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S4-21 19日目:半壊した塔を探索 [ソーサリー4:王たちの冠]

道は上りも下りも続いているが、君を待ち受けているかのような塔へ向かうことにする。
朽ちた塔の崩落したブロックの中に踏み込む。悪臭がする。
立ち止まって、粉々になった空間を見回す。ここはかつて立派な建物だったらしく、石造部分には彫刻の名残りがあるが、それも今は全てひっくり返ってしまい、野ざらしになっている。
かつては偶像や彫像が置かれていた壁の壁龕や、上階へと続く螺旋階段も、今は半壊している。
辺りを見回すと、石の下敷きになった何か黒いものが目に入った。折りたたまれた布だ。
引っ張り出してみる。布は厚くて重く、きちんと真四角にたたまれている。布地越しに太い何かが中にあるのが分かるが、いずれにせよ重くはない。
布地を広げると、その真ん中には結び目付きの短いひもがあった。
最初、そのひも-登攀には短すぎ、何かを結ぶには太すぎる-の使い道は見当がつかなかったが、布に注意を戻した時、これが何なのか閃いた。僧服とベルトだ。
見たところ、だぶだぶの袖と重々しいフードが付いたワンピースになっており、虫食い穴もない。これなら着れそうだ。
君は素早く僧服をまとって変装した。これで僧侶として通用するだろう。

塔の高さの半分まで伸びる階段を上る。
2つ3つほど踊り場を過ぎると、階段は終わっていた。塔の屋根全体を吹き飛ばしたのと同じ力で刈り取られたのだ。
君の体重で崩れないよう、一歩ずつ慎重に階段の端に歩み寄る。
3歩目で止まる。壊れた階段の端は一段向こうだ。

一歩、また一歩と、なおも上っていく。
背後の階段を振り返ると、何故かそこには無傷のままの階段があった。また前方に目をやると、やはり垂木しか見当たらない。それでも君が進むたびに、階段が次々と現れてくるのだ。

一歩ずつ塔の螺旋階段を上り、ついに存在するはずのない屋根に設けられた落とし戸にたどり着く。
落とし戸を押し開けて、塔の屋根の上に出る。
君の髪をなびかせながら、風が頭上を吹き抜けていく。眼下の道を歩いていた時にはなかった塔の天辺に、君は立っているのだ。
以前見かけた真鍮の灯台がここもある。空中に弱々しい魔法の輝きが見える。
一見したところ、灯台は完全な状態のままのようだが、今は光を灯していない。

落とし戸をくぐり抜け、屋根を横切って、大きな真鍮の灯台の先端が突き出ている塔の端へ向かう。
端から身体を乗り出すと、驚いたことに、塔の下の部分がそこにはなく、廃墟と瓦礫があるだけだった。それにもかかわらず、足下の厚板は十分堅固でしっかりしている。
台地に開いた深いクレーターの方を眺める。それは血を流す傷口のように、シューと音を立てる黒い噴火口によって裂け目ができている。
この不快な場所は、向こうに横たわるマンパン要塞を建てるための石切り場だったに違いない。
そのマンパンそのものが、心臓を芯から凍えさせるほどの威容で地平線を覆い尽くしている。最も高い建物は、大きな窓が一つついた塔-大魔法使いのいる小塔だ。
振り返って灯台を見ると、非常に微かではあるが、筒の先から光がこぼれ出ているではないか。光線がまだ働いているのだ。
その光は極度に細く集光されており、どこか遠くの何かに向かって照射されている。
光線を目で追うと、君にはすぐに分かった。マンパンの中央の塔に向けられているのだ。
灯台から後ずさりした時、背後から咳払いが聞こえた。
「誰かいるのか?」君が誰何する。だが返事はない。

灯台の目の部分に移動する。まばゆい青水晶が先端にはめ込まれている。
水晶に触れると、癒しの快感が血管を駆け巡った。君が後ずさりしても何も変わった様子はない。
重い灯台を動かそうと試みるが、バクランドにあった他の塔とは異なり、こいつはしっかりと固定され、マンパン要塞の中央塔に向けられたままだ。
灯台から歩み去ろうとしたちょうどその時、ローブをまとった人影が明かりの背後の陰から進み出てきた。


