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ソーサリー3:七匹の大蛇 ブログトップ
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S3-21 11日目:古代神の涅槃像のそばで女性と語らう [ソーサリー3:七匹の大蛇]

平原は途中から緑地へと変わった。灯台の光が当たっているのだ。
木々の間を抜けると、断崖のそばに開けた小さな空き地へと出た。岩壁には目を閉じた寝姿の巨像が彫り込まれている。
像は、端から端までは荷馬車3台分の長さがあり、顔は君の背丈ほどもある。性別は男性で、君の方を向いて寝そべっている。目は穏やかに閉じられ、両手は頭の下に置かれている。その表情からは大いなる安らぎがあふれ出ている。非常に美しい彫像だ。
断崖に沿って東の方を眺めると、山の中腹に柵に囲まれた村が見えた。
南に目を転じると、そちらは木々が鬱蒼と絡み合い、その間を抜けて唯一の巡礼路が伸びている。
その時、林の中から1人の人影が姿を現した。女性だ。どこか見覚えがあるような気がするが、それがどこかは分からない。彼女はよたよたと歩いている。
しばらく見ていると、彼女の足取りが妙なのは、かなり大きいお腹のせいだと分かった。胴回りはたっぷり2人分はあるが、足や上半身はほっそりしている。
手を挙げて挨拶する。「ごきげんよう、ご婦人。」
その女性は君に驚いたようだが、すぐに笑みをこぼした。片手をお腹に持っていった仕草から、彼女が妊娠しているのだと気づく。
彼女は立ち止まると、身体を支えようと像の頭へと手を伸ばした。
君は彼女が息をつくまで待った。ようやく彼女が姿勢を正す。
「あら、」彼女が語り出す。「この子も自分でお散歩しているわ。」彼女はお腹を撫でた。「あなたは他所から来たの?見覚えがない顔だもの。」
「ええ、旅の途中でね。」君がうなずく。
「ティンパンやイルクララへ通じる橋を目指しているのね。」彼女が言う。「アドバイスするとしたら、通行料徴収人を騙さないことね。彼は見かけによらず強いわよ。」
彼女の助言に感謝の言葉を述べた後、尋ねる。「この道はどこに続いてるんです?」
「この近くの出身じゃないのね?この道を東に行くとカリアンマの村に着くわ。この断崖に沿って行けば迷わずに済むし。今私達は台地にいるの。」
「この辺りに建っている塔について何か知ってます?」君が尋ねる。
「灯台は橋みたいなものよ。魔法使いからの贈り物なの。」
「どこの魔法使い?」
「どこですって?」あきれたように彼女が答える。「要塞の人達に決まってるじゃない。」彼女がため息をつく。「そうやって一日中私を質問攻めにする気?」
辛そうに彼女は地面に腰を下ろした。「もうお祈りしないと。今日は他にもやることがあるんだから。」
「これは何の神なんです?」
「平和の神、カオスよ。私は信者ではないけれど、この神と一緒にいると痛みが和らぐの。」最後の数語はどこか意味ありげだ。
「この神は眠っているみたいだが。」
「いいえ、死んでいるの。それはもう安らかにね。30日間荒れ地で何も飲み食いせずに過ごした後、1週間かけて亡くなったという話よ。」
「俺もご一緒しても?」彼女のそばに腰を下ろしながら尋ねる。
彼女が肩をすくめる。「お好きなように。」そう言うと、彼女は目を閉じて歌い始めた。
大きなる静寂が君の身体に入ってくる。しばらくして、君は自分の身体を動かせないことに気づいた!


【感想】
バクランドには他にも土着の神々が存在します。それぞれに特色があり、主人公が改宗可能な神もいたりします。
原作でも言葉だけ出てきたティンパンですが、今回は冒険の舞台として登場します。
ちなみに、この女性と出会うイベントは古代世界の昼間のみで、朝・夕・夜では発生しません。こういう時代・刻限縛りが結構あり、日数縛りで各種イベントをこなそうとすると戦略的な思考が要求されます。
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S3-22 11日目:究極の選択を迫られる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

君は目を開けたまま、何が起きるのか辛抱強く待った。
カオス神の顔が大きく迫ってくる。
君は視線を下げて自分の息づかいに注意を向けた。君の胸は確かに上下している。ただそれだけのことではあるが。
カオス神の目が君の中に入り込んでくる。君をうたた寝させようとしているのだ…。
身体の中に平穏さが流れ込んでくるのを感じた君は、まぶたが下がり始めた。君の心臓が静かになり、喉が塞がり、鼻が閉じてくる…。段々めまいがしてきた。
その時、偉大なる神の唇が開いた。「ここはお前の死に場所ではない。」声が告げる。「お前の死は別の場所と決まっておる。」
「どこなんだ?」君が尋ねる。
「お前はアナランド人だな。」カオスが答える。「お前は時の大蛇がいる島で死ぬだろう。冷たき水と、さらに冷たき石に囲まれた島だ。」
「俺はそいつを倒すつもりだ。」
「時を打ち破ることはできぬ。」カオスが素っ気なく答える。「お前が大魔法使いを探していることも知っておる。それがお前の目標だ。」
「王たちの冠を取り戻すだけだ、それ以上じゃない。」
「お前は奴を倒すことでしかそれを取り戻せぬ。」カオスが答える。「さあ、知るがよい!過去は不変とは限らず、変わりうるものだと。今お前は子供を身ごもった女のそばに座っている。その子はやがて、お前が探している大魔法使いとなる。今ここで女を殺せ、そうすればお前の使命は終わる。」
神の声は石のように冷え冷えとして、まるで平原中に響き渡るかのようだ。だが女が反応する様子はない。
「あんたは嘘をついている。」
「嘘ではない。お前が度々してきたように、剣でひと振りするだけだ。それで冠は安泰だ。」
衝動に駆られ、君は剣を抜いた。そうしながらも、腕が震えている。神は君を笑うでもなくそそのかすでもなく、ただ平然と眺めている。
女の歌が唐突に止まる。彼女は君の方を向き、目を大きく見開いている。「洞窟にかけて、あなたは何をしているの?」彼女がささやく。片手をお腹に当てている。
君は再び目を落とし、剣を鞘に納めた。
「何をしているのか聞いているのよ。」立ち上がって一歩後ずさりながら、彼女が問いかけてくる。
「コウモリを見かけたもので。」君が答える。
「それなら、きっとそうでしょう。」彼女が応じる。「像のあちこちにぶら下がって住み着いているから。」
そう言うと、彼女は息を弾ませながらたいそうな速さで道を下っていった。やがてもやの中に姿が見えなくなる。
「そうか、」カオスの声が聞こえてくる。「お前には行動する意思が足りぬようだ。それではこの地を救うことなど望むべくもない。」
「俺は正々堂々とやるつもりだ。」君が反論する。
「ならば、お前は目的か決意のどちらかに失敗するだろう。両方を達成することはできぬ。真に正しき者の末路は、いつの間にか闇に墜ちるものなのだ。」神の言葉が呪いのように降りかかってくる。
その言葉が聞こえなくなっていくと、岩は再び元の単なる岩となった。
神をちらっと見やる。最初に見た時のままで、動いてはいない。その唇も、いびきをかいているかのように、少しすぼめられたままだ。君に向けられたあの言葉が単なる夢だったのは間違いない。

断崖を後にして、絡み合う木々の間を抜けるよく踏み固められた道をたどる。もっとも、これは道というよりも、南の草地と北の森に挟まれた緑の通りといったふうだ。この場所があまりにみずみずしく生き生きとしているので、乾燥した平原になるとは信じがたい。


【手掛かり】
・時の大蛇は島にいる:時の大蛇はイルクララ湖中央の島で君を待ち受けている

【感想】
ここは個人的お気に入りイベントの1つ。今後、イシュタラがマンパンの大魔法使いゆかりの地であることが徐々に明らかになってきますが、今回登場したのはその母親!主人公が歴史の改変を思い立っても無理からぬことかと。実際には、母親と思しき女性を手にかけることはできないのですが、何とここでの選択は巻き戻してやり直すことができません!(時間を巻き戻してこの場所を再訪すると、カオス神の面前でインチキを咎められる。)この選択が先々どのような影響を及ぼすのかは、今のところさっぱり分からないのですが、なんだか不安になります。
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時の大蛇の居場所が判明!
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S3-23 11日目:生き埋めの男を見つける [ソーサリー3:七匹の大蛇]

太陽が傾いてきた。気温が下がり始めている。
穀物が豊かに実った広い農場を通り抜ける。ヤギが2,3匹、低い塚の上で草を食みながら、ビーズのような目で君を見ている。この土地はカーレ西部の村々とは比べ物にならないくらい豊かなようだ。ここがバクランドのような不毛の地になるなんてあり得ないと思えてくる。
南には塔が見える。その向こうには河が平原を抜けて流れている。
風に揺れてガサガサ音を立てる丈の長い草の間を大股で歩く。その時、どこか近くから声がした。「誰かそこにいるのか?水を、持ってないか?」
周囲を見回すが、視界には誰もいない。草地がどこまでも続いている。
「どこにいるんだ?」君が呼び掛ける。「姿を現せ、臆病者でなければな。」
「よし!」また声がした。「誰かいたような気がしたんだ。下だ。何でもいいからくれないか?」
長い草の間をくまなく探す。
「もう少しだ。」声がする。「近づいてきたぞ。」
「何で隠れているんだ?」急に疑念が湧き上がり、君が尋ねる。
「隠れているわけじゃない。」声が言い返してきた。「俺はここだ。すぐそこなんだ、見えないのか?」
君は声のする方へ近づいていった。それでもまだ何も見えないままだ。
突然叫び声が上がる。「おい!気をつけろ!」
はっとして足元を見下ろす。するとそこには、君を見つめている顔があった。君のブーツのそぐそばだ。
「やあ!」そいつが快活に声を掛けてきた。「あんた、水を持ってるかい?喉が渇いて死にそうなんだ。」
頭を見下ろす。もし動く生首に性別があるというなら、それは男だ。くしゃくしゃの髪、茶色の瞳、乾いてひび割れた唇、髭はかなりの間剃っていない。
「そんなに見なくていいだろ。」頭がしゃべる。「いや、好きなように見てくれて構わないが、水を少しくれないか?」
「そこで何をしているんだ?」君が尋ねる。
そいつが眉根を寄せた。おそらく肩をすくめてみせたのだろう。「ヤギをたくさん盗んだんだ。」そいつが答える。「イシュタラはいい土地だが、ヤギ泥棒には向いてない。連中のヤギを盗んで、怒らせちまったのさ。」
「お前は罪人なのか?」驚いて君が尋ねる。
「以前は。」頭が答える。「でも今はもう改心したんだ。もちろん、それは何の役にも立たなかったがね。」
「お前の魂はもう手遅れだな。」
「俺は魂なんかに関心はないんだ。」頭が答える。「水はあるのかないのか、どっちだ?」
「別の物だったら持っているが。」そう言うと、君は背負い袋から毒薬の瓶を取り出した。
「それは何なんだ?」目をぎょろりと動かしてそれを一目見ようと、奴が尋ねる。
「毒だ。」
頭は即座に口を固く閉じた。「ひや、結構ら。」唇の隙間越しにそいつがもぐもぐとつぶやく。「喉は乾ひてるが、まら大丈夫ら。」
「もう死にそうなくらいに見えるが。」
「勝手なことを言わないでくれ。」奴が言い返す。「俺はそんな腰抜けじゃない。」
「なるほど。」君はそいつをいたぶるのに飽きて、毒薬の瓶をしまった。
そいつが安堵のため息をつく。「あんた狂ってるよ。」ぶつぶつと不平を漏らす。「完全にいかれてる。」
「俺の手助けをするか?さもないと、毒をくらわすからな。」
「あんたが何と言おうが、」男が返事をする。「常軌を逸してるぜ。」
「俺はお前が何者なのか知りたいんだ。」
彼が当惑した表情を浮かべる。「もう言ったと思うが。俺は泥棒だ。村の連中に捕まったんだ。」
「この辺りの土地について何を知ってる?」
「ここについてだって?苦痛な場所だよ。他にどんな不運があるかなんて知るもんか。あんたは奴らに会えないし、連中はすぐに口をつぐんでしまうからな。」
「イシュタラについて教えてくれ。」
「あまり知らないよ。でもこの谷はカリアンマの村に続いてるんだ。真東の山中にある。」
彼が弱々しく笑う。「おい、もう喋れない。喉が渇いて死にそうだ。」
「カリアンマはどんな村だ?」なおも君が尋ねる。
男が目を細める。「せせこましい所さ。」しぶしぶ答える。「概ね好意的なんだが、ちょっと冷酷な部分もある。今あんたが目にしてるようにな。」むず痒いのか、奴の目が引きつる。
「村に行く価値はあるか?」君が尋ねる。「食料や情報が欲しいんだ。」
「たいして興味を引くものはないよ。でもきちんとした食事と睡眠が得られる。」
男が何かをつぶやく。だが唇は閉じたままだ。明らかに、もうこれ以上喋る気はなさそうだ。


