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S4-100 24日目:大魔法使いの正体を知るも… [ソーサリー4:王たちの冠]

扉は広い図書室に通じていたが、そこは本が散乱してめちゃくちゃだった。
本棚からは本が落ちている。まるで取り壊されたかのようだ。紙が数ページほど床に散らばっている。
その上、大きな穴が塔の壁に開き、瓦礫が積み上がっている。ここで何が起きたのだろう?
本を見て回る。ほとんどは本棚から落っこちた状態だが、何冊かは深い鉤爪のようなもので薙ぎ払われている。
床の上に一冊の本が開いたままになり、ページがパタパタめくれている。題名は『完了の取り消し』だ。
その本を床から拾い上げ、ページをめくる。間違いの訂正や誤りの修正について述べられているが、他者の呪文に対抗したり打ち消したりすることについても触れられている。
見ると、暗闇の呪文が陽光の呪文で対抗できるとある。

それ以上読み進める前に、急に何かが壁の穴をくぐって部屋の中に入ってきた。
その姿は、ほぼ悪魔以外の何者でもなかった。山羊のような短い角を生やし、地獄を思わせる目つきをしている。
そしてその頭には、決して今目にすることになるとは考えもしなかったもの-王たちの冠-が鎮座している。
「お前は何者だ?」君が語気を強めて尋ねる。
「誰だと思う?」怪物が応じる。「大魔法使いは自分の魂の半分を寿命と交換した-貴様を殺せるよう、永らえるためにな。我は奴と取引した、その長命の存在ぞ。」
ほんの一瞬、一対の翼が現れ、そいつの背中を禍々しく飾り、やがて消えた。
「貴様は脱獄したようだが、」悪魔が告げる。「残念ながら遅過ぎたな。我の変身は完了した。古代世界の全てをもって我が空腹を満たすとしよう。」
両腕を開いて呪文を唱えようと試みる。しかし、悪魔が首を振る。「貴様はもう魔法を使えぬ。」
たちまち、星の光のパワーが君から抜けていく。
最後の望みを懸け、穴を背にした化け物に体当たりしようと突進する。
そいつは蹄のある両足を大きく広げると、君を招き入れた-炎、融けた灰、短く鋭い山羊の歯の抱擁の中へ。
君は悪魔と化した大魔法使いに貪り食われてしまった!


【変化点】
・死亡

【対抗呪文】
・FOG⇔SUN

【感想】
悪魔と化した大魔法使い。これこそまさに、原作での呼称『大魔王』がしっくりくる存在です。こうなると、もはやどうやってもかないません。剣を構えると剣を破壊され、精霊に祈ろうとすると精霊を失ってしまいます。
というわけで、記念すべき第4部の100話目で主人公は命を落としてしまいました…。
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↑大魔王「勝ったッ!第4部完!」
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S4-99 24日目:尊い犠牲を払い、脱出に成功 [ソーサリー4:王たちの冠]

ミニマイトを片手ですくい上げる。彼は君の指にきちんと納まっている。
奪われた翼の根元が、君の手のひらでピクピク動いてこすれる。
「恩に着る。」君が告げる。
「そんなふうに言わないでよ。」ミニマイトが恐怖をこらえながら返事する。「死ぬつもりはないさ。落ちる途中で何かを掴むんだ。鳥に掴まってもいいな。そんな感じにするから。」
慎重に狙いをつけ、君はミニマイトを壁の鉄格子目がけて投げた。彼が手足を腹に抱えて丸くなる。
君の狙いはあやまたず、ミニマイトはかすれていく悲鳴とともに消えていった。

君は本当の一人ぼっちになった。それと同時に、星の光のパワーが身体に戻ってきたのを感じる。
「ZIp!」
周囲に星を配列させると、指にはめた緑色の金属の指輪が光を放ち始めた。
突然、君は猛烈な速さで空中を駆け抜けた…。

君は扉の反対側に再び現れた。全てが不思議なほど静まり返っている。
鍵が床に落ちている。そして、君の暗殺者の剣が牢屋の扉に立て掛けられている。
喜び勇んで剣をさっと掴み、鍵も拾い上げる。また投獄されるような不愉快な目に遭った際は、きっと役に立つだろう。
さあ、階上に進むしか道はない。

次第に夜が明けていく中、グルグル曲がる階段を急ぐ。窓の外から、叫び声や鎧のぶつかる音がここまで流れてくる。
窓から顔を出して恐るべき光景を目の当たりにする。眼下の中庭は、戦の準備を終えた兵士でいっぱいだった。その隊列は既に道にあふれ出し、下の町の中にまで及んでいる。その中には、ミュータントや巨人、その他の醜悪な怪物がいる。
奴らは道中のあらゆるものをためらいなく殺戮するはずだ。街は炎を上げて燃え、城壁は破壊されるだろう。

唐突に、階段が石のアーチで終わる。重い木の扉がある。
扉を開けると、そこは本であふれた広い部屋だった。


【変化点】
・+牢屋の鍵:ミニマイトが投獄された内郭にある塔の牢の鍵

【感想】
羽根さえ千切られていなければ!でも、主人公には彼の死を悲しむ暇すらありません。
とはいえ、かたき討ちの機会はいずれやってきます。そして、この牢屋の鍵こそが、冠奪還の文字通りキーアイテムとなるのです。
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↑「君はジャンを手にかけた」「大魔法使いは君を欺いた」辛い状況が次々と突き付けられます。
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S4-98 23日目:ジャンの決意 [ソーサリー4:王たちの冠]

「何故駄目なんだ?」君が尋ねる。
「僕はミニマイトだよ、」ジャンが答える。「ミニマイトのことは知ってるだろ?魔法を学んだ時、一緒に教わったはずだけど?」
「何を教わったって?」
「ミニマイトについて知らないのかい?グレッド様、何てこった!」彼が首を振る。「ミニマイトは魔法使いが最も忌み嫌う生き物だよ。僕らの血には何かがあって、魔法の働きを妨げてしまうんだ。どういう仕組みなのかも、何故なのかも、僕には分からない。でもそうなんだ。」
何かの感情がジャンの顔をよぎる。「シャムタンティの丘で、あんたは僕の命を救ってくれたよね。」
「できることをしたまでだ。」
ジャンがうなずく。「僕を気に入ってくれたとは思わなかったけど、」彼が続ける。「あんたは僕を追い払うこともできたのに、そうはしなかったよね。」
「道連れができるのも悪くはなかったしな。」
「いや、」悲し気に笑いながらジャンが答える。「ただの厄介者だったはずだよ。今もそうだし。」彼がため息をつく。「でもね…。」
「でも?」
「まだ脱出する方法はある。」悲しそうに彼が答える。「ミニマイトの血の効果は、全て距離次第なんだ。それにここにいるミニマイトは僕だけだし。今僕らがどれだけ高い場所にいるか分かる?」
「ここはマンパンで一番高い塔だ。」
彼は何も言わなかったが、壁に開いた鉄格子の方を一瞥したのを君は気づいた。
「君は俺に魔法を使わせてくれないのか?それができないと、俺達はここで野垂れ死にだ。」
ミニマイトが首を振る。「君の魔法を食べるわけじゃない、曇らせてるだけなんだ。それが僕の一部なんだよ。」少し間を置いてそっと付け足す。「僕を信じて。申し訳ないとは思ってる。」
鉄格子を見上げて考え込む。ボールを投げて通せるくらいの幅はある。その向こうは見えないが、虚空があるばかりだ。
ジャンが君を見つめ、それから気付かないほど小さくうなずく。
「何だ?」君が尋ねる。
「まだあんたは思い付いてないかもしれないけど、」ジャンがつぶやく。「でもそうするだろうね。それが正解なんだ。」
不意に、彼の意図を悟る。
「何か他にも手はあるはずだ。」君が彼にささやく。
「僕は飛べないけど、」ジャンが答える。「あんたのためにやるよ。あんたが僕を投げるなら、丸まってボールになってあげる。」


