんだ灰色だ。
「こちらはどうです?」男は最初の絨毯を床に引っ張っていき、もう1枚別の絨毯を引き出した。敷物は軽くはないため、彼は動きながら息を切らしている。
「素晴らしい模様だ。」君が言うと、男は一瞬驚いて動きを止めた。明らかに、客が何かお世辞を言うなどめったにないことなのだ。
「そうですとも!」彼が答える。「私どもは手の小さい才能豊かな子供だけを雇っております。彼らが織れぬ模様などございません!」
「どんな模様でも?」男の誇張が面白くなってきて、君は尋ねた。
「真ん丸の円を除けば、どんなものでも。ジフザフも賞賛下さいます。」
「ジフザフとは?」
「ジフザフは絨毯職人の神です。」男がいたって真面目な表情で答える。「神は私どもの仕事を気に入っておられます。さあ、買っていきませんか?」君のしかめ面を見て、彼は2枚目を最初の絨毯の上に運ぶと、新たに3枚目を引っ張り出した。「これは最上のブンブン蛾を使ったものですよ。」
その時、この絨毯の下から床の上に何かが転がり出た。それが何であれ、1枚目もしくは2枚目の絨毯の下に入ったようだ。
君はそれに注意をそらされたが、男は君の反応を誤解した。先ほどの絨毯を扉のそばに積んだ絨毯に重ねると、4枚目を取り出した。「ひょっとすると、あなたの大事な女性にはもっと高価なものがいいかもしれませんね。」
君は身体を屈めて男が積んだ絨毯の縁の下を手探りした。すると、一対の鼻栓が見つかった。店はとても埃っぽいので、男が鼻栓を幾つか必要とする理由は理解できる。
「もう少し小さめのものでしたら…。」彼は絨毯をさらに取り替えた。「さあ、採れたてですぞ。こちらにはジグザグ模様が入ってましてね。最上級の絨毯には必ずジグザグ模様があるんです。」
「TEL!」
君はスカルキャップを頭に載せて呪文を唱えると、この絨毯売りの思考に耳を傾けた。
奴は扉のそばに絨毯を山積みにしようと目論んでいた。もし奴があと数枚君に見せてしまえば、君は扉を塞がれて罠にはめられてしまう!
「もっと厚い方がいいですかな?」今や戸口のそばに積まれた絨毯はかなりの高さになっている。
「絨毯はもう結構だ。」君が答える。
男が満面の‐地平線と同じくらい広い‐笑みを浮かべる。「次の品はラムールの楯の乙女の奴隷達が織ったものでして、」彼は断言した。「非常に希少ですぞ。」
だが君には、それは先ほどまでのものとほぼ同じに見えた。仕方なく、君は絨毯売りに一発お見舞いした。奴を倒すにはそれで十分だった。君は店からさっさと出ると、混雑した市場に戻った。


【変化点】
・+鼻栓

【感想】
この絨毯売りの男は、次々に絨毯を引っ張り出してはそれを主人公と扉の間に山積みしていき、出口を塞ごうとします。そして最後まで絨毯の説明に付き合うと、絨毯で簀巻きにされて奴隷船に乗せられてしまいます。所持金の半分を失うオマケ付き。でも、絨毯の神ジフザフや楯の乙女といった、世界の広がりを感じられる話も聞けるので、少し得した気分になります。
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S2-39 8日目:両腕のない絵描きのアトリエに立ち寄る [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

市場は果てしなく続くように感じられる。君はドームの真下に当たる市場の中央まで戻ってきた。ふと横を見ると、小さな画家の仕事場がある。上にある看板にはこう書かれている。「ここで自分を見つけよ!」
その画家は外に座っていた。君は彼に何か奇妙な印象を受けたが、それが何かはすぐには分からなかった。
彼は並みの出来栄えの作品に囲まれて、足を組んで座っている。だが、この絵描きには両腕がなかった。それを思えば、何も驚くにはあたらない。
「ごきげんよう。」
絵描きがうなずいて返事をしてくる。「絵を買ってくれないかい?どれも原画だよ。それは保証する。」
そんなことができるとは思えない。彼はどうやって筆を握ったというのだろう?
「両腕はどうしたんだ?」君がぶしつけな質問を彼に投げかけると、それまでほんの微かに浮かんでいた彼の笑顔がスッと消えた。
「僕は絵が好きでない人をモデルに絵を描くんだけど、」彼が答える。「当の本人はその絵の中に少しばかりどぎつい真実を見る羽目になるだろうね。」彼はにっこりほほ笑むと座り直した。
「口に筆を咥えるのか?」
「いやいや、そんなことはしないよ。」画家が首を振る。「ああ、でも僕の秘密を知りたいのなら、小屋の中に入ってもらわないと。あんたとこうしてしゃべりながらでさえ描いている絵があるんだ。」彼はあごで指し示した。「さあどうぞ。」
「お前はペテン師だ。」君は断言した。「そうでないと言うなら、この絵は全部、あんたがひどい目に遭う前に描いたものだ。」
画家が首を振る。「そう言ったのはあんたが初めてじゃない。でも僕はペテン師じゃないし、今も絵を描き続けている。請け合ってもいい。」
肖像画を眺める。彼はカーレの貴人達を描いていた。通りで君が戦った生ける屍となった人物もいる。ノームの言っていたことは正しかった。あれは間違いなく第2貴人だ。
そう考えれば、絵も悪くないものだ。君は掛け布を押しのけて小屋の中に入った。