【変化点】
・現在/最大体力:8/17→14/17(青水晶)
・変装:なし→僧侶

【感想】
明るい時間帯に塔を探索した時のみ、変装用の僧服が見つかります。
謎深き灯台、その真実が今ここに明かされる-。
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S4-22 19日目:灯台に秘められた真実 [ソーサリー4:王たちの冠]

勇気を出してその人物に近づく。
「ごきげんよう。」そいつが声を掛けてくる。「それで、君はここで何をしている?」
「あんたは何者だ?」
そいつがお辞儀をする。「私は光の管理者だが、それより、そちらがここにいることの方が謎だ。なぜなら、この塔の下層は1匹以上の思考ヘビのねぐらになっていて、通りすがりのよそ者がぶらりと入ってこれるはずはないんだがね。」
「ヘビなどいなかったが。」
「そんなことはない。」管理者が答える。「思考ヘビはほとんど目に見えないが、その先端は実に鋭く、大抵は酷く空腹なのだよ。」
「あんたは間違っている。塔は崩壊していた。」
そいつが辺りを見回して肩をすくめる。「そんなことはないだろう。」彼がとがった顎に手をやる。「概して、これは全く思いがけない状況といえる。」
「2つ3つほど質問させてくれ。」
「いいだろう!」そいつがやや驚きながらも応じる。
「俺がこの塔に入った時、ここは廃墟だったんだ。」君が説明する。
管理者がフードを被った頭でうなずき、いくらか興味を持った様子で考え込む。
「その言葉に真実味があるのは注目に値する。」彼がささやく。「だがそんなことがあるとは思えぬ。ヘビをここに呼び寄せて、そちらの主張を確認すべきかもしれぬな。」
管理者のしゃべり方はどこか妙だ。まるで会話の順番がずれているかのようだ。
「俺はこれに似た灯台を以前見かけたことがある。」彼に告げる。
「これはバクランド全土に建てられた大灯台の最後のものだ。」管理者が語る。「あれらは全てレンズなのだよ。集光し、焦点を合わせ、届ける。集めて届けるのは光だけではないがね。」
「時間を集めるんだな。」
「そう、その通り。」
「あれら灯台がバクランドを破壊したんだ。」
「確かにそうなるだろうな。」管理者が落ち着き払って答える。「灯台は徐々にかの地の未来を奪っていき、我が主、大魔法使いへとそれを送り届けるのだから。」彼がうなずく。「主は不死を望んでおいでだ。それは叶わぬが、並外れた長寿であれば不死に匹敵するものとなる。」
「奴は邪悪なんだ、倒さねばならない。」
そいつが肩をすくめる。「おそらくな。私はそのような判断をする立場にないが。」
管理者が君にうなずく。「私は計算を再開せねば。」彼が告げ、君がうなずいて返答する。「そちらが私の塔を無事に上ってこれたのなら、帰りもまず問題なかろう。」


【感想】
灯台の管理者なる存在が登場、これまで断片的に得られた情報を補足してくれます。やはりイシュタラを破滅させて現在のバクランドのようにしてしまったのは、大魔法使いの仕業と言えそうです。当初はS3-84にあるように、天災を防ぐために建設したのかもしれませんが、現在の大魔法使いがそれを悪用したと考えられます。
というのも実は、ゲームをクリアしても、ティンパンやカリアンマといった第3部に登場したイシュタラの町を破壊したのは主人公だという扱いが最後までされています。でも、かの地は主人公が訪れた際にはすでに荒廃していたので、光の管理者がここで語った通り、大魔法使いが不死を求めて時間を吸い上げ続けたせいだと考えた方が整合性があります。
別の選択肢で、何故大魔法使いに仕えるのか尋ねた場合、彼は「誰かに仕えるのは正当な行為だ、そちらと同様に。」と答えてきます。善悪には無頓着なようです。いや、そこは拘ろうよ。
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S4-23 19日目:最後の灯台を破壊 [ソーサリー4:王たちの冠]