【手掛かり】
・ミニマイトは魔法を邪魔する:ミニマイトの存在は魔法の働きを妨げる。

【感想】
魔法を使うためとはいえ…。原作にも似たような選択肢はありましたが、今回はジャンの健気な姿が光ります。
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S4-97 23日目:脱獄を試みるも、ことごとく失敗 [ソーサリー4:王たちの冠]

「もし本当にいい案がないなら、」ジャンが言う。「楽しむのが一番じゃない?僕、2つ3つ愉快な歌を知ってるよ。」
「どんな?」
「えっ、正気かい?」ジャンがつっけんどんに答える。「すぐに諦めちゃだめだってば。そんなの許さないからね!」足元の床石を華奢な足で踏み付ける。
壁、扉、天井を注視しながら、牢屋中を見回す。ここはかなり頑丈に建てられているようだ。
唯一の開口部は換気用の小さな鉄格子だが、幅は君の握り拳より少し広いくらいで、君の身長の倍以上も高い場所にある。
ジャンが飛び跳ねながら少し近寄る。窓の外から、金属がガチャガチャぶつかる音が漏れ聞こえてくる。
「軍隊が集結してる。」ミニマイトがささやく。「あんたが見つかった今となっては、連中はバクランドへ向けて進軍するだろうね。」
「その後どこへ向かうんだろう?」
「どう思う?」ジャンが尋ねる。「アナランド、ブライス、ラドルストーン、ラムール、どこへでも行くさ。大魔法使いは旧世界全体を統一しようとしているんだ。」
「侵略か。」
「破壊だよ。」彼が壁に近寄って、背中をこすりつける。
「君は何故俺を追ってきた?」
「あんたは王たちの冠を追ってただろ?ミニマイトの助けなしで、どうやって手に入れるつもりだったんだい?」ジャンが肩をすくめる。「言うまでもないことさ。僕達はマンパンに愛着なんてないからね。」

目を閉じて祈るが、何も感じられない。ここには神も精霊も手が及ばないのだ。
ジャンが退屈そうに座る。

肩を硬直させ、肘を緊張させてから、扉に体当たりする。
扉はびくともしなかった。石壁そのものに突っ込んだのと同じようなものだ。
「扉の反対側の鍵穴に鍵が刺さってるのかも。」ジャンがそれとなく言う。
ひざまずいて鍵穴に目を当てるが、何も見えない。塞がれているようだ。

再び立ち上がり、以前アナランドから送られてきた手紙を取り出して、扉の下に滑り込ませる。そして、自分の鍵の一つを鍵穴に突っ込む。
カチンと音がして、扉の向こう側で石床に何かが落ちた。
紙を引き戻す。引っ張っていくと、鍵が扉の下にぶつかってカチリと音を立て、床の上に押し出された。
紙が空っぽで戻ってくる。
「何してるのさ?」ジャンが尋ねる。「そんな紙切れで拭き掃除でもしてるのかい?それとも衛兵が興味を持って扉を開けてくれるとでも?」
「鍵を回収できると思ったんだ。」君が弁明する。
ミニマイトが笑い出す。「そんな間抜けな思い付きは今まで聞いたこともないよ!」彼がゲラゲラ笑う。「もし扉の下に鍵が通るような隙間があるなら、あんたが手を伸ばして取れるじゃないか。何なら僕が這い出せるかもね、羽根もなくなっちゃったし。」

「DOP!」
両腕を広げて呪文を唱える。星の光のエネルギーが身体を走り抜けるのを感じる。
だが何も起こらない。
ジャンがため息をつく。「今は無理じゃないかな?」


【変化点】
・現在/最大体力:10/18→9/18(魔法)

【感想】
ジャンとは気が合ういいコンビなのですが、魔法が使えなくなるのは致命的。
今年こそはソーサリーシリーズを終わらせる所存です。
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S4-96 23日目:ミニマイトのジャンとほろ苦い再会 [ソーサリー4:王たちの冠]

真っ暗な部屋の中で数時間が経過した。君は冷たい石の上に横たわっている。
立ち上がろうとして、骨の髄まで途方もない疲労感に襲われる。
君がいるのは小さな牢屋だ。高みにある鉄格子から、星の光がわずかに差し込む。
壁には百近くの打痕がある。これは君自身がやったのだろうか?ここにどのくらいいたのだろう?
重い扉には格子窓が一つあるが、ぴったり閉じられている。
近くから何かを引っかく音がする。
「誰かそこにいるのか?」君が誰何する。
暗がりから返事はなかったが、引っかく音が近づいてくる。
剣を手探りするが、剣帯は空っぽだった。完全に丸腰にされてしまった。
かなり小さい人影が、ひょろ長い足で近づいてくる。

君は自分の目が信じられなかった。それは、ビリタンティ郊外で出会ったミニマイトのジャンだった!
「ジャン!」
そいつが君を見つめ、それから駆け寄ってきた。華奢な両手で君の足にしがみつく。
「また会えたんだ!」甲高いさえずり声で彼が言う。「あんたの後を追うのがどんなに大変だったか分かってる?」
「一体ここで何をしているんだ?」
「牢屋って意味なら、2,3日前に見つかってからずっとさ。マンパンじゃミニマイトは好かれてないんだ。僕の羽根を千切っちゃうんだから。」ジャンが身体を回転させて、何もなくなった背中を見せる。深い傷がガリガリの肩甲骨の間の肌に走っている。
「何故衛兵は君にそんなことをしたんだ?」
「僕を外に逃がさないためさ。こんな場所で、ミニマイトを自由に走り回らせるわけにはいかないし。」彼がそっとくすくす笑いをする。「でも、もうあんたも同じように放り込まれたわけだから、また一緒にやっていけるだろ?あんたの計画はどんなものだい?どうやってここを脱出しよう?鍵を持ってない?」
「ない。」
「あんたらしいや。」ジャンが答える。
「あの疫病の村人達はどうなった?」ジャンに尋ねる。
彼が肩をすくめる。「彼らは全員、水晶の滝へ向かったんだ。でも僕達がそこに着いた時、魔法はほとんど切れかかってた。何故かは分からない。何人かは救えたんだけど。」
「数人だけなのか?」
「ああ。それで僕は彼らをそこに残して、あんたの後を追ったというわけ。」


【変化点】
・現在/最大体力:9/18→14/18(休息?)

【感想】
S1-39の後日譚がようやくここで聞けました。どういうわけか、肝心なところで水晶の滝の効力が切れてしまったようです。S1-43で主人公がガザ・ムーンの手助けをしなかったから?
今年の更新はこれにて終了です。現実世界はまだまだ混迷中で、疫病に苦しむビリタンティの住民のことも他人事とは思えず。水晶の滝のような特効薬は現れるのか、はたまた今回のように万人には行き渡らずに終わるのか…。
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↑結局囚われの身
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S4-95 23日目:不自然な和解 [ソーサリー4:王たちの冠]

