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ソーサリー4:王たちの冠 ブログトップ
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S4-40 20日目:城門の前を行ったり来たり [ソーサリー4:王たちの冠]

2,3台の荷車が東からやってきて、城門に向かっていく。
辺りの光景を少し時間を掛けて熱心に調べる。マンパンの城壁は高くそびえて城門の両側に伸び、側塔や城砦塔が深青色の空へと突き出ている。要塞は小さな町くらいの規模がある。このどこかに王たちの冠があるのだ。
入り口を求めて周囲に目を走らせる。
きちんと舗装された短い道が、城門の右手に伸びている。城門は鉄の板金で束ねられ、たいていの樹木よりも高い。
整然と隊列を組んだ荷車が門に近づく。ほとんどの荷車は調べられた後、荷物を空にしてさっさと引き返しているが、何台かは入場を許可されている。
弓で武装した衛兵が、招かれざる訪問者をいつでも排除できるよう待機している。
荷車を注意深く観察する。どれも荷物を満載している。衛兵はかなりぞんざいに点検しているだけだ。荷物をコツコツ叩いてから、御者に先に進むよう合図している。
東の道の先の方に入り口は見当たらない。あちらに行くと要塞から遠ざかることになりそうだ。
目を反対側に走らせると、要塞の西側の壁沿いに続く道に気付いた。あちらに別の入り口があるかもしれない。
城門は滑り込めそうなほどごった返している。
さあ、選択の時だ。

マンパンの東側の壁沿いに続く、しっかり舗装された広い道に向かう。今や太陽は天頂に達している。
屋外に長くいた後では、この場所の賑わいに圧倒されてしまいそうだ。
南側の危険な斜面を避けようと、商人達が怒鳴ったり声を掛けたりしながら、互いの荷車を徐行させて行き交っている。
道の先は見えなくなっている。大魔法使いに支配された土地へと続いているのだ。
頭上の城壁を見上げる。石落とし、湾曲した角、突起のある骨、残忍な槍や忍び返しがある。
計り知れないほど残酷で非人間的な、ゾッとする光景だ。

手を振って合図を送り、荷車を止める。御者の男は、どっしりとしたターバンを被り、顔に傷がある。
「何か用かい、坊さん?」彼が言う。「遅れてて忙しいんだ。」
「あんたの名前は、友よ?」
「友達面するな、」そいつが鋭く言い返す。「俺はジェルザだ、誰の友人でもねえよ。」
「何を売っている?」
「毛皮さ、」彼が答える。「ほとんどはスカンクベアだ。臭いは不愉快だが、あんたを十分温かくしてくれるぜ。」
「マンパンに入らないといけないんだ。」彼に持ちかける。
「何でだ?」商人が嫌そうに言う。「中の奴らは邪悪だぞ。」
荷車の御者台から降りる。
「飢え死にしちまいな、坊さん。」ジェルザはガミガミ言うと、馬に鞭を当てて要塞への道を急いだ。
東に行ったのでは任務から遠ざかってしまうだけだ。城門まで戻るしかない。


【感想】
この商人をギャフンと言わせて荷車を乗っ取ったり、荷物にこっそり隠れたりして、城門から中に入ることもできます。
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S4-41 20日目:通用門前で装備を最終確認 [ソーサリー4:王たちの冠]

巨大な壁に沿って歩き、もう一度城門まで戻る。何ができるか確かめねばならない。

今度は城門を通り過ぎて西へ向かい、彫刻が彫り込まれた要塞の石壁を回り込む。
太陽が地平線へと沈み始めた。
道は衛兵が詰める側塔の真下で広がり、平坦になっている。そこを横切るなら、姿が丸見えになってしまう。
手をかざして側塔を見上げる。天辺には眺望が利く物見やぐらがあり、衛兵が一人、杖に寄りかかって眼下を監視している。
「YAZ!」
真珠の指輪をはめて呪文を唱えると、薄もやのような光がゆっくりと指輪から広がり出て、君の身体を包み込んだ。
呪文が君を守ってくれると確信し、落ち着いて広場を横切る。

さらに道を進み、山腹の曲がり角に差し掛かる。わずか2歩左に口を開けている深い峡谷の遥か下では、底の方に川が流れている。
真珠の指輪から発せられる露のような光が消えていく。夕方になるにつれ風が出てきた。
要塞の壁は、バクランドの荒廃した草原以来見たこともないような大きさの石のブロックで組まれている。魔法で運ばれて組み立てられたに違いない。こんな足場の狭い崖っぷちにあれを組めるような者はいそうもない。

道の行き止まりが見えてきた。壁に通用門がある。
手掛かりを求めて壁を探るが、各ブロックがあまりに大きいため、登れそうな裂け目は見当たらない。しかも、壁は巨人でも覗き込めないくらい高い。
通用門は主要な門ではなさそうだが、それでも十分な大きさがある。
峡谷を見下ろす。石のように黒い水が山の根元の谷の間を引き裂きながら流れている。まるで老人の腐った歯茎のようだ。

崖っぷちの道をたどる。ついに通用門の前まで来た。
ここで現在の体調と装備を再確認する。

【体力】
・現在/最大:14/17

【貴重品】
・金貨(73枚)
・古代の銅貨
・蛇の指輪

【食料】
・保存食(5食分)
・リンゴ(2食分)
・焼き魚(2食分)

【精霊】
・ゴリラ

【武器】
・暗殺者の剣(+4)
・アナランドの剣
・鎖帷子(+2)
・銀の剣(-3)
・頑丈な矢
・木こりの斧
・鋭い刃がついた投擲用の円盤
・銀の鎖
・祝福された堅木の槍

【魔法の品】
・魔法の呪文の書
・そっくりの魔法の呪文の書
・水晶の牙
・蜜蝋(2回分)
・スカルキャップ
・砂(3回分)
・鼻栓
・玉石(9個)
・ブリムベリーの搾り汁(1回分)
・竹笛
・ゴブリンの歯(4本)
・巨人の歯(1本)
・緑色のかつら
・骨の腕輪
・太陽石(3個)
・水晶の玉
・聖水(2本)
・緑色の金属の指輪
・真珠の指輪
・宝石をはめたメダル
・真鍮の振り子
・樫の木の杖
・角笛
・石の粉(2回分)
・金の装身具
・火酒(2本)
・オレンジ色の岩の粉
・黒い仮面
・金色の一本の髪

【鍵】
・銅の鍵
・銀の鍵

【その他】
・アナランドからの連絡文書
・呼び子
・油の入った瓶
・ゴブリンの巻き物
・ロケット
・蛇の解毒剤
・火口箱
・危険探知の火
・2片のメモ(モウラスの破かれた覚え書き)
・謎の言語で書かれた巻物(フレイヤーの家で入手)
・第1貴人の肖像画
・縄梯子
・木の皮のエッセンス(2本)

【変装】
・僧侶


【感想】
何だか武蔵坊弁慶みたいな重装備になっています。かといって、ブラッドソードシリーズの所持数制限は厳し過ぎたし、どこまでリアリティを追求するか難しいところ。
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S4-42 20日目:マンパン要塞に潜入開始! [ソーサリー4:王たちの冠]

月が暗い空をゆっくりと横切っていく。
呪文を唱えようと腕を広げるが、頭上に星の光が見えない。この場所には何らかの魔法防御が施されているに違いない。
扉の上の枠に身体を引き上げる。君が乗れる分の広さしかなく、立ち続けるにはバランスを保つ必要がある。
暗殺者の剣を下に振って、剣の腹の部分で扉を強く叩く。
扉の向こうからぶつぶつ不平や悪態をつぶやく声が聞こえ、足音が近づいてきた。
かんぬきを外す音がする。
扉をもう一度叩こうと、暗殺者の剣を再び振り下ろす。だが同時に扉が開き、剣はブラックエルフの頭部に突き刺さって鼻をそぎ落とした!
苦悶の声とともに女が倒れると、さらに2人の衛兵が武器を手に駆け出してきた。たちどころに、そいつらが君を指差す。
「mUD!」
今度は魔法が使えた。砂を衛兵の足元に投げつける。
連中が気付いた時にはすでに手遅れだった。奴らはすでに膝の深さまで流砂に埋まっている。
要塞の扉に駆け込んで閉めると、連中の悪態やもがく音は小さくなった。
ついに内部に入り込んだ!

