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S4-32 19日目:転落死したバードマンを蘇生、情報を聞き出す [ソーサリー4:王たちの冠]

君が振り返ったちょうどその時、2対の爪が君の胸を切り裂いた。巣の持ち主が帰還したのだ。しかもそれは鳥ではなくバードマンだった!
バードマンはすでに翼を広げ、君の身体を引き裂こうと爪の生えた両手を構えている。敵意の込められた爪から君の血が滴る。対処する時間はほんのわずかだ。
「KID!」
呪文を唱えると、手首にはめた骨の腕輪が輝き始めた。どんな幻影にするかすぐに決めなければならない。
燃え盛る炎の幻影を創り出す。バードマンの両目が恐怖で満たされる。
一瞬の後、そいつは悲鳴を上げながら、巣から空中に向かって飛び出した。
だが、奴は自分が火だるまになった感覚を振り払えなかったようだ。まるで翼が焼け落ちたかのように、真っ逆さまに地面へ落ちていった。
奇妙な静けさの中、君は独りになった。

巣から這い出し、新鮮な空気と身を切るように寒い風の中、崖っぷちの上に立つ。
太陽はほぼ沈み、空が深い紫色に染まっている。じきにまた暗くなる。
眼下の道を目指して、ゆっくりと慎重に長い崖を下り始める。

崖の下にはバードマンの動かない身体が横たわっていた。しばらく様子を見るものの、バードマンは明らかに死んでいる。
奴の身体を素早く探るが、何も見つからない。バードマンは武器を携行しない-その爪で十分だからだ。
だが、片方の翼の下に黒っぽい奇妙なあざを見つけた。
羽根をどかしてそれをもっと近くで調べる。まるで粗末なナイフで付けたような、武骨な切り傷の類だ。2つのSの文字が組み合わさっている。
傷は色があせ、歪んでいる。まだ若い頃に付けられたものに違いない。
「RES!」
聖水を荷物から取り出し、呪文を唱える。聖水が光を放ち始め、内なる光で輝く。
輝く聖水をバードマンの潰れた身体に振りかける。
最初は何も起こらなかったが、やがてあえぐ声がして、そいつは身体を起こすと苦痛の叫び声を上げた。
奴が熱を帯びた恐怖の眼差しを君に向ける。
「落ち着け、」両手を上げて君が語り掛ける。「落ち着くんだ、できるな?」
「だが、全ては失われてしまった。」バードマンがうなる。「彼がもうすぐ来る、なのに俺は飛べない。」
「誰が来るんだ?」
「この地の希望が来るんだ。でも、俺達の助けなしでは、彼はきっと死んでしまう!」
「誰のことを話しているんだ?」
「シンの信奉者達が待っている…。」喉をガラガラ鳴らしながら、そいつが答える。もっと近くに寄れと、爪で合図してくる。
近くににじり寄って、今わの際の言葉を聞き取る。
「彼らは身を潜め、目立たないように活動している。連中はどれも同じに見えるが、そうじゃない。生まれから違うんだ。」
彼が荒々しく咳き込み、喉から小さい羽根を吐き出す。「覚えておけ、」激しい痛みの中、彼が言葉を継ぐ。「…彼らは母親で判別できる。」
「それと腕のあざで?」
バードマンが2度うなずく。「彼らには母親がいるんだ。」彼はもう一度ささやき、それから死んだ。魔法が消え、真っ黒なガラス玉のような鳥の目が再び暗くなり、身体ががくりと崩れ落ちる。
遺体を腐肉漁りどもに任せ、この場を立ち去る。


【変化点】
・現在/最大体力:12/17→9/17(バードマンの攻撃)
・-聖水

【手掛かり】
・シンのバードマン:バードマンのある集団は大魔法使いと折り合いが良くない。彼らは自分達を「シンの何か」と呼び、君は彼らの母親について尋ねるよう助言を受けた。

【感想】
シンのバードマンの一員だった彼には気の毒なことをしましたが、主人公も敵地によもや味方となりうる勢力がいるとはつゆも思わないでしょうから、ここは致し方ないところかと。しかもバードマンは、王たちの冠を盗んだバリバリの実働部隊という。
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S4-33 19日目:噴火口の茂みで一夜を明かす [ソーサリー4:王たちの冠]

ここからは道が山頂を両側に切り開きながら、大雑把に北の方角へと曲がっている。
緩やかな勾配を下る。マンパンの姿が再び視界に広がる。まるで、要塞に近づく者がその威容を忘れられないよう、山道をわざと曲げて造ったかのようだ。
道の前方に目をやると、地面が崩れているのが見えた。岩の縁が地面から鋭く突き出ている。
君の前に噴火口が広がっている。まるで山頂が丸々えぐり取られたかのようだ!ここを横切る道を見つけなければならない。
また夜が始まった。眠る場所を見つけるべきだろう、空腹を抱えているなら尚更だ。