「俺は全て覚えている。」断固として君が言い張る。
「ならば答えてくれ。君に姉妹は何人いる?母親の目の色は?君は何歳だ?答えるのに考え込む必要はないだろう。」
「もう十分だ!」怒鳴り声を上げ、さっと剣を抜く。
大魔法使いが早口でしゃべり出す。明らかに恐怖しているのだ。「君の王は単にわしを殺そうとして君を送り込んだのだと、わしはにらんでおる。王は知ったのだ、マンパン要塞の我々だけが冠のパワーに対抗できると。」
「王を倒すのが貴様の望みか?」
「わしは彼の野望を抑えたいのだ。わしら予言者は見た、アナランドから恐るべき軍隊が立ち上がるのを。そして、アナランド軍が砂漠を一掃し、ラムールや北部を破壊し、さらにカクハバード海を越えて戦火を広げるのを。前を見ても死しか見えず、振り返れば王が失われた冠を手に入れるのが見えたのだ。」
「手に入れた?」
「十年前まで、冠はただの神話に過ぎず、信じる者などほとんどいなかった。」彼が首を振る。「申し訳ないが、アナランド人-あるいは、君が実際は誰であろうとも。君の旅は完全にまがい物だ。冠はアナランドにあり、君はただの暗殺者なのだよ。」
この男は真実を語っているのだろうか?どう反論しよう?
目の端にキツネの精霊の動きを捉えようと仰ぎ見る。だが何もいない。君は孤立無援だ。
「下界の喧騒を離れたこの塔の部屋で過ごすといい。」大魔法使いが続ける。「君が多少なりとも回復したら、君がしたいことが見えてくるだろう。」

こんなことはもうたくさんだ。冠の返還を要求しようと一歩踏み出し、それから立ち止まる。
この行動の根源はどこにあるのだろう?どんな力が俺にこの考えを吹き込んだのだ? きっと大魔法使いが正しいのだ。何が俺を駆り立て、彼に危害を加えようとしているのだ?
君は動けずにいた。大魔法使いが君を見つめる。

少し間が空く。
君は落ち着いて立ち、静かに呼吸している。混乱した精神が次第に晴れてくる。
「自分に強制された命令に打ち勝ちつつあるようだな。」年配の人影が君を見守っている。「そう、一歩ずつでいいんだ。」
「…。」
気が付くと、君は口を開いていた。「礼を言う、大魔法使い殿。長い間道に迷った挙句、故郷を遠く離れてしまっていた。」
彼がうなずく。「そうか、できる限りのもてなしをしよう。」
「感謝の言葉もない。」頭を下げながら君が答える。
大魔法使いが扉を指し示すと、君は部屋を後にした。


【感想】
というわけで、一太刀も浴びせないまま初戦は敗退。おそらく冠の力によるものだと思うのですが、大魔法使いが冠を被っていないのが疑問です。もしかして、素で言いくるめられたとか?
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S4-94 23日目:問われるアイデンティティ [ソーサリー4:王たちの冠]

「俺の時間を無駄にするな。」君が言い放つ。
彼が首を振る。「ここにはないんだ。」
「貴様の手下のバードマン共が盗んだんだぞ。」
彼が身体を前に乗り出す。「そうか?君はそれを見たのか?宮廷に座した君の王の頭から、彼らがそれをむしり取ったのか?」
彼が骨ばった手で指差す。「済まない。君に対してなされたことを受け入れるのが大変辛いのは分かる。だが何となく感じ取れるだろう?自分自身を把握しきれていないと思わないか?」
「何の話だ?」
「君はどこかの段階で呪文を掛けられたのだ。わしにはそれがどんなふうに始まったのか想像がつくがね。最も可能性が高いのは、アナランドでの初日だ。塁壁の近くで君が目を覚ました時、君の意思は既に自分のものではなかったのだろう。その時以来、君はここに向かってわしを倒すよう強制されたのだよ。」
「それが俺の使命だ。」
「さあどうだか。それに、これも考えてみたまえ。」彼が続ける。「君は冠がどんな外観か知っているのか?君が今まで一心に念じながら旅してきたのは、それを見つけるためだろう?君が最初に通り過ぎた村のテーブルの上にあったのに、君は気付かなかったのかもしれないぞ。どうだ?」
「どういう意味だ?」
「つまりだ、君はもう冠を目にしている。あの存在の下にいたにもかかわらず、それを覚えていないのだ。たぶん君はただの夢だったと思っているんだろうが、そういうところが冠のパワーなのだ。冠以外の何が、君をこんなに骨の折れる旅に送り出せるというのだね?」
「俺はあれを見たことは一度もない。」
大魔法使いの声が柔和になる。「ならば、別の質問をしよう。君は自分がアナランド人と呼ばれていると言った、そうだな?」
「それがどうした?」
「友よ。君は今まで本当に、自分自身の名前すら知らないまま生きてきたのか?」
「…。」
彼の言葉が小部屋にこだまする。壁に貼られた紙の図面が震える。アナランド、王、チャウベリーの森での子供時代といった記憶が急に遠のき、単なる断片的なうろ覚えになった。
「…。」
「もし冠に偉大な力があるというなら、どうして我がバードマンは君の王からそれを盗めたのだ?」大魔法使いがそっと続ける。「考えるんだ、アナランド人。自分について思いを巡らせたまえ、それだけだ。わしを倒す前に。」
「貴様は嘘をついている。」小声でつぶやくが、君の信念は揺らぎつつある。
大魔法使いの言葉が、君の精神に小さな千の鉤爪を埋め込んでくる。
この冒険はどのように始まったのだろう?北の居留地の小屋で目を覚まし、剣を帯び、冠の夢を見たところまではいい。 その前はどこにいた?どんな経緯でこの冒険に出ることになったのだ?代わりに何かを十分受け取ったのか?


【感想】
だんだん雲行きが怪しくなってきました。ややメタ発言的な気もしますが、面白いところを突いてきたと思います。
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S4-93 23日目:大魔法使いの一方的主張 [ソーサリー4:王たちの冠]

「冠は他者の意思を操るのだ。」君が答える。
「その通り、だが君はその真理を理解し尽くしていない。冠はグリマルキン、つまり星の光を魔法に注ぐための道具だ。従って、冠は金の装身具で飾られ、骨の腕輪が一列に並び、使用者の頭を布で覆う造りになっている。それによって、賛美・幻影・読心の呪文が生み出されるのだ。」
「あらゆる呪文には対抗呪文がある。」
「個々にはな。だが、全て同時には対抗できぬ。しかも、組み合わさると計り知れない力となる。」
大魔法使いがワインのグラスを置く。「理解したまえ。冠は命令するわけではない。使用者の願望を、周囲の人々の無意識、反射行動、自発性にすり替えてしまう。それ自身は自由な意思に則っているに過ぎないがね。」
「自由な意思だと?」
「君がそれをどう呼ぼうとも-例えば内なる声でも-構わない。霊感を受けたり、夢を見たり、発明したり、そういったことを冠は引き起こす。冠の支配下にある人々は、自分達ましてや他者が操られていることなど知りようもないし、抗うすべもない。王たちの冠は、時が川の流れを方向付けるのと同じやり方で、人々の意思を決定するのだ。」
「ならば、貴様には過ぎた代物だな。」
「それには同意しかねる。」満足げに彼がうなずく。「君には、だ。それ以上に、君の結構な王にもだよ。要するに、誰にとっても過ぎたるものなのだ。」
束の間、彼は妙に悲しげな眼をして間を置いた。
「君はこの冠を求めて長い旅をしてきた、それはわしも知っている。わしが邪悪で暴君だと思い込んでいることも。」「だがわしはそのどれでもなく、衰退したとはいえ高貴な組織である、魔法使いの要塞の大魔法使いだ。それにわしは、無知蒙昧な君が『過去の光の灯台』を使って引き起こした、我が領土の問題を修復しようと日々努めておる。」
「あれらを置いたのは貴様自身だ。」
「そうだ。触らずにおくことで、これまで一万年にわたって人々は庇護を受けてきた。どの塔も施錠されていたことに気付かなかったのか?過去の光は太陽のパワーで焼き尽くすがゆえ、ろ過や測定をせねばならん。それを君は5つの灯台を全開にして、我が大地に浴びせおった。我が人々にだ!」
ほとんど叫ぶようになりながら、彼がこぶしで机を叩く。目の端には涙すら浮かべている。
「他に手がなかったのだ。」君が冷たく答える。
「ここに来る方法が他になかった?自分の御大層な使命のために?それをティンパンの人々に言ってみるがいい。」彼の声は怒りで震えている。
「冠を寄越せ、それで終わりだ。」
「アナランド人、それはできぬ。仮にわしがそうしたくてもだ。なぜなら、わしは冠を持っておらぬし、これまで手にしたこともないのだから。」