【感想】
主人公が女性の場合は、この男と婚約することもできます(笑)。
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S3-24 11日目:ブラックエルフの野営地を訪れる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

「そこから出してやろう。」君が告げる。
頭を揺すってそいつがうなずく。「それはいい考えだ。あんたが思う以上に、俺は感謝してるんだ。」
「BIG!」
星座をあるパターンで周囲に作り上げる。すぐには何も起こらなかったが、やがて急に君の身体が大きくなり、いつもの3倍の大きさになった!奴が驚きであえぐ。
シャベルの大きさの指で、奴の頭の周りの土を取り除く。実際、彼は地面に生き埋めにされた人間だったのだ!
奴は自分の足で立ち上がると、埃を払った。
「スロフの祝福よ。」彼が息をつく。「信じられないくらいだ。」彼は君の方を向くと、くそまじめな礼をした。「すっかり気分が良くなった。あんたは命の恩人だ。この借りを何としてでも返したいが、あいにくあげられるものがなくてね。」彼はポケットを軽くはたいた。
元の大きさに戻った君は、その言葉を確かめようと、手早く奴の身体を探った。
すると案の定、ポケットの一つから状態のいい真珠の指輪が出てきた。奴は肩をすくめて半笑いを浮かべたが、君のなすがままにさせていた。
身体検査が終わり、君が奴から離れる。奴がうなずく。「それじゃ、ここでお別れだ。達者でな!」
彼は仰々しく手を振ると、農地を走り去っていった。少し先で何かに躓いたようだが、すぐに立ち上がると、君には見えない何かに謝った後、バクランドのもやの中に消えていった。

目と耳で危険の兆候を探りながら、終わりのない埃っぽい平原を歩き続ける。夕方になるにつれて、風が出てきた。
二、三百ヤード先に幌馬車や荷馬車からなる野営地が見えてきた。円状に並んだそれらの中央にはたき火が焚かれ、野営地を行ったり来たりする人影が見える。
君は隊商の方に向かった。すると、一本の矢が空を切って飛んできて、君のちょうど左の地面に突き刺さった!続いて、もう一本が君の右側に刺さる。
「おおい!」君が呼び掛ける。
返事はない。だが少なくとも、さらなる矢は飛んでこなかった。
「取り引きしたい!」
「金はあるのか?」風に乗って返事が届く。
「十分にな!」
「なら来い!」声が告げる。
慎重に歩を進める。この生き物達が信用できることを願うしかない。
それ以上矢は飛んでこなかったが、近づくにつれ、射手が矢をつがえて君の接近に備えているのが見えてきた。
これはブラックエルフの隊商だ!故郷を遠く離れたこの荒れ地で、彼らは交易を営んでいるのだ!

エルフ達の中に進み出ると、連中の疑う様な目が君に注がれる。
他のエルフよりも恰幅が良くて身なりの良い年長のエルフが君の前に立つ。
「DUD!」
君が星を決まった形に組み上げると、すぐに袖の下やブーツの縁から金銀財宝があふれ出てきた。地面にうず高く積まれたそれを見て、ブラックエルフ達がどよめいて後ずさる。この幻影に騙されるほど、彼らは飢えて絶望的な状況なのだろう。
「旅の者、あんたは確かに大変な金持ちだ。」リーダーが大げさに言う。「我々の野営地へようこそ!好きなように過ごしてくれ。そして、我らがウールーの交易店にも立ち寄って下され。」彼が幌馬車のうちの一つを指差す。「わしらはいつだって新しい客を歓迎しておるでな!」
「この隊商はどういうものなんだ?」君が尋ねる。
「わしらは哀れな避難民でね、」リーダーが答える。「長年住んでいた低ザメンから逃げ延びて、カーレに向かう途中なんだ。」
「なら、カーレはすぐ近くだぞ。」君が告げる。「俺もちょうどカーレから来たんだ。」
だがリーダーは首を振った。「旅人よ、わしらはもうここ何年もカーレの近くにいる。さあ、その辺をぶらついていてくれ。わしらの悩みの種に煩わされることはない。」
彼が脇にどくと、エルフ達が分かれて君を通してくれた。
野営地は明らかに不潔で貧しい様子だ。この乾燥した平原では、彼らはそう長くは生き延びられないだろう。
やがてエルフ達はめいめいの小屋や幌馬車に戻っていった。何人かは中央のたき火に陣取り、低い声で話し始めている。


【変化点】
・現在/最大体力:11/19→9/19(魔法×2)
・+真珠の指輪

【感想】
原作と同じく、ブラックエルフの隊商が登場。ここには旧世界の朝~夕方に来れますが、今回は灯台の光を重ねて相殺させる高等テクニック(笑)を使って出現させています。
やはり、彼らの隊商はバドゥーバク平原をグルグルさまよっているようですが、補給なしでは到底やっていけないはず。一体どうしているのやら。
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S3-25 11日目:ブラックエルフとスウィンドルストーンで勝負 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

たき火のそばに向かうことにする。2、3人のブラックエルフがくつろぎながらサイコロを振ったり酒をあおっている。
ある一団に歩み寄り、そのど真ん中に座る。エルフ達が君を興味深そうに眺める。一人のブラックエルフの女が、短剣を引き抜いてぞんざいに膝の上に置くと、横目で君を眺めた。
「荒野を歩いてきたそうじゃないか。」女が言う。「あんたは追放されたのかい?罪人とか?それとも頭がイカれてる?」
「人には言えないそれなりの理由があるんだ。」君が答える。
「へえ、」彼女が応じる。「続けな。興味あるね。」
「イルクララ湖を目指しているんだ。」全てではないにせよ、君は本当のことを語った。
ブラックエルフが肩をすくめる。「何故みんなあそこに行こうとするのか、さっぱり理解できないね。でも船頭がいるから、誰かはそいつに頼んでいるはずさ。」彼女は短剣を鞘に納めた。「あたい達の野営地へよく来たね、あんた。居たいと思うだけここで過ごしなよ。」
何人かがたき火の周りでサイコロを振っている。
「スウィンドルストーンをやるのかい?」君が尋ねる。
エルフ達が目を上げて君を見る。「あんたも?」一人が訊き返す。「いいかい、俺達は金を賭けた勝負しかやらないぜ。」
「やろう。」君が宣言する。
「いいねえ。」そう言うと、エルフ達は君のために場所を空けた。「賭け金は金貨10枚だ。」
君がそれに同意すると、ゲームが始まった。

「この場所を歩いて何か分かったかい?4の目が1つ。エルフが尋ねる。
「十分ね。4の目が2つ。」
エルフが声を落として、半分ささやき声になる。「俺達はこの荒野を何か月もさまよってきた。でもそんなに広いはずないんだ。今までにもう西の端にたどり着いてなきゃおかしいのに。4の目が3つ。」
「俺がそんなに簡単に気を逸らされると思ったのか?コール。」君が笑う。

「うちのリーダーのウールーをどう思う?4の目が1つ。」エルフが尋ねる。
「意志が強そうだ。2の目が2つ。」
「あいつは老いぼれの馬鹿野郎だよ。じきにくたばるだろうさ。4の目が2つ。」
「他の連中も同意見かい?4の目が3つ。」
「もちろん。俺達はもうすぐここを出ていくんだ。この平原には病と死があるだけさ。4の目が4つ。」
「ここは呪われていると誰かが言ってたな。コール。」

「ウールーは商売人として信用できるのか?2の目が1つ。」君が尋ねる。
「まあ、多少は。3の目が1つ。」
「なら、盗賊というわけか。3の目が3つ。」
「彼は正直者さ。でもそんなに気前は良くないし、そんなに率直なわけでもない。コール。」

「7匹の大蛇について何か知ってるかい?4の目が1つ。」君が尋ねる。
「何故そんなことを聞く?1の目が2つ。」エルフが聞き返す。
「事情があってね。コール。」


【感想】
以下、その他の会話集。

「俺はイルクララ湖を目指して旅をしているんだ。4の目が3つ。」
「船頭がいるって話だ。4の目が4つ。」
「俺もそれは聞いた。コール。」

「ここを独りで旅するなんてあんたは金持ちなんだな。2の目が2つ。」
「何故そう思うんだ?2の目が3つ。」
「金は大事にしな。」エルフが答える。「俺達は金があってもどうしようもないからな。コール。」

「バクランドには盗めそうなお宝はどこにもないぜ。俺達が知ってる。2の目が3つ。」
「ここは随分にぎわっていると思うがね。2の目が5つ。」
「ここに来た時には俺達もそう思った。でもそれは罠だったのさ。ここに来た途端、活気が失われていったんだ。コール。」

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というわけで、今年はここまで。
来年中に第3部を終わらせられるといいなー。でもその次がなー。
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S3-26 11日目:ゴブリンジョークで親睦を図る [ソーサリー3:七匹の大蛇]