そこは狭い側庭で、このマンパンの張り出し部分の内側にはさらに壁がある。だが、ここが要塞の内部であることに違いはない。
マンパンの影がマントのように君に覆いかぶさる。まるで太陽そのものが陰ったかのように、急に君は寒気と孤独さを今まで以上に感じた。
目を閉じて祈りの言葉をつぶやく。ゴリラの精霊はまだ君とともにいてくれているが、今やその存在は希薄だ。
その代わりに、女性のささやき声が君の頭の中に聞こえてきた。「幸運を…。」声がこだましながら消えていく。

<君はマンパン要塞に入った。ここからは決定をやり直すことはできない。>


【変化点】
・-砂

【感想】
ついにマンパン要塞内部に突入しました!色々寄り道はしましたが、ここからがいよいよ本番。原作とはあらゆる要素が様変わりしてしまいましたが、何とかそれらしい雰囲気になるような選択肢を選んでいきたいと思います。
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扉をくぐった瞬間、落雷のエフェクトとともに、巻き戻し機能が無効化されます。

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要塞の用語をまとめてみました(正確性は怪しいですが)。
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S4-43 20日目:側庭の衛兵とたき火を囲む [ソーサリー4:王たちの冠]

ここは兵舎と通用門に囲まれただけの場所だ。兵士の教練の類に使われているのだろう。小さなたき火が中央の火桶の中でパチパチ音を立て、その周りに衛兵が2,3人陣取っている。
内壁にある中郭への門は、かつて要塞の魔法使い達に仕えていた召使いや下級民のためのものだろう。使わなくなってから長い年月が経っていることは明らかだ。そのそばの隅には木箱の山が捨て置かれ、数百年間は開けられていないと思われるこの内門の重い扉に寄りかかっている。木箱は長年放棄されてきたため、一番下のものは腐って柔らかくなっている。一方、上の方は程度の差はあれ無傷のままだ。それらは内壁とほとんど同じ高さまで積み上げられている。
南東の壁にある兵舎へ続く別の扉は、普段使いされている様子だ。半開きになっており、中を覗いても静寂と暗闇があるだけだ。
火桶のそばの衛兵が低い声で話し込んでいる。2,3人の衛兵が君の方にうなずいてきたので、君は信心ぶったしぐさで返礼した。
度胸を強く持ち、衛兵が座るたき火のそばに向かい、同じように地面に座る。
一人が鋭いまなざしで君を見つめる。「見慣れないな、あんたは誰だ?」
「ただの僧侶だよ。」
「俺達はいつだって坊さんには時間を割いてるぜ。」衛兵の一人が答える。他の者は脇に避けて、火のそばに君のための場所を空けた。今までの経験の後では何とも奇妙なものだが、歓迎しないわけではない。
衛兵を見回し、注意を引く。一人と目が合い、そいつが微かにほほ笑む。
「当直中かい?」
「非番さ。」彼が答える。「門は締まっているから、俺達は商人どもから解放されて数時間はゆっくりできるんだ。」
「商人とはうまくやっているかい?」
「いい関係ってほどじゃないな。」
「商人は臆病者の最低な連中さ。」別の者が同意し、他の者もうなずく。これが共通の話題のようだ。
「それにしても、ずいぶんくつろいでいるようだが。」君が観察する。
「外への壁、内への壁、バードマンも空にいる。」一番近くの衛兵が答える。「時々、なんで俺達はこんなにシャカリキに見張っているんだって思うぜ。」
別の衛兵が身体を震わせる。「あんたは外に何があるか知っているんだろ?あの荒野に。」
「拙僧はその荒野を踏破したのだよ。」
「やけに体力があるんだな。」衛兵が答えるが、今やかなり疑わしげな視線で君を見ている。
「要塞の中に入る道はあるのかな?」
男達が首を振る。「あんたが側庭に派遣された時、バードマンがあんたを下ろしただろ?実際、壁の両側を行き来できるのは奴らだけなんだ。戻れる者なんていやしないぞ。」
火桶の火が消えかかってきた。衛兵の一人が木箱の山の方へ行き、木を幾つか取ってきて、火に投げ入れた。
君は再び立ち上がり、衛兵の輪の外に出た。
さらに内部へ入る道を見つける必要がありそうだ。


【感想】
内門には罠があり、不用意にドアノブに手を掛けると死ぬこともあります。ロックデーモンを召喚して破壊するか、ZENで飛び越えれば中郭(=本丸)に入れますが、当然のように主人公の存在はばれてしまいます。
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S4-44 20日目:裏切り者のサイトマスターを処刑 [ソーサリー4:王たちの冠]

兵舎の陰に入る。入り口の広間に繋がるあちこちの部屋から、抑えた会話やいびきの響く音が聞こえてくる。南には、すぐそばに扉がある。
扉の前に立ち止まって聞き耳を立てる。歌声が微かに聞こえる。その言葉にハッとする。これはアナランドの方言じゃないか!

どっしりした僧服を手早く脱ぎ捨て、部屋に踏み込む。
角を生やした人間っぽい生物がベッドに横たわっている。明らかに眠ってはいない。
そいつは君の方を見やると、ことさらに巨大な両眼-その大きさは顔の半分を占め、瞳孔は猫にそっくりだ-を見開いた。
奴の顔に恐怖が広がっていくのを見て取る。こいつはサイトマスターだ!マンパンの壁の内側で、サイトマスターが一体何をしているのだろう?
そいつがゆっくりと瞬きする。
「ご機嫌だな。」
酔っぱらっているかのように、そいつが緩慢にうなずく。「あんたはアナランドから来たんだろ。見覚えがある。」眉を寄せて何かを思い出そうとしているようだ。
「あんたもな、」静かに君が答える。「お前はサイトマスターなんだから。」
そいつがゆっくりうなずく。「ようこそ。」肉食獣のような表情で、そいつがよそよそしく微笑む。
「どうやってマンパンまで来た?」君が尋ねるが、答えはたった一つしかあり得ない。
「バードマンに運ばれてきた。」奴が答える「普通の者がマンパンを行き来するにはそれしか方法がないからな。山、湖、バクランドの荒野、どれも横断は不可能だ。ここの住人は、そこが大昔に邪悪な魔法使いによって破壊されたと信じている。」
「それでも俺は乗り越えてきた。」君が告げる。
「やりおおせたのか。」彼が誇らしげに笑みを浮かべそうになる。「多分あんたは、これから勝利を収めることになるんだろうな。」
「それでお前は、今は大魔法使いに仕えているのか?」
「いいや、」奴が答える。「でも、俺はもう二度とアナランドには戻れない。」
「お前は何をしたんだ?」虚ろな声で君が問いただす。
「同胞の一人をおびき出して囚われの身にしてしまった。そして、彼は拷問を受けた。それから、殺されたんだと思う。」サイトマスターが答える。「全ては利己的な見返りのために。」
「ならば、今度は貴様が苦しむ番だ。」君が答える。
角を悲しげに動かしながら、彼がうなずく。「俺が恐れていた通りだ。」
君がここにいることを暴露される恐れを残すわけにはいかない。手で奴の叫び声を抑え込みながら、君はサイトマスターを斬り捨てた。
部屋の隅々を探ると、裏が金張りの鏡を見つけた。それをポケットに入れる。
ぐったりした奴の身体を残し、部屋を後にする。