【感想】
S4-22でも言及しましたし、主人公の名誉のため何度でも言いますが、主人公が到達した時には既にイシュタラは荒廃して現在のバクランドと化していたので、主人公は無実です!原告の主張(もしくはアプリ版の設定)には矛盾があります、裁判長!
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S4-92 23日目:静かなる開戦 [ソーサリー4:王たちの冠]

屋根裏のような部屋へ続く階段を上る。
そこは、新旧入り混じった天体図-インクがまだ乾いていないものもある-が石壁にべたべた貼られた小部屋だった。
部屋の中央には机があり、その背後にはしわだらけの老人が座っている。その黒髪は長くもじゃもじゃで、羽ペンを手に、入ってきた君を興味深そうに見上げている。
「それで?何か御用かな?」
「冠をもらおうか。」
男が明らかに戸惑った様子で眉を寄せ、それから理解した表情になる。「君が例のアナランド人か。アナルランド野郎その人というわけだ。その変装でわしをだませるなどと思っていないとよいのだが。そんなもの脱いだらどうかね。」
眼前の男は、以前夢の中で遭遇した大魔法使いの淡い影のような姿だ。冠は持っていない。
君が隊長の制服を脱ぐと、大魔法使いがうなずく。
「少なくともわしは君を止めようとはしたのだが、」彼が言う。「それでも君が来ると知っておったよ、もちろん。予言はそんな内容だった。かなり回りくどいものだ。」
しばらく男は黙ったまま、君を悲し気に見つめ返した。
疑念が君の胸に沸き上がり始める。こいつは本当に冷酷なザメン高地の大魔法使いなのだろうか?くたびれて、臆病にすら見えるではないか。
「そちらが遠路遥々やって来たきたのも知っている。」彼が告げる。「さぞ疲れたろう。どうか座ってくれ。それで対等に話せる。」彼が身振りで椅子を示す。
「座るつもりはない。」
まるで君と並んで長い道を歩いてきたかのように、彼がため息をつく。「君がそう望むなら。でもわしが座るのは許してくれたまえ。」
彼が机の上で手を伸ばし、ワイン入れの栓を外して深紅のワインを注ぐ。「君にこれを進めない方がいいのは、わしとて分かっておるよ。」そう言うと、彼はワインに口をつけた。
「冠を寄越せ、それ以外は不要だ。」
「王たちの冠か?」彼がうなずく。「もちろん、」自分の頭を指し示す。「見ての通り、わしは被っておらん。」
「どこにあるか言え。」
大魔法使いがうなずく。何か熟考しているようだ。
「君はわしに多大な迷惑をかけてきた。見ての通り、わしは老いさらばえておる。これ以上老いるのは御免だ。それも君のしでかしたことなのだ。」
「灯台のことか?」
「そうだ。あれはそのためのものだった。」彼がうなずく。「大地は豊穣で、それがわしを維持してくれていた。だが君が、高地ザメンにあった最後の塔を破壊してしまったのだ。自分が何をしたか、それにどういうつもりでやったか、本当に分かっているのか?あの塔は、君が生まれる何千年も前に建てられたものだというのに。」
「時を超える力を得たのは貴様だけではないぞ。」
「それは本当か?」かなり関心がある様子で、彼が反応する。「スローベンを処刑して以来、時は存分にわしの味方をしてくれたのだが。それは興味深いな。」
考え深げに、彼がひたと君を見据える。「アナランド人、君は知っているかね、冠が何をするのか?その力を理解しているか?」


【変化点】
・変装:隊長→なし

【感想】
S4-47で登場した時より老化しているようです。S4-23で灯台を破壊したから?いつか、破壊しなかった場合どうなるのか試してみたいと思います。
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↑やはりこの男が登場!魔力以外に科学力も備えていそうで、マンパンの強大さを感じさせます。
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S4-91 23日目:一気に尖塔の頂上へ [ソーサリー4:王たちの冠]

食堂を後にして、魔法使いの尖塔へと続く大階段の下へ向かう。時刻は真夜中だ。
階段に近いここからなら、その様子がよく分かる。階段は幅が広く、黒大理石に華麗なシンボルが彫刻されている。かなり急勾配なので、駆け上れそうにない。君より背丈の低い者ならば、よじ登るはめになるだろう。

階段を上り始める。ここから中庭全体が見渡せるが、君も同じように丸見えだ。ただ、階段の近くには誰もいない。
このまま進み続けねばならない。ひと月近く歩いてきて、ついにゴールが見えてきた。あの偉大なスローベンドアが、目の前の階段の頂上に立ちはだかっている。あれがおそらく、マンパンやその他もろもろから大魔法使いを守っているのだ。
扉は呪文で守られていると聞く。大いなる危険に備え、決意を固める。
「TOP!」
頭上の天体を調べ、呪文を束ねると、君の手の中の金髪が震え始める。それは次第に輝きを増し、片方は地面にめり込み、もう片方はぐんぐん伸びていった。
一瞬の後に足は地面を離れ、君は空高く運ばれていった…。

塔の成長が止まり、君は大魔法使いの尖塔の上部小塔から少し離れた場所まで到達した。この隔たりの間には無限に近い落差がある。
呪文は長くは続かないだろう…。
投げられる物を求めて背負い袋を開く。
包丁を取り出し、窓に投げつける。
だが、なすすべなく跳ね返された。
次にチャクラムを取り出し、回転させてから投げつける。
窓ガラスが割れ、尖塔の側面に穴ができた。足下で塔が揺れるのを感じる…。
意を決して、窓に向かって飛び込む。
恐ろしい隔たりを越え、尖塔内部のガラスの破片の上に上手く着地する。
立ち上がってガラスの破片を払い落とす。
ここはザメンで最も高い塔の最上階-大魔法使いその人の尖塔だ!ゴールまであとほんの数歩なのだ!

チャクラムを拾い上げ、背負い袋に戻す。
窓から外を見下ろすと、くらくらするほど遥か下に要塞が見える。どこか下の方から叫び声がこだましてくる。
少し立ち止まり、目を閉じてキツネの精霊に祈りの言葉をつぶやく。
ここにいないのか返事はない。それでも気分が落ち着いてくる。
それから扉に手を伸ばし、取っ手を回す。魔法はかかっておらず、呪われてもいなければ、鍵すら掛けられていない。
何マイルもの旅と幾多の困難と苦難の果てにたどり着いた最後の扉は、程よい重みで、そっと押すだけであっけなく開いた。


【変化点】
・-1本の金髪
・-包丁

【感想】
スローベンドアを無視して、大魔法使いの部屋に直接殴り込み!でも、目も眩むような高さで、助走なしで割れた窓ガラスに飛び込むのは、結構ハードルが高いような。
もしここまでにファーレン・ホワイデに会っていれば、何故か彼の死体が扉の前で転がっています。アプリ版ではお役御免のようです。
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S4-90 23日目:隊長毒殺をあえて見過ごす [ソーサリー4:王たちの冠]

食堂の真ん中付近の席で、噂話をしている連中に近づく。その話は君が驚くようなものではなかった。
「死んだんだよ、」彼らが話す。「アナランド野郎がひとにらみするだけで、司令官は倒れたんだ。あのくだらない絵を胸に抱いてさ。」
「それで、今は誰が指示を出しているんだ?」別の者が尋ねる。
別の誰かが不機嫌な隊長を指差すと、他の者が首を振る。「何てこった。そいつは疲れる話だぜ。」