「俺の勝ちだな?」
君は賞金を受け取るため、ブラックエルフに手を差し出した。彼はそれに応じたが、気乗りしなさそうだった。
「もうひと勝負するかい?」エルフが尋ねる。「次は金貨6枚にしよう。」
君が首を振ると、エルフ達は肩をすくめ、代わりに仲間内でゲームを始めた。彼らは何かの瓶を回し飲みしているが、君には寄越そうとしない。
「俺にジョークをやらせてくれ。」君が話し始めると、エルフ達はゲームを中断し、振り向いて君に注目した。
「ジョークだって?」一人が吐き捨てるように言う。「お前は荒野から俺達の隊商の中にさまよい出てきて、ジョークを言わせろっていうのか?」
「ゴブリンのジョークなんだ。」君が続ける。
「なら続けろ。」エルフ達が目を細める。「だが笑わせろよ。」
「ゴブリンの結婚式の料理は何故糞でできているか?」エルフ達が無感動なまま君を見つめる。
「それは、花嫁に悪い虫が付かないようにするためさ!」君がオチを言う。
エルフ達は互いに顔を見合わせた。と、1人のエルフが笑った。すると、他の者も笑い始めた。エルフの女が最後にくすくす笑いながら言った。「ゴブリンの女は実際に糞の臭いがするから、それは本当の話だね。」
今や彼らは微笑んで、君に会えたことを喜んでいる。
彼らの機嫌を損ねたくなくて、君は話題を変えることにした。「7匹の大蛇について何か知らないか?」君が小声で尋ねる。
エルフの女が警戒して君を見つめる。「ほんのちょっとだけなら。」女が真顔で答える。「月の大蛇が最近ここを通ったよ。アナランド人って奴の行方を知りたがってた。あんたのことかい?」
「いいや。」君が答える。「でもバクランドを行く旅人なら誰でも、奴らのことを知りたがるものだろ。」
彼女がうなずく。「確かにね。まあ、あたいから助言できるのはただ一つ、何としても奴らをやり過ごすってこと。どいつもヤバいけど、時の大蛇にはどんな手段を使っても敵わないからね。」そう言うと、彼女はたき火を見つめながら押し黙った。
「どこかで買い物できないかな?」君が尋ねる。
「買い物だって?あんたはそんなに裕福そうには見えないけど。」エルフの一人が返す。
「少しは持ち合わせがあるんだ。」
「ウールーが店をやってるよ。」エルフが肩をすくめて答える。「あいつは売れそうな物が残っているなら何だって売ろうとするよ。」
火がはぜて音を立てる。古い荷馬車の木材を燃やしているようだ。
立ち上がって、たき火を後にする。

2人の武装したエルフに護衛された大きな幌馬車へ向かう。君が近づくと、片方が扉をノックした。
中からやせこけた黒い顔が現れる。ウールーだ。
「さあ、ようこそ!」彼が話し掛けてくる。「バドゥーバクのこんなど真ん中で、わしらはどんな買い物上手と出会ったのやら。とは言っても、わしらはいつだってバドゥーバクのど真ん中にいるんだがね。」
「俺は魔法使いだ。」
「それはそれは、」ウールーの口ぶりとは裏腹に、君は彼の目の中に警戒の色を見て取った。「魔法の品をたくさん売り出しておりますぞ。ここらじゃ誰も欲しがらぬでな。中に入って、取引できるかどうか確かめようじゃないか。」
ちょうど彼の肩越しに、散らかった棚が見える。幌馬車の中を覗くと、埃っぽい棚にガラス、水晶、武器、黄金が輝いているのが分かった。とても好奇心をそそられる光景だ。
「興味をお持ちのようですな。」ウールーがささやく。
君はウールーを片側へ押しのけると、彼の素晴らしい幌馬車の中に入った。


【変化点】
・金貨:67→77枚

【感想】
2018年になりました!
ここでは、買い物以外にも食事を願い出ることもできます。お馴染みワートルスープなどが供されるのですが、今回の攻略ルートはこのほんの少しの時間経過も許容できなかったため、泣く泣くスルーしました。我ながらシビア過ぎ…。
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S3-27 11日目:ウールーの店でバクランド旅行記を買う [ソーサリー3:七匹の大蛇]

薄暗がりに慣れるのに少し時間を要したが、目が慣れてくると、そこが貴重品や魔法の道具や装備の宝庫だと分かった。君の反応を見てウールーがにんまりする。
「それで旅の方、何が好みかな?武器?魔法?それとも、工芸品?特別な人への旅のお土産になるようなお宝とか?ここには何でもあるよ。」
そんなに持ち合わせがない君は、どこから見ようか迷った。

本や巻き物の棚を眺める。くるくる巻かれた巻き物と重い革装丁の本に興味を惹かれる。
巻き物には『日記:バクランドの秘密』と書名がされている。君がそれを興味深く眺めていると、ウールーが後ろにやって来た。
「それはブラックエルフの学者フィズラムの書でね、」彼が声を掛けてくる。「彼は偉大な思想家だった。」
「これには何が書かれてるんだ?」君が尋ねる。
「フィズラムのバクランド大旅行にはこの辺りの谷や山などが書かれとる。わしらの同族がバドゥーバクを旅して集めた知識の集大成、といった感じかの。」
「彼にどんな出来事が?」
「実に感動する話だよ。彼が飢えて、さらに姿の見えないスナッタキャットに襲われてひどく傷ついていた時に、ある女魔術師に出会った。彼女はフィズラムを引き入れ、そこで友情が芽生えた。だがたったの2日で、彼は再びそこを出て旅立った。」
ウールーが指を立てた。「巻き物はほんの金貨2枚だよ。」彼が告げる。
「それで、彼は何故そこを去ったんだ?」
「そこまでは書かれてないねえ。」ウールーが答える。「多分フィズラムには大いなる任務があったから、そこに留まって知識を授けてくれるようフェネストラが望んだにもかかわらず、立ち去ったんじゃないかな。」
「それから彼に何が起こった?」君が尋ねる。
「最後に?」ウールーが答える。「彼は老齢で亡くなったよ、全ての賢人と同じように。」
値段は小銭程度で、中には役に立つ情報があるかもしれない。君が金貨2枚を支払うと、ウールーは恭しくお辞儀をして君に巻き物を手渡した。
すぐに巻き物を開いて眺める。ほとんどは小さくて判読しがたい筆跡で書かれている。
「それを書いた時、彼は酷く具合が悪かったんだ。」ウールーが弁解するように言う。「他の箇所はもっと読みやすいから。」
巻き物を彼に手渡す。「これを読んでくれ。」
ウールーが肩をすくめる。「いいとも。でも条件が一つある。わしが読んで聞かせたら、この巻き物はわしがもらう。」彼が笑う。「また売るためにな。分かってもらえるかな?」
君が巻き物を手渡すと、ウールーはそれを読もうと水晶玉を目に近づけた。
「ええと、」彼がつぶやく。「ほら、わしが言ったように、彼は女魔術師について語っておる。フィズラムは二人の人物に出会った。一人目は偉大なる『シャム』で、彼女はただのノームに変装して山岳地帯を旅している。二人目はスナッタの森に住む素敵なフェネストラだ。フィズラムは森で何日も道に迷ったが、彼女に会ってからはそれを決して後悔しなかったようだ。」
「なるほど。それで他には?」君が先を促す。
「ええと…。」ウールーが爪を文字の行に沿って走らせる。「平原にある環状の石柱群がかつて強大なパワーを宿していたことや、以前住んでいた村人が使っていたというバドゥーバク峰を抜ける失われたトンネルの伝説について彼は言及しているな。土着の神々はどれも信用するなとも言っている。」ウールーが巻き物をクルクルと巻く。「これで全部だ。」
「それに金貨2枚の価値なんてないぞ。」君が彼に文句を言う。
ウールーが申し訳なさそうに肩をすくめる。「知識を買ったのなら、それはもう元には戻らないよ。多分他に気に入ったものを見つけられるだろうから、それを値引きしてあげよう。」


【変化点】
・金貨:77→75枚(巻き物)

【手掛かり】
・スナッタキャットは目に見えない!:スナッタの森のスナッタキャットは瞼を閉じると姿が見えなくなる。
・魔女フェネストラ:スナッタの森で魔女フェネストラを見つけなければならない。
・シャム:シャムの本当の名は丘のディンタインタ。彼女はたいていノームに変装して旅している。

【感想】
ウールーの店は、いわゆるアンティークショップのような雰囲気に近そうです。当時、原作の挿絵を見てワクワクしたのをよく覚えています。
フィズラムとの経緯を後で実際にフェネストラに聞くこともできます。でも確か、返事は素っ気なかったような…。
主人公は巻き物の内容が足りないと文句をつけていますが、実際にはヒントが結構盛りだくさんです。
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S3-28 11日目:門外不出のはずが… [ソーサリー3:七匹の大蛇]

次に君は重い革装丁の書物を棚から持ち上げた。ページをめくると、それは呪文書だった。アナランドの魔術師の長自らが作成したものだ!
「これはどこで手に入れた?」君が尋ねる。「この本は厳重に管理された貴重品だぞ!」
「通りすがりの旅人からだよ。」ウールーが事もなげに答える。「彼女は質のいい剣とそれを交換したんだ。武器だけがこの地で生き延びるのに役立つと思ったようだね。」
君には2冊目の呪文書は不要だが、悪の手にこれが渡るのを防ぐために買い取るべきだろう。
「これをいくらで売ってくれる?」君が尋ねる。
「それにそんなに価値があるとは思えないね。」彼が答える。「金貨9枚ってところかな。」
君は次々とページをめくって、書かれている呪文を確かめた。その時、君の知らない呪文に行き当たった。呪文の名は『ZOB』、一番パワーがありそうだ!
君はページを平らになるまで開いて、その呪文を詳細に読もうとした。だが、ウールーが咳払いをして、君の手から本をひったくった。
「悪いが、」彼が口先上手く告げる。「わしも商売人なんだ!買うつもりがないなら、商品を汚されるわけにはいかないよ。」
「買うよ。」
喜色満面でウールーが代金を受け取る。
呪文書を1冊持っているだけでも危険だが、2冊が悪の手に落ちるようなことになれば、それはもう大きな悲劇だ。新しい呪文を覚えた後は、どんな手を使ってでもこの本を処分した方がいいだろう。君はこれを荷物に加えた。
棚に注意を戻す。ウールーが伸び上がって、品物から値札を引き抜いた。「これは無視してくだされ。」彼が弁解する。「これはザメンの値段で、ここらとは違うんだ。」

棚の上の魔法の道具を物色する。えり抜きの逸品がある。
君は水晶の玉を取り上げた。光り輝いている。以前、下カーレの畑で使ったシリシのものより遥かに状態がいい。
「本物の海水晶だよ。」ウールーが言う。「それは金貨12枚だ。」
水晶の玉の奥を覗き見る。移ろいゆく雲、将来の希望、時の流れで中は満たされている。恍惚状態とならないよう、自我を引き戻さねば…。
残念な思いで首を振りながら、玉を棚に戻す。ウールーがうなずく。「お望みのままに。」
「それが好みじゃないなら、」ウールーが口を挟む。「これはどうかな?」真鍮の振り子を一本指で揺らしながら、彼が差し出す。
振り子は軽かったが、精巧に作られている。それを振ると、重りに光が反射して煌いた。
「これも金貨12枚だよ。」ウールーが告げる。「とても質の良い金属だからね。」
もう何回か振り子を振ってみる。ウールーが上機嫌でうなずく。「そうそう、その調子だ。」
ウールーに代金を渡す。彼は金貨を財布にしまい、君は振り子を荷物に入れた。