灯台のそばに戻る。光の管理者が疑わしげに君を見つめる。
マンパンの中央塔へと向かう光線の軌跡を眺める。これが大魔法使いの活力の源なのだろうか?
灯台を止める何らかの方法を探す。それが大魔法使いの計画に打撃を与えられるのか、誰か知っているのだろうか?
だが何も見つからない。それに、破壊するには灯台はあまりにも大き過ぎる。
だが、これが邪悪な魔法使いの弱点ならば壊すしかない。君は剣を掲げると、青水晶に斬り付けた。
管理者が止めようと駆け寄るが、もう手遅れだ。君の剣は宝石を打ち壊した。
一瞬の後、光が明滅し、それとともに足下の床が消え失せた…。

凸凹した階下の地面に手荒に叩き付けられる。
起き上がり、もう一度階段を上ろうとするものの、今度は踏み石が崩落しており、引き返すしかなかった。

廃墟を後にして、塔の外に戻る。
この距離からでも、トロールの死体から酷い臭いが漂ってくる。

崖を上る道を行く。太陽が空に昇るにつれ、風が出てきた。
ここで道は二つに分かれている。一つは山際をくねくねと曲がり、もう一方は粉々になった木の橋がある西の方へ続いている。

西へ向かう道をたどる。マンパンから離れる方向だ。
壊れた吊り橋がほんの一跨ぎ先で峡谷の空中にぶら下がり、その踏板が峡谷の底に落ちている。
安堵のため息をつく。先を急がねば。

落石や倒壊した岩盤に注意を払いながら、山崩れの起こった斜面に沿った道を進む。ここはかつて大きな道路だったはずだが、とっくの昔に廃れてしまったのだ。
真昼間なので暑いが、ぐずぐずしている暇はない。

山腹を回り込む道を行く。
ついに、道は廃墟となった建物の外で行き止まりとなった。その向こうにはただ岩があるのみだ。


【変化点】
・現在/最大体力:14/17→12/17(落下)

【感想】
リプレイ中の現時点では、この最後の灯台を破壊するか否かで展開がどう変わるのかは未検証です。そのままにしておくと大魔法使いが倒せないとかだと、ある意味面白いのですが、果たして?
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S4-24 19日目:廃墟の酒場を探索開始 [ソーサリー4:王たちの冠]

建物の扉に近づく。鍵は掛かっていないが、枠が歪んでしまい、わずかな隙間を残して開かなくなっている。
2階建ての高さがあり、タイルを並べた屋根は所々崩れている。正面扉は小さく、大きな瓶ガラスの間に設けられている。かつては間違いなく立派だったのだ。
金属製の金具が扉の上の壁から突き出ている。看板が掛けられていたのだろう。
扉の隙間から、埃っぽい暗がりを覗き見る。明らかに、長らく打ち捨てられたままだ。
隙間に指を差し込んで引っ張り開けようとするが、歪んだ枠とその下の地面の間でつかえてしまい、1インチたりとも動かない。
「SIX!」
魔法を紡ぎ出すと、5体の複製が君の背後から進み出て半円状に並んだ。
全員で隙間に指を入れて引っ張る。ガタピシと激しい音がして、扉がゆっくりと開いた。埃と淀んだ空気が建物の暗がりから漂い出る。
一人、また一人と、君の複製が消えていく。
曲がった扉の枠を越えて中に入る。テーブルがぽつぽつと置かれた大広間が見える。床板の間から草が突き出ている。屋根は隅の方で崩落し、折れた梁にはツタが絡みついて、長いカウンターまで垂れ下がっている。
カウンターに歩み寄るが、遥か昔に斧で割られた樽がただ並んでいる。それでも瓶の棚は無事のようだ。
ここは宿だったに違いない。しっかり踏み固められた道のそばにあることから、旅人がよく行き来していたのだろう。
だが、荒廃してから長い年月が経っている。テーブルの上に取っ手のとれたマグがある。
部屋を横切って、狭苦しい通路が通っている。
棚を見渡す。ほとんどの瓶はワインか異国のエールだが、一つだけ君の目を引くものがあった。火酒だ!
だが、瓶は他のものと同様、すっかり空だ。
部屋の隅とがれきの山にざっと目を走らせる。朽ちた紙片と2,3枚の硬貨が目に入る。
紙は年月を経て脆くなり、文字もかすれている。かろうじて2,3行だけが読めた。