僧服のへりに邪魔されながら、噴火口の縁を不器用によじ登る。
最後の数フィートで横滑りしたものの、ついに道らしきものの上に着地する。
怪我はないが、もう上に戻るすべはない。
ここからは噴火口を下る道が伸びている。両側には縁を南北につなぐ道がある。
噴火口を下る道は君が思っていたよりも広く、踏み固められている。マンパンへの主要な道ではないが、まだ多少は使われているに違いない。
月が高くなってきた。夜気は涼しく、歩くには具合がいい。

下り道をたどるが、それは茂った雑木林で途絶えていた。どのみち、暗闇ではこれ以上道が見えない。

噴火口の盆地を覆う雑木と格闘しながら進む。ここでは一寸先は闇だ。
だが、道の片側が藪になったこの場所なら、落ち着いて眠れるかもしれない。
背負い袋を置く。風にめげず、僧服をまとった身体を伸ばそうと努める。今日はまだ何も食べていない。
その時、身体のかゆみに気付く。おそらく僧服からノミが移ってきたのだろう。
いぶした魚を一食分食べると、気分が良くなってきた。これで快適に休めそうだ。

夜の残りは鮮やかな夢で占められていた。
君は黒タイルの高い塔の天辺で、片手で壁面にしがみつき、もう片手で何かを空中に描いている。
見下ろすと、マンパンの中心にある、空高くそびえる大魔法使いの塔の天辺にいると分かった。
その時カーカーと鳴く声がして、巨大な影が君に向かってきた。バードマンか?いや、金冠ワシだ!輝きながら視界に入ってくる。
サイトマスターが君を見ている。君を家に連れ帰ろうとしているのだ…。


【変化点】
・現在/最大体力:9/17→8/17(ノミ)→10/17(食事)
・食料:11→10

【感想】
こんな不便で不潔な僧服は早く脱ぎたいところですが、変装した方がいいこともあるのでまだ我慢。
この噴火口に下るルートがかつての主要道路だったようですが、後で判明する地殻変動のため今は寸断されています。ちなみに、噴火口を右に回ると道が崩れて進路変更を余儀なくされ、左に回ると衛兵詰所があります。
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S4-34 20日目:歩哨のコウモリに通報される [ソーサリー4:王たちの冠]

翌朝、立ち上がって、陽光の下で辺りを見回す。少し前方に黒い塊が木にぶら下がっている。
その漆黒の塊は長く、少なくとも6フィートはある。微かに左右に揺れながら、木に引っ掛かっている。

近寄っていくと、塊から地面の杭へと鎖が伸びていることに気付く。それに、この塊はどこか毛むくじゃらでもある。
さらに近づくと、長い口先と大きなピンク色の口を見つけた。こいつは巨大コウモリだ!シャムタンティの丘にいた奴よりも遥かに大きい。
幸いにも、そいつは上下逆さまでぶら下がったまま、翼を畳んでまだ眠っている。この化け物の深いいびきが聞こえる。
地面とコウモリの足を繋ぐ鎖を目で追う。コウモリが木から飛び立つには十分だが、それ以上遠くには行けそうにない長さだ。
誰がこんな噴火口のど真ん中に巨大コウモリを置いたのだろう?
じりじりと後退する。化け物は少し身じろぎしたが、それ以上は何もなかった。
鎖につながれたコウモリはまだ目を覚ましていない。気付かれずにすり抜けられるかもしれない。

背負い袋をしっかり背負い、化け物の下を這って進んでいく。君が木の下を通り過ぎる時も、そいつは騒々しく眠っていた。
だが、化け物が鼻を鳴らして気を取られた君は、小枝を踏んで音を立ててしまった。
君は他の小枝に注意しながらも、お構いなしにそのまま進み続け、もうすぐ岩場という所までたどり着いた。
だが、時すでに遅く、被害は生じていた。皮の翼が羽ばたく音が背後から聞こえ、2つの鉤爪が君の背中を引っかいた。
地面にひっくり返り、苦痛で息を吐き出す。
コウモリが手の届かない高さまで上昇していく。まるで木よりも高く飛ぼうとしているかのようだ。

そのまま見送ると、そいつは一番高く飛んだところで口を大きく開いた。
音は発せられなかった。あるいは、少なくとも君には何も聞こえなかった。
だが、君が北の方角に目を向けると同時に、2つの黒い影がマンパン要塞の上空を離れるのが見えた。