君の視線が美しく磨かれた一つの指輪に落ちる。フックに掛けられている。
「真珠だよ。」ウールーが言う。「ダドゥーヤドゥーの巨大貝から採れたものだ。たったの金貨7枚であんたのものさ。」
すでに持っているものとよく似ているが、そちらの方が値打ちが少し劣るかもしれない。
指の間で指輪をひっくり返して、宝石をよく調べようとつまみ上げる。中央の真珠は乳白色で大きい‐眼球の大きさほどもある。宝飾品として価値があるのはもちろんだが、呪文にも役立つはずだ。
それでも君はそれを元のフックに掛けた。ウールーが埃を払ってからそれを棚に戻す。

棚にもう一度目を戻す。
君の伝説の剣を超える武器がないか探してみたが、そんなものは見つからなかった。
ウールーが所持しているのは、木こりの斧と鎖帷子だけだ。
棚から斧を取り上げる。「これは武器なのか?」君が尋ねる。斧は重く、取っ手は長過ぎて運びにくい。
ウールーが笑う。「相手は木だけだよ。それは木こりの斧で、伐採のために祝福を受けているんだ。あんたは多分いらないだろ。」
「いくらだい?」君が尋ねる。
「あんたみたいな上客にかい?」ウールーが答える。「あげるよ。お代は結構。」
「じゃあもらおう。」

続いて鎖帷子を手に取ろうとすると、ウールーが首を振った。「済まないが、それは売れない。」
「何故だ?」
「この辺りは物騒でね。それはわしが持ってる最後の鎧なんだ。自分のために取ってある。悪く思わないでくれ。」
君が笑うと、ウールーは鼻の頭を爪で掻いた。


【変化点】
・金貨:75→66(呪文書)→54枚(振り子)
・+魔法の呪文の書
・+真鍮の振り子
・+木こりの斧

【新呪文】
・ZOB

【感想】
原作でも問題になった魔法の呪文の書。アプリ版では、先行する女勇者が売っていったそうです。でも早く処分せねばと言いつつ、手元に置いていた方が燃やして使えるのでお得だったりします。
木こりの斧はある程度買い物をすると(金貨20枚以上?)、タダで譲ってくれます。
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S3-29 11日目:催眠術で掘り出し物をかすめ取る [ソーサリー3:七匹の大蛇]

食料品を探す。だが、ここにはほとんどなく、干したヴィトルの袋が一つと、風変わりな瓶が数本あるだけだ。
瓶の一つは澄んだ液体で、もう一つには鎌首をもたげた蛇が描かれている。
瓶を手に取ってラベルを眺める。中身はダドゥーリーの聖なる泉から汲んだ水となっている。もちろん君はダドゥーリーに行ったことがあるが、そんな泉のことは記憶にない。
「これは本物なのか?」君が尋ねる。
ウールーが感情を込めてうなずく。「金貨6枚だよ。」
ウールーから瓶を買う。彼は嬉しそうに金貨を受け取った。
もう一つの瓶は蛇の解毒薬だ。ウールーは何本か持っているそうだ。彼は1本につき金貨6枚の値段をつけた。
だが君には必要ない代物だ。もし7匹の大蛇に咬まれたら、解毒剤など役に立たないだろう。
ヴィトルの入った袋を持ち上げる。ヴィトルは固い干し肉が中に入った小さなボール状のパンで、長期間の保存が可能だ。4日分には十分な量が袋に入っている。
「それも金貨6枚だ。」ウールーが告げる。「新鮮なやつだよ、まあまあね。」
君が首を振る。ウールーは埃を払ってから、それを棚に戻した。

「多分、あんたが興味を持ちそうなものがあると思うんだが。」君は荷物の中身を見るよう、ウールーを手招きした。
君が長剣を見せると、彼は慎重に考え込んだ。
「それには金貨7枚払おう。」彼が言う。
「それでは安過ぎる。」君が言い返す。
彼が肩をすくめる。「それがわしの買い値だよ。売るか売らないか、どっちなんだ?」
君が長剣を手渡すと、ウールーは君に金貨7枚を支払った。
君がまた袋を閉じると、ウールーが肩をすくめた。「気分を変えるには買い物するのがいいんじゃないか?」

外から騒々しい言い争いが聞こえてきた。少ししてから、鋭い叫び声が上がる。ウールーが少し笑みを浮かべる。
「NAp!」
真鍮の振り子を慎重に取り出して呪文を唱えながら振る。ウールーが自分の意思に反して振り子を見つめ始める。「見事なまでの職人技じゃないか?」彼がつぶやく。彼の目が閉じていき‐そして眠りに落ちた!
振り子をしまう。ウールーが寝ている間、君が値打ち物をタダでせしめるのを阻むものは何もない。
水晶の玉は美しく、極めて貴重だ。君はこれを棚からそっと持ち上げて自分のものにした。
ウールーは満足げにいびきをかいている。
君は棚から鎖帷子を取り出した。それは軽く繊細ではあるものの丈夫そうだ。
その時、幌馬車の扉が開き、ブラックエルフの衛兵の1人が入ってきた。そいつは君が鎖帷子を棚から取ったのを目にした。
「その代金を払ったのか?」そいつが尋ねる。
「もちろん。」君が抜け目なく答える。
ブラックエルフは君を品定めした後、うなずいた。「いいだろう。」彼が答える。「ところで、ウールーはどこか悪いのか?」
「さっぱり分からないな。」肩をすくめて君が答える。「でも彼はもう年だろう?」
「客の面前で寝るほど老いぼれてはいない。」
「彼は病気なんだよ。」
その嘘は明確な効果をもたらした。衛兵が一歩後ずさる。「どんな病気だ?」彼が尋ねる。
「目が痒いそうだ。」
そいつは青ざめた。「ここから出ろ。今すぐにだ。」
君は毅然として衛兵に別れを告げると、幌馬車を後にした。ウールーはすぐに目を覚ますだろう。

野営地の端へ向かい、荒野を横切る旅を続ける。去っていく君をエルフ達が少し興味を持って眺めていたが、止めようとする者はいなかった。
君はそのまま歩き続けた。


【変化点】
・金貨:54→48(聖水)→55枚(長剣)
・+聖水の瓶
・+水晶の玉
・+鎖帷子(+2)
・‐長剣

【感想】
ウールーの指導者としての威厳はかなり落ちているらしく、この隊商を再訪した時、彼はメンバーに造反されてはりつけに処されています。哀れなり。
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S3-30 11日目:第2の塔から第1の塔へ瞬間移動 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

ぽつぽつ見かける家畜を通り過ぎ、青々とした大草原を30分ほど歩く。
暗くなってきた。休まねば。飲まず食わずで歩いた後なら尚更だ。
2番目の塔まで戻ってきた。月が空に昇り、月明かりで扉の輪郭を浮かび上がらせる。

塔の中に入る。内部はひんやりしているが、冷たい風を避けられるのは嬉しい。
天井のくぐり戸は開いたままだ。

塔の天辺に出る。筒が据えられ、そこから摩訶不思議な光が大地を照らしている。
全方位の景色を楽しみながら、ぐるっと回る。光に照らされた地割れには水が走り、全てが明るく青々としている。その光景にまたしても目が潤んでしまう。
この筒は最初のものと似ているが、こちらの方が細く、片手分ほど長い。
青い光に触れると、君の身体は急に空へと持ち上がっていった…。

次の瞬間、君は上空から急降下し始めた。風が顔をよぎって吹き抜ける。
このままでは君の身体は粉々になってしまう‐だが唐突に、君は再び地上に降り立っていた。南の崖に近い最初の塔の天辺に戻ってきたのだ。
灯台が灯り、水晶の目が輝いている。
真鍮の筒を動かしてから、その出来栄えを確認しようと後ろに下がる。
光を灯したまま、君はまた胸壁から身を躍らせた。今度の下りは容易い。

塔の外側に降り立つ。道に戻ろう。

君が道に戻ると、後ろから声がした。「ちょっといいかな。」
パッと振り向くと、そこには小さい少年がいた。仮面を手にしている。彼はそれを君に差し出してきた。
「それはどこで手に入れたんだ?」
「あんたが落としたんだよ。」少年が答える。
「取っとくといい。」手を振って促す。
少年は驚いた様子だったが、やがてうなずいた。「分かった。そうするよ。ありがとう。」
君は膝をついて目線を少年と同じ高さにした。彼は明らかにこの地方の住人だから、色々知っているだろう。
「君はどこから来たんだい?」少年に尋ねる。
「カーレさ。」驚いたことに、少年はそう答えた。「でもお使い中なんだ。はるばるティンパンまでね!時々やるんだ。」
「それで、ティンパンはどこにあるんだ?」
「橋を渡って沼を越えた湖の近くだよ。」彼が答える。「だいたい1日あればそこに行けるよ。」
この少年がバクランド全土を踏破できるなんて驚きだ。ここは君が知っている中で最も危険に満ちた場所だというのに!
「塔について何か知らないかい?」君が質問を続ける。
「灯台のことかい?」少年が肩をすくめる。「何であれに興味があるの?」
「あれが何なのかよく分からないんだ。」
「ただの魔法さ。」むっつりと少年が答える。少年は足を入れ替えながら飛び跳ねている。
「崖の洞窟には誰が住んでいるんだい?」君が尋ねる。
「大昔の予言者の成り損ないがいたよ。」少年が答える。「彼女は全生涯を占いの研究に費やしたんだけど、全然上達しなかったんだ。彼女の姉のブリアは要塞に行ってもっと強くなったんだけど。」彼はバドゥーバク峰の南の山頂を指差した。
少年が慌ただしく笑みを浮かべる。「もう行かなくちゃ。本当に行かないといけないんだ。」
「どこに?」
「家に帰るんだよ、」言葉少なに彼が答える。「門が閉じる前に。」
最後にうなずくと、彼は君とは反対方向に道を進んでいった。
彼が去ると、君は胸が熱くなる感じがした‐少年への気前良い行いに対するクーガの祝福があったのだ。


【変化点】
・現在/最大体力:9/19→13/19(クーガの祝福)
・‐黒い仮面

【感想】
またしても黒い仮面が犠牲に。ここで仮面を返してもらうと、今度は裏が金張りの鏡を盗まれてしまいます。とにかく手癖の悪い少年ですが、興味深い話も聞けます。
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↑灯台間をワープ!
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↑今回の攻略は照射範囲の微妙な調整が命!
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S3-31 11日目:樹の下のエルセラ [ソーサリー3:七匹の大蛇]