小屋の壁はスケッチに覆われ、床には絵の具やインクが飛び散っている。部屋の中央には画架があり、その後ろで猛烈に動いているのは宙に浮いた筆だ。まるで見えざる手に導かれているかのようだ。
筆は催眠作用を覚えるような速さで、床の絵の具入れをあちこち出たり入ったりしながら、カンバスの上をせかせかと動いている。何が描かれているにせよ、筆はできるだけ早く描き上げたがっているように見える。
部屋を横切ってカンバスを覗いた君は、気が重くなった。筆は君を描いていたのだ!
絵はもう君に近い風貌までできており、筆は絵の中の君の印象を整え始めている。
不安を感じた君は、筆を掴んでその動きを止めようと試みた。だがそれは横にのたくって君の手から逃れると、素早くカンバスに戻り、今までの2倍の速さで絵を描いていくではないか。
君は剣を抜いて筆に斬りつけたが、それは宙を飛ぶ蠅を斬ろうとするようなものだった。筆は絵の具入れからカンバスへ移動したり、猛烈な意志で絵を描いたりしながら、君の剣をかわしていく。
素早く考えを巡らせた君は、代わりに剣をカンバスに突き刺して深々と切り裂いた。ちょうどその時、筆が作品を完成させた。
次の瞬間、絵が動き始めた。そいつはカンバスの縁から自分の身体を引き上げると、君の前に降り立った!


【手掛かり】
・第2貴人モウラス:モウラス卿はカーレの第2貴人。

【感想】
この市場では「HOT」や「ZAP」の選択肢が結構多く出てくるのですが、使うと必ず延焼してしまうため、市場の探索は直ちに終わりとなり、屋外へ避難することになります。
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S2-40 8日目:自分の肖像画と対決 [ソーサリー2:罠の港街カーレ]

君の前に立っているのは、原色に彩られた君の分身だ。だがそいつの胸には深い傷が走っている。
小屋の外から、君の金を奪うよう画家がそいつに命令する声がした。君の分身が抜き身を手に向かってくる!
君は剣を構えて、自分の分身と戦う準備をした。奴は君と同じ力と武器を持っているかもしれないが、果たして技量も同じなのだろうか?

<第1ラウンド>
表情を全く変えず、分身が向かってくる。君は素早く前に出て剣を突き出した。そいつがのけぞり、床に這いつくばる。
奴はフラフラと横へ逃れると、武器を構えた。

<第2ラウンド>
君は突撃して、深く斬り込んだ。剣が布地の質感の分身を切り裂くと、そいつの身体の繊維が急にほどけて裂け目が入る。それでも奴は前に進んできたため、そのまま二つに裂けてしまった!
バラバラになったそいつが床に倒れると、魔法が解け、小屋は唐突に静かになった。

このような振る舞いは大きな犠牲を払うと画家に教えてやる絶好の機会だ。
君は小屋の中をくまなく探し、なかなかのものを見つけた。部屋の隅に鉛筆画の山があったのだ。それぞれ、シンヴァ:第5貴人、ズィーター:第7貴人、サンサス:第1貴人と銘打たれている。カーレの貴人達の肖像画だ!丸めて背負い袋に入れて持っていくことにする。

小屋を出ると、画家が足で君を止めようとした。「絵を買うかい?」
「お前の絵は俺を殺そうとしたぞ!」君は憤然として怒鳴った。
彼は肩をすくめた。「僕の芸術は見たものだけが相手さ。」彼が答える。「あんたの心までは責任を負えないよ。さあ、買わないならもう出ていってくれ。」彼は鼻であっちへ行くよう合図した。
「もう報酬はもらったからな。」スケッチ画の束を指しながら、君がやり返す。
画家は明らかに興味なさそうに肩をすくめた。「いずれにせよ、その貴人達は間もなくさほど重要じゃなくなるからね。」
「貴人達についてお前は何か知っているのか?」すぐに君が尋ねる。
画家が冷笑する。「第1貴人にヴィックを!」彼は君の足に唾を吐きかけ、罵りの言葉を浴びせてきた。「せいぜい気をつけな!」

絵描きの仕事場を後にする。市場の他の小屋から、すすと香料の匂いがしてくる。


【変化点】
・+第1貴人のスケッチ
・+第5貴人のスケッチ
・+第7貴人のスケッチ

【手掛かり】
・第7貴人ズィーター:ズィーター卿はカーレの第7貴人。
・第5貴人シンヴァ:シンヴァ卿はカーレの第5貴人。
・第1貴人にヴィックを!:カーレの住人は互いに「第1貴人にヴィックを!」というスローガンであいさつを交わしている。

【感想】
ここで貴人達の人相が判別します。写真がない世界なので、画家が描いた似顔絵は人を探す上でかなり重要な手掛かりとなるはず。挿絵がないのが残念です。
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