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S4-134 23日目:神秘の石に誓って [ソーサリー4:王たちの冠]

テントの中は薄暗く窮屈だ。片側には箱が山積みされ、布が被せられている。
秘密の石はテント中央のテーブルの上に置かれている。他におかしな点があるとすれば、よりご利益がありそうに見せるため、石を棚に乗せていることだろう。石の外見はあまりパッとしない。片手で運べる程度の薄汚れた岩だ。
ところが、君が近づいていくと、石は台の上でガタガタとぐらつき始めた。
やがてテントに声が響いた。「アナランド人!」
なじみのある声だ-だがそんなはずはない。バクランドの隠者、シャドラックの声音なのだ!
「シャドラックなのか?」
「ああ、わしじゃよ。また会えて嬉しいぞ。」彼がまた笑う。「曲がりなりにも、ようやくな。」
「何があった?」
「わしの魂の一部をこの岩に繋ぎ止めた。窮余の策じゃ。」
「何故そんなことを?」
「大魔法使いの暗殺者にわしの洞窟が見つかってしもうた。外に引き出されたわしは、はりつけにされた。今もまだわしの身体はそこで衰弱しつつある。じゃが、わしは身体の一部を石や木に投影できるでな。」
「あんたの仇はきっと取る!」
「それはありがたいが、お主は老いぼれの厄介ごとなど忘れて、自分の使命に集中するのじゃ!冠がなければ、わしの苦難など旧世界の被るそれに比べれば霞んでしまうわい。」
「あんたはどうやってマンパンまでたどり着いたんだ?」
「巡り合わせじゃよ、幸運か悪運かは何とも言えぬが。元々わしの洞窟近くを通る者はあまりいないのじゃが、外の娘が通りがかった時は狂喜したものよ。わしはすぐに娘に話し掛けた。その商売のやり方を理解したわしは、自分を古代の工芸品と信じ込ませ、マンパンまで持っていくよう勧めた。作り話をすっかり信じた彼女は、わしを拾い上げると、村々を巡って回り道をしながらここまで来たというわけじゃ。道中、退屈な助言や予言を強要されはしたがな。」
「何か手を貸せることはないか?」君が尋ねる。
「お主を手伝うことだけがわしの望みよ。もはやただの岩に過ぎぬが。」まるでため息をつくかのように、石の色味が鈍くなる。「じゃが、わしがマンパンについて知っておることはどれも、それ以上に気を重くしよる。」
「どうすれば冠の力に打ち勝てる?」君が尋ねる。「どうすれば大魔法使いの元まで安全にたどり着けるんだ?」
「その唯一の道はスローベンドアを突破することじゃ。扉を開けよ、さすれば大魔法使いは倒せる。」
「この町について何か助言してくれないか?」君が尋ねる。
「マンパンの町には千もの魂が囚われておる。奴が彼らを雇うことなど滅多にないにもかかわらず、皆服従を強いられてな。ここの連中は、岩の溝を伝う雨水のように、人生をさ迷っておるのじゃよ。」
君がうなずくと、岩はガタガタ震えてしばらく沈黙した。
「済まんな、アナランド人。もう話を続けるだけの力が残っておらぬ。」最後にささやく。「わしの身体はもう駄目じゃ。魂をこの岩に繋ぎ止めるのも、限界となった。よいか、眉に唾を塗って用心せい。それに、これは知っておいてくれ。わしは、お主を誇りに、思っておるぞ。」
岩は静かになり、シャドラックの声も聞こえなくなった。


【感想】
原作同様、シャドラックの魂と会話するシーンです。今回の選択肢以外にも、中枢大学や大魔法使いの有力な配下について尋ねる等ありますが、彼の命が残り僅かなこともあり、全部は聞き出せません。シャドラックよ安らかに、そして大魔法使い許すまじ!
jotaro.png
↑燃えたぎる復讐心!
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