きちんと舗装された道を離れ、草地を横切る。夜の空気は冷たく、まるで氷のようだ。
夜行性動物が鼻を鳴らしたり藪に頭を突っ込んだりしている。頭上では、細長い鳥の群れが冷たい空気の中、ハエを追いかけながら飛び交っている。
少し前に目にした枯れ木は、今や力強く枝を広げた若木になっている。まるで数分前に植えられたかのようだ。あの背の高い枯れ木とはとても信じられないが、場所は同じなのだ。
その木陰には、一人の女性が目を閉じたまま足を組んで座っていた。
しばしその女性を見つめる。ゆっくりと息をして、何かをつぶやいている。お祈りしているのだろうか?この平原の生き物がどんな獣を神として信奉しているのか分かったものではないが。
彼女の首には巨人の歯らしきものが革ひもでぶら下げられている。
君は瞑想中の女性に近づいて静かに咳払いした。「ちょっといいかい。」
女性は片方の目を開けると、悲しげに首を振った。「あそこに行くつもりなのね。」少し向こうの東の方角を指差しながら彼女が言う。
「どういう意味だい?」
もう片方の目も開けながら、彼女は首を振った。「気にしないで。練習すれば予知の力が上達すると言われてたから。」彼女が手を差し伸べる。
君が握手すると、彼女は笑った。「随分堅苦しいのね。ようこそ、旅の人。私はエルセラ。ようこそ、平和と豊穣の地イシュタラへ。」
「シャドラックもこの地をそう呼んでいたな。」君が言う。
「もちろんそうよ。」彼女がにっこり微笑む。「あなたの物腰を見てると、あなたがここでは全くの異邦人だってことも分かるわ。イシュタラはね、東はザンズヌ連峰から北のクラウドキャップ山脈と南の海にまで及ぶ古代世界のことなの。」
「俺はアナランドから来たんだ。」君が告げる。
彼女の表情から、その地名が彼女には意味不明だったと思われた。「きっと遠くから旅してきたのね。」上品にうなずきながら、彼女が答える。「少しの間、一緒に座らない?」
「どこかで休みたいな。」首を振りながら君が答える。「夜はもっと寒くなる。」
彼女がうなずく。「そうよね。向こうにフィッシュテイルロックと呼ばれる洞窟があるわ。」君がシャドラックに会った東の方に向かって、彼女は手を振った。「そこに住んでいる隠者はきっと気にしないはず。」
「俺は彼に会ったことがあるんだ。」君が答える。
「彼は聡明な人よ。」彼女がため息をつく。「少しの間だけど、彼は私のお師匠様だったの。でもあの人はうんざりしてきたんです、私の…に。」彼女が額を軽く叩く。「彼は私が愚かだとおっしゃいました。私も…そう思う。」何かの理由があるのか、彼女は後ろの樹の幹をなでた。「ともかく、今は独学の身よ。」
君は彼女の真向かいに腰を下ろした。彼女が君に微笑む。
「私は第3の目を訓練しないといけないの。」額に埋め込まれた小さい宝石のような何かを指で示しながら彼女が言う。「一緒にどうかしら?」彼女はポケットに手を突っ込むと、小さなサイコロを取り出してみせた。
「スウィンドルストーンかい?」君が尋ねる。
彼女は面白がっているようだ。「スウィンドルストーン?シャドラックは以前そう呼んでいたけど、ここではマインドストーンと呼ばれているのよ。私はあなたの考えを読んでみるわ。あなたが私の心を読もうとするのと同じように。いかが?」
「君は心が読めるのかい?」用心して尋ねる。
彼女が首を振る。「いいえ。勉強はしているのだけれど、私のその感覚は弱いの。お願い、訓練に付き合って。」
君が天上の星に向けて呪文を唱え始めると、エルセラは君の腕を掴んだ。「これは魔法じゃなくて内なる感覚を試すゲームなの。」彼女は額に手を当てた。
「分かった、やろう。」君が宣言すると、エルセラは微笑んだ。
「ありがとう。あなたにとって骨のある相手になればいいのだけど。」


【感想】
別な場所で再会した際の会話によると、彼女は16歳だそうです。イラストではもっと大人びて見えますが。
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S3-32 11日目:エルセラの訓練に付き合う [ソーサリー3:七匹の大蛇]

エルセラが君にサイコロを寄越してきた。君に宣言するよう合図をする。
君はサイコロを振ると、最初の宣言を何にするか考えた。
「君はここから離れた所に住んでいるのかい?2の目が1つ。」君が尋ねる。
「平原じゃないけどこの近くよ。2の目が3つ。」
「村は見当たらなかったが。4の目が3つ。」
「ほとんどは北の方にあるわ。」身振りを交えて彼女が答える。「でも私は崖の辺りで修行しながら暮らしているの。コール。」

「あなたの思考はとても分かりにくいわ。」エルセラが不満をつぶやく。「もっとはっきり見たいのに入っていけない。4の目が2つ。」
「もしそれができたなら、ゲームは簡単だろうな。4の目が4つ。」
「目に見えるもので簡単なものなんて何もないわ。4の目が5つ。」彼女が答える。
「心の中を覗くのはどんな感じだい?4の目が6つ。」
「心が澄んでいれば川で泳ぐ感覚に近いわ。でも心が濁っていれば…、さあコールよ。」

「この近くで奇妙な塔を目にしたんだが。4の目が1つ。」
「灯台のことね。」彼女が笑いながら答える。「何もおかしなことなんてないわ!1の目が2つ。」
「ここでは唯一の石造建築だ。4の目が2つ。」
彼女が肩をすくめる。「農地では、そうね。でも私達の村にはもっとたくさんある。2の目が3つ。」
「そら、嘘を見破ったぞ。コール。」

君はニヤリと笑って、エルセラの最後のサイコロを取り上げた。「俺の勝ちだ。」彼女に告げる。
エルセラが笑う。「あなたは闘争心に溢れているのね。もう1回やらない?」
「やろう。」君が答えると、彼女は微笑んだ。

君がサイコロを振る。エルセラは固く目を閉じたまま、独り言をつぶやいている。
「あなたは旅をしているの?4の目が1つ。」
「やむを得ずね。1の目が2つ。」
「そうなの?私も旅に出たいわ。4の目が3つ。」
「一緒に来てもいいよ。4の目が4つ。」
彼女が顔を赤らめる。「私には無理、あなたの足手まといになってしまうもの。4の目が5つ。」

「カーレを通ってきたの?4の目が1つ。」彼女が尋ねる。
「そうさ。1の目が2つ。」
「あそこは小さな集落よ。」彼女が言う。「いずれ重大な影響力を持つようになるとシャドラックは言ったけど、本当かしら。1の目が3つ。」
「もう二度とあそこには戻りたくないな。1の目が4つ。」
エルセラは笑わなかった。「それじゃ、1の目が5つ。」

「前にこの道を来た時、ここは荒れ地だった。3の目が1つ。」
エルセラが笑う。「荒れ地ですって?ここは平和と豊穣の地なのよ。3の目が2つ。」彼女が答える。
「何かおかしなことが続いているんだよ。4の目が2つ。」
「コール。」

エルセラはお辞儀をすると、君の手から最後のサイコロを摘まみ取った。「もっと集中しないと。」エルセラが君に助言する。
「これでゲームはお終い、」エルセラが言う。「あなたの負けね。」
エルセラが嬉しそうに笑う。「あなたの思考はとても読みやすかったわ!」興奮して気が回らない様子だ。「またやる?」
「いや、もういい。」首を振って答える。「君の勝ちだ。」
君に同情して彼女がうなずく。サイコロを集めると、彼女はそれを君の手のひらに移した。「これを受け取って。」彼女が告げる。「私よりあなたが持っていた方が役に立つわ。そんな予感がするの。」
君はそれを彼女の手にそっと戻した。「諦めちゃ駄目だ。」彼女に助言する。「物事には時間がかかるものなんだ。」
彼女は君の目を考え深そうに覗き込んだ。それからうなずく。「ありがとう、旅の人。」彼女が答える。「優しいのね。」
彼女は微笑むと立ち上がった。「もう行かないと。」彼女が告げる。「つつがない旅を。その気になったら寄ってね。」彼女は、君がバクランドに来た時に下った崖の方を手で示した。
彼女が立ち去ってから、平原を見渡す。南と西は崖の断層が空を遮り、その頂上は夜と同じくらい暗い。北は大地を横切る遠くの光線の方まで草地が広がっている。


【感想】
古代世界の南の崖の洞窟には、(鷹として過ごした期間は除いて)113歳の老婆になったエルセラが住んでいます。曰く、今回の出逢いで彼女は主人公に一目惚れしたそうです。彼女は主人公のために、洞窟の壁に七匹の大蛇に関するヒントを残してくれています。旧世界にこの洞窟に来れば、時代を越えたこの書き付けを目にすることができます。個人的願望としては、アリアンナとエルセラにはもっとロマンティックな展開が欲しかった(笑)。
それにしても、シャドラックといいエルセラといい、古代世界の住人は動植物に姿を変えられるようです。
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S3-33 12日目:バドゥーバク峰に向けて夜通し歩く [ソーサリー3:七匹の大蛇]

草地を横断し、古道に合流する。冷たい夜が更けていく。
道はきちんと舗装され、多くの旅人が通った跡や湯気を立てている家畜の糞が残っている。
誰かが荷物の包みを落としている。見ると、それは布で巻かれており、生臭い魚の臭いがぷんぷん漂っている!
そばを荷車が止まりもせずに通り過ぎていく。
君は包みを拾い上げた。魚は新鮮で数時間前に別の荷車から落ちたばかりに違いない。だがこんな場所のどこで新鮮な魚が手に入るのだろう?

舗装された道を歩き続ける。道は緩やかに曲がっていく。
やがて道は途切れた。かすかな光が東の方に差している。
東西を走る道はここで北に分岐している。東への道は山からの落石でほとんど埋もれている。

山腹へ登っていく道をたどり始める。
地平線の向こうから朝日が昇ってきた。バクランドに来てから3日目の夜明けだ。
夜通し起きていたため、体力が落ちてしまった。
東の方を眺めても、この地域を二分しているバドゥーバク峰よりも先は見えない。だが、峰の間を抜ける道がまだあるかもしれない。

今君がいる場所には奇妙なことが起こっている。おびただしい数の小石が、君を通り過ぎて坂を転がり落ちていくのだ。
君は小石の流れに手を差し入れた。石が君の手にぶつかるが、ほとんどはコリアンダーの種ほどの大きさもない。
君は小石を1つ2つ掴んでみたが、手にしたそれは小さ過ぎて呪文の役には立ちそうにない。
だが状況は変わりつつあった。間もなく、君の足の大きさほどもある石が山腹を転がり落ちてきた。ここに到達するまであと1,2分しかない。
それでも君は、石の激流からちょうどいい大きさの石を1つだけ掴み取ることができた。
そうこうしているうちに、もっと大量の石が暴風雨のような音を立てながら降ってきた。
「WAL!」
岩石の滝が壁に当たって、君に害を与えることなく跳ね返る。だが、今や前方の道は塞がれている。

魔法の壁にしっかり守られたまま、目を閉じて慈悲の神クーガに祈りを捧げる。
その時突然、地面が横に揺れた。君は岩石の激流となった斜面をただ転がり落ちるしかなかった。見えざる魔法の壁は、元いた上の方で消えてしまった。
君は手足を使って、今や垂直に切り立った斜面を登ろうとした。だがそれは動いており、後ろ側に反っている。
しばらく君はぶら下がっていたが、すぐに落下した…。

少しして君は固い地面に着地した。見上げると、畏怖の念を抱かせる光景がそこには広がっていた。
君の前に、途方もなく巨大なロックデーモンがぬっと立っているのだ!君は眠っているそいつの背中を歩いていたのだが、今やそいつは目を覚ましてしまった!