【変化点】
・精霊:ゴリラ→キツネ
・+裏が金張りの鏡
・変装:僧侶→なし

【感想】
部屋に入る前に僧服を脱いでいます。マンパンの一般兵は僧侶には割と友好的なので、着ていた方が好都合なこともあるのですが、サイトマスターに主人公を認識させるためには変装を解除する必要があります。それにそもそも、ノミたかりの服なので。
実はこのサイトマスターはすでに十分後悔しているため、彼が主人公の存在を通報することはないのですが、今回はS3-81の軍曹の死をきっちり償わせました。しかし彼はまだましな方で、もっと酷い連中がいたのです…。
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S4-45 20日目:兵舎の便所を探索 [ソーサリー4:王たちの冠]

サイトマスターの部屋を出て、カチッという音とともに後ろ手に扉を閉める。
廊下を忍び足で歩く。
強烈な臭気が廊下の片側にある小さい扉から漂ってくる。その反対側には、共同寝室と思しき部屋がある。
どちらに行くこともできるが、グズグズしていては状況が悪化するだろう。

便所に入る。臭いは非常に不愉快で、部屋は不潔だ。何百というハエが床の穴の周りでブンブン飛び交っている。
この場所の外見(と臭気)から判断するに、これまで一度も掃除されていないのだろう。奥の壁にある鉄格子が唯一の換気口だ。
素早く鼻栓を装着する。酷い臭いを嗅がなくて済むようになり、ほっと溜息をつく。
つま先立ちになって、壁の格子から外の山道を覗き見る。今の君には、岩だらけの斜面が素晴らしく安全に思えてくる。
「GOB!」
荷物からゴブリンの歯を一本取り出して床に放り出す。それに向かって呪文を唱えると、歯から一筋の煙が噴き上がり、一瞬の後には、一匹のゴブリンの戦士が君の前に立っていた!
君が床の暗い穴を指差すと、ゴブリンは爪の生えた手を穴に突っ込む前に、大きく息を吸い込んだ。そいつはあちこち探った後、臭い指の中に何かを握り締めていた。
ゴブリンにそれをきれいにするよう命じる。奴は上着でそれをぬぐってみたものの、あまり上手くいかなかった。するとゴブリンは、それを口に放り込んで飲み込んだ。
その直後、呪文が切れ、ゴブリンの姿は煙になって消えた。
鍵が石の床に落ちる。鍵の歯の間にはまだ不潔な汚物が残っているが、鍵には違いない。それを持っていくことにする。
最後に穴の中を覗き込む。だが幸いにも、暗くてよく見えない。
それについて思いを巡らすのはもう十分だ。よろけながら便所を出て、扉を閉めてから、ありがたい鼻栓を外す。

玄関に続く廊下に戻る。新鮮な空気に安堵する。ここからはどちらの方向にも行ける。


【変化点】
・+内門の鍵:便所で見つけた汚い鍵
・-ゴブリンの歯

【感想】
原作でもおなじみの不潔な便所の挿絵。主人公は鼻栓をはめてひと安心していますが、空気を吸うだけでも気分が悪くなりそうです。しかも、自分の口の中で鍵を「キレイ」にしてから主人公に渡してくるゴブリン…。食事をしながら本ブログを読んでいた人はご愁傷様です。
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S4-46 20日目:兵舎の寝室と詰所を探索 [ソーサリー4:王たちの冠]

簡易ベッドの並ぶ部屋に滑り込む。2,3台の例外はあるが、どのベッドにも衛兵がいびきをかいて寝ている。
ゆっくり慎重に部屋の探索を開始するが、暗闇の中では大失敗しかねない。
衛兵の一人が眠ったまま身じろぎする。
君は静かに後ずさりすると、部屋を通り過ぎて、奥の戸口へと向かった。

奥の部屋は狭い化粧室だった。壁のフックの列の下に長椅子が並んでいる。
ひざまずいて長椅子の下を覗く。古いボタンが数個と大昔の綿ぼこりがあるだけだ。
収納棚を手荒に探り、制服の一部分を見つける。帽子はここ、外套はあっち、鎧の肩当ては一部だけ、といった具合で、完全に変装するには足りない。
乱雑な筆跡で走り書きされた当番表が壁にピン止めされている。
名前のリストが大部分で、要塞の衛兵の大部分が城門と通用門に割り当てられている。幾つかのグループは城外の道と火口を巡回することになっており、別のグループは城壁の警備に従事している。
奇妙なことに、ここに書かれた衛兵は誰も壁の内側には行かないようだ。中郭と外堡は、本当に互いに切り離されているのだろう。
部屋を後にして、さっきの寝室に戻る。

寝室まで戻ってきた。ベッドはほとんど占められたままだ。
そのまま部屋を静かに通り抜ける。

廊下に出る。便所からは強烈な臭気が放たれている。
忍び足で廊下を進む。外庭に続く扉の反対側には、閉じた扉がある。

扉を開けて部屋に入る。そこは衛兵達の打ち合わせ室の類だ。中には誰もおらず暗い。
部屋の奥には螺旋階段がある。まず間違いなく、側塔の衛兵詰所に通じているはずだ。
部屋を手早く探るが、興味を引くものは何も見つからない。明らかに、衛兵どもは私物をほとんど持っていないのだ。

階段を上り、側塔の天辺に出る。
外に出るとすぐに風が吹きつけてきた。塔の先端を囲む物騒な突起の上にある張り出しまで押しやられる。
風から目を覆いながら張り出しを歩く。山を越える南方の見晴らしは特に良好だ。サイトマスターがここで任に当たれば、イルクララ湖までの道が全て見えるだろう。ひょっとするとティンパンまでも見えるかもしれない。
だが、要塞の内側の見晴らしは良くない。高い内壁が中郭のほとんどを遮っているのだ。
再び側塔の中に戻る。階下にしか進む道はない。

先ほどの部屋はまだ静かだ。テーブルの下に丸くなって休むことにする。
目を閉じて、疲労が身体中を覆い尽くすのに任せる。

長い夜は夢の光景が休みなく続いた。
熱い風を身体に感じる。身を切るような風に持ち上げられ、要塞から引っ張り出される。
空の旅の終わりには、暗く陰鬱な影が君を待ち受けていた。その大きさは時間とともに、みるみる大きくなっていく。
「ああ、」年老いてしわがれた、感情のない虚ろな嘲りが聞こえてきた。「そこにいたのか。」


【手掛かり】
中郭は封鎖されている:マンパンの外堡から中郭に通じる道はなく、全て封鎖されている。

【感想】
隠密行動中の主人公の夢に現れた声の正体は…[人影]
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S4-47 20日目:大魔法使いからの挑戦状 [ソーサリー4:王たちの冠]

