SSブログ

S3-19 11日目:大蛇の道は蛇 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

道路を外れ、灰白色の平原を横切ることにする。風が少しだけそよぐ。空気はまだ冷たいが、少なくとも新鮮ではある。
古道を少し離れた地面に深い穴が開いている。中からは何とも不思議な音が聞こえてくる。
立ち止まって耳をすませる。笛の一種で奏でる音楽のようだが、かつて聞いたことのあるどの旋律にも似つかないものだ。まるで音がどぐろを巻いているかのようだ。演奏者は息継ぎをしていないような気がする。
穴のそばに歩み寄り、中を覗き込む。
底には浅黒い肌の痩せた男がうずくまり、笛を吹いていた。彼の前には6匹の蛇が身体を宙にのたくらせて踊っている。彼はまだ君に気づいていない。
「TEL!」
星に手を伸ばして魔法を生み出すと、魔法を留めるために布のスカルキャップを取り出す。
蛇使いの思考は音にあふれ、音楽的なものだった。しかも、明らかに君の存在に気づいている。「この男は7匹の大蛇が探していたアナランド人じゃないのか?もしそうなら、こやつにいかほどの価値があるだろう…。」
君は読心を続けたが、彼の思考は音楽の方へと移っていった。どうやら彼は、華麗で魅惑的な調べを思い浮かべている…。
少し意志の力を要したものの、君はスカルキャップを脱いで奴の思考との繋がりを断ち切った。
「ごきげんよう、風変わりな生き物達!」上から声を掛ける。
男はさっと見上げると、笛を口から話した。「お客人か!わしししらに加わらぬか、旅の方よ?」
「その蛇は危険じゃないのか?」注意深く君が尋ねる。
「わしにはな。」口元を歪めて彼が答える。だが話している間も、蛇は穴の中で休みなく動き続けている。「わしのすべすべのししし姉妹達だもんでな、シシシ!」
頃合いを見計らって、君は蛇使いと話をしようと穴の中に下りていった。
「よく来なすった。」君に座るよう促しながら、彼は蛇の背中を撫でた。「どうか、ゆるりと。」
「あんたがマナタか?」
「そうさ。」蛇使いが答える。「旅人にはししし親切にしとるよ。」蛇達がシューと音を立てながら主人に巻き付く。
「この蛇達は?」
「わしが飼っとるんじゃ。」彼がニヤリと笑う。「地上で最も美しししい生き物よ。わしは彼女達のために演奏しておる。」蛇のうちの1匹が君のブーツを軽く咬む。
「どうか、」マンタが低い声で囁く。「お主の旅のことを教ししししえてくれぬか?」
「取引しないか?」君が提案する。
「お主にはどんな物がある?」君の背負い袋の中身を覗き込もうとすり寄りながら、マナタが尋ねる。
君が背負い袋を開けると、彼の視線が黒い仮面に落ちた。「これをくれぬか?」
「代わりのものをやろう。」君が提案すると、彼は興味を示したように頭を傾げた。
「金貨5枚でどうだ?」
彼が肩をすくめる。「結構。」
彼の手のひらに金貨を置く。
「そそそそれで、」彼が尋ねる。「何が欲しい?」
「情報さ。」
蛇使いが両手を開く。「何が知りたい?」
「7匹の大蛇について。」
マナタが肩をすくめる。「どれも恐ろしい奴らよ。それぞれが自身のせせせ精を宿しておる。」
「奴らの精とは?」
マナタがくすくす笑う。「お安い御用さ。」指で数を数える。「まず地、気、火、水の4つ。その上に陽と月の2つ。そして最後に、」そこで彼の笑みが険しい表情に変わる。「無敵の存在がおる。」
彼は君の前に餌をまき、それを楽しんでいるのだ。
「無敵?」
彼がうなずく。「それは時の大蛇じゃ。何者も奴を倒すことはできぬ。剣でも富でもな。」
蛇使いが首を傾げて目を閉じる。まるで何かを聞いているかのようだ。
「わしはもう十分喋った。さあ、もう行ってくれ。」しばらくして、彼が告げた。


【変化点】
・金貨:72→67枚

【感想】
読心を続けると、彼の思考の中で催眠術にかかってしまい、蛇の姿に変化させられてゲームオーバーになってしまいます。ここにいる蛇も、元々は違う生き物だったのかも。
他の選択肢としては、穴には入らずに「mUD」を唱えることもできます。その場合、蛇や蛇使いはあっさり全滅しますが、アイテムを入手できない上、クーガ神に見放されてしまいます。
さらに、主人公の体力が低い場合(5点の時に確認)、どういうわけかマナタが笛の音で主人公を眠らせて体力を8点も回復させてくれました。てっきり眠らされてそのまま蛇の姿にされるのかと思いきや、そんなことはありませんでした。ただし、かなり時間が経過してしまいます。
ここで、7匹の大蛇の格付けが明らかとなりました。四大元素の上に月と太陽、最上位が時、とのこと。
それにしても、全4部を通して、黒い仮面の”人気”は絶大です。なぜか、取引や落とし物の第1候補にいつも挙げられます。こっちとしては、だぶついた太陽石を捌きたいのに。
nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 2

伝説の勇者

マナタはサ行の言葉を連呼する癖があるようですね。
時が最上なのは納得ですが、陽と月が二番目なのは意外でした。個人的には、時>気>火、水、土>陽、月という印象があったのに。
原作では、陽はいつの間にか捕らえられてそれっきり、月は空を夜にするくらいしか特殊能力が無い、格下の蛇という印象がありましたから。逆に気は、時の次に強敵で、時同様に必ず戦う事になるという扱いから、ナンバー2という印象がありました。
by 伝説の勇者 (2017-11-23 22:50) 

teamtomtom

陽の大蛇が魔女フェネストラに捕らえられたことにも関連しますが、アプリ版では彼女について追加設定があります。まあ、陽の大蛇は相手が悪かったということで。その一方で、水晶玉を壊して陽の大蛇を解放する選択肢もあったりします。この辺りの情報は追々…。
by teamtomtom (2017-11-25 18:32) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。