SSブログ

S4-17 18日目:カクハバード海の海岸再び [ソーサリー4:王たちの冠]

峡谷の底に並ぶ重々しい岩石の間をぬって歩く。
夕方になるにつれ風が出てきた。すぐにまた暗くなるだろう。だが、ここには安全に休める場所などない。
その時突然、船酔いに似た吐き気が襲って来た。足元の地面が位置を変え、太陽が斜めに動く。
身体を安定させようとするが、その甲斐もなく倒れてしまう。世界が君のそばを通り過ぎ、あるべき場所から遥か遠くへすり抜ける。
女性の歌声が聞こえる。寄せては返す波の音にも負けない、優しい歌声だ。
これはどんな魔法だろう?

波が海岸に打ち寄せる。君は石の台の上に横たわり、まぶしい太陽を見上げていた。
ここは高地ザメンではない。ぞっとする感覚が君を襲う。これはどんな罠なのだ?どのくらい遠くまで飛ばされたのだろう?
星の力を集めようと腕を広げる。
「そのままじっとしていなさい。」優しく思いやりのある声がささやきかける。「ここでは自分の身を守る必要はないわ。」
「あんたは誰だ?」キョロキョロ見回しながら呼び掛ける。だが、海の向こうには何も見えない。
「私を覚えていないのですか?」優美に笑いながら彼女が答える。「少なくとも私達がどこにいるのか、あなたは知っているはずよ。」
波が君のブーツを洗う。前に進み出るよう、君を招いているかのようだ。
上着を引っ張る穏やかな風に従って歩く。やがて、君は自分がどこにいるのか悟った。
君は再びカクハバード海の海岸-アナランドからほぼ半日の場所-に立っているのだ。

浜辺に向かってザクザクと砂を踏む。輝く水面に、一艘の小舟が前後に揺れ動いている。舟には機織り機を持った女性が座っている。
「何故俺をここに連れてきたんです?」君が尋ねる。
「私達は長い旅路を一緒に歩んできたのですよ、」彼女が答える。「あなたは気付かなかったかもしれないけれど。でも、それももうじき終わるわ。」
「私はリーブラ、正義の女神です。あなたをここに連れてきたのは、警告を授けるためなのです。」彼女の声は悲しみで満ちている。「私はあなたを何度も救ってきました。ですが、もうこれ以上は手を貸してあげられません。」


【感想】
ここでまさかまさかの、S1-13以来となる、女神リーブラ様との再会!ここに来るためには、第4部開始からこの場面まで、時間巻き戻しを使わずにプレイする必要があります。巻き戻し機能に慣れてしまうとついつい使ってしまうので、これが意外と盲点になります。
WS000092.JPG
nice!(0)  コメント(2) 
共通テーマ:ゲーム

nice! 0

コメント 2

伝説の勇者

ここであの女性との再会になる事にも驚きましたが、彼女がリーブラだった事にも驚きました。
巻き戻しを使わない条件は、第4部開始からなんですね。確かにそれ以前の巻からずっとでは酷ですからね(底意地の悪い原作ならやりかねませんが…)。
by 伝説の勇者 (2019-09-24 22:44) 

teamtomtom

アプリ版を始めた時、リーブラ様はもう登場しないのかと残念に思っていましたが、ちゃんといたんです。原作の扱いのままでも十分だった気もしますが、今回のアプリ版の設定もまた素晴らしいですね。神秘的なダドゥーリーという舞台が雰囲気を盛り上げてくれました。
by teamtomtom (2019-11-17 18:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。