一体俺はどこにいるんだ?
君は開けたバルコニーに立っていた。見渡す限り、凍てつく荒れ地がどこまでも連なっている。
君の前には一人の人物が立っていた。そいつが君の方を振り向く。
「やっとだ。」マンパンの大魔法使いがささやく。「わしは長い間ずっとお主に会おうとしてきたのだ。」
彼の手には、真鍮の振り子と王冠がある。
「ここはどこだ?」君が尋ねる。
「ここか?」奴が山頂を片腕でなぞる。「ここは高地ザメン、世界の屋根であり、あらゆるパワーの源泉だ。星に最も近き場所ゆえ、魔法使いは他の場所より3倍の力を得る。」奴がニタリと笑う。
「だが残念ながら、お主はここにはおらぬぞ。お主が夢に描いた視覚をわしがここに呼び寄せたに過ぎぬ、従順な犬のように。それでも、お主にはわしの姿が見えるだろう。冠を持つわしがな。」
「それはアナランド王のものだ。」
「今や、お主も冠が何をなすのか知っておろう。」大魔法使いが穏やかに応じる。「何人もわしからこれを奪えぬ。少なくとも、半ば飢えかかった能力の足りぬ駆け出しの魔法使い風情にはな。」
「そいつが大蛇を残らず退治したんだが。」
大魔法使いが目を細める。「愚かな返事だ。」
奴はため息をつくと、手にした冠をためつすがめつ眺めた。「実に美しいだろう?このために死ぬ価値があると思うか?」
「自分の胸に尋ねるといい。」
「わしは1000年と15年もの間生きてきた。」奴が答える。「すぐに死ぬつもりはないよ。」
ほんの一瞬、君の下に広がる山々が揺れてねじれた様な気がする。ここにかけられた呪文が何であれ、それは明らかに弱まってきている。
「俺に何か言いたいことがあったんじゃないのか?」
「そうだ。」すりガラスのような濁った両目で、奴が君を見据える。「わしは史上最高の予言者だ。あらゆる可能性を調査した結果、何が現実となるかわしには分かっておる。マンパンに来れば、お主は死ぬだろう。」
「それなら、そこに行かせてもらおうか。」
「よかろう、」奴がうなずいてお辞儀する。「お主を歓迎しよう。そして偉大なる我が館で死ぬがいい。」そこで奴の笑顔がしかめ面に変わる。「せめて靴は磨いておけよ。」
手首の素早い返しとともに、君は解放された。石のように後ろに放り出され、山々を越えていく。嘲笑が君の耳に鳴り響く…。


【感想】
この場面は、アプリ版第4部の賞賛すべき点の一つだと思います。出現条件はネットにも書かれていなかったため(ランダムと書いていたサイトはあった)、偶然遭遇した後、再び出すのに数か月かかりました。時間巻き戻しをしないことと、大魔法使いが主人公の存在に気付いた状態でマンパン砦で眠りにつくことが条件のようです。
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いきなり現れたカラーの挿絵に思わず大興奮!
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S4-48 21日目:衛兵をやり過ごして外庭へ [ソーサリー4:王たちの冠]

朝になって君が立ち上がると同時に、2人の衛兵が口論しながら部屋に入ってきた。
上官の女が君にナイフを向ける。「お前は誰だ?ここには誰もいないはずだよ!」
女が剣を抜きながら君に迫ってくる!
「gOD!」
星に手を伸ばしながら魔法を創り出すと、金の装身具が輝き始めた。
衛兵どもは宝石の光で目を2回瞬かせると、一人がパッと気をつけの姿勢を取った。「隊長殿!」
「これは査察だ。」
女が背筋を伸ばす。「ならば、どうぞお調べ下さい!見るべきものはさほどないと請け合います。」
「ご苦労。」
2番目の衛兵から会釈を受けつつ、君は部屋を一瞥した。テーブルを除けば、部屋に家具はない。
「何か他にやることはありますか?」2人目の衛兵が尋ねる。
「いや、これで終わりだ。」
彼女がうなずく。「分かりました。手短な査察はいつでも歓迎であります。」
そのまま扉に向かう。

廊下に戻り、そのまま兵舎から外庭へ踏み出す。風が微かにそよぐ。まだ冷たいが爽やかだ。
広場は商人と荷物運搬人でごった返している。彼らは城門の真向かいの高い内壁まで荷物を運んでいる。そこでは滑車とロープがひっきりなしに動いている。
やはり、壁には中郭に入る扉は見当たらないが、外庭の両側の壁には扉がある。東の方では、騒々しい調理場から旨そうな匂いが漂ってくる。西は今来た兵舎だ。
高い壁の天辺で働く人夫を眺める。滑車を動かして、荷物を中郭へ移送している。
あの滑車を使う手がありそうだ。だが、どのロープでも多くの人夫が働き、どこにも身を隠せそうにない。
商人のほとんどは城門に留まっているが、2,3人は向かいの壁まで荷車を運ぶのを許されている。そこで下ろされた荷物は、ロープを架けて滑車で巻き上げられ、壁を越えていく-おそらく中郭へと。
金貨袋が戻ってくる。精巧に作り込まれているようだ。


【変化点】
・現在/最大体力:14/17→16/17(睡眠)

【感想】
衛兵に対しては、gAKやmUDも使えます。
また、要塞の構造に関する用語をS4-42の一番下の図でまとめてみました。
世界中が大変なことになっていますが、平常心と自制心は持ちたいもの。
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S4-49 21日目:秘密のトンネルの噂を耳にして、スログの調理場に入る [ソーサリー4:王たちの冠]

空いているロープを待っている商人を見つける。君がそばに寄って隣に立つと、彼は用心深そうに会釈した。
「あんたは何を扱っているんだ?」君が尋ねる。
「革、毛皮、繊維さ。」商人が答える。「大した取引じゃないが、それでも俺が食っていくには十分だ。」
「商品はどこから仕入れたんだ?」
「東の国だよ。」商人が答える。「他にどこがある?バクランドを越えるような真似はできっこないぜ!」そう言うと、彼は豪快に笑った。
「あんたはマンパンの中郭に入ったことはあるかい?」滑車とロープの配置に好奇心をそそられながら、君が尋ねる。
「もちろんないさ。」君を興味深そうに見つめながら商人が応じる。「俺はまだここにいるだろ?あんたは新入りの類か?」
「ここに旅してきたんだ。」
「旅だって?ふうん、全く聞かない話でもないが。俺に言わせれば、まずいことになっても、それはあんたの責任だからな。それで、どこから来たんだ?」
「南からだ。」漫然と答えると、商人はうなずいた。
「あそこはまだましだっていうからな。」物欲しそうな声音で彼が答える。
「壁の内側に入れる地下道があると聞いたんだが。」
「俺も聞いたことがある。」商人が同意する。「だが、スログの食糧庫の中だって噂だから、俺は確かめに行くつもりはないがね。」
商人のそばにフックが下りてきた。彼は別れの挨拶をすると、かごをフックに結わえ付けた。
壁を越えるか潜るかする道を見つけなければ。

扉をきしませながら開けると、中では活気と熱気が巻き起こっていた。食べ物と水差しを運びながら、ゴブリンが火と背の低いテーブルの間を駆け回っている。1匹の巨大なホブゴブリンが部屋の前に立ち、肉切り包丁を頭上で振り回しながら指示を飛ばしている。
秘密の通路を見つけるためには、食糧庫に入らねばならないだろう。
君は扉を慎重に開けて滑り込むと、部屋の端に身体を寄せた。料理長と思われるホブゴブリンは忙し過ぎて、君に気付いていない。

何気ない素振りで、誰の邪魔もせずに歩いて行く。
「こら!注意しろ!」
君が見下ろすと、1匹のゴブリンが足をさすりながらうずくまっていた。
「これは済まなかった。」
「もしお前が俺の足を折っちまったら、その謝罪に何の意味があるっていうんだ?」甲高い声でゴブリンがわめく。
それを聞いて、料理長が目を上げた。「そこで何を騒いでやがる?」


【手掛かり】
・食糧庫の内部トンネル…:食糧庫の中に、外庭からマンパンの中郭に通じるトンネルがあるという噂だ。

【感想】
S4-40の商人よりはフレンドリーな感じ。
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S4-50 21日目:調理助手に勘違いされる [ソーサリー4:王たちの冠]