【変化点】
・現在/最大体力:13/19→9/19(徹夜)→6/19(魔法)→12/19(祈り)
・+生魚(2食分、ただし調理が必要)
・+玉石(1個)

【感想】
後の時代のバクランドと異なり、イシュタラは荷車とすれ違うほどには人口があるようです。
なお、落石やロックデーモンは旧世界のイベントです。例によって、灯台の光の周辺部は時の風で両方の時代を移ろっているので、うまくタイミングを見計らって移動しています。
今回は休んでいる間も惜しいので徹夜の強行軍となっていますが、おかげで体力がガタ落ち。せめて朝を迎える前に食事をしておけばよかった…。
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S3-34 12日目:ロックデーモンを撃破、水晶の歯を入手 [ソーサリー3:七匹の大蛇]

ロックデーモンはその足で君を踏みつぶそうとしたが、君は何とか逃れた。
「WOK!」
金貨を1枚手首において呪文を唱えると、すぐに金貨は消えた。腕に見えざる盾の重みを感じる。
ロックデーモンが巨大な頭を巡らせて君を見下ろす。その両眼は噴火口のようだ。
「RAZ!」
蜜蝋を少し伝説の剣の刃に塗ってから呪文を唱える。だが、その効果は少ししかもたず、盾を道連れに消え去った!
2つの魔法はどういうわけか消えてしまった。おそらく盾の呪文が剣の強化を妨害したのだ!
ロックデーモンが片足を振り上げる。
君は伝説の剣を構えた。だが相手はあまりに大きく、重い。まともな戦闘にはならないだろう…。

<第1ラウンド>
攻撃を仕掛けようと前に飛び出す。ロックデーモンは君を見やると、片足を高く上げた。
そいつがドシンと足を下ろす。君は油断なく動き回ってよけたものの、奴の打撃は圧倒的だ。
デーモンの両眼が赤熱した石炭のように輝く。

<第2ラウンド>
剣を構える。それから剣を一振りして、ロックデーモンを後退させる。そいつは近くの岩を掴んで投げつけてきたが、君はそれをかわすと剣で奴の側面を斬りつけた。
小石の雨の中、奴が姿勢を低くする。

<第3ラウンド>
君は攻勢を保ったまま、手近な岩をロックデーモンの頭目掛けて投げつけた。そいつはゆっくりと身をかわした。
怪物の目が内なる炎で鈍く輝く。

<第4ラウンド>
再び前に出る。相手の喉元に剣を深く突き刺す。ロックデーモンは君の攻撃になす術がない。
そいつが雷鳴のような轟音でうめいて、少し後ずさる。信じられないことに、君は奴にダメージを与えているのだ!

<第5ラウンド>
剣を構えたまま後退する。ロックデーモンがお構いなしに君を殴りつけてくる。
奴が君を見据える。

<第6ラウンド>
身を低くする。岩や砂埃が君の周りに降り注ぐ。ロックデーモンが重い拳を繰り出してくる。

<第7ラウンド>
勝ち目はなさそうに思えたが、君はさっと跳躍すると、大胆な一撃に賭けてそいつの首に剣を振り下ろした。ロックデーモンはよろよろと後ずさって体勢を崩した。そこから何とか左足で踏みとどまる。
巨礫がロックデーモンの脇腹からあふれ出ている。もう少しで倒せる!

<第8ラウンド>
ロックデーモンを遠巻きにする。奴は指で君を薙ぎ払った。頭がくらくらする。頭から星を振り払おうと努める。

<第9ラウンド>
まさに命懸けの戦いだ。君は剣を突き上げてそいつの喉を、それから今度は股の付け根を突き刺した。
軋み音が轟き、巨礫がロックデーモンの胸から滝のように地面へと流れ落ちる。
埃と石を噴水のように盛大にまき散らし、そいつの身体は爆散した。

静けさが重く深く訪れる。大けがを負った君は、ブリムベリーの搾り汁を飲んで体力を回復した。
奴が残した唯一のものは1本の大きな水晶だけだ。その水晶は先端を除けば滑らかで、横にはこすったような跡がある。
その形を突き止めるのに少し時間を要した。これは歯だ!
君は両手で水晶を持ち上げると、背負い袋に収めた。こんな重くてかさばるものを運ぶには、多大な労力を要するだろう。
背負い袋に入れた歯の重みによろめく。石の雪崩は収まり、山道は再び開けている。
君は歩みを再開した。

吹きさらしの坂道を重い足取りで歩く。早朝の風は弱くまだ冷たいが、新鮮だ。


【変化点】
・現在/最大体力:12/19→11/19(魔法)→3/19(戦闘)→6/19(ブリムベリー)→4/17(ロックデーモンの歯)
・金貨:55→54枚
・‐蜜蝋(1回分)
・‐ブリムベリーの搾り汁(1本)
・+ロックデーモンの歯

【対抗呪文】
・RAZ⇔WOK

【感想】
第3部からは魔法の呪文の書に対抗呪文が登録されます。今回はまさに『矛盾』があったようです。
いよいよ体力がヤバくなってきました…。
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ロックデーモンの凄まじいパワー!防御しても2点のダメージ。
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S3-35 12日目:埋葬された死者を蘇生、大魔法使いの話を聞き出す [ソーサリー3:七匹の大蛇]

空き地に出た。真ん中には墓石が1つある。
墓石に近づく。その銘文は風によって摩滅してしまい、巻き付いたツタと文字の彫刻‐『BRI』とある‐がかすかに残るのみだ。
興味深いことに、墓石の土台のそばに、地面から細い管が突き出ている。
管は親指の幅ほど地面から突き出ており、その直径は指の幅くらいだ。軽い金属で作られているように見える。中を覗き込んでも暗いだけだ。
「RES!」
君は荷物から聖水の瓶を取り出して、呪文を唱えた。聖水が内側から光り輝き始める。
聖水を管の中に流し込む。
だが何も起こらない。

ここには何もない。立ち去ろうと向きを変える。
その時急に、何かが君の踵を掴んだような気がして、君はその場に凍り付いた。
恐る恐る見下ろすと、ゾッとするような光景が目に入った。骸骨の手が墓地の泥から突き出て、今まさに君のブーツを掴んでいるのだ。
何かが出てこようとしている…。
君はそのまま見守り続けた。まるで地面が沸騰しているかのように動いている。地面の下にいるのが何者であれ、そいつは外に這い出てこようと、人間とは思えない力で君の足を掴んでいる…。
これは単に『RES』の呪文の効果で、何が出てきてもそんなに長くは生きられないのだと自分の気持ちを落ち着かせながら、君は内心ハラハラしながらそれを待ち受けた。
やがて地面が裂け、頭蓋骨が現れた。虚ろな眼窩と砕けた顎から泥が溢れ出る。
次にもう片方の骨の手が現れた。そいつは自分の身体を草地の上に持ち上げると、背中からパタッと倒れ込んだ。呼吸のつもりなのか、肋骨が上下している。
君はそいつが座った姿勢を取れるよう手を貸してやった。そいつは君を凝視しようとしているのか、首をぴんと伸ばした。
そいつが顎をパクパクさせるが、音は何も出てこなかった。
「TEL!」
魔法を編み出しながら、スカルキャップを頭に置く。やがて、顎の動きに合わせて、そいつの声が君の頭の中に聞こえてきた。
「そこのお方、」そいつがうめく。「私はどこにいるの?何も見えないわ!」
「あんたは埋葬されていたんだ、」君が告げる。「地面の下に。」
「そんなことがあったの?」そいつが答える。明らかに困惑している。「私はほとんど覚えてない。私が仕えるあの方が怒ったことは微かに覚えてるけど、そこからの記憶ははっきりしないの。」
そいつは繊細な骨の指を顔に持っていくと、空っぽの眼窩を探り始めた。
「あんたは誰に仕えていたんだ?」興味をそそられて君が尋ねる。
「高地ザメンの大魔法使いその人よ。彼に千の祝福がありますように。」そいつが君の頭の中で答える。
「大魔法使いだって?」
彼女が深くうなずく。「彼は賢者であり、偉大な先生であり、この地の指導者なのよ。」
「先生?」
「もちろん。」骸骨が答える。「彼は大魔法使いなのよ。」突然、彼女は君の頭の中であえぐ。「まだあれが起こっていなければ。」
「何が起こるんだ?」
「私、視たの。」そいつが答える。「あの方に予言の呪文を試すよう促されたの。今まで誰も視たことのない遥か先を。私はやったわ、そして視た…。」君の頭の中で、彼女が少し声を詰まらせる。
「あんたは何を視たんだ?」
「剣を持った男を視たわ、アナランドから遣わされた。カーレを抜けて来るの。大魔法使いを破滅させようと送り込まれた大いなる破壊者よ。」
「それを大魔法使いに告げたのか?」
「ええ。」彼女がうなずく。むせび泣くかのように肩を震わせている。「彼の怒りは凄まじかった。私はたぶん…彼に殺されたんだわ。」
「どんなふうに?」
「私は地面の下で目を覚ましたの。両手を縛られて。私に何が分かって?」
「大魔法使いには他に何を伝えたんだ?」
「それ以上は何も、」彼女が答える。「私が視たものは。ただ、イシュタラの人々がその男の旅を助けるとだけ。」彼女がはっと息をのむ。「イシュタラは大魔法使いの生まれ故郷だった。そして彼は、この地に呪いをかけた。」恐怖に駆られた様子で、彼女は君の方に虚ろな顔を向けた。
「どんな呪いを?」君が尋ねる。
「永遠に続く後悔、」驚嘆を帯びた声音で彼女が答える。「幸せだった過去にずっと隣り合わせの空虚さをもたらしたの。」
その時、だしぬけに魔法が解けた。彼女はがくりとくずおれ、ただの骨となった。君が頭からスカルキャップを取ると、もう一つの魔法も解けた。
空き地に再び静寂が戻る。
ブーツで骨を軽くつつく。何も起こらない。
指の1つに状態の良い緑色の指輪を見つける。
ごわごわした指の骨から指輪を抜き取り、手のひらに載せる。強い魔力が君の腕を走り抜けるのを感じる。
骨の山はもう動かない。そのままにして立ち去る。


【変化点】
・‐聖水(1本)
・+緑色の金属の指輪

【感想】
大魔法使いがイシュタラに呪いをかけた背景がここで明らかとなります。ところで主人公、可哀そうな女性の骨はせめて埋めてあげようよ。
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S3-36 12日目:生前の魔女ブリアから対抗呪文を教わる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

無人の空き地を後にして、元の山道に戻る。岩肌はすっかり静かなままだ。ただ、ロックデーモンが横たわっていた場所だけがえぐれている。
歩みを落とさずに進み続ける。

登りは殺風景な岩の高台で終わっている。今日は晴れそうだ。また暑くなるだろう。
ここはかつて火山が形成した円錐状の台地なのだろう。埃っぽい石のくぼ地が広がっているが、無人ではない。真ん中に、急勾配の布地の屋根が付いた円形の小屋が建っている。
古い火山の広い火口をぐるっと見渡すが、見るべきものはほとんどない。土に混ざった火山灰が、君が山腹で目にした青々とした森林を育んだことは間違いない。少なくとも、再び火山が噴火することはなさそうだ。
冷たい山頂を吹き渡る風が君の肌に掴みかかる。