その隊長の隣に座る。「ゴブリン共があんたを毒殺しようとしているぞ。」彼に伝える。
「ゴブリンなら、全員に毒の料理を盛るだろうさ。」隊長が気難しく答える。「あいつらはタマネギを茹でることもできんのだからな。」
「あんたがあいつらのうちの一匹を殺したと聞いたが。」君が続ける。
「俺は連中を何百匹と屠ってきた。」彼が答える。「貴様もそうだろ?」
陰気な隊長のそばを離れる。喚声が拳闘の方から上がる。誰かがノックアウトされて勝者が決まったのだ。

別の席に座って給仕のゴブリンに合図する。そいつは君の前にシチューの器を置いた。
ゴブリンが毒を入れようとしたものと同じに見えてしまい、食欲を失った君はそれを脇に押しやった。

出口へ向かう。
戸口のところで、先ほど君と話したゴブリンが、独りで座っている隊長にシチューの器を持っていくのが見えた。
それをテーブルに置いて去ろうとした時、隊長がゴブリンの手首を蛇のように掴む。「パンも持ってこい。」それだけだった。
ゴブリンがほとんど平静を装えなくなり逃げていく。

隊長がひっくり返ったのは、ほぼ最初の一さじを飲み込み切らないうちだった。顔がみるみる紫色になり、苦しそうにあえぐ。衛兵が群がって様子を見守るうちに、彼は最後の息を吐き出して事切れた。
だが、手当てをしようとひざまずく者は誰もいない。別の隊長がやって来て、彼が完全に死んでいるのを屈んで確認したきりだ。
軽く身体を叩いてからうなずく。「心臓が止まったんだ、間違いない。」
衛兵が2,3人がかりで死体を運び去り、次第に会話が戻ってくる。
隅に寄り集まった3匹のゴブリンが君にお辞儀して、それから調理場へと駆けていった。

食堂の外は、山脈の静寂さに包まれている。2,3人の衛兵が行ったり来たりしている。
すっかり夜になった。どこか安全に眠れる場所を探すべきだろう。空腹なら尚更だ。
毒殺された隊長の死体が、塔の壁のそばに放置されている。怪物か何かが持っていくのを待っているのかもしれない。
死体のポケットをくまなく探り、1枚の紙きれを見つける。
バードマンの手で書かれているが、衛兵隊長に面会するための召喚状のようだ。この男は罰せられる予定だったのだろうか?それとも単に伝令するつもりだったのだろうか?


【変化点】
・+衛兵司令官からの召喚状:カートゥーム司令官と面談するよう、受取人を召喚する手紙

【感想】
公正を期するため、ターゲットの隊長に毒殺の陰謀があることを伝えてやりましたが、やはり助ける価値はなかったようです。ちなみに、強い臭いの毒を選択すると隊長にばれてしまい、ゴブリン自身が食わされて返り討ちに遭います。
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S4-89 23日目:ゴブリン共の悪だくみに加担 [ソーサリー4:王たちの冠]

「その瓶を見せてみろ。」君がため息をつく。
ゴブリンが2本の瓶を差し出す。「見ての通り、あの隊長はシチューを食べようとしているから、あれに毒を入れるつもりだ。俺は以前薬屋に使い走りをした時、これを盗んだんだ。でも使い方をほとんど知らなくてな。」
「俺達の鼻も、あんた達人間や獣人ほど利かないんだ。俺達だとあいつに見破られてしまったかもな。」
君は専門家ではないが、この要塞の奴隷の境遇で育ったゴブリンに比べれば、君の受けた訓練の方が間違いなく優れている。
瓶を嗅ぐと、片方はもう一方よりも遥かに臭いが強いことが分かった。シチューで臭いが誤魔化せるか疑問なほどだ。臭いに鈍感なゴブリンでは、この2つの違いは明らかに判別不可能だ。
もう片方は甘いナッツの香りで、特に即効性のある系統に属している。これなら誰にも気付かれずにすり抜けるだろう。
「それで、」ゴブリンが君を急かす。「どっちがいいんだ?」
君が臭いの強くない方を推すと、それはすぐにシチューに混ぜられた。
「残りの瓶はあんたが持っていってくれ。」ゴブリンが君に瓶を押し付ける。「それが俺達から見つからない方がいいからな。さあ、あいつの食事を用意してくるぞ。」
そう言うと、ゴブリンはシチューを手に角を曲がって消えた。
君も食堂へと戻る。

拳闘が開催されている、壁のそばの開けた場所へ向かう。
そこでは衛兵達が大きな輪になって立ち並び、素手で戦う二人を観戦している。力強いアッパーカットが入り、一方が床に倒れると、群衆が歓声を送る。
背の高い女が静かにするよう合図する。
「血濡れの傑作、ウルムリック!賞金を持っていきな。さあ、小休止したら次の戦いが始まるよ。さっさとエールを飲んで、賭け金を賭けとくれ。」
主催者にあいさつすると、彼女は君の背中をポンと叩いた。「あたしらみたいな下級兵と仲良くしてもらえるなら歓迎だよ!賭けるかい?それとも出場する?」
「観戦しているだけだ。」
「そうかい。」彼女は肩をすくめると、他の者からの賭けに応じようと背を向けた。
対戦が始まると、それは急所攻撃が多用された血なまぐさいものだった。最後に、獣人の女がくずおれ、歓声が上がる。
賭け金が精算されると、主催者は別の挑戦者を求めて辺りを見回した。
「どんなルールなんだ?」
「あんた、頭が弱いのかい?どちらかが倒れるまでどつくだけさ!さあ、賭けるか出場するかして、さもなきゃどいとくれ。」
主催者が出場者へ張り上げるしわがれ声を聞きながら、食堂の中央へと戻る。


【変化点】
・+毒薬

【感想】
賭けたり拳闘に出場したりして(女バードマンなどと対戦)、それなりに稼げますが、真っ当なエージェントなら、大魔法使いのお膝元まで来てさすがにそんなことはしないでしょう。
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S4-88 23日目:ゴブリン共の悪だくみを看破 [ソーサリー4:王たちの冠]

広間の中央に戻る。ここではエールが十分に振る舞われ、多くの衛兵は賭博や談笑をするか、取っ組み合い寸前になっている。
他人の注意を引き付けないようにしながら部屋を目で探る。
隊長が一人で座り、シチューに顔をしかめている。広間の向こうでは、拳闘を観戦する衛兵の輪ができ、賭け金が行き交っている。
一匹のゴブリンが広間の裏手にある掛け布の向こうに滑り込んだ。尾行されていないか警戒した様子だ。どこに行くつもりなのだろう?ぶつぶつ不平を言う声が聞こえてくる。
爪先立ちでホールの奥へ向かう。

裏手には3匹のゴブリンが集まっていた。そのうちの一匹が2本の瓶を手にしている。
「駄目だ、」一匹がキーキー声でうなる。「そいつは緑色に色が変わっちまう!」
「よう、」ゴブリン共に声を掛ける。
「俺達は何もしちゃいない!」一匹が言い、互いに身を寄せ合って後ずさる。
「何故こんな所に隠れているんだ?」
「休んでるだけさ。」ゴブリンがむきになって言う。
「こんな裏手でか?」
「そうさ、いつもそうしてる。」
「その瓶に何が入っているか言ってもらおうか。」
ゴブリンがため息をついて、両手に持っている瓶を掲げた。明らかに、毒特有の金臭い臭気がする。
ゴブリン共は君がそれを毒と認識したと気付き、目を丸くした。「説明させてくれ。」
「そうしろ。」
そいつが深いため息をつく。別の一匹がそいつの手を握り締める。
「これは毒なんだ、その…、あの気難しい隊長に使うつもりだったんだ。」
「何故?」
ゴブリンが歯ぎしりする。「お前達衛兵のせいだ。お前達は気晴らしで俺達に残酷なことをしやがる。まあ、それはいいさ。でもあいつは、奴だけは度が過ぎている。一週間前、俺達の実の妹が奴に飲み物を届けた時、それをこぼしちまったんだ。するとあの隊長は、剣を抜いて妹を斬り殺しやがった。立ち上がりさえせずにだぞ。」
「だからといって、殺人は正当化されない。」
「これは仇討ちなんだ!」そいつが甲高い声で叫ぶ。「正義は俺達にある!あの隊長はあんたらの側からしても病的なんだ。あいつが完全に独りぼっちで座っているのが見えるだろ?自分の部下にも冷酷なのはあんたも知ってるはずだ。」
「続けろ。」
急にゴブリン共が本題に入ってきた。「俺達を助けてくれないか?」小柄なゴブリンが言う。「俺達は毒に詳しくないんだ。」
「お前達は俺が今まで見た中で、一番見どころのない暗殺者だな。」
ゴブリン共が肩をすくめる。「誰だって最初は駆け出しから始めるだろう?」