 手招き亭にようこそ、魔法使い殿、ここは要塞までの最後の憩いの場所ですぞ。
 1杯のエールが付いた温かい食事が銅貨2枚、パンとチーズが銅貨1枚となります。

この値段が妥当だとは到底思えないが、君が通り道で見つけた灯台はもう廃墟と化したので、この場所を建て直せないのが残念だ。
次に、身体を屈めて硬貨を拾い上げ、つぶさに調べる。ひどく薄い銅貨だ。緑青が出ている。片面には、爪を突き出して捕食する鳥の簡素な絵が描かれ、もう片面には、いかめしい顔つきをしたワシ鼻の女性の横顔が刻まれている。
肖像画の縁に沿って文字が書かれているが、これは君には理解できない言語だ。単に古代のものだからだろうか?それとも遠くの地からもたらされたのだろうか?だが、これまでの旅の中で、こんな硬貨もこの女性の肖像画も見かけたことはなかった。


【変化点】
・+古代の銅貨

【感想】
古き良き時代には、なかなか快適な宿だったようです。
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S4-25 19日目:ヴァリケッシュと名乗る女性 [ソーサリー4:王たちの冠]

「fAR!」
地面に座って水晶の球を取り出す。頭上の天体を探り、呪文を束ねる。すると突然、君はどこか知らない場所にいた…。

ここは酒場だ。しかし、今はきちんと整っている。2,3人の旅人がテーブルに着いて飲み物をすすっている。扉が開くのが見え、びしょ濡れの若い女性が入ってきた。
宿の主人がお辞儀をする。「ひどい夜でしょう?要塞へ行かれるので?」
彼女がうなずく。「ええ。あそこで学ぶつもりなの。私の名前はヴァリケッシュよ。」
君はそのままじっと耳を澄ませた。
「これはこれは、さようでございますか。」若い女性に片手を回しながら、主人が快活に答える。「ここには途中で多くの方が立ち寄るんです。ほとんどの方は戻ってこられませんが、そんなことはお気になさらず。さあ入っておくつろぎ下さい!明日の朝早くにご出立されれば、日の入り前にはあちらに着きますよ。」
女性がシチューの器を受け取った時、光景は消えた。これは過去の繰り返しなのだろうか?それとも幸せな未来の話なのだろうか?

ここを立ち去ることもできるが、玄関から奥に進んで広間を探索することにする。
奥には何部屋かあったが、そのほとんどが潰れており、入れそうなのは一番近い2つだけだった。一方は一人用のベッドがあるだけの小部屋だ。
空っぽの広間を見渡し、床に取っ手を見つける。地下貯蔵庫の類に通じている落とし戸だろうか?
君が落とし戸を開けると、それはきしみ音を立てた。かびの臭いが立ち昇る。
梯子を下りると、君の足元で踏み段が折れ、半ば落ちるような形になった。光が天井のひび割れから漏れ込んでくる。
暗がりをじっとうかがう。床は土の地面で、キノコが生えている。そして隅の方には、何と一本の木が生えているではないか!
木の高さは君の顎にようやく届くといったところだが、枝には2,3個の小さなリンゴが実っている。その中で食べられそうなものを一つもいで、荷物にしまい込む。
キノコは床一面に生えている。薄暗がりの光を反射して輝いているが、よく見ると微かに淡い光を放ってもいる。
とある隅っこに、ひと際密になって生えている箇所がある。そばでしゃがんで、2,3個ほど掴んでみる。思ったよりしっかりと地面に根付いている。少し引っ張ってみたものの抜けない。
キノコの集団を掴んでぐいと引っ張ると、一塊になって出てきた。それは全部同じ何かから生えている。
引っ張り続けて、その大元となっているものを掘り出す。
それは青白く不規則な形をしており、泥と湿気でぬめぬめしている。腐敗臭が鼻をつく。
泥を落とすと、臭いはさらに増した。表面を覆うキノコをそぎ落としていく。そのたびにキノコは地面を弾んで転がっていった。
そしてついに、君は自分が持っているものを判別できた。


【変化点】
・食料:10→11(リンゴ)

【感想】
アプリ版のエンディングには実に多くのパターンが用意されているのですが、この女性は出番こそ少ないものの、かなり重要な立ち位置で登場します。今回のリプレイでも「ifルート」として扱うかもしれません。
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