小屋に近づく。壁は木の厚板で作られ、下の岩にしっかりはめ込まれている。これは仮の掘立小屋や旅人のテントの類ではない。煙突からは薄い煙が微かに立ち昇っている。
小屋の周りを歩いてみる。とある斜面に、山腹を縦に走るすべすべした岩の裂け目を見つける。遥か下の谷底まで矢のように真っ直ぐ続いている。
石が数個、東の急斜面を転がり落ちて消えていった。

扉に近づいてノックする。中からしわがれた声がする。「遅いよ!早くおし!」
「BIG!」
呪文を唱える。しばらくは何も起こらなかったが、やがて急に君は3倍の高さまで大きくなった!
ここには強い魔力を感じる。まるで高位の魔法が存在しているかのようだ。
声の言葉に好奇心をそそられ、扉を開ける。背を丸めて腹ばいになって、背の低い小屋の中に入る。

小屋の中には立つ余地がなかった。君の巨人化の呪文のせいではあるが。
「あたしもお前さんも魔法使いだとしたら、」しわがれ声が告げる。「どっちの力が上だか分かるかい?」
「迷うまでもない。」君が返す。「それは俺だ。」
「そうかね?」声が答える。少ししてから、音楽の一節が聞こえてきた。すると突然、君の両手両足は急に上下に動き出した。
「何だこれは?」
別の音楽が流れ、君はつま先を軸にクルクルと回り始めた。君は踊っているのだ!
身体を落ち着けようとするが、全く思い通りにならない。君の手足が外から操られているというより、むしろ踊りたいという強迫観念‐くしゃみのようなもの‐が強くて、いても立ってもいられないような感じだ。
「これに抗えるほど力があるわけじゃなさそうだね。」声が告げる。音楽が止まり、君は近くの椅子にへたり込んだ。
「俺はそれの対抗呪文を知らないんだ。」
話し手が立ち上がって近づいてくるのが聞こえる。しわだらけの固い手が差し出される。
「正直だね。不器用の呪文は踊りの呪文を無効にできるよ。落ち着きな、お前さんを本当に傷つけるつもりはないんだから。どうぞいらっしゃい。」
君は大きな指で相手の小さな手と握手した。
小屋の中は柔らかな光で照らされ、今は君にも魔女の姿が見えた。だが、彼女があまりに年を取っているので、そのしわのせいで彼女の顔の特徴がよく分からない。
君が彼女を見つめていると、彼女はニッコリと笑った。「この年になると、誰にだってなれるのさ。」
「あんたは魔法使いなのか?」
「そう。」彼女が微笑む。「私の名はブリア。かつては高地ザメンの魔法使いだった。少し前にあそこを離れたのだけど。お前さんのことは歓迎するよ。」ここで彼女が眉を寄せる。「でも、いつもより3倍の図体でここを踏み荒らし続けるつもりなら、強盗に押し入ってきたとみなすからね。そうなったら、もう話はお終い。」
「すぐに切れると思う。」のん気に君が答える。
「それじゃ遅過ぎる。」ブリアは舌打ちをすると、脇の小物入れに手を伸ばしてサイコロのような大きさと形をした何かを取り出した。
「それは?」君が尋ねる。
「巨人の歯だよ。」それを床の上に放りながら彼女が答える。直後に歯から煙が立ち上った…。
小屋のど真ん中に巨人が姿を現すと思い、君はすぐに後ずさった。だが何も起こらない。煙はすぐに晴れ、君も元の姿に戻っていた。
「対抗呪文か!」
ブリアがうなずく。「巨人化の魔法は巨人召喚の呪文で打ち消せるのさ。」
君は新しい対抗呪文を2つも学ぶことができたのだ!


【変化点】
・現在/最大体力:4/17→5/17(食事)→4/17(魔法)
・食料:7→6日分

【対抗呪文】
・JIG⇔Dum
・BIG⇔YOB

【感想】
生前のブリアに会えるのは古代世界で、旧世界ではハーピーに襲われた挙句引き返すことになります。このように、灯台の光の微妙な位置調整が今回の(以下略)。
当初、『chimney』を煙突と訳していましたが、登山などの用語で使われる、縦方向の岩壁の割れ目とした方がしっくりきそうです。
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S3-37 12日目:ロックデーモンの歯と7匹の大蛇の秘密を教わる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

ブリアが君をしげしげと見つめながら急に首を傾げる。「お前さんの荷物からはみ出ているそれは、ロックデーモンの歯だろ?そんなもの持ち歩いてるのかい?」
「これが何の役に立つのか知っているのか?」
「ああ。」彼女が答える。が、その先を進んで語ろうとはしない。
「それで、」君が問いかける。「ロックデーモンの歯は何のために使うんだ?」
「たいていの歯と同じように、」彼女が答える。「召喚の呪文に使うんだ。そのための正しい呪文を知っていればの話だけど。」
「あんたは知っているのか?」君が尋ねる。
彼女が首を振る。「いいや。でも、あの呪文はどれもオリオスとブラックスを使うから、全部同じようなものさ。最初の星だけが変わるんだ、強い怪物ほど強い星へと。だから、その歯には天空で最強の星が使われるんじゃないかね。」
君が乗り気になってうなずいたところで、彼女は君に座るよう促し、彼女自身も腰を掛けた。
「この下の空き地で墓石を見かけたんだが、」君が話題を変える。「何か知っているかい?」
女性が眉をひそめる。「知らないねえ。」彼女が答える。「でも山の空き地は最期の安息地にはうってつけの場所だろうね。そろそろその辺のことも考えなくちゃ。」
老女は急に立ち上がると、サイドテーブルへと向かった。「お茶はどうだい?」
君が礼を言う。彼女はうなずくと、両手に水の入った鍋を挟んで一瞬で沸騰させた。そこにヤギのバターを入れてかき混ぜてから、陶器でできた2杯のカップに注いだ。
渡されたカップを手にして、彼女を注意深く観察する。
彼女は君を見つめ返して笑った。「心配かい?」
「まあね。」君が答える。
「結構。」そう言うと、彼女は椅の背にもたれかかってカップからお茶をすすった。
君もカップを口まで持っていき、ごくごく飲む。お茶は温かく、コクがあり、気分をすっきりさせてくれた。
「外で岩肌に裂け目があるのを見たんだが、あれは?」君が尋ねる。
「沼地へ下る道だよ。」彼女が答える。「あたしはめったに使わないよ。上にまた戻ってくる呪文は骨が折れるからね。下りるのは楽しいのだけど。」
なるほどとうなずく。こいつは興味深い、峰の東へ行く道があるのだ!
急に彼女がしかめ面をする。熱いお茶が彼女のカップのひび割れから滴っているのだ。
「これだから安物は駄目なんだ。」そう不満を漏らすと、彼女は箱からにかわの入った小さな壺を取り出してカップを修繕した。
彼女はテーブルの上ににかわの壺を出したままだ。
「7匹の大蛇のことを何か知っているかい?」君が切り出す。
「大魔法使いの手下だよ。」彼女が答える。「でもあいつらでさえ、この地の酷い呪いの影響を免れられない。あいつらを探しているんだね。」
「奴らを倒すつもりだ。」
「そうかい、」彼女が答える。「あいつらには弱点がある‐見つければ上手く渡り合えるだろう。」
彼女が思いやりのあるまなざしで君を見つめる。「それと、大蛇についてお前さんがたぶん知らないことがもう1つ。」
「それは?」君が促す。
「この土地の生き物達は偶発的にたまたま生み出された。でも全部じゃない、そうなるべくして創造されたものもいる。その元となった姿形は世界中で目にするものだ。大蛇はそういう生き物なんだよ。あいつらの存在は星の配置によって予言されていたんだから。」
「あんたの話は謎かけみたいだ。」君が文句を言う。
「あたしは魔法使いなんだから、」彼女が熱っぽく言う。「それは当り前だろう?星は魔法の源、そして星がもたらす魔法があたしらを形作る。強さと速さと眠りの呪文があり、死と火と思考の呪文がある。これらが全人生を共にしているんだ。」
「それが大蛇と何の関係が?」
彼女が目を輝かせながらにじり寄る。「星々の中に、7匹の大蛇のためだけの呪文もあるってこと。考えてもみな、頭上の天空は地上に存在するものに合わせて配列するんだ。その呪文を知ってるかい?」
「教えてくれ。」君が言う。
「それがあいつらに対して有利にしてくれるわけじゃないけど、」彼女が言う。「役には立つかもしれない。」彼女はテーブルの上に3行の文字を描いた。「その呪文は3つの星、サア、ササーラ、シファクスで編み出される。そして、呪文には具現化のための指輪が必要なんだ、蛇の姿が彫られた指輪がね。」
「こんなやつかな?」君が蛇の指輪を取り出す。
「全くもって、それさ。」彼女がうなずく。
「呪文は何をしてくれるんだ?」
「大蛇に会話を強要するんだ、お前さんの質問に答えるよう。支配も退治もできないけど、それでもかなり助けになるだろう。」
君はもう一度うなずいた。


【変化点】
・現在/最大体力:4/17→8/17(お茶)

【新呪文】
・SSS

【感想】
チベットのバター茶と思われるこの飲み物は実にありがたかった…。
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↑『SSS』が呪文書に!
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S3-38 12日目:対抗呪文の追試を受ける [ソーサリー3:七匹の大蛇]

ブリアが立ち上がる。「お前さんの相手をするのも飽きてきたよ。もう行ってもらおうか。」無遠慮に彼女が告げる。「でもその前に、」彼女が人差し指を立てる。「もう1つ。」彼女が言い添える。「大魔法使いと対決しに高地ザメンへ行くなら、魔法のもっと高度な使い方をもう少し知っておいた方がいいんじゃないか?」
「対抗呪文のことを言っているのか?」
「ご名答。」彼女が微笑む。「組み合わせを見つけて習得するには生涯を費やすことになるけど、簡単なものなら教えてあげられるよ。」
彼女が指輪でびっしりと飾られた指を上げる。そのうちの1つ‐緑色の金属でできている‐が周期的に輝き始める。だがすぐに発動しようとはしない。君が反応する時間を待ってくれているのだ!
「gUm!」
君はテーブルからにかわの壺をひったくると、足の上にそれを注ぎながら呪文を唱えた。ブーツが床に固定されるのを感じる。
魔女は呪文を完成させると、ニヤリと笑って指輪をはめた指で君を指差した…。
君は彼女の魔法をじっと待ち受けた。だが何も起きない。
魔女がうなずく。「上出来だ。全ての魔法には対抗する魔法がある。接着には転送で対抗できる。」
君の呪文も同じように消えていき、ブーツが再び自由に動かせるようになった。
「さあ、準備しな。」ブリアが告げる。手のひらに載せた岩の粉を君に見せる。
「fAL!」
頭上の天体を仰ぎ見ながら呪文を唱える。身体の重さがどんどんなくなっていくのを感じていると、ブリアの石化の魔法が効果を発揮し始めた。2つの力‐1つは君を空気に変え、もう1つは石に‐が君の内でぶつかり合う。
それらは徐々に衰えていき、やがて君の身体はいつも通りに戻った。
ブリアがうなずく。「その通り。軽量化は石化に対抗できる。」
魔女が再び腰を下ろす。「もう十分学んだろう?」彼女が言う。「元気でね。さあ、もうお行き。」
ブリアに別れを告げて小屋を出る。冷たい風がマントを斬りつける。
東の斜面を数個の石が転がり落ちていく。