【感想】
ゴブリンにも情状酌量の余地ありの模様。
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S4-87 23日目:衛兵の歌い手から羊の子守歌を教わる [ソーサリー4:王たちの冠]

パチパチと燃え盛る暖炉の近くに座る。色んな階級の衛兵が火を囲っている。彼らは黙ったまま座り、黒い短髪の衛兵の深い歌声に耳を傾けている。
それは羊を寝かしつけるための子守歌のようだった。
立ち止まって調べに聴き入る。

 優しき雄羊よ、頭を垂れよ

衛兵が低い声で歌う。暖炉の炎がメロディに合わせて踊っているかのように揺らめく。
歌を聴くうちに、いつの間にかうたた寝しかかっていることに君は気付いた。

ため息のような息遣いとともに衛兵が歌い終わり、物思いにふけるような静けさが下りる。
歌を聴いていた他の衛兵と一緒に拍手する。
歌っていた衛兵が少しお辞儀する。「ある旅人が俺に教えてくれたんだが、」彼が語る。「美しい歌だと常々思ってたんだ。」
別の衛兵が腕で彼をつつく。「焼き立てのパンみたいに甘い奴だぜ、あんたは。」別の者が彼にエールを手渡す。

少ししてから、歌い手に近づく。彼は火のそばで足休めしながら、考え深げにエールをすすっている。
「いい声だな。」
衛兵が肩をすくめる。「そうかもな。それが何か?」
「あの歌についてもっと教えてくれ。」
歌い手が答える。「何を教えればいい?あれは西スラム街に伝わる古いマンパンの歌なんだ。あれを知らないなんてむしろ驚きだ。」
「魔力があるのか?」
彼が笑う。「みんなあれを聴くのが好きさ、もしそれがあんたの言ってる意味ならな。でも本当の魔法かというと、もちろんそうじゃない。俺は魔法使いじゃないんでね。」
衛兵がマグからグイっと酒をあおり、立ち上がる。「一たび巡回の任に付けば、俺が一番うまくやれるんだぜ。」彼が少しふらつくと、周囲がどっと笑う。
彼が去った後、隣の衛兵の腕を軽く叩いて尋ねる。「塔について何か教えてくれないか?」
「何だって?魔法使いの尖塔のことか?何が知りたい?」
「大魔法使いは今まであそこから出てきたか?」
「何故俺に聞く?」衛兵が答える。「グレッドのお陰で、俺は今まで奴を見たことはない。もし目にすれば若さを吸い取られるって話だ。年を取るわけじゃないが、子供の頃のことを忘れるんだとか。」
「扉を使わずに中に入る方法はあるのか?」君が尋ねる。
衛兵が肩をすくめる。「もちろん、バードマンは窓から出入りしている。お前も翼を生やしたらどうだ?」
「スローベンドアはどんな風に鍵を掛けられているんだ?」
「魔法さ。」そいつが答える。「攻撃と防御の呪文で呪われているんだ。呪文が決して途切れないのか、それとも扉は永遠に封印されたままなんだろう。」
衛兵は君の質問で明らかに動揺し、足早に去っていった。
君も立ち上がり、暖炉から立ち去る。


【手掛かり】
・スローベンドア:スローベンドアは恐ろしい魔法で封じられている。

【感想】
S3-61で会った魔女ディンタインタの助言がここでつながります。この歌の由来がマンパンの西スラム街というのがポイントで、つまり西地区で出番があるということ。
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S4-86 23日目:魔法で食堂中の衛兵を躍らせる [ソーサリー4:王たちの冠]

食堂の外観は大きく、入り口は片開きだ。中では、あらゆる階級の衛兵がテーブルの席でひしめき、獣人、オーク、人間の誰もが、シチューの器を前に背を丸めて食事している。酒で酔っ払って、食堂中をふらついている者もいる。
変装が通じるよう祈りながら、ここに入れるか試してもいいだろう。

衛兵でごった返す大食堂に入る。
君が入った瞬間、沈黙が下りる。一人が君を見上げる。
「隊長殿ですかな?」上から下まで君をじろじろ見ながら、男が尋ねる。
「いかにも、」君が応じる。「この辺りは初めてだが。」
「おかしいな、」男が答える。「それなら誰かが俺に言いそうなものだが。」
この男が何者なのか悟って気が重くなる。奴はここの隊長で、間違いなく君の変装を見抜いたのだ。
君が笑うと、そいつも笑い返した。それからパンの厚切りを君に向かって払い落とす。「奴を捕らえろ。」
衛兵の集団が君の方へ突進してくる。戦闘になったら敵いそうもない…。
「JIG!」
竹笛を引っ張り出しながら呪文を唱え、演奏を開始する。果たして呪文がこんな大勢に効くのだろうかと君が思った時にはすでに、連中は踊りたい気持ちで一杯になっていた。
たちまち足踏みや舞い踊る人々が食堂中に増殖していく。

演奏を続ける。その光景や音は、君が今まで旅して見てきたどれにも似つかない。衛兵どもは、まるで今までの人生で一度も踊ったことがないかのように、あるいは何かに興味を持ったことがないかのように踊りに熱中している。
ある者はテーブルや椅子をなぎ倒しながら、床でクルクル舞っている。二人一組になって踊っている連中もいる。ある衛兵などは、相手に情熱的なキスすらしている。君が荒々しい旋律を吹くたびに、彼らの兜がぶつかり合う。
全てが気ままで混沌として美しかった。マンパンでは何世紀もの間見られなかった、あるいは極めてまれであったろう光景だ。

君はなおも演奏を続けたが、衛兵達は体力の限界だった。一人また一人と踊りから脱落していく。
呪文は効果が弱くなってからも長い時間続いた。彼らを躍らせ続けたのは、彼ら自身の心から来る感情だったのだ。
君はもう少しで大笑いしそうになった。マンパンの大食堂でこんなことをやらかしたのだから!