君が見守る中、影が次第に大きくなる。間もなく、それが何かはっきりと分かった。
バードマンだ、君のいる場所をまっすぐ目指している。
対処する時間は2,3分しかない。


【変化点】
・現在/最大体力:10/17→12/17(睡眠)→10/17(巨大コウモリの攻撃)

【感想】
巨大コウモリをやり過ごしたり倒したりするのは比較的たやすいのですが、後で特別なイベントを起こすには、主人公の現在地を大魔法使いに知られている必要があるため、ここであえて通報される選択肢を選びました。せっかく第3部で七匹の大蛇を全て討ち取ったのですが、イベント優先のため、あえてね。
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S4-35 20日目:魔法の盾を携えてバードマンと戦う [ソーサリー4:王たちの冠]

「WOK!」
手首の上に金貨を1枚載せて呪文を唱えると、一瞬で金貨は消えた。代わりに、見えない盾の重みを腕に感じる。
低くて平らな岩を見つけて、その下に潜り込む。
地面に映るバードマンの小さい影が、君が隠れた場所に向かってくるのが見える。

その場に留まったまま、影が荒れ地を飛び交うのを見守る。
開けた平原はバードマンに好都合だ。もし君が姿を現してしまったなら、奴らは君が倒れるまで急降下して攻撃を加えられるのだから。
バードマンの1人が地面に降下して、影が大きくなる。それから君の視界から消える。
夢中になって耳を澄ませる。
頭上から激しく言い争う声が聞こえてくる。バードマンが君の隠れている岩のちょうど真上に着地したのだ。
息を殺して様子を見る。バードマンが再びキーキー声を上げ、くちばしを2,3回鳴らす。2人目がどこにいるかは分からない。

岩の下から転がり出て暗殺者の剣を抜く。バードマンが君を横目でにらむ!
奴は君に真っ向から無慈悲な攻撃を加えてきた。やみくもに繰り出した君の剣が、幸運にもそいつの喉を貫く。
そいつはゴボゴボと喉を鳴らすと、岩にくずおれた。君の頬を血が伝い落ちる。
だが今の乱戦は奴の相棒に気付かれてしまった。
彼女が着地して、鉤爪を構える。君も備えねば!

<第1ラウンド>
バードマンが爪を伸ばして君に向かってくる。化け物を真っ二つにしようと剣を強振する。
彼女は最後の瞬間に脇にかわして、君の剣からほとんど逃れてしまったが、それでも叫び声を上げさせるくらいには手ごたえがあった。
バードマンが残虐な雄叫びを上げ、翼を大きく開く。

<第2ラウンド>
バードマンが猛烈な勢いで突っ込んできて、君は盾の背後に身体を伏せた。衝撃でふらつきながらも、打撃を反らす。ほぼ無傷のままだ。
彼女は翼を羽ばたかせると、次の攻撃に備えて勢いをつけようと少し高度を上げた。

<第3ラウンド>
バードマンが腕を開くのを待ってから攻撃を加える。君の剣が空気を分断し、大きく開かれた翼の間を捉える。化け物が下品な悪態をつく。
くちばしを開いて叫ぶと、彼女は足下の地面を引っかいた。

<第4ラウンド>
盾の後ろに身を隠す。不意に翼を一閃させて君の首をはねようとするものの、君はそれをかわす。
再び爪を打ち鳴らす。まだ戦うつもりだ。

<第5ラウンド>
好機が訪れた。剣を強く繰り出す。一方、彼女の攻撃は及び腰だ。
バードマンの羽ばたきが弱くなってきた。力を失いつつあるのだ。
彼女が長い爪を誇示する。

<第6ラウンド>
また盾に身を隠す。物騒な翼で君を薙ぎ払おうとするが、素早く脇に避ける。
彼女が長い爪を伸ばす。

<第7ラウンド>
意表をついて前に飛び出す。君の剣が光のように動き、相手を切り伏せる。
身体から羽根を漂わせながら、彼女が地面に倒れる。目に宿る野蛮な光が暗くなっていく。

彼女の身体が塵の中に横たわる。盾がちらちらと揺らめいて消えた。


【変化点】
・現在/最大体力:10/17→9/17(魔法)→7/17(バードマンの攻撃)
・金貨:74→73(魔法)

【感想】
高地ザメンといえばバードマン。やはり強敵でした。魔法の援護がなければ、2人が相手では負けていたでしょう。それにしても、ダメージ0でパワーが貯め放題になる「WOK」は壊れ性能ですわー。
なお、2人目は女性なので「Birdmaid」と表記されていましたが、日本語ではバードマンのままでいきます。
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