「調理場を混乱させたことを詫びていたんだ。」君が答える。
料理長が君を見上げてにらむ。調理場のゴブリンどもが息を殺して立ち止まったのに気付く。ほとんどの者は肉切り包丁かナイフを手にし、人数も君よりずいぶん多い。
「俺の許可なしでここに侵入するとはな!」料理長が窯のそばで声を張り上げる。「スープに入れられたくなかったら、さっさと理由を言ってみろ。」
「食料が少し欲しいんだ。」
料理長が肉切包丁を君の顔に向かって振るう。「それでここに入り込んで、食い物をもらおうとしたって言うのか?スログの調理場へ?腹を空かした千人の衛兵に毎日飯を食わしている俺様の?」
「そうだ。」
落ち着いた君の返事で、スログの怒りが爆発する。君を無教養な奴だと罵り、自分の足を引っ張る者達への不満をわめき散らしている。その間君は、この場を逃れようと、奴の怒鳴り声に合わせてうなずいてみせた。やがて、彼は血が上って赤くなり息を切らした。
「そうか!」急にわめくのを止め、奴が叫ぶ。「お前が新しい助手なんだな?何故そう言わない?」
当惑して眉をひそめる。まずいタイミングでうなずいてしまったに違いない。
それでも、もう一度うなずく。スープにされて死ぬより、スープを作る方がまだましというものだ。
スログはもう背を向けている。「フィルクを探せ。」サラダ菜を手にしながら奴が告げる。「あいつがお前の仕事の段取りをしてくれるだろう。」
そう言うと、奴は向きを変えて立ち去った。

調理台にたどり着くと、そこではスログが言っていたゴブリンが、自分とほとんど同じサイズのジャガイモの入った袋を持ち上げようとしていた。
結局彼女は重みで押しつぶされてしまったものの、君を目にすると袋の下から這い出そうとした。
彼女はゴブリンにしては巨体だが、それでも君よりも頭一つ分低い。エプロンは酷く汚れて泥だらけで、2,3箇所ほど擦り切れてしわくちゃになっている。
君はジャガイモ袋を拾い上げると、作業台の上に戻してやった。ゴブリンが這い出て立ち上がる。
「フィルクよ。」彼女が自己紹介する。彼女がしゃべりながら、ごわごわして脂ぎった髪の毛を身ぎれいにしようと無駄に手でなでつけるのを見て、むかつきを覚える。
「俺は料理人だ。」君が告げる。
彼女が素早くうなずく。「分かったわ、」神経質な様子で返事をする。「台所を案内してから、ここの規則を教えてあげる。」
「何の規則だ?」
彼女がうなずく。「1つ目、スログを決してイライラさせない。2つ目、何も落とさない。3つ目、食糧庫には立ち入らない。スログは被害妄想に駆られてて、あいつのレシピを盗もうとするスパイが至る所にいると信じ切ってるんだ。率直に言って、あんたが入ってきた瞬間に、あいつがあんたの皮を引き剥がさなかったのには驚いたよ。」
彼女は君には分からない何かを思って赤くなっている。


【感想】
原作ではスログ=料理長=女ホブゴブリンでしたが、アプリ版ではスログ=料理長=男ホブゴブリン、フィルク(新キャラ)=料理人の一員=女ゴブリンとなっています。主人公に対して何かしらの感情を抱いているようですが…。
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S4-51 21日目:包丁を入手して調理開始 [ソーサリー4:王たちの冠]

「スパイだって?」やや気になって尋ねる。
「ああ、でもあたしはそんなの本当にいるなんて思っちゃいないけどね。誰が古びたサンダーボウルのレシピなんか盗もうとするのさ?スパイどころか、自分じゃスパイスすら使わないくせに!誰かが要塞の中に忍び込もうとしてるって話だけど、そいつが食料を求めてここに来るわけないじゃないか!」
フィルクが君を横目で見て、ためらいがちに君に触れようとする。
彼女の手が届く前に君がさっと距離を取ると、彼女ががっくりとうつむいた。
「それじゃ、」急に早口になって彼女がしゃべる。「このスープを作らなくちゃ。そう、あたし達は外の衛兵全員分の食事を作るの。だからいつも大忙しってわけ。あんたはこの野菜を刻んで、とろ火でとろとろ煮てちょうだい。あたしはゴキブリ豚の肉を調達してくる。」彼女が背を向ける。「すぐ戻るよ。調理を始めてていいからね。」
「もちろんだ。」
「結構、」フィルクがうなずく。「ここらで評判になるような熟練の技が身に付くといいけど。」そう言うと、彼女は君に仕事を任せて立ち去った。
君の前には、まな板に山盛りの野菜がある。タマネギ、カブ、ジャガイモ、そして君が知らない紫色の球体が2,3個だ。
包丁がいる。

包丁置き場に行き、一本引っ張り出す。
2匹のゴブリンが低い声で話しながら台所を横切る。「大魔法使いだと?」一方が言う。
「そいつは、衛兵どもが塔の窓にもたせ掛けて置いた木切れだろう?」もう一方のゴブリンが笑う。
刃を確かめる。ずいぶん鈍らになっており、うまく切れるか疑問だ。
「もしそれが木切れなら、」2番目のゴブリンがささやく。「バードマンの存在をどう説明するんだ?あいつらは自然にできたんじゃない。」
調理台の上に砥石がある。君は包丁の刃を2,3回往復させて、刃を研いだ。
それから元の調理台に戻る。

野菜を丹念に調べる。何個かは腐っている。
「バードマンは繁殖すると聞いたぜ。」3番目のゴブリンが他の2匹にささやく。「あいつらは巣を作るんだとさ。」
野菜の山をぞんざいに刻む。研いだ刃が腐った野菜に埋め込まれていく。

不揃いででたらめな山をこしらえる。
フィルクが焼き過ぎたパンを積んだ盆を運びながら通り過ぎる。「野菜を鍋に入れて。いったん煮てしまえば、今それがどんな見栄えでも、誰も気にしなくなるからね。」

次に、不揃いの鍋やフライパンが不潔な鉤に吊るされている棚に向かう。そのほとんどは底が凹むか割れている。
「馬鹿を言うな、」最初のゴブリンが近くでささやく。「バードマンは卵を産めないんだぞ。連中がどんなに大きくなるか考えてみろ。そんなものがあったら、オムレツが作れちまうだろうが。」
3匹とも忍び笑いしている。
使えそうな鍋を手に取る。凹んで古びているが、水は貯められそうだ。
鍋を両手で持ち上げて窯の上に置く。


【変化点】
・+包丁

【感想】
「thunder-bowl」にはトイレという意味があるようです。どんな料理なのやら。
ここで、スパイとスパイスが掛けられていますが、後者はこれから起こる大騒動の伏線にもなっています。
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S4-52 21日目:鍋で野菜を煮つつ、スパイスを物色 [ソーサリー4:王たちの冠]

窯のところに戻り、刻んだ野菜で鍋を満たす。見つけられた限りで一番ましな水-さほどきれいではないが-を注ぎ、火にかける。
ゴブリンの集団はまだひそひそ話をしている。「お前、トンネルから飛び出して確かめてこいよ。」3匹目のゴブリンが言う。「ただし、食糧庫には”もちろん”トンネルなんかないぜ。あの噂は”全くの嘘っぱち”だからな。」

いい匂いに包まれて束の間のくつろぎを楽しみながら、慎重にかき混ぜる。妙に心が安らぐひと時だ。
だが、フィルクが戻ってきてゴキブリ豚を鍋に放り込むと、君の夢想はあっけなく破られた。熱い湯が跳ねる。
彼女はあまり感心していない様子だ。「まあ、スープではあるけど、ちょっと香り付けしないと。スパイスはあっちにあるよ。」そう言うと、またどこかに行ってしまう。

スパイスは部屋の裏手の箱の中に収められている。どのハーブもザメン産で、君が判別できるものはどれ一つとしてない。
ラベルにはこのように書かれている。
 レッドアイの涙
 融けた骨董品
 アリの粉