最後には、君の周りには笑顔の人々が残った。
なおも衛兵でごった返しているが、軍隊というよりも普通の町の光景に近い。テーブルがゆっくりと元に戻されていく。
君の変装に騙された数名が、通り過ぎる君に会釈や挨拶を寄越してくる。


【感想】
時の大蛇ですら従わせたJIGだけのことはあります。
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S4-85 23日目:隊長に変装し、内郭の中庭を横断 [ソーサリー4:王たちの冠]

カートゥームが倒れると、残りの衛兵は逃げ去った。
司令官の身体を探り、数枚の金貨を見つける。
奴の机を調べるが、ほとんどの紙は軍需品の徴発令で、さほど興味を引かれない。
その時、狼の鎧の明細書が目に入る。ヴィック・センシェルの連署がある。
これによると、マンパン要塞はすでに多くの鎧を購入した上、さらに何百も発注したようだ…。

ふと、壁に掛かった武器を見上げる。かなり立派な長剣がある。もらっていくことにする。
開いたままの衣装棚に、一番の発見があった。隊長の完全な制服一式だ!
君の身体にも合いそうだ。

今や君は隊長に変装した。
ここはぐずぐずしていていい場所ではない。目を閉じて、キツネの精霊に祈りを捧げる。
新しい階級を楽しみながら、部屋を出る。

司令室の戸口から外に出る。熱い太陽もこの場所を暖かくしてはくれない。
ここはマンパンの魔法使いの尖塔の下にある広い中庭の東端だ。衛兵があちこちをうろうろしている。
少し離れたところに、塔の入り口の扉へと続く幅の広い階段が連なっている。司令室の扉の隣には鉄の扉があり、中庭の南端へと続いている。
首を伸ばして魔法使いの尖塔を見上げる。古ぼけてろくな修繕をされていない低層階が張り出しているため、その最上部はここから見えない。
階段の一番上には印象的な扉があるにもかかわらず、誰も出入りする様子がない。間違いなく、あそこにスローベンドアそのものがあるのだ。島のように、離れて孤立した場所のように見える。
ここから階段を眺めると、象で大魔法使いの扉まで乗り付けられそうなほど幅が広い。

変装のお陰で安全だと信じて、広場の中央に踏み込む。太陽が沈み始め、空気が冷たくなってくる。
脂ぎった濃厚な匂いが北の方から漂ってくる。だがここで最も印象的なのは、奥行き深くそびえ立つ、尖塔の扉へと続くあの階段だ。
階段の反対側には、木でできた断頭台がある。十字型に交差した切り込みがあり、深紫色のシミがこびり付いている。その用途は明らかだ。
巡回兵の一隊が広場をのしのしと横切り、南の鉄の扉から出ていく。

騒がしい建物に近づく。衛兵向けの大食堂だ。
太陽が地平線に向かって沈んでいく。


【変化点】
・現在/最大体力:5/18→10/18(祈り)
・金貨:102→108枚
・+長剣(+2)
・変装:なし→隊長

【感想】
以前どこかでコメントしましたが、アプリ版では、第2部で登場したヴィックがマンパンを訪問中です。正直これでは、呪われたバクランドを遥々旅した主人公の苦難が茶番に感じられてしまいます。もちろん、彼が大事な取引先としてバードマンに運んでもらえた可能性はあるのですが、それでも彼がカーレの掌握もそこそこにあの街を不在にするとは到底思えません(そもそも、カーレをゴブリン軍に乗っ取られて落ちぶれても、やはりマンパンにさくっと登場)。さすがにこれは改悪でしょう。何でもかんでも盛り込み過ぎやって!今回は彼の居場所を避けて誤魔化しましたが、そのせいで金の卵でおなじみの商人ナイロック(ヴィックの商談相手)を登場させられませんでした。
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S4-84 23日目:肖像画を焼かれて激高したカートゥームを返り討ち [ソーサリー4:王たちの冠]

牢獄からの階段を上り、扉を開けて、司令官の執務室に直接踏み込む。ここには大勢の衛兵が詰めている。カートゥームが鋭く君を見上げる。
「HOT!」
火球を絵画に打ち込む。それは爆発して灰と煙と化した。
司令官が狂ったように絶叫し、自ら君に向かって突進してくる!

<第1ラウンド>
カートゥームが君に呪いの言葉を吐く-旧世界の最暗部へ行ってしまえ、と。最初に、奴にこちらを警戒させようと鋭い突きを入れる。奴が自分の身を守る。
「貴様の手間を省かせてやろう。」カートゥームが提案する。「さあ、掛かってこい。」

<第2ラウンド>
カートゥームは吼えながら突撃すると、自分の机を破壊しながら剣を振るってきた。容赦なく斬り返し、奴をその場に釘付けにする。君の振りは深く、奴の斬撃よりも遥かに優れていた。君の剣が相手の脇腹に深く埋め込まれ、奴のマントに赤い血がにじむ。
カートゥームが剣をずらし、身体の前で交差させる。

<第3ラウンド>
君が再び前に出ると、カートゥームが後退しようと身構える。
奴が握りを回転させるたびに、剣がきらめく。

<第4ラウンド>
決意を胸に、攻撃のペースを維持しながら相手のバランスを崩し続ける。力任せに奴の胸を切り裂くものの、カートゥームが素早く脇に避けたため、傷はごく浅い。血が胸から滴り落ち、奴が毒づく。
「貴様は腕のいい戦士だが、全体としてはエネルギーの無駄遣いだ。」君の方が勝っているにもかかわらず、カートゥームがあざける。「お前を訓練した者が誰であろうと、そいつは失望するだろうな。」

<第5ラウンド>
部屋の奥に飛びすさり、身を低くする。一方、奴は傷口から出血している。攻撃が当たる前に飛び退く。奴が寛大なまでに笑う。
カートゥームが武器を頭上に掲げてにじり寄って来る。

<第6ラウンド>
突破口を感じ取り、それを活かして剣を振るう。奴の肺から息を吐き出させようと胸を狙うものの、相手の動きの方が速く慎重だったため、防がれてしまう。
カートゥームの息が短いあえぎになってきた。実際のところ、奴は君と戦うには年を取り過ぎている。
奴が剣をひるがえす。

<第7ラウンド>
相手の口角に浮かんだあざけりから攻撃を察知し、防御の構えを取る。奴の振りが君の左脇腹をかすめるが、ほとんど無傷だ。カートゥームが抜け目なくうなずく。
「そのざまで、貴様は自分が剣士だとうぬぼれているのか?」後ずさりして息を切らせながら奴が尋ねる。

<第8ラウンド>
攻撃の時だ。体力を抑えながら、剣を低く速く突き出す。だが、攻撃は相手の剣で弾かれ、甲高い音を立てる。奴がニタリと笑う。息が絶え絶えにもかかわらず、今の攻撃では傷ついていない。

<第9ラウンド>
次の瞬間、素早く巧みな攻撃でカートゥームが迫って来る。剣を構えて防御の体勢を取って待ち受ける。相手は全力ではなかったものの、君をよろめかせるには十分だった。「指揮系統には敬意を払うことだ。」奴の打撃が腰に響く。さらに、空いた方の手で部屋の向こうまで突き飛ばされる。
カートゥームが剣を握り直す。

<第10ラウンド>
渾身の速さとパワーで薙ぎ払う。奴がバランスを崩し、動きが緩慢になる。そのまま剣を深々と突き刺す。
倒れながら、肖像画のあった壁を見上げて奴が一言つぶやく。「セレスティン…。」


【変化点】
・現在/最大体力:13/18→10/18(魔法)→5/18(戦闘)

【感想】
火球を本人ではなくあえて女性の絵にぶつけるという、主人公の鬼畜の行い再び。カートゥームは衛兵司令官だけあって、かなりの強敵!戦闘も長丁場となりました。
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S4-83 23日目:ガラス瓶を使って脱獄に成功 [ソーサリー4:王たちの冠]

床の上を急いで移動し、瓶が牢屋の縁から転がり落ちて視界から消える直前に、辛うじて掴み取る-それと同時に、自分自身が転がり落ちることもなく。
息を整えるのに少し時間を掛ける。
これは遥か昔にワイン貯蔵庫から取り出された瓶だろう。ラベルは反りかえって薄くなっている。
だが、それを持ち上げて口に持っていこうとして失望する。コルク栓はすでに腐ってしまい、中身はとっくに蒸発していたのだ。
震える指で瓶を挟んで持ち上げ、床の敷石に激しく叩き付ける。
ガラス瓶が手のひらサイズの破片に砕け散ると、君は目を輝かせた。腰を落として、ガラス片が手のひらの間に来るようにしてから、紐を切るために骨の折れる仕事を始める。
こんなやりづらい姿勢では、間に合わせの刃物を持ち続けるのは困難だ。それでも何分も格闘した結果、紐は擦り減ってきた。
力いっぱい引っ張ると、紐はついに千切れた。次に、不潔なさるぐつわを外す。
君は今や自由だ-概ねは。次は扉を開ける必要がある。
「DOP!」
星の光を身体の周りに並べ、扉を指差す。微かにカチッと音がして、扉が開く。
外ではヴォルキムが眠っている。

