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S4-96 23日目:ミニマイトのジャンとほろ苦い再会 [ソーサリー4:王たちの冠]

真っ暗な部屋の中で数時間が経過した。君は冷たい石の上に横たわっている。
立ち上がろうとして、骨の髄まで途方もない疲労感に襲われる。
君がいるのは小さな牢屋だ。高みにある鉄格子から、星の光がわずかに差し込む。
壁には百近くの打痕がある。これは君自身がやったのだろうか?ここにどのくらいいたのだろう?
重い扉には格子窓が一つあるが、ぴったり閉じられている。
近くから何かを引っかく音がする。
「誰かそこにいるのか?」君が誰何する。
暗がりから返事はなかったが、引っかく音が近づいてくる。
剣を手探りするが、剣帯は空っぽだった。完全に丸腰にされてしまった。
かなり小さい人影が、ひょろ長い足で近づいてくる。

君は自分の目が信じられなかった。それは、ビリタンティ郊外で出会ったミニマイトのジャンだった!
「ジャン!」
そいつが君を見つめ、それから駆け寄ってきた。華奢な両手で君の足にしがみつく。
「また会えたんだ!」甲高いさえずり声で彼が言う。「あんたの後を追うのがどんなに大変だったか分かってる?」
「一体ここで何をしているんだ?」
「牢屋って意味なら、2,3日前に見つかってからずっとさ。マンパンじゃミニマイトは好かれてないんだ。僕の羽根を千切っちゃうんだから。」ジャンが身体を回転させて、何もなくなった背中を見せる。深い傷がガリガリの肩甲骨の間の肌に走っている。
「何故衛兵は君にそんなことをしたんだ?」
「僕を外に逃がさないためさ。こんな場所で、ミニマイトを自由に走り回らせるわけにはいかないし。」彼がそっとくすくす笑いをする。「でも、もうあんたも同じように放り込まれたわけだから、また一緒にやっていけるだろ?あんたの計画はどんなものだい?どうやってここを脱出しよう?鍵を持ってない?」
「ない。」
「あんたらしいや。」ジャンが答える。
「あの疫病の村人達はどうなった?」ジャンに尋ねる。
彼が肩をすくめる。「彼らは全員、水晶の滝へ向かったんだ。でも僕達がそこに着いた時、魔法はほとんど切れかかってた。何故かは分からない。何人かは救えたんだけど。」
「数人だけなのか?」
「ああ。それで僕は彼らをそこに残して、あんたの後を追ったというわけ。」


【変化点】
・現在/最大体力:9/18→14/18(休息?)

【感想】
S1-39の後日譚がようやくここで聞けました。どういうわけか、肝心なところで水晶の滝の効力が切れてしまったようです。S1-43で主人公がガザ・ムーンの手助けをしなかったから?
今年の更新はこれにて終了です。現実世界はまだまだ混迷中で、疫病に苦しむビリタンティの住民のことも他人事とは思えず。水晶の滝のような特効薬は現れるのか、はたまた今回のように万人には行き渡らずに終わるのか…。
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↑結局囚われの身
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