レッドアイだって?本当に?瓶の中には、泡立つ鮮やかな赤い液体が入っている。一滴舌に垂らしてみると、少しヒリヒリするが味わい深い。
レッドアイの涙をいったん棚に戻して、融けた骨董品を手に取る。瓶の中には、黒い蜜蝋のように見える固体の塊が入っている。下水道のような臭いだ。
次の瓶のラベルは半ば破れているが、そこには”はっきりと”アリの粉と書いてある。それは細かい粉で、何かに例えられる匂いではないが、アーモンドのような味がする。
これが食用であることを祈りながら、瓶の蓋を閉めて持ち出す。

瓶の蓋を開ける。いい匂いがする。フィルクが見守る中、鍋に幾らか入れる。スープが泡立つ。
「もしバードマンが繁殖するんなら、奴らは反逆するかもしれないってことか?」近くにいた別の集団から、4匹目のゴブリンが気になる様子で尋ねる。「大魔法使いは自分の創った奴じゃないと支配できないぜ。」
スープをかき混ぜる。かなり変わった匂いになった。
スログが鍋の匂いを嗅ごうとやって来る。
「悪くないな。」奴がぶつぶつ言う。「何を入れた?」
「ゴキブリ豚だ。」
スログがうなずく。「いいだろう。料理に関心のある奴が手近にいるのはいいことだ。ここの連中は誰も俺のような重要人物に感謝しないからな。」
スログがスプーンで一すくいして、慎重に味わう。
途端に、奴は自分の胸を掴んでむせると、ふらふら後ろによろめいた。
フィルクが君の方を向く。「ちょっと、何を入れたんだい?」
「アリの粉だが。」君が答える。
「アリの粉?」彼女が当惑して眉をひそめる。
「そうさ。見るといい。」君が瓶を彼女に見せる。
ゾッとして、彼女はそれをひったくった。
「ばか、ラベルが破れてるじゃないか!」彼女が叫ぶ。「それはアリの粉なんかじゃない、ミュータントの粉だよ!」


【感想】
この辺りは原作と同じにしました。巻き戻し機能が無効化されているため、他の選択肢を試すのが億劫で…。
→『レッドアイの涙』を試してみました。スログを唸らせる美味な料理が完成し、もっと色んな食材を使うようにと、快く食糧庫に通してくれました。
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S4-53 21日目:ゴブリン共をちぎっては投げ [ソーサリー4:王たちの冠]

スログが恐怖で悲鳴を上げる。奴はゴブリン共をなぎ倒し、大皿をひっくり返しながら、調理場を転げ回った。奴が泣きわめく間にも、目は飛び出ていき、顎はどんどん下がっていく…!
スログの顎は腹の辺りまで垂れて、頬はゴムのように伸びている。舌も長くなり、今や蛇のように巨大化した口の外にだらりとぶら下がっている。
「ミュータンシュの粉だとう!」奴が叫ぶ。辛うじて奴だと分かるほどにまで変わり果てた姿だ。「スパイめ!奴を捕まえて料理のニキュにしてしまえ!」
剣を取りに行こうとした時、フィルクが君の腕を掴んだ。「行っちゃ駄目。」彼女が言い張る。「殺されるよ!」
ゴブリン共がネズミのように君に群がってきて、君は部屋の向こうに投げ出された。スログはできる限りそれを指揮しながら、身体を休ませようと重い鍋にもたれ掛かろうとしている。それから奴は、顎を巻き物のように巻き取ると、歯の下にしまい込んだ。
君は小柄なゴブリン共をわしづかみにして、自分の足から引き剥がそうとした。そのうちの1匹を頭上に持ち上げ、びくびくしている料理人の集団に投げ込む。連中は互いに蹴ったり噛み付いたりしながら、折り重なって倒れた。
だが、まだ2匹以上が君のかかとを掴んでいる!奴らは君を床に押し倒した。
君の視界がスログで占められる。包丁を振り回しながら、君に覆いかぶさってきたのだ。
残りの2匹のゴブリンを引きずったまま床を転がる。スログの攻撃は逸れた。巨大な舌を後ろになびかせながら前のめりに倒れ込む。そして混乱のさ中、奴の包丁がゴブリンの1匹に突き刺さった!彼女が驚いた表情のまま凍り付くと、その仲間は命欲しさに逃げ去った。
ゴブリン共から自由になり、跳ね起きる。連中のほとんどは、ほぼ偶然の成り行きから同士討ちを犯したスログから逃げ去り、残りの者は近くで折り重なってうめき声を上げている。
君はものの数秒で剣を手にした。暗殺者の剣を鞘から抜き、スログの周りを回る。何匹かのゴブリンが声援を送ってくるが、誰を応援してのものかははっきりとしない。


【感想】
この箇所は原文に少し混乱が見られ、フィルクがどうなったのかも、刺された女ゴブリンがフィルクだったのかも不明です。フィルクとの恋愛フラグを立てた場合は(笑)、彼女はきちんと生存して、主人公を食糧庫に案内してくれます。
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S4-54 21日目:スログを撃退、食糧庫に入る [ソーサリー4:王たちの冠]

<第1ラウンド>
料理長は調理台から2本の肉切り包丁を引っ張り出した。ゴブリンが右に左に散り散りになる。奴はゴブリンを脇に蹴飛ばして君ににじり寄ってきた。
君は剣を力強く振るい、深々と斬り付ける。
「肉のスジの分際で!」料理長がたじろぐ。

<第2ラウンド>
圧を掛け続ける。鍋の上を飛び越えて、着地と同時に剣を繰り出す。気合の入らない相手の横薙ぎの攻撃を弾き返すと、奴は派手に罵ってきた。
奴はよろよろと後退し、ほとんど武器を落としそうになっている。

<第3ラウンド>
剣で繰り返し攻撃を加え、奴を切り刻もうとする。斬り込んでくる包丁をかいくぐって、奴を捉える。
料理長がカンカンに怒りながらうなる。「最近はまともな助手が来ねえし、礼儀正しい客なんぞ皆無だ!」
料理長が後ずさる。

<第4ラウンド>
攻撃の勢いを維持する。剣を振るい、かたわらの副料理長も一緒になぎ倒す。そして、料理長の2本の包丁の間を剣で突き通し、奴の喉を貫く。
奴自身の血とエプロンのしみが混ざり合う。そのまま後ろによろめき、鍋の中に倒れ込む。

スログは腕の悪い料理長だったが、戦士としてはもっとお粗末だった。奴の身体が地面にドスンと倒れると、残ったゴブリン共は歓声を上げていいものか君を殺すべきか、明らかに迷っていた。
結論を出す代わりに、奴らは元の仕事に戻っていった。
パンの塊を数個引っ掴んで荷物に突っ込む。誰も騒ぎ立ててこない。
今や調理場の作業員は、皆うつむいて元の仕事をしている。明らかに、君に早く出ていってもらいたいのだ。
部屋を横切って、奥の扉に向かう。君を遮る者はいない。

扉を開けて食糧庫に滑り込む。ここに貯蔵されている食料は、調理場に積まれていた物と随分違っているが、実際に食べられそうではある。だが、食料以上のものがあるようには思えない。
とはいうものの、ここのどこかに要塞の中郭へ至る秘密の通路があると君は聞いたのだ!


【変化点】
・食料:9→11

【感想】
スログとの戦闘では、ミュータントの特殊能力のようなものは使ってきませんでした。ちょっと残念。
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ミュータント化したスログの姿は、オーガに近かった?

