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S4-3 17日目:洞窟を順番に探索 [ソーサリー4:王たちの冠]

手前の洞窟の入り口に近づき、中を覗く。奥深くまで続いているようだ。
立ち止まって臭いをかぐ。中からかすかに悪臭がする。
もう2,3歩進む。洞窟の内部はすぐに広くなっていた。目が暗闇に慣れるまで、その場で辺りを見回す。
奥を素早く探るが、驚くようなものは何も見つからない。
火口箱を取り出し、貴人の肖像画の角に火を着ける。まるで辺りの空気が油であるかのように、絵が炎に包まれる。
火明かりの中、影が躍る洞窟の壁を調べる。そこには深い引っかき傷があった。間違いなく、ここは野獣の住処だったのだ。
炎を上げる絵を引っかき傷に近づける。だが、それは書き付けではなく、単なる野獣の爪痕に過ぎなかった。

引き返して、まだ明るい尾根に戻る。パチパチ音を立てて絵は燃え尽き、後には灰だけが残った。
太陽が沈んでいき、空が青黒い紫色へと変わっていく。まもなく暗くなるだろう。
道は他の洞窟の前を通り過ぎて続いている。

真ん中の一番小さい洞窟に近づき、ひざまずいて中を覗く。腹ばいになれば入れそうだが、かなり狭苦しい。
「YAP!」
背負い袋からかつらを引っ張り出し、頭において呪文を唱える。洞窟の中に生き物がいれば、そいつの言葉が理解できるはずだ。
君の目が内部の暗闇に慣れてくると、入り口の向こうが少し開けているのが見て取れた。
入り口で言葉にならない挨拶を呼び掛ける。こだまを聞きながら、君が邪魔したかもしれない生き物の反応に備える。
奇妙なうなり声が聞こえてきた。かつらのおかげで、その音はたちまち言葉に翻訳された。「ここは俺様の場所だ、入ってくるな!」
「お前は何者だ?」君が訪ねる。
「お前が今まで見た中で一番大きい蛇を想像してみな、」声が答える。「そういう感じだ。」
「残念だが、この呪文では大蛇と会話できないんだ。」そいつに言ってやる。「だから、お前は大蛇じゃないな。」
「そうかい、」そいつが答える。「それでも中に入ってこない方がいいぞ。」
「マンパンについて何か知ってるか?」
「マンパンだって?」声が答える。「俺は奴も食ってやった、だから引き返せ!」
やがて呪文が消えた。
近くに石ころを見つけ、洞窟の中に投げ込む。最初は何も起こらなかったが、しばらくして中から甲高い金切り声が発せられた。
もう一度脅し文句を投げ掛け、何かが躍り出てくるのを期待しながら待ち受ける。
だが、依然として何も出てこない。
勇気を出して、洞窟の奥へ這って進むことにする。

洞窟の入り口をかろうじてくぐり抜けた時、再び唸り声がした。今度は手が届くほどすぐ近くからだ。
別の貴人の肖像画を引っ張り出して、角に火口箱で火を着ける。燃える絵が灯す明かりの中、君は何も見つけられなかった。顎からよだれを垂らした汚らしい獣が、君を待ち受けていたわけではなかったのだ。どうやら君は一人きりのようだ。
その時、小さな生き物が君の足元をかすめて通り抜けた。
こいつはジブジブだ。体が大きくなり過ぎたただのネズミと同様、何の害もない。毛皮に覆われ、ボンバの実ほどの大きさしかない。アヒルのような2本の足で立ち、身体のほとんどが肺で占められている。これでまるで角笛のような騒々しい吠え声を上げるのだ。
ジブジブに向かって燃え盛る絵を振ると、そいつは不満げに飛んだり跳ねたりした。
奴を無視する。そいつはもう2,3回吠えていたが、君が恐れていないと気付き、やがて洞窟から走り出ていった。
洞窟の中はもはや空っぽだ。絵が燃え尽きて火が消える。ここは湿っぽくないし、夜寝るに当たって身を守るのに適した場所ではある。だが、寝るにはまだ早すぎる時刻だ。
再び尾根に戻る。太陽が沈んでいく。


【変化点】
・-第5貴人の肖像画
・-第7貴人の肖像画

【感想】
前回のスカンクベアの洞窟に引き続き、今度はあの小生意気なジブジブとのご対面。ここでも、アプリ版が気の利いた選択肢を用意してくれました。
Screenshot_20190519-135302a.jpg
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伝説の勇者

何と、ジブジブとYAPで会話できるとは。
原作4巻では、ハズレ魔法の選択肢ばかりが露骨に多くて、魔法を有効利用できてるとは言い難かった印象があっただけに、こういう気の利いた魔法の利用法を用意してくれるのは嬉しいですね。
明かりにするためだけに燃やされてしまう貴人の肖像画が何だか悲しい…売れば値打ちがありそうなのに…
by 伝説の勇者 (2019-05-25 20:50) 

teamtomtom

ハズレ魔法が少なくなったせいか、アプリ版の主人公は凄腕のエージェントのようなイメージがあります。
確かに、明かりのためだけに貴人の肖像画を燃やすのはもったいないですね。成金を描いた風刺漫画「どうだ明るくなったろう」に通ずるものがあります。
by teamtomtom (2019-07-08 21:50) 

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