君は岩肌の裂け目に恐る恐る近づいた。全くの直滑降ではないが、それに近い。地面は数百リーグは下だろう。
岩場の裂け目にもっと近づいて見てみると、近くの岩の幾つかが紫色のオーラを帯びているのに気づいた。その輝きは下の方まで続いている。ここには魔法が掛けられているのかもしれないし、もしくは単に小屋の主が好きな色なのかもしれない。
君は近くの石を手に取るとそれを山腹から投げ落とした。それは思った通りの速さで落ちていき、割れ目の側面で弾むと、途中で粉々に砕け散った。
「GOB!」
袋からゴブリンの歯を1本取り出して地面に放り投げ、それに呪文を掛ける。歯から煙が噴き出すと、やがてゴブリンの戦士が君の前に現れた!
君はゴブリンに、岩の割れ目に入るよう命令した。そいつは危険だという認識もなくそれに従い、君の視界から消えていった。
そいつが落ちていくのを崖から覗き込む。ゴブリンはまるで空を飛ぶ方法を短時間で体得しようとするかのように、小さい腕を空中でバタつかせながら落ちていく。もうすぐ谷底だ…。
…と、ここで急に落下速度が遅くなった。手際よく足で着地すると、そいつは君を見上げて敬礼した。やがて煙とともにその姿が消える。
とても面白そうだ。歯の入った袋をしまう。
小屋からは煙が途切れ途切れに出ている。


【変化点】
・現在/最大体力:8/17→7/17(魔法)
・‐ゴブリンの歯(1本)

【対抗呪文】
・ZIp⇔gUm
・ROK⇔fAL

【感想】
他の重要人物との会話と同様、彼女への質問時間は限られており、全てを聞き出せるわけではありません。他にも、『ZOB』の呪文そのものを教えてもらったり、彼女自身のことを尋ねたりできます(年甲斐もなく彼女は赤面します、笑)。
対抗呪文はうまいシステムだと思います。『mAG』が選択肢になくても対抗呪文があれば対処可能となるので、戦術に幅が出そうです。なおアプリ版では、各場面で使える魔法(原作と同じく5個前後)がそれぞれ異なるのは、場所によって天空の星の配置が変わるからという、もっともらしい理由付けがされています。
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S3-39 12日目:魔法の滑り台でクラッタバク平原に降り立つ [ソーサリー3:七匹の大蛇]

崖の縁から足を踏み出して、ブリアが教えてくれた裂け目へ身を投げ出す。君は山腹を滑り降り始めた。両側の岩肌にぶつかったり擦られたりしながら落ちていく。
目を閉じる。心臓が喉元までせり上がってくる。

死の降下は勢いを増していく。吹き付ける風が君の息を詰まらせる。
死ぬかもしれない。君は残り時間で何とか考えをまとめようとした。
もうすぐ谷底だ。鋭い岩が迫ってくる。

数回鼓動が打つ間に、君の降下は急に緩やかになった。山のふもとにふわりとたどり着く。
石の裂け目の底で立ち上がる。心臓はまだ早鐘のように打っている。生きているのが不思議なくらいだ。
ここの地面は固く岩だらけだが、丘のふもとを離れた所には、歩くのが極めて危険な湿原が広がっているのが見える。
だが君が知る範囲で、上に戻る方法はもうないのだ!
「dOC!」
飲み薬に呪文を掛けると、それは輝いて泡立ち始めた。
魔法の薬を飲む。爽快な気分だ!
旅を続けることにしよう。

平原を横切る。今の時刻は日差しが熱い。
地面の起伏が変わるたびに上り下りしながら前進する。午後は終わりに近づきつつある。
南の遠くの方に何かが見える。人工的なものだろうか、それとも岩が浸食されて偶発的にできた自然の産物だろうか?とはいえ、あれは低い石造建築のように見える。

もっと近くに行くまで、それがどんな構造をしているのか、それが何なのか、君にははっきりとは分からなかったが、それは石の土台の上に建つ廃墟だった。列柱は折れて崩壊している。
手の込んだ柱の彫刻から、それがかつてある種の寺院だったことがうかがえる。だがここは、カーレでズィーター卿を発見した寺院より百倍以上も荒れ果てている。

建物の裏手に回り込む。東側は正面よりもさらに傷んでいる。風が壁の穴を吹き抜けていく。
隅の方に、砂埃の中でほぼ四角形に見える痕跡に気づく。古い石の上にひざまずいて、注意深く指先で埃を払いのける。何かがここにはめ込まれている。
上げ蓋だ!
砂が平原を舞い飛び、君の目に入って一瞬前が見えなくなる。
君は年季の入った上げ蓋の取っ手を掴むと、力を込めて引っ張った。蝶番が軋み、悲鳴のような音を立てる。
上げ蓋が開いた。数段の階段と不快な臭いがあらわになる。そして、下では何か物音がして動いている…。
階下の暗闇を見下ろすと、2つの目が見返してきた。耳障りな息遣いが聞こえる。
「そこにいるのは誰だ?」君が問いかける。
返事はないが、鎖の金属音がする。君は伝説の剣を抜くと、暗い階下へと降りていった…。


【変化点】
・現在/最大体力:7/17→13/17(魔法)
・‐ブリムベリーの搾り汁(1回分)

【感想】
バドゥーバク峰を越える方法としては、今回の石の滑り台だけでなく、かつて橋が架かっていた断崖絶壁から身を投げたり、カリアンマ村の廃坑を抜けたりするルートがあります。どれも魅力的なルートなので、日数制限がなければ(しなければいいだけかも?)、全部行きたいくらいです。
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S3-40 12日目:司祭シャラを地下牢から救出し、スロフの信徒となる [ソーサリー3:七匹の大蛇]

暗闇で視界が覆われて何も見えなくなる。それでも確かに、手が届きそうなくらい近くに誰かの‐もしくは何かの‐息遣いが聞こえる。
鼻栓を鼻の穴に入れるや否や、ほっと安心してため息をつく。
目が慣れてきた。ゆっくりと詳細が見えてきた。君が立っているのは、寺院の基部の中に造り込まれた、明らかに牢獄の類の狭い地下室だ。奥の壁には、髭ぼうぼうのやせ細った半裸の男が鎖で繋がれている。
「信じられん、」彼はあえいだ。「人間じゃ!ああ、わしは人間を目にしておる!」
彼は君に向かって来ようとしたが、足首に巻き付けられた鎖によってすぐに引き戻された。
「あんたは誰だ?」君が尋ねる。
「わしの名は…、」彼が思い出そうと目を回す。「シャラ、そうシャラと申す!ここのスロフの司祭じゃ。」
男はまた君の方に向かって手探りした。目を大きく見開き、興奮のあまり口からよだれを垂らしている。
「誰があんたを鎖で繋いだんだ?」君が尋ねる。
「クラッタマンじゃ。あのくそったれどもめ!」彼が呪いの言葉を吐く。「奴らは寺院を略奪し、値打ちのある物は全て奪っていきおった!おまけに、わしをここに繋いでな!」
「SUS!」
星の光を身体の周りに並べると、なじみのある穏やかな声が君に語り掛けてきた。この地下には危険があるが、それは目には見えず、老人そのものが危険なわけでもない…。謎の伝言を告げると、声は消えていった。
その時、ネズミが地下牢の床を走り抜けた。老人はそれをさっと引っ掴み、2つにちぎって生のままむさぼり食べ始めた。
君がまじまじと見ていると、彼は半分を君に寄越してきた。
だが君は首を振ってそれを断り、古い錆びた鎖に剣を振り下ろしてあっという間に両断した。
男は大喜びで飛び出し、君に腕を回して抱き着いてきた!
「恩に着ますぞ、旅の方!自由になれるとは、ああ何と素晴らしい!」彼は階段を駆け上がって陽光の中に躍り出た。辺りを跳ね回っているのが聞こえる。
君は汚い地下牢を手早く探ったが、何も見つからなかった。もしここがかつて宝物庫だったとしても、男を繋いだ何者かによって、すっかり持ち去られてしまったに違いない。
目を上げると、老人が上げ蓋の縁に手を掛けているのが見えた。君を閉じ込めようとしているのか…?
「やめろ!」君が叫ぶ。
まごついた表情で彼が君を見つめる。「何をじゃ?」
彼は上げ蓋を閉じようとしていたのではなく、単にふらついて身体を起こそうとしていただけだったのだ。
君は階段を上って彼に合流した。

老人が寺院の外で足を組んで座りながら微笑む。「素晴らしい、」彼がささやく。「二度と日の目は拝めぬと思っておった。どうお礼をすればよいのやら。」
「礼ならいらない。」
シャラがうなずく。「お前さんこそ真の勇者じゃ。」彼が祝福を授けるしぐさをする。「スロフの恵みをそなたに。」彼の言葉と共に、身体が癒されるのを感じる。彼は本当に司祭だったのだ!
「スロフについて教えてくれ。」君が尋ねる。「正しい女神なのか?」
「至高の神ですぞ!」彼が答える。「スロフは大地そのものの女神じゃ。この地は呪われたと言われておるが、スロフなしではバラバラになったことじゃろう。」
「俺もスロフの信者になれるだろうか?」
「もちろん!」彼が答える。「わしが信者にして進ぜよう。」
彼は君の額に手のひらを置くと、ぶつぶつとつぶやき始めた。クーガの深い声が遠のいていく!代わりに、スロフの力とぬくもりが君の心に入ってくるのを感じる。
「それはそうと、この地には奇妙な塔があるが、」君が尋ねる。「あれは何なんだ?」
「とても古くてな、」彼がうなずく。「古代人によって建てられたんじゃ。何のためにかは知らぬが、塔はこの地を繋ぎとめていると聞いたことがある。」
「7匹の大蛇を知っているか?」君が尋ねる。
「連中の噂を聞いたことがある。」彼が答える。「恐るべき者共よ。」
「どこで見つけられる?」
男が肩をすくめる。「わしは何週間も地下牢に繋がれておったんじゃ、」彼が答える。「スロフにかけて、どうやってわしがそれを知ることができよう?」
司祭は微笑むとぴょんと立ち上がった。
「ではこれにて。わしは勤めに戻らねばならん。もうずいぶん長く休んでしまったからの。」
彼は寺院の中に入ると、瞑想のために腰を下ろした。
柱の一つが斜めに動いたように見えた-それとも君の錯覚だろうか?


【変化点】
・現在/最大体力:13/17→12/17(魔法)→15/17(スロフの祝福)
・信仰神:クーガ→スロフ

【感想】
さくっと改宗。原作では改宗はご法度ですし、S3-27でも土着の神を信用するなとのヒントがあったのですが、アプリ版のスロフ神は”さほど”問題はありません(全く問題がないわけではない)。
この寺院にはまだまだイベントが残されており、本堂に入ると原作同様に崩壊し、井戸の中では大量の宝石を発掘することができます。今回は日数縛りのため、やむなく割愛…。
ちなみにこの司祭、寺院が崩壊すると、『寺院がなくなった以上、自分はもう司祭ではない』と屁理屈をのたまい、『掴み草のワインや賭博を楽しみたい』と言い残して立ち去っていきます。
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