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S4-55 21日目:秘密トンネルを発見、突入 [ソーサリー4:王たちの冠]

何か変わった音がすることを期待して、近くの壁を叩く。何もない。
床を横から眺めようと膝を曲げる。床には小麦粉が少々落ちている。
床にこぼれた小麦粉は、実のところ奇妙な模様でかき集められている。まるで誰かが、ある特定の床板近くの足跡を消そうとしたかのようだ。
棚の辺りを調べる。古ぼけた布の袋が君の興味を引く。手に取ると、中でカラカラ音がする。
結び紐を解いて中身をひっくり返す。普通より大きい歯が3本、君の手のひらに転がり出てきた。
歯を財布の中に入れる。
さらに、棚を横からグイっと引っ張り、床に倒す。瓶が割れ、ハーブがこぼれ出て、肉がバラバラ散乱する。今や食糧庫はめちゃくちゃだ。
まだ何も見つかっていない。ここを余すところなく調べるのは不可能というものだ。
それでも注意深く眺めていると、何枚かの床板に薄い筋が走っているのに気づく。いい加減に眺めていたのでは、決して見つけられなかっただろう。
近くにあったフォークを拾い上げ、筋の辺りをてこで押し開ける。
やがて、床の一部が偽装されたちょうつがい部分から跳ね上がった。落とし戸だ!
床下の暗闇を覗く。ひんやりした風がトンネル沿いに吹いてくる。ある程度の距離は続いているに違いない。
ところで、君は旅の間に、スログの食糧庫から食べてはいけないと警告を受けたはずだ。だがそれは、スログを怒らせてしまうからなのだろうか?それとも食べ物が何かで汚染されているからなのだろうか?
結局、君は棚の食料には手を触れないでおくことにした。危険が何であれ、冒険しない方がいいだろう。
ここから引き返すこともできるし、あるいは下に降りることもできる…。

薄暗がりの中、目を細めながらトンネルの中に降りる。狭いが、中には誰もいないようだ。

蛇のように身体をくねらせながら、トンネルの暗闇の中をずるずる滑り降りる。
誰がこれを造ったのかは分からない。支柱も工事標識もない。壁に歯型があるように見える。

浅い水たまりを飛び散らかしながら進む。岩壁はじめじめした苔で濡れ、腐敗臭が漂っている。
これがあとどのくらい続くのか知る術はない。

バチャバチャと水を跳ね飛ばしながら前進する。トンネルはここで曲がり、隙間から漏れる光に向かって上りに転じている。


【変化点】
・+巨人の歯(3本)

【感想】
アプリ版では、スログの食糧庫のものは全て安全なので、食べても何ら問題ありません。第3部で大蛇から聞き出したマンパンに関する情報は、アプリ版での魔改造に伴い、正確でなくなったものがちらほらあります。原作経験者を惑わすため、敢えてそのままにしたのかもしれません。
このトンネルでぐずぐずしていると、ラットベアが出てきて無益な戦闘が発生します。どこから入ってきたのやら。
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S4-56 21日目:巡回兵を追い払い、中郭に潜入 [ソーサリー4:王たちの冠]

トンネル内部のゴツゴツした出っ張りを足場にしながら登る。どこか上の方から新鮮な空気が感じられる。

もう少し登っていくと、天井に鉄格子がはめ込まれた光景に出くわした。光は格子越しに漏れてきている。その真上には、一対の足が立っている。
格子は石にはめ込まれているようだ。ちょうつがいなどで開く仕組みではない。蒸気を逃がすためのトンネルだったのかもしれない。
2,3秒ほど様子を見ていると、衛兵どもがひそひそ話を始めてくれた。
「目を開いてろよ、」どら声がつぶやく。「奴が近づいてきたらしいからな。」
「誰だって?」
「例のあいつだよ。」
「どうってことないさ、」2番目の衛兵が応じる。「大魔法使いを暗殺できる奴なんていやしないって。連中がどんなに目端が利くとしてもな。」
「KID!」
星座を身体の周りに組み上げると、手首の腕輪が鼓動を始め、チクチクうずき出した。
どんな幻影を創り出すか決める時間はほんの一瞬だ。君が見たところ、この衛兵は幻によって欺かれることに対して心構えができている。
君はネズミの一団を創り出し、格子から這い出させると、衛兵どもの足首の周りをちょろちょろと走り回らせた。
「急げ、」一人が相棒にあえぎながら言う。「ここを離れるんだ。来い、早く!」
奴らの足音が遠ざかっていくのが聞こえる。
上からもっと光が差し込んでくる。今や衛兵どもはいなくなった。
もう2,3秒だけ聞き耳を立てるが、何も聞こえない。
「DOP!」
呪文を唱えると、頭上の格子がバタンと開いた。
飛び上がって格子を掴もうとするものの、手が届かない。
「ZEN!」
頭上の天体を仰ぎ見ながら呪文を唱える。すると、宝石をはめたメダルが輝き始め、君はゆっくりと宙に浮き始めた…。

ふわふわと浮揚して、開いた穴を抜ける。
地面に降り立ち、背後の格子に蹴りを食らわせて閉じる。
君がいるのは、2棟の大きな建物の間だ。奥の突き当りには広場らしきものが見える。
今や太陽は南中の位置にある。
道をそっと進む。

突き当りの広場に近づくにつれ、道が少し広くなる。いよいよマンパンの中郭だ!
周囲を見回して驚く。マンパンのこの場所は、思っていたより街に近い。商人や労働者、そしてふんぞり返って歩く衛兵がいる。密集した住宅の外には洗濯物が掛けられている。
もちろん、邪悪な目つきとベルトに差したナイフの数はカーレすらも凌駕している。
不意に、君の腕に指が掛けられた感触がする。
くるりと向きを変えた君は、年老いた白髪の乞食が君の服を引っ張っているのを目にした。
だがその時、何かが起きて、乞食は君の視界から消えた。
さらに次の瞬間、君が今まで旅してきたマンパンの高い建物もかき消えてしまった。


【変化点】
・現在/最大:16/17→15/17(魔法)

【感想】
岩に埋め込まれた格子を開けるとは、DOPもなかなかの威力。S1-6ではカントパーニの門すら開けましたし。
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S4-57 21日目:カーレの庭園に転送され、スローベンその人に出会う [ソーサリー4:王たちの冠]

君が立っているのはムシムシした土地だ。
丈の高い草が両側からのしかかり、淡く弱々しい日光が草の天蓋越しに差し込んでいる。
飛び上がらんばかりに驚いて周囲を見回す。
乞食はまだそこにいるが、もう君の腕を引っ張ってはいない。立った彼の背は高く、食事もそこそこ摂れている様子だ。
「よしよし、」彼が言う。「これでもっと自由に話せる。」
「俺達はどこにいるんだ?」
「ここはわしのささやかなお気に入りでな、カーレでは忘れ去られた場所、ブライアの失われた庭園じゃ。カーレで働く園丁でさえ、ここに入る道を覚えておらん。どの地図にも描かれてはいるが、誰も入口を見つけられぬ。わしだけの城よ。」
彼はかなり愛情のこもった手つきで傍らの木に手を伸ばすと、灰色がかってきた葉を1枚千切った。
「何をした?」
「転送したのじゃ、」乞食が答える。「それでわしらはこうして話せる。」
老人が微笑む。「ついて来なされ、少し歩かんか?」彼は木々の間を自信ありげにぶらつき出した。
君もそれについていく。「あんたは誰だ?」
「わしの名はスローベン。」乞食が極めて礼儀正しくお辞儀する。彼の頭に指の骨の頭飾りが載っているのに気づく。
「かつてはネクロマンサーと呼ばれたが、それは死がわしの研究を終わらせはしなかったことを指したに過ぎぬ。」
「あんたがスローベンドアを生み出した、あのスローベンなのか?」
「いかにも。お主に言わせてもらうが、もしあれらを開けようとするなら死ぬことになるぞ。」
「俺は失敗するわけにはいかないんだ。」
「だがそうなるだろうて。マンパンでは死は決まったようなものじゃ。あそこには神の御手は届きにくい。出口があるとは限らぬ。そなたは死ぬじゃろう。」
「どうすればスローベンドアを開けられる?」
「あれか?簡単な構造よ、別に施錠されておらぬ。じゃが容易くは従ってくれぬぞ。」
スローベンが傍にある花を指差す。「これが分かるか?紫のとげ草じゃ。とある場所-わしの故郷の村の斜面-でしか育たぬ。」
「それはどこだ?」
「知っての通り、わしは大魔法使いと同じ村で育った。カリアンマと呼ばれる狭い土地じゃよ。多分お主も聞いたことはあろう。」彼がさっそうと歩いていくと、その顔は君から見えなくなった。
「こちらを行こう。」2本の木の間に踏み入った彼の姿が消える。


