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S4-18 18日目:女神リーブラの加護 [ソーサリー4:王たちの冠]

「俺は一度だけあなたに助けていただきました、」君が答える。「前にここの崖で。でも…、」
「まだ理解していないのですね。」彼女が答える。「でもすぐに分かるわ。マンパンに入った時に理解するでしょう。あそこは呪われた場所で、魔法陣やナイフで守られていますが、要塞の壁は単なる石壁以上のものなのです。」
「つまり、あなたは中に入れない、と?」
「その通り。でもあなたはその代償をまだ理解できていないかもしれません。アナランド人、あなたがこれまで歩んできた間、私もあなたのそばを歩いていたのですよ。私はあなたに白日夢-あなたの選び得る選択肢-を与えてきました。そして夢から起きたあなたは、今度は別の道を歩いていったのです。」
「俺は散々夢を見てきたけれど、決していい夢ではなかった。」夜ごとに現れた恐怖の記憶に身震いしながら、君が答える。
「私が話しているのは白日夢のことです。」女神が答える。「何事もなかったかのように消えるまでは、現実として存在する夢についての話なのです。」
彼女が織り機の杼を縦糸に通す。「でも、これ以上はできません。いったんマンパンの壁の内側に入ってしまえば、あなたの未来は再びかけがえのないものとなるのです。」
女神の言葉が君の心で恐怖の鐘を鳴らす。
「どういう意味なのか教えてもらえないでしょうか。」敬意を込めてお辞儀をしながら尋ねる。
「織布が織られ、解かれ、そして今度は違った模様に織られる。最後に出来上がる衣には、それが何度縫い合わされたのか表れはしないの。あなたの旅もそれと同じなのよ。」彼女が笑う。「でももしかすると、あなたは自分が今まで生きてこれたのは、単に強運だったからと思っているかもしれないわね。」
彼女は手を伸ばすと、黄金色の髪の毛を一本引き抜いて、君に手渡した。「いつこれを使うべきか、いずれ分かるでしょう。」
会釈して受け取る。ひときわ大きな波が海岸に打ち寄せて引くと、舟は傾いて流され始めた。女性はそれを止めようともせず、機を織り続けている。
「待ってくれ…!」君が叫ぶ。「俺はここからどうやって出ていけばいいんだ?」
だが、君の言葉は波間に消え、彼女は行ってしまった。


【変化点】
・+金色の一本の髪

【感想】
やや分かりにくいですが、アプリ版のゲームシステムの根幹にも関わる話をしてくれています。つまり、アプリ版の巻き戻し機能は、そもそも女神リーブラが主人公に見せていた白日夢のお陰であり、マンパン要塞の中に入ってしまうともう力が及ばないので使えない、ということのようです。個人的には改悪が多いと感じている第4部ですが、ここはかなり感心させられました。
リーブラはアプリ版ではほとんど出てきませんでしたが、ちゃんと見守ってくれていたんですね。しかも、途中でスロフに改宗しても見放したりしないとは。ありがたや~。
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