廊下を忍び足で進み、眠っているヴォルキムのそばまでたどり着く。
素早く周囲を見回し、君の荷物が入れられた箱の場所を確かめる。
鍵が掛けられている。鍵はヴォルキムの膝の上に置かれている。
奴が完全に目を覚ます前に、近くにあった剣で斬り捨てる。
安堵の息を吐き出す。
ぼろを着たみすぼらしい囚人が2,3人、通り過ぎる君を見上げる。彼らの目に自由への希望が灯る。
ヴォルキムから牢屋の鍵を手早く盗み取り、君の荷物の入った箱を開錠する。
箱の底には小さな金貨袋がある。それももらっていく。
部屋には他に興味を引くものは見当たらない。
他の囚人達をそのままにして、牢獄から外に出る道を急ぐ。


【変化点】
・現在/最大体力:13/18→12/18(魔法)
・+元の持ち物
・ヴォルキムの鍵:牢屋の鍵束
・金貨:97→102枚

【感想】
というわけで、原作のように瓶から精霊が出てくるわけでもなく、いたって物理的かつ古典的な(でも理にかなっている)方法で脱出しました。アプリ版のこの変更は、原作経験者なら十分楽しめると思います。
ここで囚人達を脱走させると、内郭で暴動が発生します。巻き込まれて死ぬのを回避することは可能ですが、幾つかのイベントをスキップする流れになるため、今回はスルー。
また、魔法を使って眼下の建物群(マンパンの中枢大学の東区画)へ降下する脱出ルートもあります。
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S4-82 23日目:虚空の牢獄 [ソーサリー4:王たちの冠]

衛兵どもはぶつぶつ文句を言いつつも、君を牢屋まで引っ張っていった。
そして、君を縛ったまま持ち物をはぎ取り、それらをヴォルキムのそばの箱にしまう。
振り返りもせずに連中がその場を去ると、ヴォルキムは再び居眠りを始めた。

君はマンパンの牢屋の中で、冷たい石の床に横たわった状態だ。ここは地下ではなく、逆に山の岩の斜面そのものを削り出して空中に建てられている。一方の壁は金属の格子で塞がれ、その反対側は遮るものが何もなく、ただ遥かな落差だけが待ち受けている。
冷たい風が牢屋の縁からわらの束を引き抜きながら、君に吹き付けてくる。
牢屋には他に何もない。囚人を長い間収容する意図はないのだ。彼らは速やかに処刑されるのだろう。
戒めを解こうと無駄な足掻きをするが、固く結ばれて解けない。
身体をもぞもぞ動かして縁ににじり寄り、遥かな眼下を覗き見る。
そこには、要塞で君が今まで見た中で最も奇妙な区画が広がっていた。壁で囲われた庭の類だ。ドームやピラミッド型の神殿が密集し、石の通路でつながれている。建物群は星の閃光を浴びてパチパチ音を立てている。君のほぼ真下には大きな水晶のドームがあり、中では人影が動いているようだ。
ドームを見下ろし続けた君は、すぐにそれが君自身の姿がガラスに反射したものだと気付いた。敷かれたわらの上に伸びて、あちこち転がってみるが、その光景で余計に悲しくなる。
立ち上がろうとするものの、手足を背中で縛られたままではそれも難しい。次に、座ろうとして、足を身体の下にもってくる。そこから再び立ち上がろうと試み、よろめいて頭から倒れ込む。
支える手を出せず、額を粗い石の床で打ち付ける。そのまま転がっていき、危うく牢屋の開口部に近づいてしまう。
通路に面する壁の中央にある鉄格子の扉に這い寄る。格子は太く、造りは粗雑だ。もし手が縛られていなければ、片手を通すことはできるのだが。
ヴォルキムを呼ぶ。しかし、さるぐつわをされているため、くぐもった声しか出せない。彼女のいびきだけが聞こえてくる。
今の状況は絶望的だ。隅に積まれた干し草まで這っていき、身体を休ませる。
だがくつろげそうもない。何かが君の背中に当たっているのだ。
あちこちと身体を動かして、それを干し草から取り出す-ガラス瓶だ。
カラカラ音を立てながら、牢屋の縁の方へ床を転がっていく。


【変化点】
・-全ての持ち物

【感想】
さるぐつわは、カートゥームと面会する際に一時的に外してもらえただけで、今はまたはめられているようです。
そしてここで、原作の戦士ルート攻略の必須アイテム、あの瓶が登場!?
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S4-81 23日目:内郭の牢屋に投獄される [ソーサリー4:王たちの冠]

「そのロケットをどこで手に入れた?」カートゥームが詰問する。
「屋外だ。」君が答える。
「どこの?」奴が叫ぶ。「さあ早く言え!」
「カーレだ。」
奴が首を振る。「では何か、貴様はカーレのドブで拾った代物をわざわざここまで持ち歩いてきて、自分の自由と引き換えにしてくれと言うのか?」
「もちろん情報も持っている!」
「貴様はセレスティンのことを何も知らぬ。」奴はぴしゃりと言い切り、手を伸ばして君の首から鎖を引きちぎった。
「この虫けらを摘まみ出して、」カートゥームはうなると、親指を動かして合図した。「牢屋へぶち込め。」

頭を建物の骨組みにぶつけながら、狭い通路を引きずられていく。
やがて、薄暗い牢屋を一望する円形の部屋に出た。
一匹のホブゴブリンが椅子でうたた寝している。衛兵の一人が彼女を蹴って目を覚まさせる。
「ヴォルキム!お前に囚人をくれてやるぜ。」
ヴォルキムは看守に違いない。彼女は5つの鍵束を耳に開けた穴に通している。両手には、どういうわけか骨の中に棘を埋め込み、そのうちの一つで自分の鼻をつついている。
そいつが伸びをする。明らかに半ば眠っていたのだ。
「ナッガマンテのところには行ったのかい?それか、司令官のところに?」
君が苦痛に顔を歪めるふりをする。
衛兵が首を振る。「司令官がこいつをお前に引き渡したんだ。」
ヴォルキムは椅子から動こうとしなかったが、大きな鍵を束から外して衛兵に投げ渡した。「あたしゃツイてるね。右から二番目だよ。」


【変化点】
・-ロケット

【手掛かり】
・セレスティンの肖像画:君はセレスティンの肖像画の入ったロケットを入手し、そして失った。それはカートゥーム司令官が自室の壁に掛けた絵と同じものだった。

【感想】
今回は投獄されるルートを選びましたが、他にも色々あります。
・正直:屋外/シャムタンティの丘で見つけた→女性の居場所は知らないと回答 →スローベンドアや大魔法使いに関する知識を教えてくれた後で見逃してもらえる
・嘘①:屋外/カーレで見つけた →投獄(今回)
・嘘②:女性からもらった→カーレorバクランドで会った →場合によりけり
・嘘③:女性からもらった→彼女と恋に落ちた →即決闘
・その他:ロケットだけ渡して何も教えない →正直コースと同じ
嘘②は色々なバリエーションがあって、主人公がセレスティンと出会ったのは彼女がカーレで経営する宿に宿泊したからだとか、女剣士となった彼女と剣を交えたからだとか、主人公が嘘八百を並べ立てても、多くの場合でカートゥームは信じてくれます(笑)。ただ、彼がマンパンにいることを彼女が知っているかのような嘘はさすがに見破られ、断頭台送りにされてしまいます。
Sorcery! 4_Screenshot_2020.10.03_17.17.13.jpg
S2-55のヴァンゴーンと同じ絵面。
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↑アプリ版では、セレスティンは愛想の良い(宿屋の?)女主人との設定
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