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S4-131 23日目:最強の剣は高嶺の花 [ソーサリー4:王たちの冠]

次は武器屋に立ち寄る。商人は極端に痩せた男だった。横を向いたら見えなくなりそうなくらいだ。
「ようこそ、友よ。」彼が声を掛けてくる。「ここの軍隊がうちの商品をほとんど買い付けてしまったから、売れるものが少ししかないんだ。」
「あんたはマンパンの出身じゃないのか?」
「もっと安全な交易路があるのは知ってるさ。」商人が言う。「でも若く勇敢だった俺は、大魔法使いが武器に結構な金を払ってくれるって聞いてね。」商人があいまいに手を振る。「軍隊の新設か何か知らないけど。それで俺はここに来たんだ、そしたら…。」彼が肩をすくめる。
「何があった?」
彼が通りすがりの衛兵を目にして声を低くする。「陰険なナイロックの奴は半分の額しか払わなかったんだ。しかも俺を壁のこっち側に置きざりにしやがった!でも俺に何ができる?もし俺がここを出ようとしたら、まず間違いなくバードマンが空から襲ってきて一巻の終わりになるだろう。少なくとも、自分が困窮していることは分かっている。俺があんたにしてやれることが、果たしてあるかどうか。」
「ナイロックというのは?」
彼が荒々しい音を立てる。「大魔法使い公認の商人さ。あの女があらゆる取引を牛耳ってるんだ、俺達のためじゃなく、マンパンのために。」そう言うと、彼は群衆の方に手を振った。「衛兵どもは塔の周りで野営している。俺が思うに、ナイロックの関心は軍隊を仕立てることなんだろう。」
「軍隊だって?」
「ああ、そうさ。誰と戦うつもりなのかは知らないけど。連中が言うには、壁の外の者は皆死んだのだとか。」彼が言う。「さて、あんたは何か買ってくれるのかい?それともクラッタマンの婆さんのように、ペチャクチャしゃべってるだけか?」
「何がある?」
「俺の見立てじゃ、あんたは手練れのようだから、一般兵が引っ掛かるような代物であんたの時間を無駄にするつもりはないよ。この広刃の剣は、そうだな…金貨15枚いただこうか。そして、俺が持ってる最高の剣はこのカトラスなんだが、代金は金貨600枚だ。もちろんこの金額じゃ俺から実際に盗んだも同然だが、そうは言ってもこの場所の他の者もそうしているからな。」
「それは高過ぎだ。」
彼が首を振る。「この剣はあんたがこの要塞で入手できる最高級品だ。俺はナイロックのせいで衣食にも事欠いている。びた一文まけられないね。」
「それにしても、600枚だぞ!」
「これは普通のカトラスじゃない!」商人が文句を言う。「刃こぼれしないし、重さも完璧なんだ。手から落としたり滑ったりもしない。標的を外すこともない。あんたを無敵にしてくれるんだ!」ここで彼が、口から溢れた唾をぬぐう。「実に立派なものさ、分かったか?」
「もっと俺に得をさせてくれ。」
「友よ、今朝ある獣人が値段のことで気が動転して、まさに売ろうとしているその剣で俺を脅してきた。マンパンでしつこく値切るとどうなるか、色々教えてやってもいいんだぜ。」
もう十分だ。「じゃあな。」商人にうなずく。
彼がうなだれる。「そうかい。また来てくれよな。」


【感想】
このカトラス(+6)、暗殺者の剣(+4)伝説の剣(+4)を上回る強さを誇ります。そういえば、昔々「クロちゃんのRPG見聞録」という本に、”+6ソード”にまつわるエピソードがありました。強過ぎる武器はゲームバランスを崩壊させるという逸話です(笑)。
ナイロックは原作では性別がいまいち分かりませんでしたが、アプリ版では女性です。
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