【感想】
いきなり、あのスローベンと初対面!敵か味方か、果たして!?
B5-29でもそうでしたが、敵の本拠地でいきなり転送される、ゲームブックあるある。以前はあまり快く思っていませんでしたが、敵がそれだけ強大な魔力を身近に備えているとも解釈できるので、最近は割と納得しています。

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S4-58 21日目:若かりしスローベンが入れ替わりで登場 [ソーサリー4:王たちの冠]

木々の間を押し通ると、乞食が君を待っていた。ただ、彼はもう乞食ではなく、背の高い立派な青年の姿だった。パワーのルーン文字を刺しゅうした長いマントをまとっている。
「そこにいたのか、」スローベンが大声で呼び掛けてくる。「君がやって来ると伝言されていたんだ。」
「誰にだ?」
「おそらく、別の時間の自分自身に。」彼が答える。「説明するのは必ずしも簡単じゃないけどね。」彼が顔をしかめる。
「混乱させて済まない。僕は会話するためにこの庭園を広々と使うけど、それは一定の間隔を開けなくてはならないからなんだ。物事を重ねるわけにはいかなくてね。さあ、それじゃあ、」彼が微笑む。「僕達はマンパンと君の差し迫った死について話している-話すことになる-はずだよね。」
「俺はスローベンドアについて知る必要があるんだ。」
「悪いけど、僕は扉のことは何も知らない。」男が答える。「おそらくまだそれを作っていないから。」
彼が指を掲げる。天蓋はなくなり、今や夜になっている。頭上で星が輝く。
「僕はある理由でここの庭園をとりわけ気に入っている。それが何だか分かるかい?」
「星座だろう。」
「その通り。」彼が心底嬉しそうにため息をつく。「あそこを見上げてごらん。」彼が指し示しながら言う。「ここはZEdの呪文の星座が見られる、カーレでたった2つの場所なんだ。もう一つは北門のそばだけど、あそこは騒々し過ぎるからね。」
「どんなふうに死ぬというんだ?」
「本当の死、全く存在しないということさ。でもその秘密は影響がありすぎるから、開けっぴろげに話せるようなものじゃない。」彼が別の道を身振りで示す。それはクマと同じくらい大きな木々が互いに倒れてできたアーチの間を通っている。
「さあ、どうぞお先に。」

アーチの下を抜けて、明るい黄色と紫の花が咲き乱れる野原にたどり着く。キイチゴが道の縁を塞いでいる。
男はついて来ていない。
君が呼び掛けるが返事がない。君は一人ぼっちだ。
頭上高くでは、2匹のハーピーが互いに金切り声を上げて獲物の方向を合図しながら飛び交っている。だが、君には向かってこない。
あの乞食は君を置いてけぼりにしたのだ。マンパンへ戻る道を自力で見つけなければならないようだ。
繁茂する花々を抜けて前に進み続けると、ひび割れてはいるものの青く舗装された区域に出た。ガラスの鉢の中に灌木が植えられている。
そこに再び乞食を見つけ、君は安堵した。だが彼はこれまで以上に年老いて見える。


【感想】
ZEdの呪文にもソーシャルディスタンスが必要なようです(笑)。
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S4-59 21日目:老齢のスローベンが入れ替わりで登場 [ソーサリー4:王たちの冠]

「あんたのことがさっぱり理解できない。」
「お主が知らねばならんことは全て伝えよう。」スローベンが言う。「お主も知っての通り、ZEdの呪文は詠唱に困難を伴う。なぜなら、それは1回では唱えられぬからじゃ。あれは2つの異なった時間に唱えねばならぬ。2回で1つの詠唱となる。分かったかの?右手と左手が一緒になって拍手するようなものじゃ。」
彼は親指同士を繋げて蝶のようにひらひらさせてみせた。
「続けてくれ。」
「つまり、ある時間とそれ以前とで唱えるのじゃ。そして両方が唱えられた時、その2つは同じ詠唱となる。じゃが、異なる時間の2つの詠唱は別々の時間にはなれぬ。それで、その間の時間が消え去ることになる。」
彼は指で作った蝶をぴしゃっと重ねて、両手で1つの形にした。
「その時間はどこに行くんだ?」君が尋ねる。
「同じ場所の別の時間に行くんじゃろう。」
乞食が歯を吐き出し、それを拾い上げて見とれる。「近頃じゃ貴重になったんじゃよ。」彼が言う。
君がそれに向かって手を伸ばす。
「礼儀も知らん悪党めが。」彼は毒づくと、君の手を払いのけた。「さあ、そろそろ仕事を再開しよう。お主が最終的に死んだ時、わしらはお主にここへ戻ってきて欲しくないのでな。」
「戻ってくる…?」
「そうじゃ。」
スローベンが泥で汚れた両目を閉じて精神を集中させると、マンパンの城壁がゆっくりと戻ってきた。

「再びここに舞い戻ったのう。」乞食が微笑む。今や、最初に君に触れた時の姿に戻っている。
彼が不具の指を持ち上げる。「しゃべるでない。あらゆる所にスパイがおるでな。最後に1つだけなすべきことがある。剣を抜くのじゃ。」
「何故だ?」疑わしげに君が尋ねる。
「マンパンの連中がよくやることじゃ。さあ、剣を抜け。」
素直に剣を抜く。スローベンはそれをほくそえんで見つめていたが、急にそれを深々と自分に埋め込んだ。君には止める間もなかった。
「バクランドの亡霊に懸けて、」彼がささやく。目には激しい怒りが宿っている。「これでわしはお主に呪いを掛けようぞ。」
最後の瞬間、彼が両腕を投げ出したのが目に入る。ある種の呪文を唱えているのだ。
恐ろしい力が彼の身体の周囲に広がる。だが、それは半ば爆発のようなものだ。君はその爆発の瞬間に巻き込まれた…。

爆発が収まった。奇妙なことにその力は尽きておらず、まるで何かを待ち受けているかのようだ。だがそのためか、君は以前より強くなった気がした。


【変化点】
・現在/最大体力:16/17→17/17(スローベンの呪い)

【感想】
これがアプリ版のオリジナル要素、スローベンの呪いです。今後主人公は、例え死んでもZEdのお陰でこの時点からやり直せるのですが、人生を終えることもできないため、トゥルーエンドに到達できない状態となります(冠の奪還だけなら呪われたままでも可能)。従って、この呪いを解除した上で冠を取り戻すことが真のゲームクリアとなります。
それにしても、色々な疑問が湧いてきます。
・アプリ版のZEd:2回の詠唱で挟んだ時間を飛ばして巻き戻すのがこの呪文の力なら、S2-99でロラグが過去に飛んだり、S2-100で主人公が過去に戻れたのは何故?やっぱり原作同様、1回の詠唱でタイムトラベルできることにした方が矛盾がないような…。
・スローベンが主人公に対して抱いている感情:なぜ主人公の剣で自刃したのか。
一体どゆこと?
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↑死んだらこの時点まで戻ることに。
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